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校長室から

455 ハラスメント(24.7.16)

 最近、焼肉というものを食べていないような?カルビ以上にハラミが好き!内臓系のハラミは、適度な脂肪分で比較的あっさりした味わいです。鮭にもハラミがあり、お腹の骨がある部分を指します。一方、骨のない部分はハラスと呼ばれますが、これもまた大好きです。

 話は変わりますが、「フキハラ」という言葉を聞いて、何を思うでしょう?「不謹慎な発言ハラスメント」とか「きれいにテーブルを拭き取らないことへの不快感」とか?「腹」のことではないと思いながら、「不機嫌ハラスメント」のことと知ってビックリ!

 ハラスメントとは、相手の嫌がることをして不快感を覚えさせる行為全般を意味しますが、最初に社会問題として取り上げられたのが「セクハラ」(セクシャル・ハラスメント)だったように思います。21世紀になって「パワハラ」が登場し、その後「アカハラ」「マタハラ」「カスハラ」などが認知されます。このほかにも、望まない飲酒関連で「アルコール・ハラスメント」や性別に関わる「ジェンダー・ハラスメント」、年齢や世代間のギャップに起因する「エイジング・ハラスメント」など何でもあり状態!

 そして、今回の不機嫌ハラスメント。フキハラとは、不機嫌な態度をとることで相手を不快にしたり、過剰に気を遣わせたりするなど、精神的な苦痛を与えることだと説明しています。これは、本人の意図の有無に関わらず起こるわけですから厄介です。上司であれ同僚であれ、はたまた家族であっても、不機嫌な時はありますし、それがハラスメントとされたらたまったものではありません。言ったもん勝ち、泣いたもん勝ち?対等あるいは均衡がとれた関係が基準となって、そのバランスを一方的に崩す行為に対する不快感であれば理解できますが…。不機嫌さを出すことすら禁じられたら、逆にそれが不快で病んでしまいそうです。「逆ハラ」だぁ。もしかすると、寒くてつまらない冗談を聞かされて不快だったと、「サムハラ」「ジョウハラ」なんていう裁定が下るのでしょうか。難しい世の中です。

454 ついてますよ(24.7.12)

 暑い日は、午前中は頑張って庭作業などするものの、午後には全身に疲れが出て外に出たくなくなります。座布団を二つ折りにして枕代わりで昼寝です。元気だったころの父が、寝そべってテレビを見ていた姿と重なります。

 熱中症警戒アラートが、午前中の早い時間から発令されると、教育活動や遊びに影響が出ます。水の中とはいえ、水泳指導を中止と判断することも多くなります。必然的に、教室で過ごさざるを得ない時間も増えることになります。そして、どの教室もエアコンがフル稼働です。でも、校舎2階と3階では暑さが違いますし、棟によっても違いがあったり、部屋によって効きが悪かったりする場合もあります。そんな状況において、学校評価に次のような意見がありました。

*熱中症警戒がニュースで言われているような日でも、教室の冷房がついていないなど、暑さ対策の基準が時代遅れのように思う。

*冷房を入れる基準の温度をこれまでより低くするなど、早々の対応を望む。

 まず言えるのは、エアコンの冷房を入れるための基準はないということです。先に触れたように、教室によって体感温度が違います。また、その時だけでなく、前後の活動内容や実態も違いますから、ほぼ稼働させた状態であるといえます。子供の健康が第一。ただし、25度設定でも十分涼しく感じる部屋もあれば、18度にしても効きが悪いときがありますから、冷房がついていないと勘違いしてしまう子がいても不思議ではありません。特別教室へ移動して学習している学級もたまにあるくらいです。芸人 とにかく明るい安村さんのネタのように、「エアコン?安心してください。ついてますよ」と笑って言えればよいのですが…。

 今日、5年生の林間学校2日目を迎えました。雨の中であっても、笑顔で帰ってくるのを楽しみにしています。そして、キャンプファイヤーに登場した火の女神様の印象を尋ねてみます。

453 今日の天気は?(24.7.11)

 朝起きて、カーテンを開けると青空が見える日はうれしい気持ちになります。反面、外出が躊躇われますが、出勤しなくては…。外に出て涼しく感じる日はよいですが、6時半でアチ~という日は徹底して日陰に沿うように歩きます。陽が高くなるにしたがって日陰がなくなっていきます。だから、午後に出張がある日はげんなりした気分。でも外回りや屋外の仕事の人、学級担任など、暑かろうが寒かろうが関係ありませんから、文句を言ってはいけません。

 昔は夕立があって虹が立つことがよくありました。夕立は、土臭いにおいも一緒に運んできました。でも現在は、夕立なんて生易しいものではありません。線状降水帯の発生が河川の氾濫にもつながって、私たちの生活を脅かします。だから、梅雨や台風、秋の長雨の時期になると気が気でない人も多くいると思われます。市川市にも江戸川をはじめ、国分川、真間川、大柏川、春木川など河川が流れています。何十年も前には、床上浸水などで舟が出た地域だってあります。

 こうした川が「一級河川」「二級河川」と呼ばれますが、違いは何なのでしょう。川の大きさ、あるいは水質の善し悪しのランクのようなイメージを持っていましたが、実際は災害レベルにより分けられていると知りました。洪水や高潮などの災害が発生したときに想定される人命や資財などの被害が大きく、経済や国土保全の視点から重要であると指定されたものを「一級水系」。この一級水系に関係ある河川のうち、国土交通大臣が指定した河川が一級河川と呼ばれるそうです。一方「二級河川」は、「二級水系」のうち都道府県知事が指定した河川を指すといいます。まるで用水路のような川に一級河川の看板が掲げられている理由がやっとわかりました。

 さて、今日から一泊で、5年生が河口湖方面への林間学校に出かけました。6時半という朝早い集合でしたが、誰一人体調を崩すことなく、貴重で楽しい体験をしてきてほしいと思います。そして、活動しやすい天気であることを願います。

452 夏の定番(24.7.10)

 キャッチコピー「日本の夏 金鳥の夏」と謳うように、渦巻き型の蚊取り線香の匂いを嗅ぐと夏を感じる昭和世代。でも、娘や息子は嫌いだったようです。「金鳥の渦巻」が誕生したのは、1902年といいますから明治時代です。ただ、パッケージデザインはほとんど変化していないようで、シンボルである鶏の絵の下方に創業者の名字「上山」とあること、知っていました?

 夏の定番の一つは、かき氷やアイス類。名糖ホームランバーとメロンボールのシャーベットを懐かしく思うのは私だけではないと思いますが、最近登場した北海道ヤギミルク、バナナ豆乳、宮崎マンゴー、あまおういちごと聞いて、アイスの商品名がわかる人がいたら凄いと言わざるを得ません。実はコレ、愛犬用アイス「ワンワン君」なのです。ペットの栄養管理し監修のもと、味づくりに多くのワンちゃんに協力してもらったという、「ガリガリ君」で有名な赤城乳業アイスドリーム研究所が開発した商品です。アイスを通じて日常をもっと豊かにしたいという理念が、遂にペットの領域にまで及んでいるのです。こんな「あそびましょ」という企業スローガンを、学校の中にも生かしたいと思います。そのためには、豊かな発想を声にできることが大事です。

 一方、夏の音の代表といえば、セミと風鈴を思い浮かべます。残念ながらどちらも私の耳には届きません。風鈴市や風鈴祭りが開催される地域は、全国各地にあるようです。目にも耳にも涼やかな風鈴は、猛暑・酷暑の夏を少しでも快適に過ごすための先人の知恵といえます。娘が数年前に行ったという川越・氷川神社の境内には、約1500個もの色鮮やかな江戸風鈴が飾られるといいます。縁結び風鈴と呼ばれるのは、風鈴を鳴らす風が人の想いを運んでくれるからなのでしょう。

 ある日の新聞投書欄に、風鈴の音が苦手な人の思いが綴られていました。風鈴独特の音に心臓がバクバクして頭が割れそうになるといいます。ネット上には同じような悩みの書き込みも見られるようです。多くの人にはよい匂いである石鹸や柔軟剤などの香りが、一部の人は不快と感じてしまい、体調不良を起こす「化学物質過敏症」がありますが、風鈴の音もこれと似ています。だから、涼やかな音色に苦痛を感じる人もいるということを知っていることが大事だと思うのです。

451 鮮明に…(24.7.9)

 何歳の時に観たテレビ映画だったか、『小さな恋のメロディー』には、憧れにも似た不思議な感覚が今も淡く記憶の底に残っています。様々な映画やドラマを見て、いろいろな経験を積んでも、思いもかけないことからある記憶だけが鮮明に浮き彫りにされる瞬間があります。

 同じように、何の因果関係もなく突然思い出すことというものがあります。例えば、体毛が生え始めて恥ずかしかったころのこと。中学校に進学してからの僅かな期間を剣道部に在籍していました。剣道着の袴から出た脛に毛が生えているのが見えて恥ずかしかった思いが蘇ります。腕はさほど濃くありませんが、脛毛は黒々としていきます。自分が思うほど人は気にもしていないのですが、やはり思春期ですから…。腋も同じ。半袖のシャツの袖の奥に視線が集まっているようで…。ただ脛毛は、脱毛せずともジャージで擦れたのかどんどん消えていった20代。今ではお情け程度に残っているだけで、つるつるすべすべ。

 暑くなってTシャツや短パンのお世話になるようになると、毛むくじゃらの腕や脚の男性を見かけるようになります。私の父は濃かったので、毛ガニみたいでした。先日も自転車に乗る男性の腕が、刺青と見間違うような体毛に覆われていました。それを目で追いながら、最近では体毛豊かな人を見ることが少なくなったことを感じます。以前なら考えられなかった男性の脱毛、メンズエステ。髭の濃い先生が、子供に「髭ジョリ攻撃」と言って頬ずりしていた光景は、今では体罰・セクハラなど指導が不適切だと言われかねません。

 日本の場合、髭を剃る=身だしなみを整える、という考え方がありますが、イスラム文化の国では髭の考え方が異なります。髭を生やすことは、イスラム教徒の生活規範であり、ある意味義務ととらえられています。スポーツを観戦していると、中東の選手は全員といってよいほど立派な髭を蓄えていることがわかります。当然、腕だろうが脛だろうが脱毛なんて無縁なのでしょう。

 ちなみに、「ひげ」を漢字変換すると、文字が3つ表れます。「髭」は口ひげ、「鬚」は顎ひげ、「髯」は頬ひげというように、ある程度形よく整えられたものに対して使い分けるようです。へぇ~。

450 電車(24.7.8)

 放送機器にぶつけて痛めた足指は、未だに腫れが残っています。足をケガしていることに最初に気づいた子は、今でもその部位に目をやりながら「治った?」と心配そうに尋ねてくれます。独自の感性に驚きと期待感が大!

 期待感といえば、本校卒業生でサッカーで活躍する木村誠二選手が、パリ五輪代表メンバーに選ばれました。大会前は難しければ報告会でもよいので、学校に招いて話をしてもらう場を設けたいものです。

 先日、車のコーティング・メンテナンスのために、予約した店舗に出かけました。カウンターで店員を待っていると、立てかけてあった割引サービスに目が行きます。シニア割引という文字に吸い寄せられて説明を読むと、60歳以上とあるではありませんか。艶が濃くなったボディを見ながら、年取ることは悪いことばかりでないと、ささやかな幸せを感じたのでした。

 自宅の最寄り駅近くの踏切で通過電車を待っていると、普段と形の違う特急電車がゆっくり走り去ります。特急電車が走る路線ではないので、ホームに停まっている目新しい車両を改めて確認して、見間違いでないことを知ります。すぐに、スマホで情報を検索しましたがヒットなし。何だったのだろうと、今も不可解でなりません。

 ところで、家族と話をしている中で「E電」というワードが登場しました。聞いたような気がしますが、その詳細が思い出されません。日本国有鉄道(国鉄)時代に「国電」という略称がありましたが、1987年の民営化に伴ってJR東日本が決めた国電に代わる愛称だったようです。響きがよく、親しみやすいという理由で、公募20位だったにもかかわらず「E電」が採用されたようです。しかし、浸透せずにいつの間にか使われなくなってしまいましたから、その言葉すら知らない人は多いはずです。

 似たようなことが、現在の都営大江戸線でもありました。一旦は「東京環状線」とされ、「ゆめもぐら」の愛称まで決まったけれど最終的には採用に至りませんでした。また、私が乗る東武鉄道も10年前、船橋駅から大宮駅までの路線で「アーバンパークライン」という愛称が導入されていますが、口から出るのは相変わらず「野田線」ばかり。定着?それとも消滅?

449 星に願いを(24.7.5)

 大谷翔平選手30歳の誕生日の今日、6年生は国会・科学技術館見学に出かけます。東京タワーでは、約600段のオープンエア外階段を上る子もいるようです。東京の景色を眺め、心地よい風に吹かれて上る15分弱といいますが、ただひたすら速く上ることに傾注して、大人が思うほど景色を楽しむ意識はないのでは?引率は、6年生の書写授業を担当する島野教頭にお願いして、私は大きく手を振りながらバス3台をお見送り~。

 明後日は七夕。こども百科には、“昔、中国から日本に伝わった星祭り。彦星と織姫という男女が、天の川を挟んで向かい合っていて、1年に一度、7月7日にだけ会えるという言い伝えから祭りが始まった”とあります。今の時期、20時ころに東の空を見上げると3つの明るい星が見られます。「夏の大三角」です。そのうちのベガが織姫であり、アルタイルが彦星にあたります。天気がよい日に、星空の観察をするのもよいと思います。5年生の林間学校では、キャンプファイヤーの前後にきれいな星空が見られるはずです。

 さて、リサイクル倉庫前に置かれた3本の笹竹に、短冊を飾るために休み時間のたびに子供たちがやってきます。書かれる内容は二分されるような気がします。一つは自分自身に関すること。試験や成績に関する内容に紛れるように、「あがり症がなくなりますように」という願い事。発表会などが近いのかもしれません。「好きな人と両想いになれますように」と書かれた短冊は高学年女児ではないかと推察します。「凄いこと、起きてください」の凄いことが、喜ばしいことだと嬉しいですが、「大地震が起きませんように」というような災害であってほしくありません。

 もう一つの傾向は、家族への思いがこもった願い事です。「弟がすくすく育ちますように」「お兄ちゃんが大学に行けますように」「おばあちゃんが元気になりますように」と愛情溢れるメッセージがたくさん。「ママとパパがいつまでも生きていますように」というのは子供の切なる願いでしょう。親の私は、自分たちより早く子の命の火が消えることのないように願うばかりです。

 熱中症で具合の悪くなる子が出ませんように!今日6年生全員が無事笑顔で戻って来ますように!直近の願いです。

448 髪(24.7.4)

 その昔、「抜け始めてわかる、髪は長~い友達」というCMで、「髪」という文字の右上3本の払いが徐々に抜けていき、「長」と「友」の文字になる映像は、なぜか未だに映像として頭の中に残っています。だから、まだ習ってもいない「髪」という漢字を覚えられたような気がします。

 俳優の野村周平さんが起用された、美容クリニックのCMポスターを電車で目にしました。「20代の額のM字」という文字に敏感に反応してしまいました。だって、高校生くらいから剃りを入れなくても十分ツッパリに見えた私です。先生になってからも「Mっパゲ」なんて子供との掛け合いの中で言われました。ポスターを見ながら「そうかぁ、M字部分が拡大して全体に広がって、薄毛が進行していくんだぁ」と他人事のように思ってしまいます。40代になって悩む野村さんが、タイムトラベルして20代の自分に忠告するTVCMがあるそうなので、見てみたい気持ちが膨らみます。ただ、専ら録画による番組視聴なので、いつCMに出会えるかは定かではありません。

 ある日、3年生の英語会話学習を見に行った時、「色」について勉強しているところでした。「Blue」と言われたら自分の持ち物で青色のものを探します。赤、緑、黄色と続き、「Black」が示されました。思い思いのものを掲げたり指さしたりしている中、先生は両手を頭に手を置いて「ほらっ、ここにも」と気づかせようとします。そして、一瞬の間をおいてから、後ろで見ている私と目が合って爆笑しながら謝っています。謝られても困ります!私の頭だって一本一本見たらちゃんとブラックですが、やさしい3年生はすぐさま励まし(禿げ増し?)の言葉をかけてくれました。そんな中、黒混じりのベージュをブラックだと勘違いする子が現れなければよいのですが…。

447 アナグラム(24.7.3)

 スーパーの一角にオロナミンCが特売品として積まれています。その価格表示の上に小さく「7/3はオロナミンCの日」とあります。「元気ハツラツ!」というメッセージのもと登場したのが1965年。2011年に累計販売本数三百億本を突破したのを記念して、製品名にちなんで「(オロ)ナミ(ン)の日」で今日7月3日を申請・登録したといいます。どうでもよい雑学です。

 さて、「しんぶんし」や「たけやぶやけた」は上から読んでも下から読んでも同じ文句になる「回文」という言葉遊び。これに対して、ある言葉や単語の文字を並び替えることで、別の意味を持つ言葉や単語を作る言葉遊びが「アナグラム」と呼ばれます。「ある日」を「アヒル」、「コインだ」を「大根」という感じで読み替えるわけです。五十音を使ったいろは歌は、日本でもっとも有名なアナグラムであり、最高傑作といえそうです。

 先日の読売新聞『編集手帳』を見ていたら、松尾芭蕉の「古池や 蛙とびこむ 水の音」を並び替えた、「わずか見む ふやけ男の ビイトルズ」という川柳が載っていました。その翌日の朝日新聞『天声人語』には、「田中角栄」を「内閣変えた」としたアナグラムが掲載されていて、偶然とはいえびっくり。また、新聞投稿欄にも時々見られるアナグラム。これを考える人の頭って、どういう構造をしているのだろうと思ってしまいます。長短関係なく、固い頭には難しいことこの上なし!そこで、頭の体操だと思って、「①押すな!」「②うそ、若い!」「③本来、真夏!」(“あそトピ・AsoPPA”より)の3つに挑戦してみてください。

 大きな房州びわがスーパーに並んでいる時期がありました。おいしいけれど高価。ただ、食べると口の中や喉がイガイガしたり痒みや腫れが出たりすることがあるそうで、花粉症とも関係があるアレルギーだといいます。ほとんどの場合、時間とともに消失しますが、稀にアナフィラキシーを起こすこともあるというので知っておくに越したことはありません。少し前に、山梨の小中学校で給食に提供されたびわで、百人以上にアレルギー反応が出たといいます。こうした報道のあと、献立に採用されなくなってしまうのがちょっと残念かな。

 というわけで、先ほどの問題の解答ですが、「①素直」「②かわいそう!」「③つまらない本」となります。もしかすると、違う言葉にもなることも考えられるかなぁ。

446 落語(24.7.2)

 4年生は、ちょうど今国語科で『ぞろぞろ』という教材を通して、落語の面白さを感じ取ったり落語に親しんだりする学習を始めました。子供たちが小さな落語家となって、皆の前で落語を上演することもあります。平田小では、林家のん平師匠が卒業生ということもあって、例年講師としてお招きしてきました。

 少し前の給食の放送では、落語の内容を語って聞かせました。『死神』という話。掃除の時間に、「今日の話、面白かったです」と、笑顔で言ってくれた高学年の子がいます。一方で、「オチがよくわかりませんでした」という声もあります。確かに、語りによって情景を思い浮かべられるようにしたかったのですが、うまくいかなかったようで残念です。そこで、敢えて前回も落語に挑戦しました。演目は『寝床』。すると、「○○のところでドッと笑いが起こりました」と、すぐに子供が教えてくれました。

 このように、落語は見るものというより、聞くもの・想像するものです。話し手の言葉やしぐさから、自分の頭の中に映像を描く格好の教材。話し言葉は一瞬で消えてしまいます。ですから、聞き手はその言葉を逃さず正確に聞かなければなりません。そうすることで、自然と聞く態度も身につくといえそうです。落語を楽しみながら聞き上手になれるというわけ。

 ただ、放送での語りの場合、身振り手振りや表情、目線なども大事にする寄席の落語とは違って、声の抑揚と間の取り方だけで、子供のイメージを膨らませ、頭の中に絵を描かせなければなりません。こう考えると、非常に難しいことに挑戦していることに気づきます。だからこそ、「面白かった」と言ってもらえることは最高のご褒美であり、私自身の成功体験だといえそうです。

 初夏の読書週間は6月で終わりましたが、これをきっかけに落語の本を手に取ってくれる子がいたらうれしいです。寄付してもらった本の中にも、子供向けの落語の本を見つけました。今後4年生の教室を覗くと、堂々と落語を演じる場面に出会えるかもしれません。

445 半夏生(24.7.1)

 島野教頭が、先日ぼそりとつぶやいた一言。「着任した当初は、7月を迎えられるなんて思えなかった」と。あまりの忙しさと終わらない仕事に、このまま永遠に4月が続くように感じられたのでしょう。今年度着任した教職員も、まずは運動会まで全力疾走して息を整え、改めてそれぞれの山を今登っている最中。5年生は来週、林間学校に出かけますから、1学期のピークといえます。誰も疲れがたまってきますが、子供に向ける笑顔だけは輝きを失わないようでありたいと思います。

 ところで、1年で昼間が一番長いのが夏至(先週21日)です。この日から七夕頃までの約2週間が「夏至の期間」とされ、夏至から数えて11日目の7月2日頃からの5日間を「半夏生」と呼びます。諸説がありますが、農作業の大切な目安として、田植えは夏至のあと半夏生に入る前までに終わらせるのが良いとされました。そして、無事に田植えが終われば田の神様に感謝をする行事を行うのです。

 そんな夏至の頃に食べるとよいとされる食べ物に、関西ではタコという風習があります。「稲の根が、タコの足のように四方八方にしっかり根付きますように」とか「稲穂がタコの吸盤のように豊かに実りますように」との願いが込められているわけです。京都では「水無月」という和菓子が好まれ、6月30日に食べるそうです。これによって、残り半年間の無病息災を祈願するのです。このほか、香川の「うどん」や福井の「焼き鯖」、三重の「みょうが」などがあるのです。恥ずかしながら、数年前に「水無月」を食べて、こうした風習を知った次第です。

 半夏生も数ある雑節の一つ。馴染みのある雑節といえば、節分・彼岸・八十八夜・入梅・土用などがありますが、知らず知らずのうちに生活に深く根づいています。これを機に半夏生について理解を深めるのもよいと思います。今年の半夏生は、今日7月1日。タウリン豊富なタコで疲労回復といきましょうか?夕飯はタコ料理をリクエストして、平田小の校章やOB会名に使用される「稲穂」の豊かな実りを祈願!

444 今日はこんな日(24.6.28)

 6月最終登校日の今日、「444号」になりました。これを縁起が悪いとみるか、三重のしあわせとみるか。ポジティブに行きましょう!

 さて、平田小「まるごと図書館」に集まっている本を、図書室の本などと区別するために、専用のシールを貼るとよいのではないかという職員のアイディアから、子供のイラスト原画を募集する手紙を配付したのが一昨日のこと。7月8日締め切りですので、多くの応募を担当者も願っています。9月頃から徐々にスタートして、子供や保護者、教職員で創り上げ、更新されながらずっと続いていくものにしたいと思います。

 学校だよりでも触れたとおり、ゆとろぎの部屋(スペシャルサポートルーム)に今日エアコンが入ります。エアコンは普通教室と使用頻度の高い特別教室には優先的に入りますが、ゆとろぎはその対象ではありません。しかしながら、担当者が常駐して教室以外の居場所となる教室が暑くてたまらなければ、行きたくても行けなくなってしまいます。だから、要望を形にしてくれた市教委の英断に感謝です。したがって、工事により今日はこの部屋の営業はできませんので、一時的にPC室をSSRとします。

 また、市政90周年を迎えたことを多くに知らせるために、第1校舎の屋上に横断幕設置の予定でしたが、雨天により来週になりました。この90周年関連行事の一つに、子供たちが作る「缶バッチ」もあります。平田小の順番は、10月初旬になっています。

 さらに、5,6年生は着衣泳を行う予定でした。暑くなるにしたがって、水の事故の報告が増えます。事故から身を守る、あるいは事故に遭ってしまったときに自他の命を守る術を、地域スポーツクラブの協力を得て学ぶのです。衣服を着たままだといかに水の抵抗が大きくて動きにくいかがよくわかります。また、助けが到着するまで衣服に空気を入れて浮いている方法やペットボトルを浮き輪にして漂う方法など、万が一を想定した危機意識を養い、緊急対応の術を身につける絶好の機会でしたが、こちらも雨により…。

 晴雨関係なく、6年生は卒業アルバム用の個人写真を撮影します。私も写真を撮ってもらうので、ネクタイと上着を用意して、髪もしっかり整えて臨みます。今日はオールバックの気分!

443 アウトレットモールにて(24.6.27)

 ユーチューブで「北欧暮らし」を観るのが日課になっている妻は、生活の中に北欧のエッセンスを取り入れようとしています。例えば、調度品を求めてイケアに行くことも。ムーミンのマグカップや皿に料理が盛られてテーブルに上るのもその一つでしょうか。現代的な北欧デザインのiittala(イッタラ)のグラスとともに買った、ARABIA(アラビア)というフィンランドのブランドです。時々新しい商品がないかと足を運びます。

 オープンスクールの振替休業日は真夏の暑さで、熱中症による救急搬送も多かったと聞きます。暑いし、平日で空いていそうなので、この日もアウトレットに朝から出かけて避暑&ウィンドウショッピングです。停め放題の駐車場からモール内に足を踏み入れて、最初に入ったのが、前回来た時にはなかったカプセルトイ専門店。今やアウトレットにまで進出する勢いです。ガシャポンの種類が豊富で、見て回るだけでわくわくします。私の好きな焼きトウモロコシの粒も指輪になっているではありませんか。その名も「コーン焼く指輪」など3~4種類あって、ユーモアたっぷりです。商品によってはその場で組み立てて、いくつかある専用の背景の中に置いて写真まで撮れるという企画もあります。池袋サンシャインシティにある「ガシャポンのデパート」には、なんとトイ機が三千台もあるというから驚きです。見て回ったり探したりするだけで疲れてしまいそう。テーマによって分類表示がしてあるとよいのにと思うことが時々あります。

 結局、Tシャツを買って昼には引き上げて、いざうなぎ屋へと車を走らせました。久しぶりの贅沢に笑顔がほころんだところに、「これっ、ひと月早い土用の丑の日の先取りね」という声。よく、うなぎ屋から立ち上る煙の匂いだけでご飯が食べられるなんていいますが、次に食べられるのはいつかなぁと思うだけで、しばらくは頑張れそうです。そうは言いながらも、チェックのために回ってきた7月の給食メニューに「うなぎ」の三文字を探そうとしている私。

442学校、そして子供の未来(24.6.26)

 先週土曜日のオープンスクールには、たくさんの参観者で教室が溢れるほどの盛況でした。ありがとうございます。また、家庭から図書類をマルチルームに運んでくださる方も多く見かけました。今後夏休みの面談やPTA活動など、何かのついでで構いませんので、引き続き「まるごと図書館」への本の寄付にご協力ください。

 授業参観後の4時間目に、除草作業もありました。なかよし広場や緑門周辺など見違えるほどきれいになりました。赤門脇の小山でも作業をしています。その時、ふと不安がよぎったのです。移植したクリスマスローズとスミレのことが…。作業終了後に確認しましたが、きれいになっていました。誰でもわかるように表示札を立てておかなかった自分のミスです。仕方ありません。根が生きていたり、こぼれダネから芽を出したりする生命力に期待です!

 雨が降った翌日は、朝から市川工業高校のグランドで野球部が水溜まりの整備をしている姿を見かけます。トンボで均したりスポンジで水を吸い取ったり…。小学校のグランドは、ダストなので水はけがよいですが、運動会前やサッカーの試合前には、ちぎれたマットレスや雑巾、バケツを持ってみんなで作業したことを思い出しました。

 さて、学習教材として実物に勝るものはありません。学級担任として、できるだけそうした実体験を通して、問題意識を膨らませて学習を組み立てるようにしたつもりです。実物が無理なら模型。場合によっては、映像や写真資料です。今では書画カメラやタブレットで子供のノートも小さな写真も大きく映し出して、みんなで共有します。プロジェクターだって当たり前ですが、昔はスライド写真を使ったり、16ミリ映写機で見せたり…。この映写機を使うには免許のようなものが必要でした。そして、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)も大活躍でした。透明シートにカラーペンで文字などを書き、教室備え付けのロール・スクリーンに映し出すのです。拡大コピー機などありませんから、手作りの資料を大きく映して授業を展開するには有効な機器でした。

 これから先、子供たちが古い記憶を紐解いたときに、コロナで制限されたことだって「そんなことがあったね」と言って懐かしむことになるはずです。そんな十年後、二十年後といった子供たちの未来が楽しみです。

441 ご注意を!(24.6.25)

 先週の給食中の放送を終えて、マイクの前から去ろうとした際、放送室にある機器の脚に右足薬指を強打!放送室は上履きを脱いで入るので、痛いのなんのって…。足を引きずるように校長室へ戻りました。しばらくしも痛みが引かないので、靴下を脱いで見てみると青黒く変色しています。ズキズキと痛むので、保健室まで湿布薬をもらいにいくのも回転いすに座って片足で漕ぐように移動。念のため帰宅途中に病院を受診しましたが、受付から受診まで2時間半は長かった!家でも足指をぶつけることはよくありますが、要注意です。

 ヒビが入っていて、革靴を履いて歩くと患部に痛みが走ります。したがって変な歩き方で速度もゆっくり。駅から家まで普段の倍の時間がかかり、年配のおばあちゃんにも追い抜かれる始末。歩みがゆっくりなお年寄りの気持ちになれましたし、「もう歩きたくない」と幼児のようなわがままを言いたい気分にもなったのでした。翌日から右足にサンダルを履いて、2日間だけ汗知らずの快適マイカー通勤となりました。

 さて、暑い日に限って、鞄に扇子を入れ忘れます。駅に着いて額や首、頭頂などあらゆる場所から噴き出る汗をぬぐいながら、改めて扇子忘れを後悔するのです。携帯扇風機を首から下げたり手に持ったりしている高校生を見て羨ましくなります。

 そんなある日、何気なくインスタを見ていると、現役消防士が電気機器の火災の危険性について呼びかける動画がありました。モバイルバッテリーと携帯用扇風機に使用される充電式バッテリーに注意が必要だといいます。通常使用では問題ないものの、地面に落としてしまったり衝撃を与えてしまったりしたものは、爆発の可能性があって大変危険なようです。過充電についても警鐘を鳴らしています。便利さの中に潜む危険が、身の回りにはたくさんありそうです。

440 変わる学校(24.6.22)

 教員採用試験を前倒ししたり、選考方法や優遇措置を設けたりして教員の確保に躍起となる教育委員会。私が教員になった40年前は、逆に先生になりたいけれどなれない人が多かった時代。「久しぶりの新採」と言われて、戦力外の私を皆がかわいがってくれた時代。当時、土曜日も毎週午前中授業で、午後からは部活動をガンガンにやりました。その後、1992年秋から第2土曜日が休みになり、3年後には隔週土曜日が休業に。毎土曜日が休みになったのは2002年。早いものでそれから22年です。

 この間、学校での印刷は大きく変わりました。今では全校児童分のプリントであってもほんの数分で終わります。でも、昭和の印刷といえば謄写版(ガリ版)です。原稿は、蝋塗りの原紙に鉄筆で文字や絵をかきます。わら半紙の上に原紙を置いて、その上にインクを付けたローラーを転がすと、鉄筆で削ったところにインクが滲み通って印刷されるのです。この原理を利用して大量の部数を短時間で印刷できたのが「輪転機」。40年前は、ボールペン原紙を機械に取り付けてハンドルで回して刷るタイプでした。別に「青焼き」という機械もありました。どちらも大変時間がかかります。機械が1~2台しかありませんから、誰かが印刷していると次に印刷できるのはいつになるかわからないのでした。ワープロやパソコン、タブレットの登場により劇的な進化しました。「進歩は不便から」を痛感します。家庭に普及した「プリントゴッコ」だって、似たような昔話の世界。

 先日の同窓会の会場に、持ち込まれた思い出の品の中に文集がありました。小3のときのクラス全員の詩を綴った中に私の書いた詩を見つけました。結構な厚みですが、全部先生が時間をかけて印刷していたことに敬意を表します。子供を思ってこその為業です。ただ残念なことに、先生が愛情を注ぐほど子供は受け止めてはいません。子供が書いたりまとめたりする力を育てるために、卒論と題した原稿用紙百枚以上の調べ学習の課題が、6年生の別のクラスであったといいますが、担任の悪口以外聞かれませんでした。

 今日のオープンスクールでは、昔と今の学校の違いを探してみるのも面白いかもしれません。

439 ショッピング(24.6.21)

 今年度もリサイクルステーションの壁面に、家庭学習コーナーが登場しました。3年生以上のノートが紹介されています。オープンスクールでは、ぜひご覧になってください。その中に「全国ご当地ベア」に関して調べたことが掲示されています。「へぇ~」と思いながら検索してみると、本当にいろいろあるから驚きです。ちなみに千葉県のご当地ベアは4種類。落花生を抱えたものや特産の枇杷や梨にちなんだもの、千葉ロッテマリーンズのユニフォームを着たマー君!北海道エリアは18種類、東京は10種類もあります。最近登場した「鹿児島・西郷隆盛ベア」はインパクトあります。こうした仲間たちは、各地の駅・空港・高速道路などのほか、ホテルや観光地の土産店で購入できるというので、意識して探してみます。

 

 さて、以前よりネットで買い物をすることが増えた気がします。ポイントが付くことも多いので、店舗で実勢価格を調べてからネットでの検索。割安感は有利に働きます。ネットオークションもたまに利用します。ただ、どういう購入手段をとっても物流サービスとは切っても切り離せません。ヤマトや佐川、JPなどの車やバイクが運んでくれます。日時指定が定着し、恐縮しながら再配達を依頼する手間がなくなりました。また、最近の家は荷物用ポストが最初からあるので、荷物を受け取る側とドライバー双方にとって便利この上ない。我が家の場合は「置き配」指定することも時々あり、配達員の負担軽減に努めているつもりです。ただし、先のご当地ベアはネットではなく、やはり実際にその地へ行って手に入れてこそ価値があると思う考えはもう古い?

 先日初めてネット上のフリマに出品しました。相場を調べて、それよりも安く価格設定したせいか、買い手がすぐに見つかりました。送る段になって、ふと「どこへ送ればよいの?」と不安がよぎります。スマホ画面をよ~く見ると、配送業者へ持って行って二次元コードを提示すればよいことがわかります。そうすることで、配送用カードがプリントされて出てきます。「よく箱に貼ってあるのはこれかぁ」と感心することしきり。こんなに簡単なら、ほかにも出品できるものはないかと探してしまいました。

 

438 ト~モロコシ(24.6.20)

 新聞広告にでかでかと掲載されていた、アサヒ「未来のレモンサワー」を飲んでみました。何が未来なのか?!まず、従来のプルタブではなくて全開するフタ。開缶の音とともにゆっくりと浮かび上がる本物のレモンスライス。これは面白いし、快感!さらに、味はどうかというと、普段飲む100円の缶チューハイとは一線を画す味わいで、爽やかかつ凄くおいしい。でも価格は2.5倍。そうは言っても、居酒屋で飲むことを考えれば、さほどの贅沢とも思いません。

 夏といったらビールが定番!そのビールだってクラフト系がたくさん出回ります。どれも特徴あっておいしいのですが、一気に飲み干したい暑い日は、比較的安価なもので十分。ビールから始めるか、はたまた未来のレモンサワーから始めてみるか、悩みどころです。どちらにしても、枝豆やそら豆を添えて…。

 もう一つ、夏といえばスイカ?いや、私はトウモロコシ!アンケートによくある質問が「好きな食べ物」です。寿司や焼肉が挙げられますが、私の場合は季節を問わずトウモロコシです。だからコーン缶詰も好きです。それでも、旬に勝るものはありません。積まれた中から粒ぞろいのものを買い物かごに入れたくなります。子供のころは、蒸したトウモロコシが最高のおやつ。夏場は、スイカとともに双璧ですが、どちらか一方を選ぶなら迷わずトウモロコシです。炭火で焼いて醤油を塗ったトウモロコシは絶品。あぁ、思い出すだけでも…。富里でスイカ農家を営む知り合いから送られるスイカとトウモロコシを待って、今シーズンの「初」にします。楽しみだなぁ~。

 さて、静岡県西部の山間地にある売店前に、午前5時前から行列ができるといいます。前日の夜から並ぶ人もいるほどのお目当ては、「森のとうもろこし」という品種。黄色と白が混じった品種で、週末には3万本が売れるほどの人気だそうで、人気の理由は糖度。メロンやマンゴーなどより高い20度という甘さを、トウモロコシでも体験してみたい!こうした糖度の高いトウモロコシを使ったプリンやラテ、かき氷が登場するようなトウモロコシブームの到来なるか?!

437 ホームドア(24.6.19)

 本八幡駅にホームドアが設置され、7月5日の稼働に向けて調整中のようです。

 ところで、TDRの最寄り駅である舞浜駅では、ディズニーの楽曲を発車メロディーにしてちょうど20年。新鎌ヶ谷駅では「ファイターズ讃歌」が15年前から採用されているなど、乗降客をご当地ソングで楽しませてくれます。今回、西武・清瀬駅百周年を記念して、清瀬市出身の中森明菜さんの曲が選ばれたといいます。朝の上りは利用客が多いことから、テンポがよくて元気が出る『DESIRE』に決まり、下りは『セカンド・ラブ』とのことです。でも、「真っ逆さま~に~堕ちてディザイア~」って歌詞に、ホームからの転落を連想してしまいます。縁起でもない!

 さて、以前同じ学校に勤務した先生と研究会で一緒になりました。帰り際に、「クラスの子も自分の子も、『さしすせそ』を大事にしています!」と言います。最初、「危機管理のさしすせそ」を思い浮かべましたが、「さしすせそにありがとう」のことだとわかって苦笑い。平田小でも2年前に学校だよりで紹介しました。

 親子の会話では、「だって…」「でも…」「どうせ…」といったネガティブな言葉が飛び出しがちです。だからこそ、ポジティブワードの「さしすせそにありがとう」を大切にしたいといった内容。「さ」は「さすが!」、「し」は「幸せ!」、「す」は「素晴らしい!」、「せ」は「世界一!」、「そ」は「そうだね!」、「に」は「にっこり」、そして「ありがとう」という肯定や承認の言葉たちです。受ける側だけでなく、言葉を発する側もうれしい気持ちになります。最初は恥ずかしくてなかなか使えないかもしれませんが、意識して口にするうちに気持ちが前向きになっていくのが感じられるかもしれません。

 家族で互いの長所に目を向ける練習をしたり、最初はわざとらしくても徹底して相手を褒めたりしてみることで、相手の美点が実体化してくるような気がするのです。こうした積み重ねが「自信」となり「自他のリスペクト」につながるのではないかと思います。「素晴らしい!」とか「さすが!」、「そうだね!」という声が教室や学校でたくさん聞こえ、「ありがとう」が口癖になったら、一人一人の背中を押してくれることになり、社会や集団からこぼれ落ちることを防ぐ安全装置(ホームドア)になること間違いなし!

 私は今日の夕食で、「おいしい~」「料理の天才!」を連発します。

436 同窓会(24.6.18)

 20年ぶりの新紙幣発行まであと2週間となりました。金融機関やATM、小売店のレジなど改修が進んでいるはずです。家には聖徳太子や伊藤博文が保管されていますが、今の福沢諭吉や野口英世も使われながら淘汰されていくのでしょう。でもどうやって調整しているのやら。千円札から順に、北里柴三郎、津田梅子、渋沢栄一3名の肖像画が使われますが、財布の中もしばらくは混乱しそうです。そういえば二千円札ってほとんど流通しないまま立ち消えになってしまったような気がします。表に沖縄の守礼門、裏に紫式部と源氏物語絵巻。調べれば画像も出てきますが、なじみが薄くてかわいそう。

 さて、小学校時代の同窓会が、地元八千代で行われました。卒業して50年以上が経って初めてのイベントです。仲の良かった友達もいれば、話をしたことも名前も思い出せない人もいます。卒業の時、自分が何組だったかすら覚えていないくらいですから。同窓会を前に、卒業アルバムで予習(復習?)をしようかと思いましたが、実家を壊したときに処分されてしまいました。「もう見ることなどない」と思ったのですが、こんな形で必要になろうとは…。

 そういうわけで、当時の正門前に集合です。ここは以前記した、ヒヨコが売られていた場所。なにやら高齢者の人だかりができています。「誰?」と訝しむような反応もあれば、「蜂須賀君?」と近づく者も。けれど、あなたはだぁれ?名前を聞いてもわからないので「ニャンニャンニャニャン」と、犬のおまわりさんよろしく、泣きたい気持ちになります。それでも、当時の面影そのままの人もいます。私も髪形を除けばわかりやすいようです。こうして凍っていた記憶の塊が徐々に解けていくようでもありましたが、次にまた会ったときにわかるかどうかは別の問題。

 1クラス50人近くいた時代。6クラスまであったと思っていたのに4組までだったとか、自分で信じていた出来事が、実は間違っていたとかあって、記憶の書き換えや修正が行われた数時間でした。そんな中でわかったこと。それは、哀しいかなその頃の私って「人に興味(執着?)がなかったのだろう」ということ。

 子供たちには、人とたくさん関わって今を思いきり楽しんでほしいと思います。こんな私だって、子供の聖地だったある公園で友達と遊んだ記憶は、今も鮮明です。

 あっ、忙しくて放っておいたグループLINEの受信数が150を超えている!先日の楽しかった思い出を栄養にして1週間、ひと月、そして1年と…。みんな頑張っているようです。

435 日本語って難しい(24.6.17)

 今日はプール開きの予定です。きれいな水がぬるまっているとよいのですが…。

 発行前の学級だより原稿が回ってきます。チェックしながら、普段自分が使っている言葉が正しかったのかどうか疑問に…。ご飯を器に盛ることを、私は「よそう」と言うのですが、「よそる」と書かれています。朱で訂正しながらも自信が揺らぎます。

 調べると、あるアンケート結果では「よそう」を使用する人が59%、「よそる」が13%とあります。また、別のデータには、東京や千葉、関西では「よそう」、それ以外の関東で「よそる」、東北以北では「盛る」、中国・四国以南で「つぐ」と、呼び方に地域性があるとされています。

 納得いかず、広辞苑の登場です。結論から言うと、「装(よそ)う」が正しく、「支度をする」「身なりを整える」ということから、「飲食物を整え、用意する」転じて「飲食物を救って器に盛る」と変化した千年以上の歴史のある言葉とされます。他方の「装る」は、「よそう」と「もる」との混交した語と注釈がつき、比較的新しい言い方らしいのです。そうは言っても、百年以上の歴史があるので誤用とはいえません。

 ほかにも、日本語の難しさを感じる場面は多々あります。覚えられずその都度調べ直すのが、「編成」と「編制」の使い分け。また、「制作」と「製作」。混同しがちなのは、「おざなり」と「なおざり」。そして、家族からよく注意されるのが、「とんでもございません」と言ってしまったとき。自分では丁寧あるいはへりくだって言ったつもりが、誤用(文化審議会の指針では、現在では問題ないと考えられている)と指摘されるわけです。それは、「とんでも+ない」ではなく、「とんでもない」で一つの形容詞だから。つまり、「とんでもないことです」と言えば済むこと。では「とんでもないことでございます」と言ったら、より丁寧なの?否!あなたからの褒めや賞賛はとんでもないことだ、という意味にも受け取られるおそれがあるというから厄介です。では、正しいのはどっち?

 【第1問】①汚名を返上する、②汚名を挽回する

 【第2問】①二の舞を演ずる、②二の舞を踏む

 ともに①で、「名誉挽回」「二の足を踏む」と勘違いしてしまいそうな言葉です。こうして文章を綴る中にもきっと、思い込みや間違いがたくさんあるのかもしれません。

434 想像力をもって(24.6.14)

 「風が吹けば桶屋が儲かる」は、一見何の関係もないようなところから思いもかけない部分に影響が出ることを表す慣用句です。風が吹けば砂埃が立って目に入って失明する人が増える。盲人が増えると、三味線で生計を立てるのでその需要が増える。三味線を作るためには、胴を張る猫の皮が必要なので猫が乱獲される。これによって猫が減る。その分、ネズミが増えて桶をかじるので桶が使い物にならなくなる。必然的に桶屋が儲かって喜ぶという図式です。

 蝶の羽ばたきが、やがて竜巻に変わるといったように、ほんの些細な出来事でもやがて大きな変化につながるかもしれないといった予測困難を表す「バタフライエフェクト」と言葉もあります。「風が吹けば…」に、想像力を広げていく点においては似ていますが、ちょっとニュアンスが違うようです。つまり、「桶屋」には、当てにならないことに期待するという意味でも使われることがあるからです。

 買い物をするたびに、ため息が出そうになるほどの物価高が続いています。こうした状況にも、因果関係が想像できる新聞記事がありました。「戦争が起こるとケーキに手を出せなくなる」というものです。ロシアのウクライナ侵攻により穀物が品薄になるとともに、原油価格の高騰が起こりました。輸入飼料が高騰し輸送コストも上昇することで、乳牛向けの餌代が高くなります。すると、ケーキの材料の生乳などの原材料をはじめ包材、電気代、人件費すべてが値上がりしてケーキ代に反映されるというもの。洋菓子店に千円近いケーキがズラッと並ぶとなれば、財布の紐がかたくなるのは必然。

一昨日、『国境なき医師団』事務局の方の話を聞く機会がありましたが、上述も含めて、身の回りや社会の様々な事象・現象に想像力を持つことの大切さを改めて認識しました。紛争や飢餓による他者の苦難に無関心にならないこと。世界で起きていることが自分とどう関係するのかを想像してみること。ややもすると他人事で片づけてしまいがちですが、できることの第一歩は「知ること」「関心をもつこと」なのだと思うのです。新聞やニュースを見ないといった家もありますが、情報ソースはどこに?

433 千葉県(24.6.13)

 4年生が社会科で、千葉県の特色ある地域や特産品を学びます。県特産の「房州びわ」について、調べてまとめる児童もいます。先日、皇室献上品とする選果式の様子が報道されました。学校のびわもよい色に色づいてきています。先日、たまたま立ち寄った「道の駅いちかわ」の農産物販売所に、びわが袋に入って売られていました。でも、明らかに自宅の木から収穫したと思われるもの。果肉より種の割合が多いのではないかと思う、シャインマスカット大の実に目がテン。庭先に置いて「ご自由に持ち帰りを」でもよいのではと勝手なことを思います。

 さて、平田小出身の坂崎千春さんデザインの「チーバくん」が誕生したのは2007年のこと。2010年に開催される「ゆめ半島千葉国体」のマスコットキャラクターとして生まれました。説明には次のようにあります。“千葉県に住む不思議な生き物。好奇心旺盛で、いろいろなことに挑戦するのが大好き。未知のものに立ち向かうときほど勇気と情熱がわき、体が赤く輝く。横から見ると千葉県の形をしている”と。(作者HPより抜粋)

 お披露目となった2010年「ゆめ半島千葉国体」で、市川市はハンドボールの会場となり、多くの選手と観客が集まりました。当時行政勤務でしたので、大会期間中は国体スタッフとして連日、国府台スポーツセンターで働いていました。その中で様々な人と知り合いになれたのは大きな収穫。補助の方と一緒に歩くチーバくんも眼前に見ることができました。本当は、着ぐるみの中に入りたかった!

 先日、新聞(スポーツ面)を開くと、ハンドボール日本リーグの結果が写真とともに紹介されていました。宙を舞うようなシュートの写真が2コマもあります。映像で見ると、豪快だったりトリッキーだったりするプレーは際立ち、思わず「格好いい」と心の中で呟いてしまうくらいです。本校にも、市内の某有名校でハンドボールをやっていた先生がいるのです。能ある鷹は…。かたや爪も尻も隠せない私。

432 声優(24.6.12)

 先々週観た『ちびまる子ちゃん』のワンシーン。家族みんながこたつに入って鍋を囲んでいます。サザエさんは季節感があるのに…と違和感を覚えたのです。

 ところで、『パーマン』のパー子、『天才バカボン』のバカボンのママ、『一休さん』の伊予の局、『キューティーハニー』の如月ハニー、『ルパン三世』の峰不二子の共通点といったら何でしょう?逆に、「それって誰?」と問い返されそうで怖い!どれも古いアニメですから、知らない人のほうが多いかもしれません。共通するのは、声優の増山江威子さん。5月に亡くなっていたと報じられました。少し前にはまる子ちゃんのTARAKOさん、もっと前にはタラちゃんを演じた貴家堂子さんが亡くなっています。ルパン三世の場合、山田康雄さんが主人公の声を担当し、その物まねをしていた栗田貫一さんが山田さん亡き跡を継ぐなどしています。どのアニメも世代交代を繰り返しながら続いていきます。

 この声優という職業は、声を使って演技をする仕事といえます。代表的なのは、アニメや洋画の吹き替えが挙げられますが、最近ではゲームやアプリのキャラクターも演じるほか、活躍の場がたくさんあるようです。日本昔ばなしを子供とよく見ていた私は、常田富士男(ときたふじお)さんや市原悦子さんの独特の語りを真似して、本を片手に「むかし~あるところに~おったぁ」と子供に読み聞かせしたことが思い出されます。

 アニメを見る機会は相応にありますが、登場人物が見た目のわりに意外と若いといったキャラは結構いるようです。明るく朗らかなサザエさんが24歳であることは広く知られていますが、波平さんはああ見えて54歳。マスオさんの同僚の穴子さんに至っては27歳。バカボンのパパ41歳、まる子ちゃんの父・ひろし40歳で、のび太の父・のび助36歳といった感じです。驚いたのがルパン三世に登場する銭形警部。実は29歳だといいます。ちなみに、こち亀の両津勘吉は35歳だそうです。こうしたことを知って視聴すると、また違った面白さがあるというか、つっこみもしやすいかもしれません。

 一方で、小学生の目から見た他人の年齢ほどあてにならないものはありません。私の歳だって、40代前半から70代後半と幅広く言ってくれます。だから、目撃した不審者等の年齢を小学生(特に低学年)に尋ねるのは、危険だと思うのです。

431 進化(24.6.11)

 ひらた山裏のヤマモモが、今年も甘酸っぱい実をつける時季になりました。

 3週に一度は通う図書館の隣に広い公園があって、桜のころは芝生広場にたくさんの家族が集まります。たまたま寄った時に、大道芸を披露している若者がいました。見ている者はパラパラといった状態。丸い筒に置いた板の上に立って、バランスを取りながらジャグリングなどをするのです。ハラハラさせるパフォーマンスと巧みな話術に引き込まれるように足が自然とそちらへ近づき、しっかり見入ってしまいました。最後は、お決まりのハットが登場して投げ銭ですが、夢の世界にいるような幸せな気持ちで折り畳めるお金を…。その彼が、柏の駅前デッキをステージに大道芸をやっていたと家族から写真付きの目撃情報が届いたのはつい先日のこと。頑張っているようです。

 41年前に、多くの人に幸せと夢を届けるためにオープンしたのが東京ディズニーランド。2001年には、日本にしかないディズニーシーが誕生して、冒険と体験のスペシャルな時間を提供してきました。そして6月6日、新エリア「ファンタジースプリングス」という心ときめくファンタジーの始まりが、新聞見開き+1面の広告で宣言されました。進化はまだまだ続くようです。ただ私は、自然豊かで広大な公園でお弁当を食べたり散歩をしたりしてのんびり過ごしたい派!

 さて、たまたま観ていた番組で流れたCMの映像が気になりました。旧車から未来の自動車への進化、黒電話や公衆電話からスマホへの変遷、VRや二足歩行ロボットに至るまで、半導体の進化について伝えています。小さくて脚のついたブラウン管テレビの時代に生まれ、それがカラー化され、現在の大型かつ薄型テレビがどの家庭にもある時代にいま私は生きています。ビデオデッキがテレビ台の下に設置されていた時代から内臓、外付けを経て、多チャンネル化、動画配信サービスの充実など、レンタルしなくても見放題となりました。大画面でおうちシアターです。こんな進化の裏でデッキなどの機器に積もる埃は厚くなっていきますが、あと何年もすると3年生で学習する「昔のくらし」で扱われる貴重な品になるわけです。

430 メンテナンス(24.6.10)

 学校へ向かうJR高架脇をボーっとしながら歩くことがあります。すれ違う人の顔を見ているわけでもなく、かといって何か思案しているわけでもなく。そんな時に限って、誰から挨拶をされたような?我に返って挨拶を返そうにも時すでに遅し。保護者の方かも。ごめんなさい。

 そんな今日は「時の記念日」です。日本で初めて時計装置が使われた日を記念して、1920年に制定されたとのこと。この日を前に先週、放送で時間について考えたり、時間の不思議を感じたりできる本を5冊紹介しました。

①『とけいのおうさま』(こすぎさなえ PHP研究所)

②『ライフタイム~いきものたちの一生と数字~』(ローラ・M・シェファー ポプラ社)

③『ふしぎな時間割』(岡田淳 偕成社)

④『タイムストーリー(シリーズ本)』(日本児童文学者協会 偕成社)

⑤『モモ~時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語~』(ミヒャエル・エンデ 岩波少年文庫)

 ②は校長室前に展示中です。岡田淳『二分間の冒険』も含めて、ぜひ手に取ってほしいです。

 さて、最近とみに股関節が痛い!腿や膝の後ろ側が張っている!以前にも増して体が硬くなったような気がする!なんとかしなくては!カチカチカラダの改善を試みるため、休みの日にやってみようとインスタの動画を保存しています。その数…?保存した動画が溜まるだけで一向に実行に移せない意志の弱さに自己嫌悪。ただ、これまで55万時間使った体にガタがきているのは厳然たる事実。メンテナンスと使い方を真剣に考えなくてはいけません。

 一方、自宅も15年経って、あちこちにガタがきています。上下動する窓サッシが途中で止まらない。室内灯の一部が電球を換えても点かない。ずっと換えていない障子紙が薄汚れて見える。最たるものは、先日キッチンシンクのパイプ交換をしてもらった際に見せられた排水管の油汚れ。まるで自分の血管内部を見るかのような気分です。血管なら血栓が飛んだり詰まったりして、大事に至っても不思議ではない状況です。家屋も劣化が進みますから、定期的な修繕やメンテナンスは欠かせないようです。

429 身勝手(24.6.7)

 6月になって1週間。梅雨入りはもう少し先のようで、隣の工業高校グランドからは野球部の声とボールの音が響く朝。学校のスピーカーからは、今月の歌『にじ』が流れ、「♪きっと明日はいい天気~♪」と歌います。今は雲が多いけれど、いい天気になるかなぁ。

 この「今日はいい天気だ」といった時の「いい天気」は、歌の中では晴天を指すのでしょう。でも、必ずしも晴れとは限らないのかもしれないとふと思ったのです。立場や状況が変われば、雨や雪も「いい天気」になります。恵みの雨に対しては「いい雨」「慈雨」という表現が使われるでしょう。一方で、同じ雨を見て「いやな雨だ」「酷雨」と感じる人もいます。また、「いい人」という言い方もあります。性格を指す場合もあるでしょうし、穿った見方をすれば自分にとって「都合のいい人」と言うことだってできます。「いい天気」であれ、「いい雨」であれ、「いい人」であれ、どれもみんな私中心のとらえ方のように思えてしまうのはなぜ?

 月が改まって、キッチンとダイニングをつなぐカウンターに敷かれた手ぬぐいの柄が変わりました。先日までパンダ柄だったものが、水色地にてるてる坊主がたくさん描かれています。その中に紛れるように、丸眼鏡のてるてる坊主が点在します。まるで、私がいたずらで描いた似顔絵のようにも見えます。

 このてるてる坊主は、地域によって呼ばれ方が違うそうで、「照る照る法師」「ひより坊主」などあるようです。その由来は「生首」とされる説があります。昔、長く雨が続いて人々が苦しんでいた時に、一人のお坊さんが雨を止ますためにお経を唱えたそうです。でも、一向に雨が止まないと見るや、嘘つき扱いされたお坊さんの首を見せしめに布で包んで吊るしたところ、翌日は晴れたという言い伝えが残されているのです。

 「♪てるてる坊主 てる坊主 あ~した天気にしておくれ~」という童謡の一節がありますが、3番の歌詞には「♪それでも曇って泣いたなら そなたの首を チョンと切るぞ~」と残酷なフレーズが…。まさに、先のお坊さんの生首のそのもの。そういえば、童話「さるかに合戦」の歌『さるかに』でも、早く芽を出せ、あるいは早く実をならせとせっついて、そうでなければ「ハサミでちょん切るぞ~」と脅します。昔ながらの童謡も、自分中心で身勝手なようです。

428 マネキン(24.6.6)

 6月6日といえば、『かわいいコックさん』のフレーズを思い浮かべる人もいるでしょう。「♪棒が1本あったとさ 葉っぱかな 葉っぱじゃないよ カエルだよ カエルじゃないよ アヒルだよ…♪」という絵描き歌。同じ歌なのに、描き手が違うとコックさん一人一人違った表情を見せてくれるから不思議です。コックさん以上に、「つるニハ○○ムシ」「つるサンハ○○ムシ」と言いながら描いた顔の出来映えは、人それぞれで表情豊かです。そんな今日は、コックさんの日。ヨーヨーの日でもあり、補聴器の日でもあります。もう一つ、怒りを鎮める6秒ルールをもじって、アンガーマネジメントの日ともされています。どれも関係ないかぁ~。

 さて、表情や顔といえば、四半世紀ほど前にテレビ放送された『Oh!Mikey(オー!マイキー)』をふと思い出しました。出演するすべてがマネキン人形なのです。その主人公のマイキーは、インターナショナルスクールの3年生。パパは、アメリカから東京に転勤になったサラリーマンという設定で、1話3分の短編。ブラックユーモア含む内容と常に明るい表情が好きでした。

 マネキンは、店頭で各種商品の販売促進にあたる販売員を指す場合もありましたが、一般的には衣服展示に使われる等身大の人形の呼称の方が主流のような気がします。でも最近では、リアルマネキンの人形を見なくなったような気がします。頭部がのっぺらぼうのものや首だけがないヘッドレスマネキン、腰から下の下半身マネキンばかりです。こんなことを考えながら、昨日の帰りの電車の貴重な読書タイムに、『オー!マイキー』をYouTubeでチラッと見てしまいました。そういえば、洋裁が趣味だった母の部屋にあったものも首から腰辺りまでの人形でした。「ジンダイ」と呼んでいましたが、「人台」という字でよいのかどうか。ちなみに、マネキンの日は3月24日でした。

427 チンプンカンプン(24.6.5)

 5月中旬に、D・サンボーンさんが亡くなったと報道されました。ジャズ界の大物サックス奏者です。すかさず家族から依頼されて、古いアルバムCDを購入しました。昔好きだったフュージョン系の懐かしい音楽が流れ、幸せな気分になります。

 日本を代表するサックス奏者と言えば、「ナベサダ」こと渡辺貞夫さんでしょう。アニメ『赤き血のイレブン』でサントス選手が海岸で故郷を思って吹くトランペットも憧れでしたが、ダイナミックに動きながら演奏するサックスは別格に見えたものです。だから、アルトやテナーサックスの形が好き!ウクレレではなくて、サックスにしておけばよかったかと思いながらも、楽器音痴で譜面がチンプンカンプンの私には高嶺の花であり、高望み以外の何物でもありません。音も相当響くでしょうから、家で練習するのは近所迷惑になること必至。畑の中に車を停めて、窓を閉め切ってサックスの練習をする人をたまに見かけますが、そうするしかないのかもしれません。そういう意味で、ウクレレなら夜だって練習できます。こう考えると、吹奏楽部の子供たちの練習機会は、きっと学校しかないのだろうと思い至ったのでした。

 やはり5月のある日、読売新聞掲載の『コボちゃん』(植田まさし作)を見ていて、数十年ぶりに思い出したことがあります。コボちゃんが一番風呂に入る前に、「湯かき棒」で風呂の湯をかき混ぜる場面がまさにソレ!草津温泉の湯もみではありませんが、上と下とで温度が全然違ったため、私世代はこの棒で湯をかき回して湯温を均一にしてから入ったものです。全自動が一般的になった現代、風呂上がりのように綺麗さっぱりと忘れていました。

 「赤き血のイレブン」とか「湯かき棒」なんて、きっとチンプンカンプン?いや、この「チンプンカンプン」なんて言葉すら使わないか。

426 思いを馳せる(24.6.4)

 一昨日の日曜日、前任の市川小創立150周年を記念して行われた、学校の歴史をたどる回遊展に足を運びました。祝賀会だけでは声をかける範囲が限定されてしまうので、それとは別にできるだけ多くの人と一緒に祝したいという同窓会の皆さんの思いから生まれたようです。会場となった体育館というか講堂には、様々な展示がされており、老いも若きもが懐かしそうに見て回っていました。妻も創立100周年の時に6年生だったことから一緒に出かけました。久しぶりに見る学校のシンボルであるプラタナスが「こんなに大きかったっけ?」と思うほどの大きさで校庭にそびえ立っていました。その反対に校庭の狭さは…。思い出すのは、掃いても掃いても落ちてくるプラタナスの落ち葉に閉口したこと。そしてそれが終わる頃、すぐそばにある銀杏の大樹の下が黄金の絨毯を敷き詰めたように染まること。そんな巨木に護られて、コロナに振り回される中であっても、多くの人の支えあって2年間を過ごすことができました。お礼も碌にできないまま異動しましたので、今回久しぶりにお世話になった方々にお会いして話をすることができ、有意義な時間でした。そして、平田小が100周年となったときに思いを馳せる私がいます。29年後ということは…。

 さて、その市川小に向かう時短ルートをナビの案内で走っていた時、「鮮魚街道」と表示がありました。よく見かける文字で、ずっと「せんぎょかいどう」とばかり思っていました。でも、「右折して、〈なまかいどう〉に入ります」というナビの音声案内に、「えっ、そうだったの?」とびっくり。目からウロコ!

 江戸時代、夕方に銚子港に揚がった魚を利根川の水運で布佐(我孫子)まで運び、翌朝そこで馬に積み替えて松戸まで陸送し、再び船で行徳を経て夕方以降に日本橋の河岸まで運んだといいます。これは、魚の鮮度を保つための時間短縮の知恵であり、使用された陸路が「なまかいどう」とか「なまみち」と呼ばれたそうです。「森」という文字の「木」をすべて「魚」に換えた文字「鱻」を「なま」「せん」と読ませる場合もあるようです。いずれにせよ、自分の住む身近に経済的に重要な経路があったという事実を、ナビ様のお声によって知った一日でもありました。

 学校や地域の歴史って、やっぱりおもしろい!

425 トトロ(24.6.3)

 庭に緑と黒茶2種類のカメムシを発見しては退治する週末。報道によると、全国30の都府県で大量発生するカメムシ注意報が出されています。カメムシをおびき寄せて捕獲する器具もあるそうですが、私の場合はカメムシ退治に特化したスプレー剤。家族が言うには、ゴキブリ用だと瞬殺に近いとか。まだまだ格闘が続きます。

 虫といえば、3年生男児2人が校長室に来て、「アゲハの幼虫はいませんか?」と尋ねます。急な訪問に驚きましたが、レモンの葉につく卵や幼虫を「今度持ってきてあげるね」と返すと喜んで去っていきました。すると翌日、「持ってきてくれたぁ?」と朝一番に問われました。「ごめん!休みの日にしか捕まえる時間がないんだ」と答えましたが、カメムシを持ってきたら喜ぶかなぁ?

 5月のカンヌ映画祭で、スタジオジブリが名誉パルムドールに選ばれ、表彰会場は総立ちとなって祝福される場面がテレビに映し出されました。『となりのトトロ』は大好きですが、それ以上に宮崎駿&高畑勲コンビが手がけた『パンダコパンダ』が好きです。日本がパンダに沸いていた1972年公開ですから、ジブリという会社設立前かもしれません。天真爛漫な主人公の女の子とパンダ父子の不思議でユーモラスな生活が描かれています。初期の作品ですから、ストーリー性より娘や息子と一緒になって「かわいい」と言いながら観ていたこと自体が好きだったのかもしれません。

 不思議なキャラクターのトトロとサツキ・メイの姉妹の心温まる交流を描いたアニメ『となりのトトロ』が、36年の年月を経て舞台化され、海外公演でとても人気だといいます。あの不思議な世界観を舞台で表現するのは、役者も大道具も大変だと想像しますが、ニュースで目にした「まっくろくろすけ」の動く様には感嘆の声を漏れそうでした。

 大トトロ・中トトロ・小トトロがなんとも愛らしいアニメですが、初期の段階で大トトロは「ミミンズク」と名付けられ、1302歳といいます。ちなみに中トトロは「ズク」で679歳、小トトロは「ミン」で109歳の設定らしいのです。「ミミンズク」という呼称から連想するのは「ミミズク」。それがトトロのモデルかなと思いながらも、似ても似つかないような気が…。

 なかよし広場でチョウを追うことも林間学校で富士の大自然に浸る時間も、都心の子供たちには有意義で貴重な体験だと思います。

424 所作(24.5.31)

 今日行われる将棋の「叡王戦」の第4局に注目しています。藤井八冠が1勝2敗とリードされ、負けると伊藤七段にタイトルを獲られてしまうからです。「黄信号」と報道されますが、ここからの巻き返しも期待できます。

 一方、先日の「名人戦」では、豊島九段との対局でした。4勝1敗で藤井棋士が初防衛を果たしましたが、将棋盤上で駒をさばく際の澄んだ駒音が好きという人も少なくないようです。NHK『美の壺』でも「駒と盤」が取り上げられたことがあるほどです。

 なぜこんな話を始めたかというと、駅の自動改札でSUICAやPASMOなどのICカードをタッチさせる際に、「パチン!」という音を立てる人を時々見るからです。どうもタッチの仕方に性格あるいは気分が表れるような気がします。翳すだけで通過する人もいれば、私のように静かに面タッチする人もいます。極たまにですが、「これでもか!」という具合に強く叩きつける人もいます。時には反応せずに赤く点滅する改札機に、イライラを隠そうともせずにバシバシ押し付ける場面も。それが、なぜかしら将棋の「王手!」のような駒音に聞こえるのです。

 さて、所作が美しいと好感がもたれ、魅力的に見えるものです。所作とは、立ち振る舞いや身のこなしですが、椅子に座ったり物を取ったり歩いたりするすべての動作に通じます。私たち日本人は、そうしたことに敏感であるともいわれます。少し意識するだけで周りの印象を変えることができるなら、子供にあっても大切にしてほしいものです。

 そういう目で藤井名人の一挙手一投足を見てみるのも面白いかもしれません。

423 歯磨き(24.5.30)

 一日のうちで、「今」に意識を集中している時間、「今」を感じている時間はどのくらいあるのでしょう。そうした間には、物事のマイナス面(後悔や不安、心配事など)が頭の中に入り込む余地がなくなるといいます。例えば、スマホから離れて「ながら行為」をしない時間は、不安などから解放されるとともに、聴覚・嗅覚・視覚・触覚が研ぎ澄まされるといわれます。

 さて、昭和の腹痛薬といえば、ラッパのマークの「正露丸」というのが、私の中の既成概念?!真っ黒で丸々して、まるで消しゴムのかすを丸めたような錠剤です。主成分がクレオソートというものなので、そのまま呼ぶ人もいるみたいです。手の上に出して飲むと、しばらくは掌が正露丸臭になります。これを歯に詰めて歯痛を抑える使い方もあったのです。幾度となく歯に詰められて、苦虫を潰したような顔になっていた経験は、知る人のみぞ知るといった感じ。一時的に痛みが治まる効果はあるようですが、治療薬ではありません。

 先週、偶数学年の歯科検診が行われました。6年生女児2名が「健歯児童」に選ばれて、虫歯予防大会の審査に臨みます。虫歯や歯周病がなく、歯並びがキレイで汚れがないなんて、正露丸にお世話になった者としては羨ましい限り。一方、歯磨きを疎かにして歯垢が目立つ子も少なくないようです。「ながら歯磨き」ではないにしても、上の空で歯ブラシを咥えているだけ、動かしているだけという姿も想像できそうです。ブラシの先が歯のどこに当たっているのかをイメージしながら歯磨きすることが大事であると学校歯科医は話してくれました。そのためには、歯ブラシの持ち方を「鉛筆持ち」にすることが望ましいといいます。

 『ノンタンのはみがき』という幼児向け絵本があります。「はみがきハ~ミ~、シュコシュコシュッシュ」と、子供が小学2年生くらいまで歌いながら仕上げの歯磨きをしていたのを思い出します。学校歯科医の先生曰く、8歳くらいまでは、親が子の歯磨きに気を配る必要があるとのこと。一生使う歯だからこそ、親も子も口腔衛生に関心を持ってほしいと思います。さぁ今日は、奇数学年の歯科検診です。

422 初夏(24.5.29)

 シャポーの花屋の前に「紫陽花」「芍薬」という文字が、少し前まで見られました。学校のアジサイは徐々に色づき始めてこれからが楽しみです。蕾で買ってきたシャクヤクも見事です。花弁の多さと繊細さには驚かされます。終わりに近づくと、その花びらが小さな塊になって落ちます。テーブルに重なる花弁は、まるで薄く小さく剥いた玉ねぎのよう。

 1ドルが160円を超えたときにはビックリ。30数年ぶりの円安とも言われます。では、30年前と今とでどれだけ違うのかを比較してみました。消費税(3%→10%)、ディズニーランド(4,800円→最大10,900円)、ビッグマック(210円→480円)、セブンスター220円→600円)、郵便はがき(50円→63円→85円)と、ざっと挙げただけでも驚異的な物価上昇率です。学校給食も例に漏れません。決められた金額の中で必要な栄養価を維持し、品数や見た目、味にもこだわりたいはず。これを担う栄養士にとって物価高は胃が痛くなる社会現象以外の何物でもありません。

 キャベツも高い!スーパーでは一玉300円強。気軽に使える金額ではありません。キャベツの千切りやご飯のお替り自由のとんかつ屋がありますが、お詫びの貼り紙だってありそうな気がします。

 運動会前にはたくさん生っていた平田小のサクランボは、食べる前に全部落ちてしまったようです。一方、スーパーではアメリカンチェリーが出始めました。その一角に「佐藤錦」と書かれた、握りこぶし程度の量かつ高価なサクランボが数パック。必然的に色が濃くて安価な方が買い物かごに入れられます。そして、ヨーグルトに数粒入れて食べるという経済的な食し方になってしまいます。最近の果物は種無しばかりになっています。チェリーと同じくらいの大きさのブドウもそうですから、種を出すのを忘れそうです。ある時、手の上に乗せた錠剤を、チェリーの種と間違えてごみ袋に捨てそうになったことも。あぶねぇ~。

 子供たちの目には、今の季節がどんなふうに映っているのでしょう。花でも野菜でも果物でもよいのです。大人になっても感覚として思い出すような豊かな感性をはぐくんでほしいと願います。

421 color(24.5.28)

 自宅近くに栗林が点在します。細長く花を咲かせて、独特の匂いを振りまきます。特に、今日のような雨の日は…。近づいてその花をじっくりと見てみましたが、花の季節が終わると、黄緑色の実をつける頃まで関心が失せてしまいます。だから、どうやってあのイガイガトゲトゲの栗の実になるのだろうと不思議でなりません。先日、栗の花を接写してきました。1週間ごとに写真に収めて、実になるまでを観察記録にまとめようかと思ったくらいです。

 さて、栗にも和栗と洋栗があるようで、晩秋になると和栗を使ったケーキが出回ります。そんな「和」「洋」ある中で、「わしょく」という響きは、頭の中で「和食」という文字に一瞬で漢字変換されます。ワープロ変換も和食一択です。しかし、「和色」という言葉が存在することを、ひょんなことから知りました。日本の伝統的な色の名前とカラーコードが一目でわかる色見本『和色大辞典』なるものがあるのです。そこには、桜色に始まり暗黒色までの465色の名前が載っています。さらに、原色として140色、洋色には285色が取り上げられています。

 先の栗の花の色を和色で例えるなら、「蒸栗色」「女郎花」「枯草色」「淡黄」あたりかと…。どれも聞き慣れない色言葉ですから、栗の花を知らない人にはイメージできないかもしれません。ただ、歴史の流れの中で名づけられた和の色の名称は、どれも美しく風雅です。

 昨日、プール脇の道路沿いにビワの実を見つけました。オレンジ色のビワがたくさん生っていることに気づいたのです。体育館脇のサクランボを食べ損ねた私は、ビワとザクロ、そしてヤマモモの実を食すことを今楽しみにしています。このビワをオレンジ色と表現しましたが、洋色だとほかに「マンダリンオレンジ」「マリーゴールド」が近いかもしれません。和色では「金茶」「蜜柑色」「黄赤」「黄丹色」あたりかと思いますが、自然の作り出す色を表現することは、和・洋の言葉でも絵の具でもとても難しいものです。

 初土俵から7場所目という最速優勝を果たした大の里関にあっては、どんな色の相撲を見せてくれるでしょうか。

420 卒業生(24.5.27)

 3月に卒業した中学生2人が、ひょっこり校長室に訪ねてきました。「あ~、ここなんだか好きなんだよねぇ」とソファに腰掛けて中学校生活について語りだします。そして、カバンから『さがしもの』(角田光代著)という1冊の文庫本を取り出します。漢字の書き取りは苦手でも、本を読むのは好きなのだそうです。「これ、貸してあげる」と気前よく置いて行ってくれました。

 短編集の中のお気に入りの話も教えてくれたので読んでみました。その中の登場人物が言う「いつだってできごとより、考えのほうが何倍もこわい」という言葉に、なるほどと首肯します。死ぬことより死ぬのを想像するのが怖いし、彼氏彼女にふられるよりふられるかもしれないと思うことのほうが怖い。試験の合否より、不合格になるのではないかとネガティブに考えている時のほうがよっぽど怖い。確かにその通りだと思ってしまいます。できごとは、起こってしまえばただのできごとでしかないのですから。だから、本を貸してくれた中学生も変に考え過ぎず、自分の思うままに突き進んで、失敗も成功も笑い飛ばせるようであってほしいなぁと願います。

 また、中学生になった別の生徒からは手紙と写真が封書で届きました。卒業式4月以降の写真と近況が添えられています。ありがたいことに、お母さまからの手紙もあります。数人で業間、昼休み、下校後に校長室へやってきた中の一人。野球部に入部した綴られた箇所には、その意外さに驚きましたが、始終笑って読み終えました。最後に、自分たちが卒業したあと、「校長室の新しいお客さんができたか」と尋ねます。残念ながら、まだまだ敷居が高いのでしょう。でも、校長室前のクイズに頭を悩ませ、「わかった!!」と言いながらドアをノックする子や廊下を歩きながら手を振ってくれる子ならいますよ。

 今日、第八中学校は体育祭の振替休業日。初めての体育祭は盛り上がったかなぁ。

419 ためになる人、ダメになる人(24.5.24)

 代休日に、娘が結婚式を挙げた場所にある素敵なカフェでランチと洒落こみました。雰囲気はよいし、平日なので昼前に入れば空いています。正午の時報とともにどんどん席が埋まるのを横目に、おいしい食事でお腹も心も満たされました。

 実は、この2週間ほど前にもSNSで見た食堂に妻と行っています。舟盛の揚げ物が安価で食べられると紹介されていたからですが、見ただけでお腹が膨れてしまい、3分の1は持ち帰った次第です。妻の横顔は、「もうこんなところは嫌だ」と言っているかのようで、今回もチキン南蛮定食が人気の店を提案しましたが、即却下!そうした経緯があって、カフェになったのでした。

 さて、時々「ハチスガさん」と呼ばれることがあります。気にせず返事をしますが、濁らない「ハチスカ」が正しい。「須賀」だけなら「スガ」と読むからかもしれません。でも、名字を清濁どちらで読むか悩む場面はちょくちょくあります。「崎」「島」「原」「田」「沢」が付くと、例えば「ヤマサキ」なのか「ヤマザキ」なのか…。

 少し前の読売新聞のコラムに、「世の中は澄むと濁るで大違い」と始まる狂歌の言葉遊びがあることを紹介していました。清濁の違いだけで全く反対の意味になってしまうわけで、うまいなぁと感心しながら検索してみました。どうもこんな風に続くようです。

 「刷毛(はけ)に毛があり、禿(はげ)に毛が無し。福に徳あり、ふぐに毒あり。人は茶を飲む、蛇(じゃ)は人を飲む。意思が濁ると意地になり、口が濁ると愚痴になり、徳が濁ると毒になる。」といった感じ。

 学校も「害」ではなく、「怪」でもなく、「快」でありたいと思います。そして、そこに集う人々は、「ダメになる人」ではなく「ためになる人」であり、「怒る保護者に驕る校長」といった関係図にならないように気を引き締めたいものです。いろいろ考えたら脳疲労!

418 カギ(24.5.23)

 前を走る車のリヤウィンドウに何枚もシールが貼ってあります。ステッカーではなく、何かのキャラクターシール。ポケモンにも見えましたが違ったようです。そういえば、ポケモンシールを貼ってある車が以前よくありました。そういう私も「カラカラ」「ゼニガメ」「コダック」を貼っていたような…。今でも某製パン会社はポケモンパンを販売し、デコキャラシールも健在のようです。

 自動車のエンジンは、プッシュ式スターターに変わり、スマートキーが一般的になっています。それでも、公用車のようにキーホールに鍵を差し込んで回すタイプはまだまだ健在ですが、どんどん便利になっていきます。

 最近では、「錠前」なんて言葉が通じない世代も多いはず。「錠」と「鍵」の違いもあやふやだったりして…。家の場合、扉についていて「鍵」を用いて開けるのが「錠前・錠」です。その鍵などが真鍮製だったりしたのは今は昔。それでも円筒錠は長い間、変遷しながら使用されてきました。最近の新築住宅ではカードをかざしたり暗証番号を入力したりスマホによるスマートロックだったりと様々です。そんな鍵メーカーで真っ先に思いつくのが「美和ロック」。「ゴール」や「アルファ」もよく見かけます。南京錠からスマートロックまで100年以上もの間システム開発を続けてきたと、アルファの新聞広告がありました。

 学校を見渡してみると、ガラス窓はフック状のものを使っていますし、部屋の扉は長短入り混じりますが一般的な鍵。時々、ねじを締めるような古いタイプが現れることもあります。たまに行う校内の戸締りの際には、たくさんの鍵の束をジャラジャラさせながらの巡回です。同じ錠なのに鍵が合わなくて、別のものに何度も差し替えるなんてこともざらにあって、さすがにイライラなんて場面も…。だから、鍵ごとにキャラクターでもぶら下げておけば迷わずに済むかも。ただ、下がるキャラが多すぎて鍵の喧嘩が始まりそう。

 時々学校の落とし物箱に家の鍵を見かけます。ずっと以前に息子が鍵を紛失したときに、錠まで全交換するほど大変だったことを思い出します。お出かけの際の戸締りと鍵の紛失にはご注意を!

417 おからダ(24.5.22)

 おからが体によいのは多くが知る事実ですが、実際その栄養価はどうなのでしょう。食物繊維や大豆イソフラボンをはじめとする、健康体をサポートする栄養豊富な食品です。

 おからは、大豆を原料とする豆腐や豆乳の製造過程で発生する副産物であり、搾りかすの意味です。お茶殻の「がら」などと同じ使い方で、丁寧語の「御」をつけたわけです。その色が今頃から花を咲かせるウツギという花に似ていることから「卯の花」とも呼ばれています。

 でも、驚くのがおからの食用での利用率。おからの年間発生量が70万トンある中、何と1%しかないというのです。ほとんどが、豆腐屋から農業・牧畜業者に無償で引き渡されるらしいのです。そして、5~9%は産業廃棄物として、代金を支払って処分といいますから勿体ない。食品ロスの最たるものと言えなくありません。

 そうはいっても、おからを食べる家庭は激減傾向でしょうか。昔は、近所の豆腐屋に店頭に積まれたおからを買って調理していましたし、ラッパを吹いて豆腐屋が売りに来ていました。でも、豆腐屋自体が見られない昨今、おからも見かけなくなっているかもしれません。子供のころに食卓に乗ったおからは、決して好きな食べ物ではありませんでした。むしろ、避けて通れるなら食べないで済ませたいと思ったくらいです。

 何十年も歳を重ねると嗜好が大きく変わります。最近では、道の駅で100円(700g程度)で買い求めています。量があって劣化も早いので、冷凍しながら何度かに分けて調理してくれます。学校給食でも、おからあるいはおからパウダーを使ったハンバーグやケーキが登場することもあります。おからレシピはいろいろあるので、試してみるときっと大きな発見が…。

 ちなみに、PCに「おから」と入力すると、変換候補の4番目に「お体ご自愛下さい」と表れました。「おからを食べて健康になって!」というメッセージ・優しい心遣いでしょうか?

416 今日もよい一日を(24.5.21)

 今年の運動会は、伝えたいことだけを事前に伝え、あとは体育主任と教頭先生に任せました。すると、子どもたちのもとに行って声をかけたり一緒に何かしたりたくさんすることができました。ただ、昨年も書いたかもしれませんが、この日まで子供と一緒に考え、指導し、汗を流してきた担任の大変さには及びませんし、達成感もきっと違います。それでも、子供たちのはじける笑顔やノリノリ・キレキレダンス、悔し涙や感極まって流す涙を間近で見られたのは喜ばしいことです。また、昨年からの成長を感じる行動も嬉しさの一つ。まだまだ成長の過程。さらに健康で丈夫な体づくりを意識してほしいと思いながら、まだ運動会の余韻に浸っています。

 さて、ウォーレン・バフェットという人のこんな言葉があります。

  あなたが車を1台持っていて、一生でその車にしか乗れないとしよう。

  だとしたら、あなたはその車をどんなふうに扱いますか?

  きっと誰も、一生に1台しかないとしたら、長く乗れるように大切にするでしょう。

  ここで考えてほしいのは、あなたが一生に一つの心と一つの体しか持てないということです。

  あなたの体は、一生お世話になる魂の乗り物なのです。

  今からでも間に合います。大切にしてあげてください。

  何をやめて、何を始めますか?ほんの少しでも、できることをやっておこう!

 誰に向けた言葉かはわかりませんが、子供にも大人にも当てはめられそうです。運動会が終わって一区切りがつきました。次の一歩を踏み出すよいタイミング。今日も、そして明日もよい一日であるために、できることに精一杯力を注いでほしいと思います。

415 運動会だよ!全員集合(24.5.18)

 小学校の同窓会を前に、グループLINEにあがった集合写真が十数枚。全く思い出せない人が多い中、顔を見て名前まで言える人も数人います。遊びの聖地だった公園の今の様子も知らせてくれます。その中の小3か小4のクラス写真にも自分がいます。娘や息子に、大人数の中から親を探し当てられるか試したところ、「楽勝!」「わかりやす過ぎる」という反応です。どうも目が特徴的なようで、当時の自分がえらく濃い顔に見えます。髪がない50数年後の自分でも面影はあるのでしょうか?

 今日は運動会。天気上々、気分も上々!熱中症対策は欠かせません。運動会実施を知らせる花火の空砲が鳴り響くことはありませんが、体育館前のスペースには、万国旗の代わりに鯉のぼりが泳ぎます。倉庫に十数匹の鯉のぼりが保管されていたのを用務員さんが見つけてくれたのはGW後。その大きさは半端ではありません。3年目にして初めて知りましたが、せいぜい4~5匹を泳がせるのがやっとです。でも、時季遅れの鯉のぼりの登場に子供たちが喜んで、演技や競技を頑張ってくれたらうれしいです。

 自分の小学生時代の写真の中に、運動会の応援席で撮られた写真もありました。やはりリレーの選手は花形でした。中学年くらいまでは選手になれていたように思いますが、高学年になると補欠が精いっぱい。悔しさが蘇ります。今はない騎馬戦や中学校での棒倒しも白熱した思い出です。

 地域の運動会も中学校のグランドで秋に開催されていました。町会・自治会対抗で様々な競技がありました。その頃は、小学校でも地域でも景品があったものです。もしかすると、学校名が金字で刻印された鉛筆を持つ人もいるのではないでしょうか。

 今日の運動会を何年経って思い出すくらい、スペシャルな一日にしたいものです。暑さに負けない、熱い応援をお願いします。

414 宇宙人(24.5.17)

 「宇宙人はいると思いますか」というアンケートに2500人以上が回答して、4人に3人は「いる」と答えています。記述による回答者の年齢層は、60代から80代ばかり。確かにUFOブームや宇宙人・未知の生命体への関心が高かった記憶がある我々の世代。日本にUFOブームを巻き起こし、今もなお研究家として活動している矢追純一さんを知る人は、きっと私と同じ年代でしょう。その矢追さんが88歳というから驚きです。

 スピルバーグ監督の『未知との遭遇』は、壮大かつ衝撃的でした。そんな影響もあってか、地球以外に生命体があることは間違いないとずっと思っています。この地球に私たち人類という宇宙人がいるのですから、広大な宇宙に知的生命体が住むのは地球だけとは考えられません。『宇宙戦艦ヤマト』では、沖田十三艦長が亡くなるシーンに涙したことも思い出します。

 そういえば、6年生を担任していた頃の国語の教科書に『人類よ、宇宙人になれ』という教材がありました。人類にとって宇宙とはなんなのか、宇宙はどんな場でありうるのかを読者に問い、人類進化のとるべき道は、地球人から宇宙人へとなることであると結論付けていたのを思い出します。そこには「宇宙船地球号」というワードがあったように記憶します。

 さて、あるお話の世界ですが、一人の男性の告白で平凡な家族が激震に見舞われます。彼は、23年間も一家の四兄妹の次男として家族になりすましてきた宇宙人で、しかも地球を離れるまでに残された時間は、なんとあと3日間。限られた時間の中で人間としてやり残したことに奮闘するというストーリーです。これは、中村倫也さん主演でちょうど1年前に封切られた、家族愛をコミカルに描いた『宇宙人のあいつ』という映画。Primeビデオなら観られるかなぁ。

 もしかすると、目の前にいる見慣れた人は宇宙人かも。だって、そうでないという保証はどこにもありません。時々喉を震わせながら、「ワレワレハ ウチュウジンデアル!」なんて言っていませんか?

413 食に関する雑感(24.5.16)

 野菜売り場に「新」の付く食べ物が並びます。先日は「新にんにく」と「新にんにくの芽」を目にしました。新玉ねぎやらっきょうなど土の下は賑やかです。柿の葉っぱも鮮やかな新緑のライムグリーンが眩しいくらいです。それがいつの間にか深緑の分厚い葉になっていきます。運動会前の子供たちも、旬の「新ひらたっ子」なのかもしれません。

 宮城県内の小中学校の給食で提供された牛乳を飲んで七百人近くの児童生徒が、腹痛や嘔吐を訴えたという報道がGW前にありました。こうした事件があると、「校長は検食で気づかなかったのか」という疑問の声が家族からもあがります。毎日の検食で味の濃淡を感じることがあっても、提供30分前の段階では変更はできません。ただし、味がおかしいと感じれば、提供をひとまず停止して原因等の究明を始めます。しかし、異物が混入するような場面は、検食として提供されたトレイ上のものには乗ってこないことの方が多いかもしれません。今回の牛乳にしても、検食用の牛乳には異状なかったと言わざるを得ません。事実、残った牛乳を調べても何ら問題はなかったといいます。

 低学年の児童から「校長先生の仕事は何ですか」といった質問を受けると、検食について触れることがあります。単に先に給食を食べているだけではないことを訴えます。何百人もの命がわが舌にかかっていると思うと責任重大です。一方で11時半ころの給食に体が慣れてしまって、お腹が空くのが早い気がします。

 オーブンが不調で、入れ替え完了までの1学期いっぱいは焼物メニューが基本、献立から姿を消しています。これは栄養士にとっては一大事なわけですが、今日のメニューは「鶏の香味焼き」。朝の時点で「蒸し」にでもなってしまうのでしょうか?さらに追い打ちをかけるように、点検等のために工事業者が給食室の電源を落としたら、冷蔵庫の電源が入らなくなってしまう大事件発生。次から次へと難題が降りかかります。呪われし給食室?なんて縁起でもない!知恵と多くの人の努力・協力で乗り切っていきます。

412 パラドックス(24.5.15)

 今日5月15日は、セブンイレブンの1号店が豊洲に開店した日。1974年というのでちょうど50周年という記念すべき日のようです。

 さて漫画を読んでいると、「『アキレスと亀』のパラドックス」について触れていました。例えば、タイムパラドックスで有名なのが「親殺しのパラドックス」でしょう。自分が生まれる前の過去に行って、母親を殺してしまったとすると、自分が生まれてこないことになって母親も殺せなくなるというものです。以前テレビで『たて×ほこ』という各分野の対決番組がありました。どんなものでも突き刺してしまう矛(ほこ)と絶対に突き通すことのできない盾(たて)のような矛盾・ジレンマに発想を得た企画でした。こうしたことを慣用句に探してみると、「急がば回れ」とか「負けるが勝ち」などが挙げられるかもしれません。

 「私は嘘つきである」という発言は何の変哲もないような気がしますが、よく考えると矛盾していることに気づきます。私は嘘つきが真であれば、嘘つきであるという発言も嘘になり、私は正直者となってしまいます。逆に、私が正直者と仮定したときも同様の矛盾が生じます。「頭がこんがらがって面倒だ」なんて言わないで、パラドックスの不思議な世界と面白さを知り、考えることの面白さを子供たちにも感じてほしいと思います。

 これに似たパラドックスですが、次の場合あなたはどうしますか?

 あなたは今、2つある分かれ道に立っています。一方は「天国」で、もう一方は「地獄」へつながる道です。あなたには、どちらが天国への道なのかはわかりません。目の前の分岐点には、2人の天使がいて、どちらも天国に通じる道を知っています。天使Aは正直者で、Bは嘘つきですが、あなたにはどちらが正直者なのかはわかりません。あなたが天国に続く道がどちらなのかを知るために、一度だけ天使たちに質問をすることができます。ただし、天使は「YES」または「NO」としか返事をしません。

 超難解なクイズのようです。給食を食べながら頭を悩ませましたが、お手上げ!解答だけ載せますので、その理由は考えてみてください。

 “(どちらかの道を指さしながら)「この道が天国につながる道ですか?」という質問に対して、あなたはYESと答えますか?”と問いかけるとよいのです

411 甘味(24.5.14)

 昨日、運動会のプログラムが児童と保護者に配付されました。今年度のスローガンは『全力で 楽しみつくせ ひらたっ子!!』に決まり、プログラムの表紙や挿絵に多くの児童の作品が採用されています。私がひょっこり体操服を着て登場する絵も児童作品です。

 少し前になりますが、1年生のN学級の学級だよりを目にしました。イラストたっぷりで、ほのぼのとした感じです。自分でササっと描いてしまうというからすごい!うらやましい!文は少なめに抑えて、子供の活動をイラストで紹介したり、子供のつぶやきや様子を手書きで添えたりしたら、子供たちにも好評だろうなぁと勝手に想像してしまいます。

 さて、だんご三兄弟という歌が流行った時がありますが、串団子は4つが一般的です。串に刺す団子は、鎌倉・室町時代からあったそうで、江戸の頃には忙しい庶民が合間に食べられるファストフード、というかフィンガーフードとして受け入れられたようです。元々は5玉だったものが、新しい通貨が発行された後に4玉で落ち着いたとされます。

 団子が入ったパックに、みたらしと餡子があったら少し悩んで、餡子から先に手を出す私。みたらしの甘辛餡を横目に見ながら、パクリと食らいついて水平に串を引くわけです。抜かれまいとする団子の必死の抵抗の甲斐もなく、白い痕跡を串に残したまま数が減っていきます。春先は、摘んだばかりのようなよい匂いがするヨモギ団子がおいしい季節です。GW後半に入る前日に、昼の放送で「しょうぶ湯」の言われ話をしました。触れると体が溶けてしまうため、鬼が忌避するのが菖蒲とヨモギなのだそうです。

 近隣の和菓子店の路上ではためく幟旗が季節によって変わります。GWまではかしわ餅だったような?これからは水羊羹?通りかかるたびに「○○食べてぇ~」と呟くと、スルーされるか「却下!」の一声。日記にイラストでも描いて食べた気になるか、テーブルに描いたイラストを置いて「食べたい光線」を浴びせるか、思案中です。

410 腹は立てず…(24.5.13)

 新らっきょうが出回る時期になりました。初物を買って帰って、皮をむいて醤油漬けにしました。ただ、風呂上がりでも指のらっきょう臭が消えないことには閉口しますが、数日後には味が染みておいしくなっています。なくなる頃にまた袋詰めを買ってこようと思っています。

 月曜朝の雨は、気分が降下気味。学校へ向かう高架脇は傘傾げ(江戸しぐさ)が基本ですが、真ん中を歩いてぶつかってきた輩にイラッ。そういえば最近、通勤時に歩く相手と肩や腕をぶつけることがあります。駅のホームで乗降客がごった返す場面や改札を出たあと改札へ向かう流れと交錯する場面などです。暖流と寒流がぶつかり合う潮目みたいな感じ?でも、向こうから歩く人を見ていると、隙あれば(?)相手にボディーチャージをしようという明らかな気配漂う人がいるのは確か。普通に歩いている(はず)のに、なぜかしらドン!となります。こちらは受け身ですから態勢が不安定になりますが、あちら様は攻撃態勢を整え、心の準備もできていますから平然としたもの。いつものようにイラっとしながらも、「よし、体幹を鍛えねば!」と一瞬思う私。ただ、階段やホームで弾き飛ばされたら、命を落とすことにだってなりかねませんから怖い!

 天気のよい日に墓参りに行きました。水場で作業する男性を見て、私と見間違えたと妻が言います。頭がテカテカだったからです。でも、会話すると口調はとても穏やかで私とは正反対とか。人伝に聞くと、お坊さんだそうです。ガッテン!「心は丸く、気は長く、腹は立てずに、己は小さく、人は大きく、謙虚に」を体現した御仁に見えたのもうなずけます。宮沢賢治ではありませんが、「体当たりや口撃にイライラすることなく、広い心の持ち主に私はなりたい」と思います。思うだけではだめなのもよくわかっていますが…。

409 うらやましい(24.5.10)

 一昨日、前任校の卒業生に登校の見守り中にばったりと会いました。市川工業に通う1年生。4年という歳月でこんなに立派になるのだと、右肩上がりの成長を眩しく感じました。

 さて、山下智久さん主演『ブルーモーメント』の宣伝のためか、9年前のドラマ『5→9 ~私に恋したお坊さん~』を放映していました。9年という歳月をものともせず、劣化しない山Pが羨ましいと思っていると、石原さとみさんの父親役で故 上島竜兵さんも出演しています。それを見て脇でつぶやく声に目を丸くした私。「あっ、この人のコンビ名、レッツゴー三匹だっけ?」。すかさず「ダチョウ倶楽部の間違いです!」ときっぱり。あまりの時代錯誤的認識にしばし唖然。

 「またドラマネタかよ。どれだけ好きなの?!」と云う勿れ。ストーリーに引き込まれるような作品は少ないのに、別の部分に反応して惰性で見続けている自分がいます。あるドラマでは、石原さとみさんが大学生役も演じていました。また、別の番組では広瀬アリスさんの高校生姿の回想場面が毎回のように映し出されます。頑張ってはいるものの、いささか無理があると言ったら失礼でしょうが、アラサーとアラフォーといった老けた高校生と大学生役でも、番組制作上の努力とそれなりの若さを保っているからこそ成り立つのだと思うと、気にしないことが大事だと思えてきます。むしろ、今観ている春ドラマ3本で記憶喪失モノというのは単なる偶然?そんなことを考えている自分の姿を鏡で見ると、肌のたるみ、皺の深さ、髪密度の低下速度にげんなり。いっそのこと過去の記憶を消してしまえば比較対象がなくなるわけですが…。

 そろそろ運動会前日・当日の天気が気になりだす頃となりました。昨年は、実施を決めた時点でも小雨が降っていましたが、今年はどうでしょう。雨でも晴天でも、まずは頭を保護して劣化を防ぎ、子供たちの眩しい笑顔を楽しみたいと思います。

408 五月(24.5.9)

 いつのことだったか、三島食品のふりかけ「ゆかりシリーズ」をここで取り上げたことがあります。「ゆかり」を筆頭に「かつお・うめこ・ひろし・かおり・あかり」といった兄弟姉妹がいるのですが、先日食卓に登場したのが「しげき」君でした。わさびふりかけなのですが、「小さなお子様や辛みが苦手な方の喫食には十分ご注意ください」と促しています。果たして、ふりかけとは思えぬほどの刺激に鼻の奥がビックリ。その顔を見た妻はおもむろに立ち上がって、冷蔵庫から「ゆかり」さんを連れてきたのでした。

 

 5月に入ってからナメクジやダンゴムシとの戦いのシーズン開幕です。また、GWに庭仕事をしているとハエが1匹、右腕にまとわりつきます。鬱陶しいので追い払いますが、場所を移動しようが時間が経とうが右腕に止まってくるのです。思わず腕を鼻に近づけてクンクン。特に異常なし!その昼頃にその腕を見て、「パン屑がついているよ」と払おうとした妻が再び声を発します。「あっ、剥けた皮膚だった」と。運動会や水泳の学習が行われる5月以降の紫外線は、乾燥気味のお肌の敵。特に、腕と頭はダイレクトですから劣化注意報がすでに発令中です。

 さて、辞書で「五月」のつく言葉を探してみると、意外にあるものです。もしかすると、他の月に比べて多いのではないかと思ってしまいます。五月人形や五月鯉、五月幟といった端午の節句に関係する言葉のほか、五月晴れや五月雨(さみだれ)、五月躑躅(つつじ)、五月蠅い(うるさい)なども見られます。五月晴れが梅雨の晴れ間を指すように、五月雨は旧暦5月に降る長雨、つまり梅雨を指します。よって、「五月蠅い」ハエは梅雨の時期に飛び回っていて、長雨同様に鬱陶しいものであったことを想像します。あの清少納言もハエが大嫌いだったようで、「憎らしい虫」と書くくらいですから、古来よりハエはうるさいものの代表格だったようです。

 様々な動植物の命を感じる5月。子供たちが生き生きと輝けるためには、私たち大人が「しげき」になるようにしなくては。

407 御三家(24.5.8)

 GWの中休み初日、小学校の同級生だったという男性から学校に電話がかかってきました。蜂須賀の名前で検索したら、平田小にいることを知って連絡してきたそうです。電話を取り次いだ職員には「不審電話」に聞こえたようです。懐かしい名前を半世紀ぶりに聞くこともできました。6月に同窓会を計画しているそうで、グループラインに参加してやり取りも始めました。

 ほぼ1年前に歌手活動から引退した橋幸夫さんが、先月、「歌うことが自分の使命」として、引退を撤回す会見を開きました。私が幼少のころ、橋幸夫と西郷輝彦、舟木一夫の3人を「御三家」と芸能界では呼んでおり、舟木一夫さんの『高校三年生』をテレビの前で歌って、祖母を喜ばせていたといいます。

 その後、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の3人を「新御三家」と打ち出したり、天地真理、小柳ルミ子、南沙織の3人を「新三人娘」と呼んだりしていたのです。後者に関しては、「新」とあるからには「元祖」もあるわけですが、ここでは省きます。そういえば、さらにその後、あいざき進也や城みちるなんてアイドルも登場しました。こうした目で現在の芸能界を見たときに、グループが多すぎてピンで「令和御三家」「令和三人娘」と呼べそうなひとを探すのが難しい。

 さて、江戸時代の「徳川御三家」といえば「尾張・紀伊・水戸」ですし、中学受験における御三家もあります。偏差値や東大進学率からはじかれたのでしょうが、男子は「開成・麻布・武蔵」、女子は「桜蔭・女子学院・雙葉」といわれ、自ずと「新御三家」もあるわけです。

 そこで、文房具メーカーの御三家を勝手に考察。選考は、私の机にあるものに限ってという極めて偏ったものですが、「パイロット・ZEBRA・UNI」なんていうのはどうでしょう。「三菱・PLUS・ぺんてる」も後を追いかけます。

 ただし、このような見方を面白半分で人に当てはめると、いじめや差別を増長するので注意が必要です。でも、小学生時代にタイムスリップする同窓会では、御三家ならぬズッコケ三人組がいたことを思い出すかもしれません。

406 SNSから(24.5.7)

 先々週、1年生を迎える会を体育館で行いましたが、全員が一堂に会し、1年生が6年生と手をつないで入場するのもコロナ後2回目。同じように、これまで当たり前だったことができなかった経験や試みを別の形で生かした教育実践ができるように工夫をしていきたいと、満面の笑顔を見て思いました。

 笑顔というより笑いについて。SNSの画面を見ていて「プッ」と噴き出してしまったテストの解答がありました。1つ目は、次の文章を読んであなたの思ったことを書きなさいという問題。「父ちゃんは、駅のホームで裸のままお札を差し出した」という文に対して、「父ちゃんはヘンタイかもしれない」と感想を書いた子に思わず納得。また、「大は小を兼ねる」という慣用句の意味を問う設問では、「大便をするときは一緒に小便も出る」と真剣な解説文に花丸をつけたくなります。漢字の読みでは「様子(ようす)」は正解。「女子」を「めす」としたのも、「子」を「す」と読んだ前問からの流れなのでしょう。何度見ても笑えます。

 また雑学的な投稿もあります。普段何気なく見ていることが、本当は知らないのだと思い知らされる内容です。説明されればわかるけれど、物の名称だけではそれが何なのかわからないもの 。例えば、①サインポールや②クロージャー(写真)、③ドラキュラマット、④ランチャーム、⑤カルトン、⑥ファイヤーホールド、⑦ガベルなどです。イメージできるでしょうか。どれも「へぇ~」といった感じの領域を出ないものばかりですが、知らないのです。①は床屋の前にある青と赤と白の回るアレで、理髪店であることを示す世界共通のマークです。②は食パンの袋の首部分を止めるためについているプラ製のアレの名称だそうです。③は刺身の下に敷いてあるマット、④は弁当に入っている魚の形をした醤油入れ容器。ランチをチャーミングにという思いからつけられた名前で、モチーフは鯛だそうです。⑤は店の会計時にお金を乗せる四角い皿、⑥はホテルなどトイレットペーパーが三角折りになっている、その部分のこと。⑦は裁判所で「静粛に!」と叩くアレのことなのです。どれもちゃんと名前があったのです。特に、⑥に呼び方があるなんてビックリ。

 

 「学校では間違えないと頭が良いとされる。社会では間違いから学ぶことができると頭が良いとされる」という一文もSNSに。学校でも失敗や間違いから学ぶ人であってほしいと思い、赤門の掲示板に貼ってみました。GW明けの子供たちはどんな姿で登校してくるでしょう。

405 GW後半です(24.5.2)

 下着を悩んだ末、ヒートテックにして正解だったと思う朝です。息子の家に買ってあげたジューンベリーが、毎年たわわな実をつけるのが羨ましくて我が家にも若木を植えて早3年。花が咲きません。よって実がなりません。そこで先日、実つきの苗を並べて植えてしまいました。来年は競い合って…。早く実をつけぬと、ハサミでちょん切るぞ~(猿蟹合戦)。

 さて、今頃の季節になると思い出すのが「こいのぼり」「潮干狩り」「ワラビ採り」の3つ。淡い記憶が、一部美化されていることもありますが、懐かしさとときめきが去来します。こいのぼりは近年、とんと見なくなりました。散歩コースで垂れ下がっているのを見ましたが、逆に強風にあおられて泳ぐ姿は、自分まで飛ばされてしまいそうな感覚に陥り恐怖を覚えます。

 船橋の三番瀬では潮干狩りが始まりました。木更津や富津ではもっと前から解禁となったようですが、足を運ばなくなって半世紀は経ちます。当時は、熊手で掘るところ掘るところからアサリが捕れました。小判がザックザックといった昔話のような感覚でした。したがって、自分はアサリ捕りの名人ではないかと子供心に思ったのです。

 名人といえば、ワラビ採りも得意というか好きでした。なぜか雑木林の中で食べごろのワラビがすぐ見つかるのです。目線が低いせいでしょうか。夢の中で山菜採りをして抱えきれずに当惑するなんてこともあったことを思い出します。私たちの住む地域を見渡すと、雑木林や原っぱが造成されておしゃれな家がどんどん建っていきます。必然的に子供たちの遊ぶ場所が限られ、スペースが狭くなっていきますから、遊び方だって変わるのは当たり前。ボールを投げたり蹴ったり、木登りしたりすることを禁止・制限していない場所を探すことは至難の業です。そうした中であっても、子供たちの創造的な活動や遊びを支援できないものかと知恵を絞っています。

 今でも、田んぼの畔道に足を踏み入れたり雑木林があると気持ちが引きずり込まれたり、BBQの炭の匂いや爆ぜる音にも心躍らせたりします。さぁ、GWが後半に入ります。子供たちの感性を刺激する体験や経験がありますように。

404 よろける(24.5.1)

 今日は「スズランの日」。馴染みない習慣ですが、フランスでは大切な人にスズランを贈って感謝の気持ちを伝えるといいます。というわけで、庭に咲くスズランを仏壇にあげて、ほのかな香りを感じながら手を合わせて出勤です。

 混雑した電車の中で、傘やカバンをもって吊革につかまると本が読めません。ふと隣の男性の手元に目をやると、電子書籍をスマホで読んでいます。登場人物の名前から察するに、歴史小説のようです。1ページの量が多くありませんから、次々とタップしてページをめくりますが、なんか味気ない気がします。紙なんて古いとか重くてかさばるとか言われそうですが、私はやっぱり紙の本が好き!

 新年度が始まった4月1日、上履きを新調しました。これまで履いていたものがだめになったわけではなく、着脱の際の煩わしさから解放されたかったからです。最近、テレビCMでも流れるスリップ-インのタイプ。決して多くはないものの、外に出る機会があります。玄関に戻ってスニーカーに履き替えるとき、踵を入れるために片手で靴箱に触れて体を支えないとよろけます。たったワンモーションであるにもかかわらず面倒なのです。踵のないサンダル状の履物は、緊急時に自分と子供の命を守れませんので却下。そんなわけで、ストレスフリーとなった次第です。

 来客用玄関に腰掛けがあると便利だと思うことがあります。自分も含めて年配者は、片足立ちで靴を履く状況が心もとなくなります。座って靴を履くことができれば安心ですし安全です。図工室や理科室にあるような背もたれのない、物置きにもなりそうな椅子はどうでしょう。いや、普段は物入れで、必要な時に椅子に変身するボックスもいいなぁ。そんなことを考えていると、リサイクルステーションの一角から木を削る匂いがします。用務員さんが何かを製作しています。尋ねると、運動会のラインを引くための秘密兵器だとか。こんな魔法の手に依頼しない手はありませんから、これを機に相談が殺到する予感が…。その前に、玄関の腰掛について相談してみようっと!

403 おにぎり2(24.4.30)

 早くも4月が終わります。知り合いの先生と話した際、もう若い教員から退職願が出されたと聞きました。しかも、その退職願が第三者(代理人)から提出されたというから耳を疑います。でも、先週の天声人語にあった「本人に代わって退職の意向を告げる代行サービスが若者に人気」という一節が…。「退職代行」で検索すると、あるわあるわ。

 ある朝、混みあう電車に私立小学校に通う児童が4人乗ってきました。2人は姉弟のようで、お姉ちゃんは弟を気遣う様子が見られます。別の2人は4年生くらいの男児で、おしゃべりしていますが、ふと視線を下げると金属バットを手にしています。きっとクラブ活動があるのだろうと思いましたが、これが成人男性だったら、周りはどんな反応を示すでしょう?

 さて先日、おにぎりとおむすびについて掲載したのち、妻から修正を求める声が聞かれました。死ぬ前に食べたいおにぎりは、「炊き立てのご飯」で作ったというのがミソだと言います。確かに、弁当箱などに詰められたおにぎりとは一味も二味も違うかもしれません。最近はおにぎりを素手で握らなくなったように思います。新型コロナウイルス感染症の影響もあるかもしれませんが、それ以前からのような気もします。ラップで包んだり型にはめたりしますが、こうすることで塩が効きすぎたり効かなかったり…。どうも直接手で握ることで塩梅(あんばい)がわかるというから、おにぎりを作ったことのない私は感心してしまいます。

 昔は、おにぎりや弁当などを新聞紙で包むこともあったように記憶しています。紙で包んだ時の米の粒感や海苔の食感は、ラップの場合と大きく違うといいますが、比較したことがないので真偽のほどは…。お試しあれ?!

 ただ、他人の握ったおにぎりを食べられない人もいます。ある調査では、約半数がNGと答えたといいます。生理的な衛生意識だけではなく、信頼関係が大きく影響しているような気がします。おにぎりに限らず、むやみに人に勧めるなどの行為が、たとえ厚意であっても相手を追い込むことにつながり、退職なんてことにならないよう肝に銘じて…。

402 レトロ(24.4.26)

 昔「ウイスキーボンボン」というお菓子がありましたが、今も健在のようです。一口サイズのチョコの中に、名前通りウイスキーが入っていて、当時大人の味を感じた菓子です。丸かったり四角かったり、はたまたボトル型だったりしました。ボンボンとは、フランス語でキャンディという意味。「bon」はフランス語で「よい」とか「おいしい」を意味しますので、これがもとになっているのだとか。

 昭和の世代には懐かしい「ボンボン」が、なぜか令和の今、SNSやインターネットの力を借りて、若者の間でレトロなお菓子として注目を集めているといいます。ある日突如として需要が急増し、コンビニや菓子店では品薄状態だとか。フリマサイトで高額で売られるケースもあって、「一人1個」で販売する店舗もあるとニュースで報じていました。

 急に口さみしくなると、飴を放り込むことがあります。今、引き出しの中に「カンロ飴」と「榮太樓・黒飴」を忍ばせています。ともに昭和の生き残りとでもいえる一品。特に、榮太樓の飴といえば黄色の黒飴、赤の梅ぼ志飴、緑の抹茶飴と丸缶に収められた様を真っ先に思い出します。また、サクマ製菓のチャオと『火垂るの墓』でも登場したサクマ式ドロップスも忘れられません。

 先日、ショッピングセンターの一画で、昭和の懐かしいおもちゃや道具を売っていました。パチンコやけん玉、板返し(通称パタパタ)、おはじきに交じって肩たたき棒ほか木工製品、駄菓子などつい手に取ってしまうものばかり。昭和レトロブームに乗っかる企画でしょうか。このブームの火付け役となったのが、昭和の香り漂う純喫茶のような場所で撮られたクリームソーダ。SNSで話題になって昭和にスポットが当たったようです・何がきっかけとなるかわからない時代。でも、自分が生きてきた時代が注目されるのは、ちょっと嬉しい気がします。

401 牧場の朝(24.4.25)

 

 音楽室を覗くと、4年生が歌を歌っています。部屋に入って耳を傾けると、あまりにも古い歌にビックリです。『牧場(まきば)の朝』という文部省唱歌ですが、譜読みのあとに歌詞の意味を読み解いていました。「♪鐘が鳴る鳴る カンカンと~」という部分を含めて、小学生にはイメージしにくい難解さがあります。

 楽器を弾いたり歌ったりするときに楽譜が読めることは大前提なのでしょうが、私の場合、感覚で演奏してしまいます。特に8分音符や16分音符、付点8分音符や休符などのリズムを刻むのに四苦八苦。ウクレレレッスン当日、慌てて妻にリズム指導を乞うことがありますが、感覚だけでいい加減にやっているとすぐにバレてしまいます。だから、老若男女、楽器の種類に限らず、演奏できる人に羨望と尊敬のまなざしを向けてしまいます。

 さて、またドラマの話になります。少し前に放送された『PICU 小児集中治療室 スペシャル』で、母親役の大竹しのぶさんが、急いで出かける息子役の吉沢亮さんの背に投げた台詞がとても響きます。「親より先に死ぬなよ!」という言葉は、親の一番の願いであり、愛そのものです。事件や事故に巻き込まれて子を失うケースなど想像したくもありません。当たり前のことですが、子供たちには自他の命を軽んじることのない人に育ってほしいと切に願います。何事もなく今日一日が過ぎていくことは、考えようによっては奇跡であり最大の幸せなのだと思うのです。

 こんなことを思いながら冒頭の『牧場の朝』を聴くと、いにしえからの目覚めのように聞こえなくもありませんが…。

400 ひらめきを大事に(24.4.24)

 指に巻きやすい絆創膏という商品があります。ガーゼ部分を端によせることで、通常の絆創膏より簡単かつ一人で指に巻きやすいというアイディアの絆創膏です。考案したのは、当時小学校4年生の児童で、親に助けてもらわなくても貼れるようにという閃きから生まれたのです。大人・子供関係なく、「あったらいいのに」は普段の生活にたくさん見つけられるはずです。そこを追究するかスルーするかが分かれ道と言えそうです。

 先日、校長室で平田FCが勝ち取ったトロフィーの授与を、6年生4人に行いました。随分前の招待試合で優勝したものだそうです。監督が試合中に指示などを行ってはいけないというルールがあり、メンバーやポジションも自分たちで相談して決めるなど、選手の主体性や積極性、創造性を育てることを目的にしているようです。

 元バレーボール日本代表の益子直美さんが、10年近く前から「監督が怒ってはいけない大会」を開催しています。元トップアスリートによる真摯な取り組みは、ほかのスポーツにも広がっているようです。選手が笑顔でプレーできて、勝利を一番の目的としないことに多くの賛同が得られていることも確かです。地域のスポーツクラブはサッカーだったりミニバスだったり様々ですが、選手自らが考えてプレーできる場面を保障してあげることは大切だと考えます。

 ひらめきや発想を形にすること、行動に移すことはなかなかできるものではありません。でも、やる前から諦めるのではなく、まず挑戦してみることを子供も大人も大事にしていきたいと思うのです。

 そういえば、サッカーU23日本代表のオリンピック予選が行われていますが、ディフェンスの木村誠二選手(サガン鳥栖所属)は平田小出身だと最近知りました。UAE戦では先取点を奪う活躍をしていましたが、これからも熱く応援します!でも、韓国戦を観た昨日は瞼が…。

399 主題歌(24.4.23)

 息子の奥さんが、MDを知らない世代と知って愕然としました。当然のことながら、ワープロやフロッピーディスクなんてものも知らないのでしょう。

 レコード&カセットテープ世代の私は、日航のCM「沖縄キャンペーン」ソングを聴いた時の、あの高揚感をふと思い出したのです。米米CLUBの『浪漫飛行』です。景気のよかった時代ですから、この曲がきっかけで沖縄に出かけた若者も少なくなかったはずです。カラオケの場で歌っても、最高に気持ちがよかったことが思い出されます。誰のエッセイだったか、メロディの多さが特異であると書かれていました。一般的にAメロとBメロ、たまにCメロが用意される程度なのに、この楽曲は「♪忘れないで~」というDメロに加えて、「♪時が流れても~」とEメロまで用意されているという周到さが多くの人の心を惹きつけたのかもしれないといいます。転調する曲といえば、クィーンの『ボヘミアンラプソディー』は凄い!ラジオから流れるこの曲を聴いていた時に、別の曲に変わったのではないかと思わせることが数度あったくらいです。

 ドラマの主題歌にされることで、その視聴率により曲の売り上げも大きく左右されそうです。また、その歌を聴くと、何年経っても主人公の顔が思い浮かぶから不思議です。例えばクィーンの『I WAS BORN TO LOVE YOU』は、20年前の木村拓哉さん主演ドラマ『プライド』に自然と結びつきます。同じく、Uru『心得』は、「教場0」に、ヒゲダン『subtitle』は、目黒蓮さん主演の『Silent』というふうに。最近では、宇多田ヒカル『何色でもない花』は、永野芽郁さん主演の『君が心をくれたから』、古くは、ミスチルの『Sign』を聴けば『オレンジデイズ』となるわけです(古っ!)。取り上げたドラマはどれも、個人的好みから抜け出せませんが…。

 最近のおすすめドラマは、高橋一生さん主演の『6秒間の軌跡』です。前作とともに、何とも言えない作風が好きです。ビデオやDVDになるのを待つことなく、見逃した作品でも簡単に観られますからつくづく凄いことだと思ってしまいます。もしよろしければ…。

398 まるごと図書館(24.4.22)

 百貨店から盗まれた、販売価格1千万円を超える純金の茶碗。買取業者に二百万円に満たない金額で売られたと聞いて「そんなものなのね」と自然と納得してしまいます。さらに後日、五百万弱で転売されたとありました。これを聞いて思い浮かべたのは、読み終わった本や漫画を大量に古本買取の店に持っていくと、二束三文どころか1冊十円なんて金額で引き取られることが当たり前であること。それが十倍以上の値札をつけると思うと癪ですからなかなか手放せません。家庭で不用となったものを持ち込む人を時々見かけますが、思ったような値段がつくことはないのでしょう。

 今年度は、「学校まるごと図書館」を実現したいと検討しています。まだ頭の中だけですが、図書室や学級文庫だけでなく、校内のいたるところに本を置いて、ベンチなども設けていつでも本を手に取って読める環境づくりを目指したいと考えます。例えば、屋上へ上がる階段の踊り場に低い本棚を配置して、階段に腰かけて読むのもよいかもしれません。図書室の本は、市の予算で購入して蔵書管理がされていますが、それ以外の場所に置く本は管理が行き届きません。ですから、約束を決めながらもあとは個々の良心に任せようと思っています。子供だけでなく、大人用図書の貸し出しができるようなスペースはどうでしょうか。保護者や地域の方が自由に本を手に取り、そのついでに校内で活動する子供たちの安全を見守ったり支援したりすることもできそうです。

 こういうことを考えると、必要なものがでてきます。一つは子供用・大人用の図書や絵本、百科事典、図鑑など。さらに書架となるようなボックスです。すでに児童用ロッカーの入れ替えをして浮いたランドセル入れが数個あるので、それを使用する予定です。「あったらいいな」「面白そう」を形にすること、それは子供たちにもずっと言い続けていることですから。

 もし、買取業者に売ったり粗大ごみに出したりするのも癪だったり億劫だったりして、寄付してもよいと思われるものがあるようでしたら、一度お声かけくださるとうれしいです。悩んでやらないより、行動に移して悩もうと思います。

397 違いは?(24.4.19)

 道路沿いに立つ看板に、「卵かけご飯食べ放題500円」の文字を発見!なんだかお得感がありそう。でも、よく考えるとそんなに食べられそうもありません。続いて「おむすび」という看板を掲げたお店の登場です。様々な具が楽しめるのかもしれません。近年、こうした店舗を目にすることが増えたような気がします。

 ところで、「おにぎり」と「おむすび」の違いって何なのでしょう。広辞苑には、「握り飯・おむすび」とありますから、意味としては同じようです。古くは、山を神聖なものとして崇める風習がありましたから、三角形のような山型の握り飯を「おむすび」と呼び、「おにぎり」には特に形の決まりはないとする説があります。

 また、「おにぎり」は「鬼切り」、「おむすび」は「お結び」からきたという説もあります。一方は鬼退治の道具、魔除け・厄払いの効果が期待され、もう一方は人と人を良縁で結ぶといった縁起の良い食べ物とされていたようです。個人的には、「おむすび」の方が温かみを感じるように思いますが、口から出るのは「おにぎり」。そういえば、死ぬ直前に食べたいものを問われたら迷わず「おにぎり」だと妻が言っていたことを急に思い出しました。

 では、「寿司」と「鮨」、ともに「すし」と読みますが、使い分けはあるのでしょうか。「すし」の語源は「酢し」「酸し」と言われます。広辞苑では、「鮨」あるいは「鮓」と書かれ、「魚介類を塩蔵して自然発酵させたもの。またさらに飯を加えて発酵を促したもの」と解説しています。魚篇に旨いと書くことから、旨い寿司に限定されるような気がします。もう一方の「寿司」は当て字で、「寿を司る」と書くことから結婚式や祝い事の席で出されたハレの日のごちそうのようです。ですから、必ずしも魚を使わない、ちらし寿司やいなり寿司、助六寿司のように料理全般で使うことができるといえます。

 おにぎり、寿司、焼き肉、ステーキ、好きなもの一品と言われたら何を選ぶかなぁ?

396 昭和世代だから…(24.4.18)

 イチゴが旬です。我が家のプランターでも白い花を咲かせています。「あまい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字をとってネーミングされたあまおう(福岡県)やいちご王国といわれる栃木県のとちおとめほか、やよいひめ、とよのか、紅ほっぺなど様々な品種があり、全国各地で独自の栽培を行っているようです。ちなみに、世界一のいちご生産国といえばダントツで中国、次いでアメリカやトルコのようです。一方、日本のいちごは世界的に見ても品質が高いといわれます。

 最近は、このいちごにヨーグルトをかけたものが朝食に時々登場します。練乳を少しかけて食べますが、どうしてもいちごを潰したくなります。ピンク色に染まったヨーグルトがおいしいことおいしいこと!これも昭和のおじさんの証でしょうか。いや、おじいさん?

 話は変わりますが、「御御御付」を読めますか。フリガナをつけると「おみおつけ」となります。こんな言い方を知っている人の方が少なくなったかもしれませんが、その意味は?味噌汁を丁寧に表現した言葉です。「おみ」は味噌のことで、「おつけ」は汁物のことを言うとする説があります。また、「おみ」は接頭語の重ね表現とする説もあります。例えば「御御足(おみ足)」「御御酒・御神酒(おみき)」「御御輿・御神輿(おみこし)」「御御籤・御神籤(おみくじ)」など。こうした言葉は、どれも室町時代に使われていた女房言葉から派生したものだと言われますから驚きです。

 もう一つ、ご飯のお供になる「おこうこ」という言い方があります。漢字にすると「御香香」と書きますが、漬物を指します。「お新香」とか「香の物」という言い方をするので、「香香」の丁寧な言い方であることは自ずと納得いきます。日本語大辞典によると、大根の漬物をいう女房言葉とされるので、御御御付と通じるところが大いにあるようです。

 こんな言葉を以前は普通に使ってきましたが、調べてみて初めて知ることがあるからやっぱり面白い!

395 こころの劇場(24.4.17)

 職員室の手洗い場は、茶渋などで汚れます。そのままになっている期間が長いと、スポンジを手にして磨いてしまいます。トイレの水場や鏡も汚れていることがあります。やっぱり手洗いのついでにゴシゴシ!「家ではまずやることがないのに…」と怒られそうです。

 先週末、トイレに入ると床が水洗いされるとともに、手洗いのために手を伸ばした先の蛇口がピカピカ光っています。自分の顔が映っているなんて気持ちがよいものです。子供たちが使うトイレも、便器だけでなく手洗い場まで磨かれていると嬉しくなるのではないかと想像します。掃除は、する者・使う者両方の心も磨いてくれるものではないかと思うのです。「『トイレもきれいな学校』でありたい」、これは今年度も重点目標としています。

 さて、6年生は今日、市川市文化会館で行われる『こころの劇場』(劇団四季)に出かけます。命の大切さや人を思いやる心、信じあう喜びといった、人が生きていくうえで大切にしたいことを、舞台から語りかけるとともに子供たちを笑顔にするという、社会貢献プロジェクトです。16年前に始まり、毎年、北海道の利尻島から沖縄県の石垣島まで、日本各地を回って無料で招待してくれます。

 コロナ禍には動画配信という形でしたが、昨年度は3年ぶりに劇場として137都市で約50万人を動員したといいます。数多くの企業や団体、行政の支援や協力あって実現しているこの活動で、今年上演されるミュージカル『エルコスの祈り』も楽しみです。

394 6万円のご縁(24.4.16)

 童謡など、小さい頃に耳から入って覚えた歌詞が、文字にすると実は違う意味であることに随分経ってから気づくということがあります。例えば『ふるさと』の「うさぎ~追いし~」は「美味し~」だとずっと思っていましたし、『夕焼け小焼け』の「負われてみたのは」を「追われてみた」と勘違いしていました。『君が代』だって、「巌となりて~」が指導があるまで「岩音」でした。小学校母校の校歌に「松の若芽の~」と歌う箇所がありました。「松のワカメ」って何だろうと疑問に思いながら歌っていたものです。歌ではありませんが、ずっと「ふくろはぎ」だと思っていたことが、作文の添削で「ふくらはぎ」だと知って恥ずかしかったことまで思い出されます。

 中学3年の道徳に『6万円のご縁』という教材が掲載されているようです。当時、沖縄県の高校生だったAさんが島へ渡るために空港に向かっていたといいます。でもどこかで航空券代を入れた財布をなくしてしまいました。途方に暮れていると、事情を知った男性が6万円を貸してくれたのです。慌てていたAさんは連絡先を聞くのを忘れてしまいました。その後、借りたお金を返したいと新聞を通して呼びかけ、数か月後に再会を果たしたといいます。教科書では、この出来事をもとに二人の思いを考えることを促しています。自分がこの男性だったら、相手を信じてお金を貸せるでしょうか。考える以前の問題かも。だって、そんな持ち合わせがあるわけないので。いやいやそういう問題ではなくて、と自分を諫めます。

 ちなみに、お賽銭を放るときに5円や45円という金額が頭に浮かびます。「ご縁」「始終ご縁」にかけて縁起を担ぐわけです。逆に賽銭の金額に向かないものもあります。33円(散々な目に合う)、65円(碌なご縁がない)、75円(難のご縁もない)、85円(やっぱりご縁がない)、95円(苦しいご縁に合う)、105円(当分ご縁がない)などだそうです。やっぱり気前よく6万円かな?

393 クイズde脳トレ(24.4.15)

 朝、洗濯物を風呂場でハンガーにかけながら鼻唄を歌っている声が聞こえます。歯磨きのために洗面所まで行くと、童謡『夕焼け小焼け』であることがわかります。なぜこの時間帯にこの歌なのでしょう?しかも、これって季節が真逆では?とは思うも、着替えながら口ずさんでいる自分に気づきます。どうも欠伸同様、鼻唄も人に伝染るようです。

 物忘れが結構あって自分でも心配になります。息子に話したら、「頭の体操になるからゲーム機あげようか?」と言われました。性に合わないので断り、クロスワードなどで脳をほぐしています。ある時、こんな問題がありました。「高身長で高血圧な動物」「一等星プロキオンがある」に対して、多分これかな?と思いつつも自信がありません。マス目が埋まっていく中で「やっぱりね」となるわけです。それでもキリンやこぐま座に関する知識を更新できるわけですから、十分頭の体操にはなっているわけです。

 そんな中に登場しそうなもの。広辞苑によれば「大根のように太くて不恰好な女の足」と記されています。答えはそのまんまです。そう「大根足」のこと。今の時代、“女の足”という箇所に引っ掛かりを覚える人は少なくないはずです。逆に、スラっとして細くキレイな足を「カモシカのような足」と形容しますが、どうもカモシカではないようです。

 クロスワードパズル以外にも「漢字抜け熟語」が、新聞や雑誌に登場することがあります。先日も解いて、とりあえず完成した四字熟語にハテナマーク。「山原水鶏」となるのです。なんだこれ?と思って検索すると、「ヤンバルクイナ」と読むそうです。わからなかったことが明らかになると嬉しいものです。すぐに忘れちゃうけど…。子供たちの知る喜びだって広げていきたいと思います。

392 諦めたらそこで試合終了!(24.4.12)

 新装版『スラムダンク』全巻が、古本屋でセット売りされていました。バイブルのように大事にする人もいますし、海外でも人気の漫画ですが、一度も読んだことがなかった私。にもかかわらず、20%オフの表示がまるで悪魔のささやきに聞こえるのです。漫画コーナーに佇んでしばらく考え、その日は一旦帰宅。翌々日もう一度足を運びました。売れていたら縁がなかったということで諦めるつもりで…。書架の前に立って真剣に眺め回すけれど見つかりません。「一昨日はここにあったよなぁ」と思う場所を集中的に探すのですがない!諦めずに、漫画のタイトルを目で追うこと3~4周目くらいに発見!!違う場所に移されていました。縁を感じて大人買いとなったのは言うまでもありません。でも、読む時間がない!さすがに電車読書はしたくありませんから、じっくりと時間をかけて楽しみます。

 さて、久しぶりに『プロジェクトX』を観ました。実に18年ぶり!「新」の文字が付いてスタートしましたが、主題歌は中島みゆきさんの『地上の星』、エンディングは『ヘッドライトテールライト』と変わることなく嬉しくなります。初回は「東京スカイツリー」の建設現場でした。高さ634mという未知の世界に挑んだ技術者と職人たちのドラマ。学校からも江戸川べりからもよく見えるスカイツリーですが、番組を見た後では見え方が違います。明日の放送は、カメラ付携帯電話の開発の裏側が見られるようです。困難であればあるほど、成し遂げた感が大きいのはどんな仕事でも同じ。これは子供たちの活動だって通じるものがあります。

 今年度初めに立てた、ちょっと難しめの目標に諦めず挑戦することで、違う世界が見えてくるのかも…。

391 ボウリング(24.4.11)

 大リーグでは、日本人選手が活躍をしています。ドジャースには大谷選手に加えてピッチャーの山本選手が加わり、先日のカブス戦では、相手チームに今永投手や鈴木選手もいましたから、朝から大リーグ中継を観てしまいました。

 大谷選手の結婚も話題になりましたが、お相手は180cmもある元バスケ選手。互いに長身なのでお似合いです。155cmの妻は、「私との身長差は35cmかぁ」と呟きます。30cm定規以上の開きがあるわけですが、みつはしちかこさんの4コマ漫画『小さな恋のものがたり』も、背が低いことを気にしている女の子チッチと、背が高くてハンサムなサリーの恋愛模様を描いた作品です。どうも、自分と大谷選手をチッチとサリーに置き換える勘違いをしている様子。

 さて、ある時代に大流行したボウリング。それにあやかってボウリングゲームも売れました。当然、我が家にもありました。ピンをセットしたり自動でボールが戻ってきたりして、スコアをつけて一人ボウリング大会をしたものです。

 初めて本物のボウリングをしたのはいつだったでしょう。比較的軽めのボールを使いたいけれど、指が入らず、なかなか自分に合ったボールを見つけられないものです。ゲームになると投げ方に性格が表れる気がします。ピンを吹き飛ばすことを好むパワーボウラー。ボールに回転をかける人。私の場合はストレートボールなので、レーンの数メートル先にある印のどこを通過させたら、ヘッドピンと2番ピンの間に当たるかを考え狙いました。3ゲームもやると、翌日の腕は悲鳴を上げていました。ただ、ボウリングゲームで遊んだおかげで、機械に頼ることなくスコアを完ぺきに記録できたのです。

 中学校ブロック内の小中学校で、親睦を兼ねたボウリング大会を開催して、居酒屋で二次会なんていうこともあった時代が懐かしい。いや、今だって職員のモラールアップのためにやるのもよいかも。

390 交通死亡事故ゼロの日(24.4.10)

 

 昨日春の嵐で、近所の公園の桜は、いくつもの蕾がついた根元から飛ばされて地面にたくさん落ちていました。今日は中学校の入学式です。近隣の中学校へお祝いのメッセージを贈ることを失念していました。ごめんなさい。今からでは相手に迷惑なので、皆が見るわけではありませんが、ここに記させてもらいます。入学おめでとう!自分で決めたことに向き合って、まずは全力で挑戦してくださいね。

 先日、運転免許証の更新に免許センターへ行きました。コロナ禍以来、予約制であったりオンラインで30分の講習を受講できたりと便利になりました。日曜日でしたが、長蛇の列に並ぶこともなくすんなり終了です。写真撮影は最後でしたが、部屋の手前の廊下沿いに鏡がいくつも取り付けられていました。髪や服を整えるためにどの人も一度は鏡の中の自分を見ていましたが、私はその前を素通り。というわけで、めでたくゴールド免許を手にしたのでした。お~、久しぶりに会えました!

 さて、車などを 運転していると、自然と道路標識が目に飛び込んできます。以前、滑りやすいことに注意を促す看板に描かれたスリップ痕が変ではないかと書きましたが、今回は「学童注意」の看板の図柄です。男の子と女の子が歩いているのですが、男の子の頭には昔ながらの「学生帽」と思われるシルエット。サザエさんのカツオ君も遊びに行くときもしっかり被っていた時代があります。私が中学生の頃も学生帽を被りましたが、それが当たり前だった時代のデザインが今も残っているということです。ちなみに妻には、男の子が女の子をふざけて押している場面に見えるそうです。そういう目で見ると確かに…。

 春の全国交通安全運動週間が、6日から15日まで行われています。今日10日は「交通死亡事故ゼロを目指す日」だそうです。また、今日からしばらくの間、平田町会や新田2・3丁目自治会の方が、1年生と一緒に下校をしてくださいます。多くの人に支えられていることを感じ、挨拶や会話を交わしてつながりを深めてほしいと思います。中学生になっても、自他の命を大切にできる人であってください。

389 素敵な一日を演出(24.4.9)

 暖かくなってくると、湯船の中でウトウトしてしまい、ハッとすることがあります。溺れる危険があるので要注意です。気持ちがよいのでゆったりと長い時間湯船に浸かっていると、あまりに静か故、扉越しに「起きてる?」とも「生きてる?」とも判別つかない声が飛び込んできます。そんな声で我に返るなんて危ない!。

 そういえば子供の頃、父母だったか祖母だったかと一緒に風呂に入ると、必ず肩まで入って百数えさせられました。子供は、往々にして烏の行水(今は言わない?)であることが多いため、湯冷めしないようにしっかり湯に浸からせようとしたのだと思いますが、今はそんな習慣はなくなっているのでしょうか。シャワーだけで済ませてしまう人もいるのかもしれません。

 さて、一昨日は晴れ間も見られたので、柏の葉公園にお花見に出かけました。芝生の広場を囲むよう植えられた桜が満開!時折、頬を撫でるくらいの風に花びらが落ちてくる程度ですし、何よりも暖かくて最高な演出です。どこかの団体の親睦会と思しき集団は、大きなブルーシートと大量の椅子、仕出し弁当を詰めた段ボールを運んでいましたし、真新しいランドセルを背負った子供を何人も見かけました。おそらく桜の木の下で新入学のお祝いの写真撮影なのでしょう。

 スマホで手軽に動画まで撮れて、観たいときにいつでも観られるなんて羨ましい。何年経ってもすぐに見返すこともできますし…。我が子たちの時にもビデオを回したり編集したりしましたが、記録媒体が古くてもう観ることができなくなってしまいました。小さい頃のあの姿をもう一度観たいと思うことが最近多くなった気がします。

 今日は入学式。生憎の天気ですが、気持ちだけは青空になれるような演出をして迎えたいと思います。初めて小学校に入学させる保護者にとっても素敵な一日になるように…。

388 始まりの日(24.4.8)

 例年より開花が遅かったせいで、桜がよい感じに咲いています。いよいよ令和6年度の始まりです。子供たちはきっと、どんな先生と出会うのかワクワクドキドキかもしれません。子供たちの今を空っぽのグラスに例えるなら、ときめきでグラスを満たし、炭酸の泡のようにふつふつと湧いてくる笑顔を弾けさせる姿を大切にしたいと思います。

 春の庭もワクワクします。クレマチスやライラック、モミジや山椒が、新芽を出しています。若い芽が次から次へとバトンを繋いでいるように見えて、命が続いていく不思議な感覚にとらわれます。学校のプランターでは、ビオラやパンジーが新学期もきれいに咲いて子供たちを迎えます。校庭やなかよし広場にもたくさんの春を見つけることができます。

 さて、天気予報が気になるのはどんな時でしょう。旅行に出かけたり結婚式があったり…。学校では、卒業式や明日の入学式、運動会、宿泊学習など様々です。残念ながら、明日は晴天とは程遠いようです。ところで、ニュースなどで天気予報を見たとき、「東京」や「千葉」の天気や気温が表示されることが多くありますが、どちらを参考にするでしょう?我が家は、お天気マークによりその日の地域が東京寄りだったり千葉寄りだったりと、都合よく解釈を変えています。

 春休み中に学童に通う子や放課後子供教室で遊ぶ子、バスケットクラブ員たちに会いました。キラキラした顔で、口々に大声で呼んでくれてうれしくなりました。新しい教頭先生と一緒に歩いていましたが、さすがに知らない人には「誰?」といった顔。あるいは興味津々で「もしかしたら」という顔。ただ、私にはハイタッチで応えても、教頭先生が出した手には反応なし!そうそう、知らない大人には気をつけようという教えを忠実に守ってエライけれど、校長と一緒ですから不審者ではありませんねぇ…。そんなこんなで、明日は89名の新入生を迎え入れます。昨年度の入学式では、梅田俊作さんの絵本『がまんだがまんだ うんちっち』を読みましたが、今年は…、ナイショ。

 校長のつぶやきのページも3年目に入りました。子供たちのために新しいことにも挑戦していきますので、どうぞよろしくお願いします。

387 つながる(24.3.25)

 永野芽郁・山田裕貴さん主演のドラマ『君が心をくれたから』を観て、せつなさに毎回ティッシュに手が伸びる私。「ドラマにそんなに感情移入する?」と思う人もいるかもしれませんが、決して主人公を自分に置き換えたり子供のことを思ったりするわけではないのです。最終回は、ハッピーエンドで終わってほしいという期待と裏腹に、「そう来たかぁ」と思ってまた涙。歳を重ねるにしたがって涙もろくなっているようです。

 テレビも番組切り替わりのシーズン。新番組に期待は高まります。大相撲でも新しいヒーローの登場です。尊富士(タケルフジ)の新入幕で初日から11連勝というのは、約75年前の大鵬に並ぶ記録。さらに賜杯まで手にしたのは、なんと110年ぶりという快挙というから驚きです。

 さて、先週、教頭先生から冊子をプレゼントしてもらいました。中を見ると、昨年度の校長ブログ全189回分が収められて製本されているのです。自分でもデータ保存はしていますが、これにはびっくり!宝物になります。早速、弁当を食べながらページをめくってみました。「こんなことを書いていたんだ」と懐かしくなります。すると、つい最近書いた、算数が嫌いだった話や集合の問題について書かれているではありませんか。そう考えると、前にも読んだことあるぞと思われるものは少なくないのかもしれません。今日が387号になりました。ブログは本務ではありませんが、「楽しく読んでます」という言葉をいただくことが励みになります。学校が身近に感じられるようであってほしいと思います。

 そうそう、先週末に30年ほど前に担任した子から手紙が届きました。私の名前でググったら、平田小のブログに当たったと言い、読んでくれているようです。2児に恵まれ、仕事と家庭の両立を図っていると知り、これもまたうれしい!時空を超えてつながっていることを感じます。

 今日で子供たちとお別れする職員がたくさんいます。寂しい限りですが、同じくらい転入者がいますので、刺激をもらいながら出会いという偶然を大事に温めていきたいと思う最終日の朝です。転出職員が温かな心をくれた分、いやそれ以上を別の人に別の形でおすそ分けしたいと思います。多くの方々とつながりを持てたことに喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。そして、笑顔でずっとつながっていたいと願います。尚子さんとも…。

386 人材不足(24.3.22)

 先日出かけた際は、昼食難民になりかけて、バーミヤンに入ったのは14時近く。休日の食事場所はどこも混んでいるので、なかなかココ!という場所が決まらないまま食事のタイミングを逃してしまうのが「昼食難民」という我が家だけで通じる言葉。夕飯までがひもじい。

 そのバーミヤンは、すかいらーく系列。「すかいらーく」はファミレスの草分け的存在で、「ガスト」や「ジョナサン」を手がけていますが、その看板を目にしなくなって久しいことに気づきました。もしかすると、4年前に人手不足等から24時間営業全廃を発表後から?いやもっと以前かも…。

 さて、来年度の宿泊学習や校外学習の日程調整や計画を早めにする必要があります。まずは、修学旅行の日程を大きく前倒ししました。平田小は11月実施でしたが、今年度は感染症の影響で12月となってしまいました。寒いし紅葉を楽しむ時期ではありませんでしたが、どこもかしこも貸し切り状態だったことは怪我の功名?!

 先日、旅行業者が年度末の挨拶で来校しました。その中で、校外学習を計画するに当たり、期日を早めに決定した方がよいとのアドバイスがありました。希望日によってはバスの手配ができない場合があるようです。物流・運送業界の2024年問題が、こんなに身近にあったなんて…。働き方改革法案により、4月からドライバーの労働時間に上限が課されることによって、実質的にドライバー不足が生じるわけです。バス会社もその影響のど真ん中にどっぷりと浸かっているわけです。

 教員も過酷な長時間労働が社会的に問題視され、全国で教員採用試験の受験者数も減少の一途。千葉県は、来年度受験者に新たな採用枠を設けて人材確保に努めています。子供たちの中から未来の先生が生まれるように、私たちも教員の魅力を発信していかなければ!

385 靴磨き(24.3.21)

 6年生67名が校舎にいないことを実感し始めると、一抹の寂しさが込み上げます。それでも、そんなことを感じさせないくらい在校生は元気で嬉しくなります。

 さて、先日の卒業式に臨むにあたって、前日の夕方から靴磨きを始めました。革靴が汚れていることのないように普段から気をつけていますが、子供たちのハレの日ですから頭だけでなく足元も輝いていてほしいと、靴墨をつけて念入りに…。式で履く靴だけでなく、ビジネスシューズ全部を磨くと結構な手間です。履き回しをした方が痛まないというので黒が5足、茶系3足が玄関の三和土(たたき)に並びます。ピカピカに生まれ変わった靴は気持ちがよいもの。なんだか心軽やかに歩けそうな気がするから不思議です。

 東京・青山にある靴磨き専門店のオーナーが、NHK『仕事の流儀』で取り上げられたのは数年前。1足4千円で、どんな靴も美しく変身させるプロの技術を求めて、国内外からの来客が絶えないというから正直驚きです。日本でも世界でも、靴磨き選手権大会が開催されますが、その世界一に輝き、「靴磨きは、客の人生を磨くこと」と語るその職人を見ると、靴磨きという私たちが抱く仕事の常識を覆すかのように思えます。

 職人の言葉を借りるなら、私たち教員は「子供の人生を磨いている」という、ちょっと偉そうですが、そんな自負をもって日々向き合っていきたいと思うのです。今年度もあと3日。子供たちに何ができたのだろうと自問するも、答えが見つからず悶々としたまま3月が終わってしまいそう。

384 お弁当づくり(24.3.19)

 小学生の時、算数がある日は登校をしぶった覚えがあります。嫌いになった理由の一つに「集合」という単元があります。それと似た問題を電車内の中吊り広告に見つけました。中学受験の問題ですが、覚えている限りでここに出題します。

 あるクラスで40人にアンケートをとりました。スマホを持っていると答えた子は24人、タブレットを持っていると答えた子は16人でした。以下の①~④のうち正しいものをすべて選びなさい。

① スマホとタブレットのどちらか一方を持っている人数と両方を持っている人数は同じである

② どちらも持っていない人はいない

③ 両方持っている人の人数は16人以下である

④ 両方持っている人を除く人数は24人以上である

 ベン図を書いて考えてみました。24+16=40であることから、両方を所有する人は最大で16人、最小0人と考えられることから、正しいのは③④と導き出したのですが、まるで頭の体操。

 先日、保育園だよりを見る機会がありました。普段は給食なので弁当は原則ないそうでが、ある日に限って弁当持参のようです。昨年度の同じ頃に持ち寄られた弁当の中に「イクラ」が見られたそうです。滅多にない手作り弁当なので気合が入って豪華に仕上げたのかもしれません。仮に冬場であっても傷みやすい品は入れないのが当然。ただ、そうしたことすら継承されていないのかもしれません。ですから、園だよりには弁当づくりのポイントが事細かに記されています。食べやすさや傷みにくさ、誤飲防止などの視点が読み取れるとともに、最終チェック項目まであって至れり尽くせりです。果たして、よいのか悪いのか?!

 平田小も先週で今年度の給食が終わってしまいました。今日からからお弁当生活。食前のいただきますと食後の感想、弁当箱洗いは必須。さもないと作ってくれなくなります。それでもごちそう様を忘れることがしばしばあって、時々叱られます。

383 湯船に浸かって(24.3.18)

 似顔絵をササっと描く技術を持つ人っていいなぁと羨ましくなります。「校長室に自分で描いた絵を歴代校長の写真と並べているではないか」と言う人もいるかもしれませんが、髪は不要なのでほぼ丸だけで済んで簡単なだけ。新聞やテレビニュースで使われる政治家などの似顔絵は、本当によく特徴を捉えています。似顔絵講座を受講したいと思うこともありますが、きっと長続きしない気がします。知人は、写真資料のない面接の場で似顔絵を描き残していたといいます。後で協議をする際に、顔と名前を一致させることができて重宝がられたと聞いたことがあります。

 私の父は油絵が好きで、自画像も数枚残していました。葬儀の際、遺影の脇に収められた額縁の絵は、生前の父そのもので体温が感じられるほどでした。最近では、写真をイラスト風に編集できるソフトやアプリもありますが、味という点では手書きに勝るものなしでは?

 さて、冬場の風呂は心臓に大きな負担をかけます。ブルっと震えるような緊張場面をなくすために、暖房を入れてから服を脱ぎ始めます。昨日のように暖かいと、少しだけ窓を開けて外気を取り入れながらゆったりと湯船につかるのが最高に幸せなとき。ちなみに、家に浴槽が備わっていて、毎日のように湯船につかる習慣があるのは、どうも日本人だけのようです。古代ローマ人の公衆浴場もあったではないかと、阿部寛主演の『テルマエロマエ』を思い出しますが違うようです。

 入浴は、健康寿命を延ばす効果があるといわれます。ある研究では、要介護認定を受けていない1.4万人を対象に3年間にわたって調査を行ったそうです。毎日入浴する人は、週に2回以下の人に比べて新たに要介護になるリスクが3割低いという結果を得たようです。入浴の主な効果は、温熱効果と浮力効果、水圧効果。体が温まって血流がよくなり代謝がよくなります。肩こりや痛みの改善も期待できます。水圧や浮力によって、マッサージ効果や関節・筋肉を弛緩させる効果があります。

 だから今日は、ゆったり湯船につかって、湯気で白くなった窓にお絵描きしながら卒業式の余韻に浸ろうと思います。

382 靴ベラとしもやけ(24.3.15)

 スマホのメモ機能に「備忘録」のページを作って、思いついたことを記すようにしています。家に帰って日記を書きますが、いざペンを持った段になると「今日は何かあったっけ?」ということが度々あります。決して平和な時間ばかりが流れたわけではないのに思い出せないのです。だから、学校にいる間に入力することもあります。人に伝えなければいけないこと、明日作業しなければいけないことなどがあれば忘れないうちに記録です。思いついたときに、たまたまスマホを持っていないときは大変!覚えていればよいのですが、スマホを手にした時には既に「あれっ、なんだっけ?」という状態です。時には少し前の場所に戻って考えてみますが、無理なものは無理。潔く諦めます。

 そんなメモのページに、「靴ベラ」という文字がいつまでも消えずに残っています。革靴を脱着するときに靴紐を緩めたりほどいたりする習慣がない私は、履くときには必ずと言ってよいほど靴ベラを使用します。でも、玄関の施錠が済んでから帰るときは別の扉を使用します。そこには靴ベラが置いてありませんので、かかとが引っ掛かって履きにくいこと極まりない。そこで、マイ・靴ベラを用意して持ち歩こうと考えたのです。そう思ったのはいつのことだったか。引き出しに入っていることはわかっているのに、メモを見ることを忘れてしまうわけですから何のための備忘録なんだか…。

 そういえば、『サラっと川柳』の優秀100句の中に、「スマホ開け 検索ワード なんだっけ」という作品がありましたが、その気持ちがよ~くわかります。

 寒い季節は、足の爪を切ることを忘れがちです。「伸びているなぁ」と思っても、足元が冷えるのですぐに靴下を履いてしまいます。それから3歩歩こうものなら、もう忘れている始末です。この足の指ですが、「親指」や「小指」は普通に言いますが、「人差し指」「薬指」は違和感があります。

 そんな足指に、毎年のようにしもやけができます。それも両足!左は親指と第二指の腹の部分。右側は、同じ指の左側面がぷっつりと赤くなっています。痒さではなく痛みがあるので、風呂上がりには軟膏をつけてケアに努めています。子供のころは手にもしもやけができましたが、さすがに手が大丈夫なのは、クリームをきちんとつけているからかもしれません。足のしもやけの原因は、毎日革靴を履いているからだと妻は言いますが、往復高々2時間程度の通勤時間であって10本の指は窮屈なのかもしれません。あれっ?また一つしもやけが生まれている!

381 卒業、そして入学(24.3.14)

 小学生の頃だったでしょうか?「象が踏んでも壊れない」をキャッチコピーにしたCMをいまだに思い出すアーム筆入れ!当時の筆箱はセルロイド製が多く、発火しやすく耐久性が低いという欠点があったので、ポリカーボネイトを使用して丈夫さを売りにしたのです。均一に圧をかけて踏む象だって加減したかもしれませんが、人が踏んだり投げたりすれば間違いなく壊れました。そうであっても、強さをどう消費者にアピールするかといった点ではインパクト大だったように思います。新入学を心待ちにする子供たちも、文房具をそろえ始めるころでしょうか。多機能筆箱は今も人気ですし、たとえ鉛筆1本でもなくさないように大事にしてほしいものです。

 さて、卒業式が間近に迫りました。12日には5年生も体育館に集まって予行練習を行いました。来年に備えて雰囲気を感じ、目に焼き付けてくれたはず。式の中では、校歌以外に2曲を歌いますが、6年生の歌声は日に日によくなっていくように感じます。当日、どんな歌声や姿を見せてくれるかとても楽しみです。

 ずっと以前の式歌は、『蛍の光』や『仰げば尊し』が定番でしたが、歌詞の内容が時代にそぐわず理解しにくいようで、児童生徒の心に響き、好みに添う選曲がされているのが今。その中に『旅立ちの日に』も含まれます。14年前、秩父市の中学校長であった小嶋登さんが一晩で歌詞を書き上げ、翌朝には音楽科教諭に作曲を依頼したといいます。3年生に贈る教職員の歌のプレゼントだったはずが、音楽雑誌に取り上げられ、今に歌い継がれる曲になっています。サビでは「♪今別れのとき 飛び立とう 未来信じて~はずむ若い力 信じて~♪」と歌い上げます。平田小の6年生は、全体に込められた想いをどのように解釈して声にしてくれるのでしょう。ちなみに、平田小校歌も小嶋先生の作詞です!といっても、初代校長の小嶋好彦先生です。実に70年も昔。

380 人生の転換点(24.3.13)

 漫画家 鳥山明さんの訃報を伝えるニュースに耳を疑いました。その翌日には、ちびまる子ちゃんの声優TARAKOさんの訃報も…。鳥山明さんの漫画といえば、多くの人が『ドラゴンボール』をイメージするかもしれません。海外でも人気でした。でも私の場合は、『Dr.スランプ』です。高校生の頃、「週刊少年ジャンプ」を友達と回し読みしていたことを思い出します。キレイな線で描かれた絵が、当時とても印象的でした。本当は、アラレちゃんを作ったペンギン村の発明家 則巻千兵衛が主人公で、このロボット・アラレは第1話限りの登場予定だったというから驚きです。元々この作品も選外で、たまたま編集者の目に留まった原稿だったようで、その編集者に押し切られてアラレちゃんが主人公になったと知りました。どんな人と出会うかによって人生は大きく変わるといった代表例のようです。

 この世界的ともいえる漫画家の命を奪ったのが急性硬膜下血腫。これを引き起こす外傷は、交通事故で地面や車に頭を打ちつけたり、階段などから落下して頭を打ったりするような、ものすごく強い力によるケースだといわれます。事故直後は周りと普通にやり取りができたのに、何時間か経ってフラフラしたり気分が悪くなったりして対応が遅れることもあるというから厄介です。スポーツでも考えられますから、知っていて損はなさそうです。

 また、必ずしも強い衝撃ではなくても発症すると聞くと、他人事とは思えなくなります。生活習慣病や加齢の関係で血液サラサラの薬を服用している場合、万が一、血管が切れると薬の影響で出血が止まらず硬膜下血腫を起こすリスクが高いと言われます。今の時代、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を一つや二つ持っていても不思議ではありません。生活の中のちょっとした衝撃や転倒でも発症の可能性はあるということですから、鳥山氏のニュースを読んで、ちょっとした怪我にも注意しようと思います。病気や怪我でも、その後の人生が大きく変わってしまいますから…。

379 やさしい心配り(24.3.12)

 くすのきしげのりさんの絵本『メガネをかけたら』が図書室にありました。メガネをかけなければいけなくなったけれど、絶対にイヤ!誰もかけていないし、人からからかわれるのではないかと不安が先に立つ主人公の女の子。メガネ屋に行ってもなかなか決められません。利口になれるなら、可愛くなれるなら、宇宙まで見えるなら、空を飛べるなら…と気持ちが揺れ動きます。でも決心してメガネをかけたら、先生の優しい心まで見えたなんていう素敵なお話。

 視力が落ちて、初めてメガネをかけて黒板の文字を見た時の感動は忘れられません。多くが「こんなに良く見えるならもっと早くかけていればよかった」と思うのではないでしょうか。時々、メガネを外して通知表の小さな文字などを読んでいる時に部屋の扉がノックされることがあります。ドアが開くと、ぼんやりした人型が話す声に集中しながら、自分の中の声認証システムを発動することになります。

 ちなみに、メガネをかけないで状態を「裸眼」と言いますが、補聴器なしで先日聴力検査をした状況は「裸耳」「生耳」とでも言うのでしょうか?

 子供たちは、いろいろな「初めて」に出会います。そこには、期待感とともに少なからず抵抗感や不安があります。例えば、思い切って髪形を変えるとき、スキー・楽器・料理に挑戦するとき、歯の矯正器具をつけるとき、海外に出かけるとき…。想像してみると、大人だって同じであることに気づきます。そんな時、周りの人の優しい心配りがあったら、どれほど嬉しいことか。

 小学校に入学する新1年生、初めて小学校に通わせる保護者、中学校へと進学する6年生、新卒で着任する先生、転校生などを迎えたり送り出したりする場面がたくさんある3月から4月。そこに思いやり溢れる行動や言葉がたくさんありますように!

378 標識(24.3.11)

 サッカーのルール改正は度々行われてきました。その中で、ゴールキーパーに適用されるルールも変わってきました。以前は、ボールをキャッチした後、ゴールキーパーが手でボールを保持できる時間は4秒までと決まっていました。さらに4歩以上歩いてはいけないというルールもありました。現在歩数制限はなく、保持時間も6秒となっています。これを8秒に延ばして試験的に導入しようという案があります。PK時の動きについても変更が加えられてきました。

 3年生が国語の学習で「絵文字」の勉強をします。身の回りの絵文字の便利さを学び、自分たちでも作ってみようと、それぞれに考えます。この絵文字は、道路標識にも通じます。自動車免許を取得しようとすれば、自ずと道路標識の意味を知らなくてはいけません。注意を促すための標識も多くみられます。猿やタヌキ、ウサギの飛び出しの可能性を示す表示は、地域性があります。

 昔からずっと気になっている標識があります。濡れたり凍結したりした路面、あるいはカーブなどすべりやすい道路を走る際、速度に気を付けて細心の注意で走りたいものですが、それを促す標識はよく目にするものです。黄色のひし形に、車がスリップしている感じが一目でわかる図柄です。でもよく見るとタイヤ痕が交差しているのです。普通ならタイヤの跡は交差せず平行になるはずなので、違和感たっぷり。これを検証するコメントを見つけました。タイヤの跡が交差する現象は、車が半回転した結果といえるようです。よろけながらもハンドル操作で体勢を整えたとすると、素晴らしい運転テクニックの持ち主のようです。

 先日の新聞に、『ヘンな矢印標識 ~君たちはどう進むか~』という本が紹介されていました。全国を旅して撮り貯めた、一風変わった標識が見られるようです。本屋の店頭でページをめくってみようと思います。さすがに、時代とともに度々改正される道路標識というものはあったら、それこそ混乱を招きかねません。

 震災から13年。教訓生かして、私たちはどう進むか、しっかり考える日にしたいと思います。

377 Spring has comeのはず(24.3.8)

 月初めには必ず墓参りに出かけます。春先の今頃からの花粉や黄砂がたくさん飛散する時期は、墓石が黄色くなります。建立はしたものの、まだ誰も入っていない墓は見事なほど汚れます。大変なのは墓石に刻まれた文字のくぼみに汚れがたまりやすいこと。何しろ画数が多いので掃除しにくくて困ります。だから、次はお彼岸の頃かな。今は河津桜が見頃ですが、それがソメイヨシノに切り替わる頃に花見も兼ねて南無~。

 

 桜と同じように、春らしい植物の一つにたんぽぽや土筆があります。昨日、なかよし広場のフェンス沿いの花壇に土筆をたくさん見つけました。かわいいので写真におさめたのですが、ピントの合っていない写真ばかりで断念して即削除。かわいいからといってこのまま放っておくと、スギナにチューリップの陣地を占領されてしまいます。写真同様、除かないといけません。ところで、土筆を食べたことがある人はどのくらいいるのでしょう?ビタミンE含有量は野菜の中でトップクラスだそうです。春にしか味わえない食材ですが、小学生の頃、祖母と採りに行って手間をかけて作ってくれましたが、おいしいと思った記憶はありません。

 心配していた赤門脇の梅が蕾をつけています。体育館入口そばの桜は、今年も一番に咲きそうなほどの勢い。そうした変化に心を留めたい春!そんな今日《ミモザの日》は、湿って重い雪が朝から降っていて寒い!そんな中、食卓に置かれた朝日新聞の題字に目をやると図柄がいつもと違います。直近のものを見ると、モノクロで桜が描かれています。「本日限り!」という特別感がよいなぁと思う一方で、おそらく季節ごとに変わっている図柄に全く気づいていなかった自分の観察眼を嘆きます。

 

376 新たなスタートへ(24.3.7)

 昨日は、お隣の県立市川工業高校の卒業式に参加させてもらいました。卒業生194名と在校生、保護者、教職員合わせて800名以上が体育館で祝う様子を壇上から見ることができました。昔ながらの式が粛々と進む中、高校ならではの場面もあって目頭が熱くなる思いがしました。

 さて、NHKの土・日曜朝のニュースに登場する気象予報士の南利幸さんは、気象情報にまつわる駄洒落を連発して、とても明るいキャラクターで親しみやすい人物です。その南さんが、今年の東京の桜開花を3月18日と予想していました。ちょうど卒業式当日に当たりますがどうでしょうか?

 2/27の「ブーム」と題した中でアメフトについて触れました。そのすぐあとに、オービックシーガルズの選手やスタッフが2年生を対象にフラッグフットボールを教えてくれる機会があったのでおしゃべりさせてもらいました。現役の二人(藤本選手と西村選手)は日本代表でもあるとのことですが、とても気さくで、子供たちとも打ち解けていました。すぐにチームのHPを閲覧してみると、目の前にいた二人の顔も見られます。東大や京大出身者も複数いてびっくりです。今シーズンはもうすぐ練習が始まり、公式戦に至っては5月5日からのようです。

 ところで、このアメフトも関東・関西の大学リーグ等の日本一を決める「甲子園ボウル」や社会人Xリーグの「ライスボウル」は報じられることがありますが、日本代表チームだってあるのに話題にすら上りませんし、私を含めてその存在を知る人はほとんどいないような気がします。でも、携わる人たちと話ができてその人柄に親しみが沸き、にわかファンとして応援したくなりました。顔を見て話をする意味や効果ってこういうところにあるのだなぁと改めて感じます。

 桜の開花に前後してスポーツシーズンが始まります。ドジャースの大谷選手のほか、新卒ルーキーも含めてワクワクさせてくれるプレイヤーがたくさん現れることを期待する春です。

375 酪農・畜産(24.3.6)

 平田小学校の給食ではメイトウ牛乳が出ますが、八千代牛乳が提供される学校もあるようです。この八千代牛乳が、ウェブ上に酪農家経験者が描く4コマ漫画を掲載しています。現在、百作品以上ありますが、「第1作」ではなく「第1搾」と書かれるなど、興味深くページをめくれます。第21搾では「牛」のつく漢字をネタにしています。「犠牲」という熟語はともに牛偏ですが、これは家畜を清めて祭礼の供え物としていたことからきているらしいことを一コマで紹介しています。また第29搾では牛なぞなぞの4連発です。④は難しい!やってみてください。

①牛は牛でも、頭にのせる牛は?

②牛が通っても眠くならないのに、豚が通ると眠くなる場所って?

③牛は牛でも学校にいる牛は?

④牛があることをしたら石になったよ。何をしたのかな?

どうですか?答えはのちほど。

 さて、随分前にスマホで読んだ漫画『銀の匙』は、『鋼の錬金術師』の作者 荒川弘さんが描く酪農青春グラフィティーともいえる作品。大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した主人公が、仲間に支えられ、時には家畜にコケにされながら奮闘するという物語です。

 これを思い出したのは、日本の畜産を応援する趣旨の新聞広告を読んだからです。黒毛和牛の生産量が日本一の鹿児島県で、和牛に情熱を傾ける高校生たちを紹介していました。JA全農が主催する「和牛甲子園」で輝かしい成績を残す高校の畜産部員の熱い思いが伝わります。決して身近とはいえない職業としての畜産ですが、一筋の光を見たように感じます。飼料や燃料の高騰にもかかわらず奮闘する畜産業に携わる人々の思いを胸に、今日モ~肉や牛乳をおいしくいただきます。

 さきほどの解答は、①ぼうし、②トンネル、③きょうし、④うがい(「う」が「い」になると?)でした。

374 平穏無事(24.3.5)

 ある日、けたたましい消防車のサイレンの音が聞こえてきます。その数も尋常ではなさそう。外に出ると、靄のような煙が流れてきます。飯盒炊さんをするときの薪を燃やした匂いが漂います。野次馬根性がムクムクと沸き起こり、現場目指しました。2階の屋根を突き破って燃え上がる炎と消防や警察が激しく動き回るさまに、火事の恐ろしさを認識し直した次第です。決して自分の家が火元にならないようにしなくては!

 先週、福岡の小学1年児童がウズラの卵を喉に詰まらせて窒息死した事故がありました。報道を聞く限り、誰も悪くないとは思えますが、他人事であってはなりません。先の事故を受けて、ウズラの卵やミニトマトの提供を中止する動きもあります。でも、個人的にはウズラの卵を食材として使用しないということは考えていません。今日の献立「インド煮」にも入ります。要は、事故から大人も子供も何を学ぶかが大切。火事同様、自分の学校で起こってほしくありませんし起こしてはならないと考えます。まずは、食べ始める前に放送で注意喚起を呼びかけ、担任にバトンを渡します。

 行政勤務時代は、車で通勤していました。行きに通る近所の道にお地蔵さまが2体立っています。毎朝その脇を通るたびにハンドルから手を放して、「今日は何も起こりませんように」と秒で拝んだことを思い出します。「よいことがありますように」ではなく、何事もないことを願う毎日でした。

 そうした思いは、普段の何気ない験担ぎの行動にも表れます。ばからしいと思うかもしれませんが、駅の改札は毎朝必ず同じゲートを通ります。ここを通った日は悪いことが起こらないと勝手に思っているだけで、実際どうだったのかは検証したことはありません。仏壇に手を合わせることは少ないのに、そんなことばかり気にしているのはどうなのでしょう。

 決して高望みはしません。今日も平田小の子供たちに事故やけがなく、笑顔で過ごせますように!

373 サンカンシオン(24.3.4)

 毎朝、天気が気になります。スマホやニュースで最高気温や降水確率を確認して、傘が必要かコートの種類はどうするかなどを判断します。「雨が降るかもしれないので折り畳み傘を忘れないようにしましょう」という気象予報士の言葉を信じて、傘を鞄に忍ばせて行ったのにもかかわらず、帰宅するまで降られることがなかった日はラッキーだったのか、はたまた荷物になって損だったのか考えてしまいます。逆に、降雨について触れていなかったのに(単に聞き逃していただけ?)午後からポツポツと降り出した折には、遮るものがない頭から雫を滴らせて走ることになります。

 さて、ドラマ『君が心をくれたから』では、放課後に傘がなくて昇降口で恨めしそうに雨を眺める主人公(永野芽郁)に、先輩(山田裕貴)が傘を差し出して一緒に帰る場面が第1話にありました。また、雨が降ってきたのに傘を持たずに家を出た家族の帰る時刻を見計らって、駅までもう1本の傘を持って歩いてお迎えに行くというのは、サザエさん一家の定番シーンのような気がします。でも今の時代は、お迎えの車で駅前があふれかえる様子しか思い浮かびません。

 今週は、明日からしばらく傘マークが続いています。暖かく感じられる日と寒さがぶり返す日もありそうです。寒暖の変化が周期的にやってくる春先の今頃に用いられる言葉が「三寒四温」。この言葉を聞くと、中学か高校の先生を思い出します。「サンカンシオ~ン」と外国語風に言った後に、フランス語ではホニャララという意味なんだよと前述のような説明してくれたのです。「それを漢字でも書けるんだよねぇ」と言って「三寒四温」と板書した場面が妙に記憶の奥のほうに焼き付いて離れません。

 今日「三月四日」から6年生が卒業式の練習を始めます。当日は暖かで真っ青な空の下67人を見送れたらよいなぁと、そろそろ長期予報が気になり始める頃となりました。

372 住まう地域を知る(24.3.1)

 昨日から地震が頻発して心配になります。

 勉強机に必要なものといえば手元を照らす照明、デスクライトです。アームとシェードの両方に可動部があることで思い通りの位置に明かりを調整できるのがZライト。長い間お世話になりましたし、今もベッド脇で読書のための間接照明的に使用されています。ネーミングの由来を考えたとき、きっと自在に曲がるアームなどが「Z」字であることが関係するのでしょうが、アルファベット最後の文字という特別感もどこかに秘められている気がしてなりません。

 さて、地域回覧板が回ってきた中に、▲▲地区の史跡などを辿るお誘いプリントが挟まっていました。最寄り駅に集合して、徒歩で3時間ほど巡る計画です。ポイントとなる地点それぞれを検索してみると、普段のランニングコースに点在しているではありませんか。ただ知らなかっただけ。そこで、神社仏閣や石碑、地蔵など、当日のコースを早歩きで見て回りました。立ち寄らなかったところもあるので、5km45分で軽く汗を掻くとともに、少しだけ物知りになった気分です。

 灯台下暗しで、自分の住む地域について知らないことがたくさんあります。平田小に着任してコククジラや聖徳太子堂、平田緑地など、子供とともに巡る歴史探検に一緒に加わって初めて知ったことがたくさんあります。3年生が考古博物館に行って、コククジラの骨模型の前で足を止めている時間が長いというのも、2年生の時の町探検でコククジラを知って身近に感じたからなのかもしれません。近すぎて、あることが当たり前になっていて却って知らないということがまだまだたくさんあるような気がしてなりません。

 そういえば、先日廊下を歩いている女児に、「先生、平田小学校の七不思議を知りませんか?」と尋ねられました。近くに養護教諭がいたので、「保健室にお化けが出るみたいだよ」と適当なことを言って任せてしまいました。七不思議も含めて、学校のことももっと知っておきたいと思う2年目の3月です。

371 ひとり(24.2.29)

 今年は4年に一度のうるう年、そして今日がうるう日。これとは別に、「うるう秒」というものがあります。地球の自転によって決まる時刻と原子時計によって決まる時刻のズレを修正するもので、不定期で1秒追加する形で実施されてきました。これを2035年までに廃止する方針が国連の専門機関で決定したといいます。この1秒のズレが、もしかしたら日常生活に凄い影響を及ぼすことにつながったりして…?

 さて、妻が1週間近く家を留守にする予定がありました。冷蔵庫の中には、冷凍ごはんや栄養バランスよさそうな冷食が蓄えられました。使わなさそうな野菜は事前に使い切って、日持ちする野菜類しか残っていません。一人暮らしを経験していない私が、家事を最小限に済ませられるように考えてくれています。だから、「寂しいなぁ」と口から出た言葉に、「それを言い換えすると“不便”って言うんだよねぇ」と返され、答えに窮した私。火事を出さない、戸締りをしっかりする、ゴミはこうやって捨てるなど、部屋のいたるところにチェック用のメモ用紙が貼ってある様子は、まるで小学生の留守番みたいです。

 いざ、不在となった日から自炊です。だから給食は貴重なバランス栄養食。仕事の合間には夕飯や翌朝のメニューを何にするか考えたり、洗濯や風呂掃除のタイミングを練ったり…。帰宅しても会話はゼロ。テレビを点けていても食事をしても楽しくない!「おはよう」「おやすみ」などを言える環境は、決して当たり前ではないことを思い知らされました。起床は普段より30分早く、着替えを含めたルーティーンが多少変わります。そんな初日は補聴器を着け忘れました。スマホを忘れた時と同じくらい不安な一日となったのは言うまでもありません。

 結局、妻は予定よりも早く帰宅して一安心。でも娘からは、「帰ってきたからといってサボるんじゃないわよ。継続することが大事なの!」ときつ~く言われました。それからというもの、できることは少しずつ見て学ぶようにしています。さぁて、いつまで続くやら。明日からいよいよ3月です。

370 伝える(24.2.28)

 先週、道路に面した庭のミモザが咲き始めました。まだ五分咲き程度ですが、丹精込めた植物が花咲かせるのはとてもうれしいことです。また、「いつも楽しみにしているんですよ」と通りがかった老夫婦が声をかけてくれるのもありがたいことです。

 日曜日、平田町会の餅つきをほぼ見届けて帰宅するや否や「ねぇねぇ聞いてよ~」と妻が話しかけてきます。少し前にピンポーンとインターホンが鳴ったそうです。誰かと確認すると近隣の顔見知りの女性。「ミモザを貰いに来ました」と言われたといいます。リースを作るのでたくさんほしいらしいのです。咲き始めたのを狙ってきたようですが、我が家ですらまだ一枝切っただけのこの時期に、「貰いに来ました」って言い方はいい大人として常識を疑います。買えば一枝400円以上しますが、金額ではなく伝え方がちょっと。貰う気満々でも、「いただくことはできませんか」と言われればまだ許せるというもの。残念なことに急襲を受けた妻は4本も切ってあげたといいますが、大切な子を奪われたようで納得いきません。やっぱり心が狭いのでしょう。

 以前、なかよし広場にあるコンビネーション遊具の空中ブランコが、子供の頭に当たりそうで怖いという声をいただきました。そばまで行ってみたり傷みのチェックをしたりすることはありましたが、なかなかバーの高さにまでは目がいきません。実際に測ってみたところ、一番低い部分の地面からの高さが122cm。以降の高さに差は5~24cmとバラバラであることにも気づきました。

 同様の空中ブランコに頭をぶつけたという話をこれまでに聞いた覚えがありませんので、近隣校に尋ねてみると、一番低いところが152cmで次が10cm高いといいます。だから調整をお願いし、月曜日に修繕が完了しました。滑り台も腐食している箇所が複数あるので修繕予定です。渡り板のささくれ立った部分もきれいにするなど、子供たちの安全には気を配っているつもりですが、完璧なはずはありません。気づかないままになっていることもあるかもしれませんから、気づいたことを気づいたときにお伝えください。

369 ブーム(24.2.27)

 2月中旬に「チーフス2年連続3度目の栄誉」というスーパーボウルの報道がありました。全米が熱狂するアメリカンフットボールのチャンピオンカップですが、日本ではどちらかというとマイナーなスポーツ。とはいえ、日大アメフト部の悪質タックル問題に始まり、一連の大麻使用問題などから廃部報道がありましたから、そうした事件によりアメフトというものの存在を知った人も少なくないはずです。

 私が小中学生の頃は、「爆発的」といっても過言ではないようなアメフト・ブームが巻き起こりました。決して休み時間にアメフトをやって遊んだとか、ゲーム観戦に夢中になったとかではありません。逆に、試合を見たことのある子はわずかだったと思います。では、何がブームだったのか?それは、文具や学用品関連のアメフトグッズ!グルービーケース(調べてください)やノート、下敷き、消しゴム、筆箱など、ランドセルの中が小さなアメフトの世界だったのです。ヘルメットに描かれた各チームのロゴがいろいろなものにプリントされていたのです。ヤフオクやメルカリでグルービーケースを探すと、数万円の値で出品されているからびっくり。ただ、振り返るとあれは何だったのだろうと思うような、男子特有の摩訶不思議なブームでした。

 ブームといえば、スーパーカーブームも忘れられません。フェラーリやランボルギーニ等、欧米のハイパフォーマンス・スポーツカーが大人気となったのです。子供たちは、スーパーカー消しゴムに夢中になりました。休み時間には机の上でノック式ボールペンのノック部の反動で消しゴムを飛ばしてレースをしたことが思い出されます。当時、「必要のないものは持ってこないように」と言われた覚えはありません。でも、ブームはあっという間に消え去りました。そういう意味では、アメリカンクラッカーも同じでしょうか。いつの時代も何かしらブームがあるものです。プロフィール帳に夢中になった親世代もいるはず。

 Jリーグの開幕試合をテレビで観たのは本当に久しぶりです。16年ぶりにJ1に復帰した東京ヴェルディが、31年前のJリーグ開幕カードと同じ横浜Fマリノスと対戦したのもノスタルジーを感じます。民放での試合中継がほどんどない現在ですが、代表戦以外でも盛り上がりたいと今も思っています。

368 漢字(24.2.26)

 天皇誕生日(2/23)は、語呂合わせで「富士山の日」にもなっているようです。昨年、実行委員会は、世界遺産登録十周年を迎える富士山の標高にちなんで、3776個のおにぎりを山梨・静岡両県の地域住民や観光客に無料で配付するイベントを開催したといいます。昨日は、学校を会場に平田町会の餅つきが4~5年ぶりに行われました。こういった機会で、大人も子供も顔見知りになれたら最高です!

 さて、あちらこちらで白やピンクの梅が咲いています。にもかかわらず、平田小正門(通称 赤門)を入ってすぐ右側の梅が今年は全く咲きませんし、つぼみすら見当たりません。一昨年は梅の実をたわわにつけて収穫するのが大変でした。昨年はほとんど実をつけず、今年は花すら咲かない状態。夏の暑さにやられて枯死してしまったのでしょうか。

 先週には千葉県立高校の入試が行われ、3.4万人が受験しました。その1日目の国語の問題。漢字の読みは中学校で習う漢字でしたが、書き取り4問は全て小学校で学ぶ常用漢字でした。「束ねる」は4年生、「染まる」は6年生、「往来」は5・2年生、「(一日)千秋」は1・2年生という具合に…。日ごろからドリルなどで繰り返し練習をしているかもしれませんが、小学校段階の漢字は高校入試でも登場するのです。そればかりか、大人になっても日常で頻繁に使用します。「高度なワープロソフトが勝手に変換してくれるから大丈夫」と思う人もいるでしょうが、使い方によっては相手に与える印象が大きく変わります。誤字脱字にも気をつけないと恥ずかしい思いをします。

 先日の天声人語に、段駄羅という言葉遊びについて触れられていました。「わたしといてよ」と記せば、「私と居てよ」とも「渡しといてよ」とも受け取れます。以前書いた「ごきぶり」が「五期ぶり」なのか「ゴキブリ」なのか迷うというのと同じです。「よきしなかった」はどういう変換を脳内でしているでしょう?「予期しなかった」なのか「良き品買った」なのか。「能登・金沢で」を「のどかな沢で」と遊ぶ段駄羅に妙に興味を覚えてしまったのでした。ユーモアや独創性を大切にして、大人も子供も学び続いていきたいものです。まずは今の足元を固めることから…。

367 いたずら(24.2.22)

 いろいろな場面でいたずら心がムズムズと頭をもたげます。例えば、道端でオナモミやセンダングサを摘んで、気づかれないように背中にくっつけます。家のぬいぐるみを見えない場所に忍ばせて、宝探しをせざるを得なくします。身体測定で体重計に乗った子に気づかれないように足や手で測定器を押して、「あれっ?」と思わせます。でもこれは、現在のように被測定者に数値が見えない状況ではおもしろ味がありません。ラーメンやカレー、野菜炒めに入れる人参を星形や手裏剣、パックマンのように切って、それぞれに得点を決めて、自分の「あたり」は何点かを食べながら楽しむなんてこともよくしました。そうしたことを楽しんだりできる関係であってこそ許されていたずらかもしれません。

 さて、鉢植えや地植えを問わず、我が家の庭には植物との相性があるらしいのです。相性が悪いのはチューリップ。球根を植えても育った例がありません。水仙も同様です。放っておいても毎年花を咲かせるくらい強いのになぜなのでしょう。今を盛りと咲くサクラソウも…。そんな中で鉢植えのヒヤシンスが、土を持ち上げて頭を出してきました。濃青の花が楽しみです。ムスカリは水栽培にしてみました。柔らかい白い根が日に日に伸びていく様は、観察していて飽きません。青色のつぼみが数を増やしています。水色や白色も庭にはあるので時期を違えて楽しませてくれます。絵筆を持って絵手紙でも描けたら素敵だろうなぁ。

 2月だというのに、県内で夏日を記録した火曜日。でも昨日からまた冬が戻ってきて、日曜日には雪マークまで見られます。そうであっても、校庭の樹木や植物に目を移すと春の息吹をあちこちに感じられるはずです。一鉢栽培の植物だけでなく、視野を広げる中で見つけた小さな発見を楽しんでほしいと思います。廊下を歩いていると、低学年の男児が「先生~、花粉症になっちゃったぁ」と報告してくれました。教室にはマイ・ティッシュケースが机の上に鎮座していました。スギ花粉だってれっきとした春の訪れであるとともに、季節のいたずらととらえれば少しは許せる?

366 まずは一歩(24.2.21)

 昨日との気温差が10℃以上となる予報で、血管が縮こまりそうです。

 子供たちに根強い人気があるうんこドリル。これとコラボして、小学生向けの環境学習用教材を県気候変動適応センターがデジタル版で制作したといいます。タイトルは「地球温暖化問題と二つの対策」です。無料公開(https//world.unkogakuen.com/lesson/ondanka)されているのでスマホで確認してみましたが、うんこと絡めて出題されていて面白そうです。やけくそになって取り組むのもよいかもしれません。塾や習い事で忙しい子供たちも少なくありません。でも、そうしたことも含めて自分が興味あることを進んで学ぶことはとても大事です。宿題ではない「家庭学習」を10分でも20分でも生活の中に位置づけることができたら、知識以外の何かが着実に積み上げられていくはずです。リサイクル倉庫脇に掲示されている「家庭学習コーナー」が新しいものに切り替えられていく頻度が増えていったらよいなぁと思いながら眺めています。

 さて、大相撲初場所で、横綱と優勝決定戦に臨んだ琴ノ若関は、松戸市の出身。小学生の頃は、柏相撲少年団で稽古に励んだといいます。3月の春場所には「大関 琴ノ若」として土俵に立ち、5月の夏場所から「琴桜」を襲名する予定です。活躍が期待されます。

 春場所では、一人横綱と四大関になることが予想されますが、病院で時々見られる番付表には横綱は4人(?)揃っています。行司名を「高コレステロール血症之助」とする『食改善に関する番付表』です。番付上位を紹介すると、控えたい食品の東の筆頭横綱が「鶏卵」で、張出横綱は「卵黄」となっています。大関「うなぎ蒲焼」、関脇「鶏レバー」と続きます。一方摂りたい食品である西の横綱は「豆腐」です。張出に「卵白」、大関「赤身マグロ」、関脇「鶏ささみ」、小結「納豆」というそうそうたるメンバー。私の好きな「筋子」や「いかの塩辛」、「牛モツ」は、控えたい食品の前頭に名を連ねているではありませんか。コレステロールを多く含む食品を食べ過ぎないように、日頃の食事メニューの参考にしてくださいと注釈があります。こうやって番付全体を見渡すと、給食って「摂りたい食品」の多くを網羅しているようで、ありがたいと改めて感じます。

 そういえば、家庭学習コーナーには家で作った料理について紹介されたものがありました。好きなことを、好きな時に、好きなだけ、自分でできるやり方で、まずは一歩踏み出すことから!

365 緑の指(24.2.20)

 NHK出版『趣味の園芸』(Eテレ放送)という雑誌があります。季節を感じる素敵な植物や室内グリーン、庭づくりのヒントなどをレクチャーしてくれます。その中に、稲垣吾郎さんの「グリーンサムへの12か月」というコーナーがあって、園芸名人へと変貌するため様々な挑戦を毎年人をかえながら紹介しています。

 ホームセンターなどの園芸コーナーへ足を運ぶと、色鮮やかで賑やかさに溢れ、見て回るだけで気分がウキウキしてきます。店頭だけではありません。第八中に向かう側道脇の家では河津桜と思われる桜が、今まさに花開こうかといった状態を見かけました。暖かい日が続くので、きっともう咲いたかもしれません。来客が予定されていた先日は、校長室に水仙を5~6本摘んで生けました。芳香を放ちますが、どうも糞尿のような臭いにも感じられ顔を背けたくなります。しばらくして、水仙の種類が違うことが判明。改めて摘み直して飾ったことは言うまでもありません。同じ日、敷地内では造園業者が樹木の剪定を行っていました。学校職員では対応できない樹木を2年に一度の頻度で整えてくれます。3月の桜開花に向けて花芽を膨らませる枝を伐られてしまわないように、事前にお願いしておきました。

 さて、「緑の指」ってわかりますか?「園芸上手」を指す言葉だといいます。植物を育てる才能を、イギリスでは「green fingers(緑の指を持っている)」と記し、アメリカでは「green thumbs」と表記します。これが、稲垣吾郎さんの「グリーンサム~」がまさにコレ!「thumbs」は親指なので、広大な庭仕事に精を出して植物の色に染まった親指をイメージしているのかもしれません。そんな私は、今にも咲きそうなミモザの枝を1本ずつ手に取って害虫カイガラムシを1匹ずつ潰して退治!気の遠くなる作業でした。その指は、ネバネバした虫の体液で茶と黄ともつかない複雑な色に染まり…。

 モーリス・ドリュオン作、安東次男訳『みどりのゆび』(岩波書店)には、枯れかけた植物を蘇らせたり見事な花を咲かせたりする、不思議な指を持つ少年が登場します。自分の頭で考えること、自ら行動すること、自分にできるやり方で周りに希望を与えることなど、生きるうえで大切なことを思い出させてくれる物語です。

364 芸術点(24.2.19)

 今年はパリオリンピックの年です。マラソンや卓球などの代表が決まっていきます。一方、冬季オリンピックは、2026年にミラノで開催されますから選考はまだでしょうが、スケートやスノボ、スキーなどの結果が次々と耳に届きます。

 柔道や陸上競技、水泳等は、勝ち負けや代表選考が誰にもわかる客観性をもっています。同じ土俵で勝負するので、順位付けが明確だからです。一方、「採点型競技」では曖昧さが介在するような気がします。例えば、フィギュアスケートやスキージャンプです。「芸術点」というような演技の芸術性を比較するって、スポーツとしてどうなのだろうと考えてしまうわけです。回転数やルッツ・フリップ・ループ・サルコウ・トウループに順位づけされれば得点は一目瞭然となりますが、それも興ざめです。ブレークダンスもオリンピック競技となるようですが、芸術という範疇で捉えるなら社交ダンスも加えてはダメでしょうか?

 さて、先週行われた70周年記念行事と6年生を送る会ですが、文化会館で開催してよかったと改めて感じます。各学年の発表は、限られた時間の中で趣向を凝らし、何よりも子供たちの自信に満ちた表情がいい!卒業を目の前にした6年生やバトンを受ける5年生の歌声には感動を覚えます。そうした全部を4年ぶりに保護者にも見ていただけたことも嬉しいことでした。

 後半のサイエンスショーは最高の盛り上がり!空気砲やブーメラン、液体窒素による実験など身を乗り出すように見ていた子供たちでした。単に「あ~面白かった」で終わってほしくありません。空気砲やブーメランの作り方や遊び方を教えてもらったので、「空気砲の穴の形を丸以外にしたらどうか」「ブーメランをより遠くに飛ばすためにどうするか」「羽の枚数を増やしたらどうなるか」「手元に戻ってくる紙飛行機は作れるか」など、知ったことから問いをもち、確かめてみようとする子がいたらいいなぁと思いますし、みんなで取り組んでみようとする学級があったら最高です。開会式の挨拶でも述べましたが、指をくわえて未来を待っている人ではなく、自分から未来を掴みにいこうとする平田っ子であってほしいと強く願います。

 今日の子供たちの発表や準備段階での発想・発案は、勝ち負けをつけたり順位を競ったりするものではありません。それこそ「芸術点」の世界なのかもしれません。そこでは、子供の表情も加点の要素となるような気がしてなりません。だから、先日の平田っ子に満点をあげたいと思います。

363 おせっかい(24.2.16)

 今日は、市川市文化会館で創立70周年記念行事と6年生を送る会を行います。移動は4コースに分かれます。また、初めて文化会館を使うという児童も大勢いるとともに、タイトな時間の中でトイレや給水のタイミングの難しさがあります。係となっている保護者だけでなく、全員の協力のもとで素敵な時間を過ごしたいと考えます。

 さて、体調が悪くて布団に伏せっていた時に、なぜかしら童謡「おお牧場はみどり」が流れ始めました。そして青空の下で緑色の草が風になびく映像とともに歌詞が浮かんでくるのです。そして思います。これって、自然界の水の循環と植物の生長を歌っているのかなぁと。私が生まれたちょうどひと月前に当たる日にNHK『みんなのうた』第1回目の放送、しかも最初の歌として紹介されたといいます。元々は、スロバキアやチェコの農村地帯で古くから親しまれてきた民謡なのですが、どうしてこんな具合の悪い時に…?と不思議でした。

 具合が悪いといえば、一昨日の朝、本八幡駅改札を出てシャポー入口手前でしゃがみ込む人が左前方に見えます。まるでキース・へリングのイラスト『Radiant Baby』のように四つん這いで固まっています。通勤客がたくさん通り、誰もが視線をやって気にはしているようですが声をかける人はいません。おせっかいな私は、おもむろに近寄り声をかけました。予想に反するような甲高い声が返ってきたことに意表を突かれながらも状況を確認しました。駅員にもSOSを出して駅の医務室に運びました。この間、一緒に運んでくれた男性と声をかけてくれた女性の二人しか関わってくれませんでした。

 時間ギリギリで急いでいたかもしれませんし、関わりたくないと考えたかもしれません。自分が駆け寄らなくても誰かがきっと何とかするだろうと考えたかもしれません。でも、ちょっと考えてみたいのです。うずくまっていた男性の気持ちです。唯々辛かったのではないでしょうか。もしかすると、助けを待っている子供や大人がすぐそばにいるかもしれません。おせっかいでもよいのでは?

362 ティーボール(24.2.15)

 11月から12月頃だったでしょうか、体育で「ティーボール」に取り組む子供たちの姿がありました。単元としては「ボール運動《ベースボール型》」とされています。小・中・高の学習指導要領から「ソフトボール」が消えて40年以上が経ちます。活動しているのが投手と捕手、打者だけで、運動機会が全員に提供されていないというのが主な理由。それに代わるのがティーボールといえますが、学校で盛んに行われるようになったのはそんなに古くはありません。

 ティーボールは、投手のいない野球であり、ソフトボールです。ゲームは、ホームベース後方に置いたバッティングティーにボールを載せ、止まっているボールを打者が打つことで始まるのです。打球は、内野や外野に常に飛んでいきますから、打つ・捕る・投げる・走るといった基本動作を全員が経験し、楽しく学習できるのです。指導経験がない私は、日本ティーボール協会HP(以下、図とともに引用)で少し調べてみました。

①打者は、思いきりボールを打つ。

②打った後、バットをフープかコーンの中に入れて、一塁・二塁・三塁・本塁コーンの外周を全力で走る。

③守備側は、内野ライン上と外野ライン上でそれぞれが守る。

④守備者は「全員で」打球を追い、捕った後はそのボールを本塁プレート(コーン)の横にいる指導者に返球(中継も可)する。

⑤指導者はそのボールを捕り、本塁コーンの上にボールを載せる。

⑥指導者が、本塁コーンの上にボールを載せた時、打者走者が一塁を回っていたら1点、二塁なら2点…というように得点が入る。2周目を走ることもでき、その場合、一塁を回っていたら5点となる。

 ルールは、子供と一緒に作り上げたりアレンジしたりできそうです。今学校で行われているのは「日本式」らしく、海外でも親しまれているようです。もしかすると、十数年後にはオリンピック競技となる日が来るかもしれません。

361 本を身近に(24.2.14)

 「東京ボンバーズ」と聞いてわかる人はどれだけいるでしょう。1970年代前半に流行ったローラーゲームの番組に出ていた人気チーム名です。今や伝説のスポーツとも言えます。野球なら「読売巨人軍」であり、サッカーなら「ヴェルディ川崎」(現・東京ヴェルディ)かなぁ。確かにローラースケートで周回しながら、敵にぶつかり弾き飛ばす様は「爆撃機(bombers)」そのものでした。

 さて、蜂須賀という名字によって、「私は爆弾を抱えているようなもの」と家族に言われます。「えっ、爆弾はオレ?」と聞き返すと、きっぱりと「他に誰がいるの」と返されて黙り込んでしまいます。見張ってないと何をしでかすかわからないそうで、「子供や孫にまで迷惑をかけるんだからね!」と念を押されます。全く信用されていないのです。

 可愛い盛りともいえる3歳と4歳の孫が遊びに来ると、最近は必ずと言ってよいほど我が家に置いてある絵本を持って膝の上にやってきます。少し前までは、読んであげようとしてもじっとしていられなかったのに、大きな変化というか成長です。

 自分の子供たちが小さい頃には、毎日読み聞かせをしていました。寝る前も寝息をたてるまでずっと。登場人物によって声色を変えたり、歌うような場面では即興で口ずさんでみたり。小学生になってからは、音読の宿題の手本と称して面白おかしく読むこともしばしばありました。決して子供たちを本好きにしようとか感想を聞こうとかが目的ではなく、単に自分が楽しみたかったからという理由なのです。次の学校だより『稲穂』は、敢えて「本好きな子を育てる」という視点で書いています。また、昼の給食時の放送で、昔ばなしやとんち話の語り聞かせを不定期で始めました。義務感でも押し付けでもなく、自分が楽しいと思えることを大事にしたいと思っているだけ。ある意味、価値の押し付けですし、自己満足といわれても仕方ありませんが…。

360 ためる・ためない(24.2.13)

 冬の庭を眺めるのが好きです。春や秋の花の多い季節も素敵ですが、冬枯れにより全体がすっきり見渡せます。早咲きのクリスマスローズが白い花をつけ、カモミールが芽を出しています。今年もユキヤナギが一輪フライングで咲いていますし、ミモザは見事なほどに蕾をつけています。庭のあちらこちらに春の息吹を感じ、やる気が出ます。

 朝の見守りを終えて学校に戻ってから行うビオラやパンジーの花殻摘みが習慣になっています。霜柱が立っても雪が降っても、5月まできれいに咲かせ続けるためには欠かせません。日を置いてやると、数が多くて面倒になり、継続しないので毎日取り組みます。そうすることで逆に負担がなくなるわけです。雑草取りも同じ。一気にやろうとせずに欠かさずコツコツが大事です。似たようなことが普段の生活にたくさんあります。溜めてしまうことで億劫になり、嫌だなぁと思うこと。例えば洗濯?アイロンかけ?夏休みの宿題?といろいろです。面倒なことや嫌いなことを後回しにしてしまいがちの私は、ためずにコツコツを心がけてはいますが、言うは易し行うは難し!

 こちらは逆にためる方の話。1月下旬、「梨の花摘み」を市川市で緊急募集しているという記事がありました。「市川のなし」ブランドを掲げる梨農家が市内に200軒ほどあるそうですが、そのほとんどが授粉用の中国産花粉に頼っているといいます。ところが、中国で花粉を介した枯死の病気が発生したために輸入を停止しているようです。そこで、梨農家は開花期に花粉を採取する必要に迫られたというわけです。募集は当初、明日2月9日まででしたが、必要な人員の約3倍もの人手が集まったことにより先月末日で締め切られました。活動予定は3月下旬から4月上旬というので、梨街道を走りながらその様子を見てこようかなぁ。あちこちの梨畑で、一斉に授粉作業をしているボランティアの姿を想像するだけでたまんないなぁ~。

359 呼称(24.2.9)

 昨日は雪の呼称について触れましたが、そうしているとき、ふとくだらないことを思いついてしまいました。くだらなすぎて、逆に誰かに話したい衝動にかられてしまったのが次。我が家ではゴキブリのことを「G」と呼びますが、たぶん一般的なのでしょう。でも逆に、ゴキブリから見たら人間は「N」?やっぱり人間とゴキブリは「共演NG」の関係なんじゃないかぁ…なんて。

 先日、松たか子さんのエッセイを新聞で読みました。その中に、母になって面白かったことが記されていました。それは「名前がなくなること」だといいます。「○○ちゃんのお母さん」と呼ばれることばかりで、それが逆に新鮮だったと。確かにそうしたことが多くあります。例えば、子供が生まれた後の父母の呼称。父母を、いつの間にか私自身が「おじいちゃん」「おばあちゃん」呼ばわりするようになります。妻を呼ぶときも「○○ちゃん」から「お母さん」へ変わり、今では「おかん」です。「私はあなたのお母さんではありません!」なんて野暮なことを言うことなく、自然と受け入れてしまえるもの。呼称はどうあれ、親が子を、子が親を想う気持ちは変わらないはず。

 管理職も同様です。「○○先生」だったのが、「教頭・校長」と役職で皆から呼ばれます。固有名詞が忘れられてしまうのは会社も一緒かも…。個人的にはちょっと悲しい響き。ただ、以前も書きましたが、相手の名前をド忘れしても「先生!」と呼んでいれば話が進むので、その点だけはよいなぁ。

 気をつけたいのは、目の前にいる子供の名前が出て来ずに「○○さんの弟」「○○さんのお姉さん」などと声かけしてしまうこと。誰しも自分の名前で呼ばれたいものですから。

358 雪 Part2(24.2.8)

 雨混じりの雪を霙(みぞれ)と呼びます。先日の雪も最初は湿った雪でした。暗くなるにしたがって落ちるスピードが緩やかになり、街灯に照らされながら舞い落ちる雪がきれいでした。こうして降ってくる雪には種類というか名前があります。霰(あられ)や雹(ひょう)に始まり、玉雪、粉雪、綿雪、淡雪、泡雪、細雪、餅雪、べた雪、灰雪、氷雪、吹雪ほかまだまだあるようです。一つ一つ解説はしませんが、一言で「雪」と括ってしまわずに言葉の雰囲気を感じられるようでありたいものです。また、積もった雪にも呼び名があります。新雪、深雪、薄雪、ふすま雪、しまり雪、ざらめ雪、ドカ雪、万年雪など耳にしたことがあるかもしれません。スキーやスノボをよくやる人には、きっと好ましい雪質があるのだろうと思います。

 さて、雪が降った日のことや雪遊びをしたことを作文や俳句にする子がいます。そうしたときの語彙が豊かであるようにしたいものです。雪の降り方を子供たちはどんな言葉で表すでしょうか。「はらはら」や「ちらちら」という言葉だって使わないかもしれません。まさか「ぽたぽた」?あまりにも情緒がなさすぎです。一方、情景を思い描けるような多彩な表現を大人が使えなければ、子供たちには伝わっていくはずもありません。古くは「こんこん」とか「しんしん」というのが一般的だったように思います。このほかにも「綿々(めんめん:長く降り続く様子)」「霏霏(ひひ:絶え間なく降り続く様子)」「蕭蕭(しょうしょう:もの寂しげに降る様子)」という言葉もあるようです。ドラマを見ていると、「六花(りっか)」という名前の人物が登場することがあります。雪の結晶が6弁の花に似た六角形に結晶することに由来する「六花」は、雪の異称なのだと初めて知りました。

 霙が降った日に、「♪ミ・ソ・レ♪~」とたどたどしく音階を声にすると、強引にカップ氷菓に話題をすり替えられました。写真の「みぞれ」は、1968年に能代で誕生したようで、実になつかしい!なつかしいといえば、家でカップアイスの「デリカ」と「ルーキー」の話になったのですが、私の記憶には全く存在しません。するとすかさず、「田舎だったから売っていなかったのよ、きっと」と鼻で笑われました。ご存じでした?

357 雪 Part1(24.2.7)

 月曜日の朝は、せわしなく時間が過ぎました。先週末にインフルを含めた欠席者がある学級で増えたため、月曜の朝6時に健康観察メールを流して6時半までに回答してもらいました。7時まで待ちましたが、4分の1の家庭から回答がないまま、学級閉鎖を判断せざるを得ない状況。ほかの学級でも相当数の欠席者があり、その報告を受けながら降雪・積雪への事前対応も考える、まさの頭の体操。平スコップや塩カルの準備、作業の範囲やタイミングなど考えることはいっぱいあります。忙しいと思える時間は楽しい時間。リア充なのです!

 昨年は、雪がたくさん降ると言われた日に外環道に架かる歩道橋に塩カルを撒いてくれた人がいました。残念ながら不発に終わったものですから、逆にこの塩カルの粒々で階段を降りるときに滑って転ぶ子が。ですから、箒と塵取りを持って数人でせっせと掃除をしたのを思い出しました。一昨日はそうならないように、児童の下校時刻頃から歩道橋や昇降口、門扉周辺などに塩カルを撒きました。それを見る子が口々に「それは何?」「何をしているの?」尋ねます。雪に濡れながら、同じ回答を何度返したことか。

 さて、大人になるといつの間にか雪は厄介者になってしまいます。交通機関が乱れる、車や自転車が滑って事故の危険性がある、凍った雪に足を取られる、受験日に限って雪が降るなど、生活を直撃です。不便さもそうですが、何より寒くて体にこたえます。それでも、いつもより時間に余裕をもって家を出ます。昨日は学校に到着した時すでに、職員による雪かきがほぼ終了していて、子供たちが安全に昇降口から入れるようになっていました。ありがたいことです。

 雪がたくさん降ると、家でも学校でも雪かきをします。降雪の予報があると、ホームセンターでは雪かきスコップがよく売れますが今回はどうだったのでしょう。大雪警報が出た翌朝でしたから、子供たちはどれだけ積もっているかとウキウキして登校したと思いますが、ベチョベチョで地面が見える様子に残念そう。それでも校庭には小さな泥雪だるまが何体か出来上がっていました。

 夜しんしんと音もなく揺れるように落ちてくる雪には、趣きがあります。それを屋内から眺めている時間は、厄介者が小さな天使に見えてきます。さぁて、今年はあと何回雪が降るのでしょう?

356 頻繁に手を洗おう(24.2.6)

 どんな話をしていた時だったのかは思い出せませんが、急に「オー・チン・チン」(ハニーナイツ)の歌を口ずさんでいました。まだ小学校低学年の頃に流行った曲。歌詞が覚束ないので検索して聴いてみました。今の時代では放送NGワードが何度も登場する中、2番、3番…と続く歌に「こんな歌詞だったんだぁ」と笑いがこみ上げます。雪の上でオシッコして、薄黄色の穴ぼこを開けることなんて今はしないのかもしれません。だからといって、校庭に積もった雪の上にはしないで。

 管理学校医の清水先生とお話しする機会がありました。今回は学校保健委員会の児童向け講演の事前撮影のために来校いただきましたが、テーマは「手洗い」です。昨日、ヘルシー委員会の児童がシナリオに沿って手洗いの重要性を全校に訴えました。その最後に、学校医の話という展開の動画です。

 さて、子供の手洗いを見ていて感じるのは、洗ったつもりになっていること。手洗い後に、外遊びした服やズボンに手をこすりつけていること。ブラックライトで汚れを見えるようにする機械がありますが、学校でやってみると「ヤバい」と実感するかも。仮に、手洗いを促したとすると「さっき洗ったよ」なんていう答えが返ってくることだってあります。いろいろ活動した後の今が大事だと思っても、子供は無頓着。ウィルスや細菌が付いていると思われる手で口元や鼻を触ったり目をこすったりする場面はよくあるもの。感染症を患うのもうなずけます。だから大人が意識して注意喚起することが大事。そんな私も、実は手で口元を触れる癖があるのです。

 ある医療機関では、いろいろなものに触れる手を肩より上に上げないことを徹底していると聞きました。また、ハンバーガーショップで会計を済ませ、お釣りを受け取った手でバーガーやポテトを食べるのは危険極まりない。誰が触れたともわからない小銭などを手にしたなら、必ず食べる直前に手を洗いましょうと、前出の校医さんは話してくれました。

 そういえば随分前になりますが、やはり別の医師と話をしたとき、「オシッコの後に手を洗うより、用を足す前に洗うべきだ」と言っていたのを思い出しました。陰部に細菌などを付着させないという意味だったように記憶していますが、手洗いは頻繁にしたいものです。