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571 頓珍漢(25.2.19)
娘が中学生の頃だと思いますから、もう20年近く昔のこと。娘が「百均」云々という話をしたときに、妻が「百円均一でしょ!」と指摘・訂正したことを急に思い出しました。でも、浸透してしまった今、「百円均一」なんて言う人はゼロに近いはず。同じようにそれ自体が一般化して、正式名称を思い出すのに時間がかかるもののたくさんあります。それほど略語に囲まれて生活しているといっても過言ではありません。
そんな中、「パソコン」「リモコン」「エアコン」「ツアコン」どれにも「コン」が使われていますが、「コンピュータ」「コントロール」「コンディショナー」「コンダクター」と全部異なりますから厄介! 一方で、昔使った「ガンプラ」(ガンダムのプラモデル)なんてもう通じないのかも…。最近どこかで目にした「ニキ」「ネキ」は、「兄貴」「姉貴」を指すといいますが、たった3音すら短くするんだぁ?!
一方こちらは正統派。随分前に「こそあど言葉」を学んだ3年生。普段から無意識に使っている言葉を、物事・方向・場所・様子に分類して使い分けできるように再確認しながら、効果的に使用できることをねらっているようです。会話する者同士、「アレ」や「そっち」が同じものや場所、方向で一致しなければ、とんちんかんな会話になってしまいそう。
ある時、「アレパシー」なる怪しい文字に目が留まりました。「アレどうしようか?」「それナニしといて!」で大抵のことは片付くので、「テレパシー」に似せた亀田誠治さん(音楽PD)の家庭の造語らしいのです。そういう我が家も、「ほらアレ、アレ」で通じてしまいますし、「あのさぁ…」と私が一声発しただけで何を言わんとしているのか判読する能力に長けた者がいる一方で、「アレパシー」の欠片すら持たない私は、略語の会話も含めて食い違いや思考の迷走といったとんちんかんな受け答えをしばしば。場をシラケさせる羽目に…。