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582 TRUE COLORS(25.3.7)

 テレビっ子と名乗るには歳をとりすぎたドラマ爺は、『グレースの履歴』の著者(源孝志)の新作『TRUE COLORS』を観ています。色彩にこだわるトップフォトグラファーが、色覚異常の難病を告知されて引退を余儀なくされ、故郷の天草に戻ります。人との関わりの中で自分らしさを取り戻していくヒューマンドラマ。十人十色とは言いますが、別の意味で人それぞれ見ている色は同じではなく、色覚は人の数だけ存在する個性の一つであることを改めて感じます。

 ニュースなどテレビに映る男性を見ながら、不自然に黒い髪に目が行きがち。一方で、白髪をあえて真っ黒に染めずに、清潔感のある自然なグレーヘアにする人もいるようです。この「グレー」は、「灰色」とも「ねずみ色」とも言われます。でも、使われる言葉によってイメージする色調が違います。

 小学校入学のときに揃えてもらった色鉛筆。12色だったり24色だったりする一本一本に、ひらがなで名前を刻印してもらいました。色の名前も鉛筆本体や収納缶に書いてありました。そこには「ねずみいろ」とあったように記憶します。「だいだいいろ」「ももいろ」なども懐かしい。「オレンジ色」「ピンク色」とも微妙に違う気がするのは言葉の印象だけではないはずです。

 時々日記にイラストを入れます。その方が見返したときに楽しいですし、何があったか一目瞭然だから。そのイラストを色鉛筆でぬりぬり。本体上部がその色に塗られ、英語表記されています。シルバーグレーは「銀鼠(ぎんねず)」、トープは「もぐら色」、インディゴは「濃藍」と言われます。ただ、ネズミやもぐらを見たことのない人には、和名もイメージしづらいかもしれません。慣れ親しんだ「はだ色」も、2000年を境に「うすだいだい」に…。

 普段気にすることなく見ている様々な色は、赤・青・緑の3原色を混ぜ合わせて再現できるわけですが、その見え方は皆違っていて、色覚にも多様性が存在することを知ることは大切ではないでしょうか。

 今日の「空の色」は何色ですか?