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561 気になる(25.2.4)
朝、保護者と一緒に登校した児童が、別れ際に「バイバイ」と言って門に向かいます。何でもない朝の一コマです。でも年を重ねたからでしょうか、細かいことが気になってしまうのが僕の悪い癖っ(杉下右京さん風に)。「行ってきます」と口にしてほしいなぁと…。
何かの記事で、一年の節目の挨拶に「あけおめ」「ことよろ」という略語はふさわしくないのではないかといった内容を目にしました。きっと賛否両論でしょう。ただ、省略されることが定番になった日本語は少なくありません。そんな中に明治時代以降から使われている「行ってきます」という言葉があります。もともとは「行ってまいるが、必ず帰ってきます」の意で、帰ってくるのが当たり前ではなかった時代に、必ず帰ってくるという誓いが込められていたのです。そして、「無事に行って、帰っていらっしゃい」(行ってらっしゃい)と、相手の誓いに思いを重ねたのです。さりげなく使っている言葉に、こんな素敵な思いが込められているわけです。だから、冒頭のような行きっぱなし、あるいは今生の別れにも聞こえてしまう「バイバイ」ではなく、「行ってきます」と笑顔で手を振ってほしいと思うのです。
また、校内でも気になることはあります。例えば、授業中に当たり前のようにトイレに行く子が多いこと。これは、決して低学年に限ったことではありません。確かに急な腹痛に襲われたり気分が悪くなったりした場合は仕方ありませんし、何らかの疾病等も考えられます。でもそうでなければ、休み時間に用を足せば45分我慢できないなんてことはなかなかあるものではないのでは?ただ先生も、トイレに行きたいと訴える子を行かせないなんてことはできません。それこそ肉体的・精神的な苦痛ですから。
しかし、それを当たり前にしてはいけません。無理に我慢させることではなく、集団や社会で相手を不快にさせないマナーやエチケットについて、子供たちの納得・理解に導くことがまず大事だと思います。時と場、状況に応じた振る舞いを低学年のうちから意識することは大切です。そうした中で、「自分らしさ」「ありのままの自分」を見つけられるといいなぁ。