文字
背景
行間
校長室から
562 遊ぼうぜ(25.2.5)
大谷翔平選手寄贈「野球しようぜ」のグローブは、去年の1月30日に届いたことを3年日記で確認しました。早いもので1才になりました。5年生と6年生が競うように、昼休みに使っている姿を見かけます。傷みは特にみられませんが、1年経ったのでメンテナンスのために、汚れを落として革用オイルを塗るとよいかなと考え、グローブ置き場に「誰かお願いできませんか」と書いた紙を貼っておいたら2人も名乗りをあげてくれました。今日の放課後にやってくれるらしいのです。
1月末に、1年生が昔遊びを体験しました。これまでにも羽根つきや凧揚げ、竹とんぼを体験してきましたが、経験がないのでなかなかうまくいきません。今回は、あやとりやお手玉、独楽などを、地域の方々に教えてもらいながらコミュニケーションを図る場面がありました。取り組んだ中にベーゴマもあります。学校保管のベーゴマが箱にごそっと入っています。私なんか目がキラキラしてしまいましたが、ベーゴマは低学年にはちょっと無理かな。担任も初めて見たというくらいですから、こういう機会がなければ一生見ることのないと言っても大袈裟ではないのかもしれません。まず紐を巻く段階で困難を極めます。中学生の時に夢中になった私ですら、紐のせいにするほど難儀しました。
大正時代から子供の間で盛んに遊ばれたベーゴマは、普通の独楽とは違って「ケンカ独楽」です。負ければ相手に取られてしまいますから、如何に相手の独楽を弾き飛ばすか、最後まで回っていられるかが最も重要です。ですから、鉄の塊であるベーゴマを念入りに研いだものです。
野球にしろ昔遊びにしろ、誰かと一緒にやって楽しさを共有するってよいものです。
561 気になる(25.2.4)
朝、保護者と一緒に登校した児童が、別れ際に「バイバイ」と言って門に向かいます。何でもない朝の一コマです。でも年を重ねたからでしょうか、細かいことが気になってしまうのが僕の悪い癖っ(杉下右京さん風に)。「行ってきます」と口にしてほしいなぁと…。
何かの記事で、一年の節目の挨拶に「あけおめ」「ことよろ」という略語はふさわしくないのではないかといった内容を目にしました。きっと賛否両論でしょう。ただ、省略されることが定番になった日本語は少なくありません。そんな中に明治時代以降から使われている「行ってきます」という言葉があります。もともとは「行ってまいるが、必ず帰ってきます」の意で、帰ってくるのが当たり前ではなかった時代に、必ず帰ってくるという誓いが込められていたのです。そして、「無事に行って、帰っていらっしゃい」(行ってらっしゃい)と、相手の誓いに思いを重ねたのです。さりげなく使っている言葉に、こんな素敵な思いが込められているわけです。だから、冒頭のような行きっぱなし、あるいは今生の別れにも聞こえてしまう「バイバイ」ではなく、「行ってきます」と笑顔で手を振ってほしいと思うのです。
また、校内でも気になることはあります。例えば、授業中に当たり前のようにトイレに行く子が多いこと。これは、決して低学年に限ったことではありません。確かに急な腹痛に襲われたり気分が悪くなったりした場合は仕方ありませんし、何らかの疾病等も考えられます。でもそうでなければ、休み時間に用を足せば45分我慢できないなんてことはなかなかあるものではないのでは?ただ先生も、トイレに行きたいと訴える子を行かせないなんてことはできません。それこそ肉体的・精神的な苦痛ですから。
しかし、それを当たり前にしてはいけません。無理に我慢させることではなく、集団や社会で相手を不快にさせないマナーやエチケットについて、子供たちの納得・理解に導くことがまず大事だと思います。時と場、状況に応じた振る舞いを低学年のうちから意識することは大切です。そうした中で、「自分らしさ」「ありのままの自分」を見つけられるといいなぁ。
560 暦の上の春(25.2.3)
逃げる2月の始まりです。今年の節分は例年より1日早く昨日(2/2)でした。今後もしばらくは4年に一度の周期で2月2日が節分になるそうです。さながらオリンピックのよう。プロ野球も各球団のキャンプインが伝えられ、来たる春本番に向けて様々なことが動き出します。桜のつぼみの動きはどうでしょうか。先週観察したひらた山では、まだまだ硬いつぼみでした。東京の開花予想は3月21日と発表されましたので、もしかすると体育館入口そばの桜は、卒業式に華を添えてくれるかもしれません。まずその前に正門脇の梅が、今年はきれいに咲いてくれることを待ち望みます。
さて、昨日は節分。昨今、豆まきをする家庭がどんどん減ってきているようですが、我が家は年中行事として継続中。でも、昔みたいに威勢よく蒔くわけにはいきません。握るのではなく、指先に摘まんで数方向に投げ分ける感じと言ったほうがよいでしょうか。なにせ、お値段は高いですし、量も少ないときています。夫婦二人で歳の数だけ食べられるかすら危うい感じです。そこでナニをしたか。そう、昼間のうちに2つの小皿に出して数え始めました。二人分をキープして、残り19個しかありません。つまり、蒔くのはそれだけ。小皿に出した豆は、安心してすぐさまおなかに「福(腹)は~内」。昼食が物足りなかったので、美味しいこと美味しいこと!でも、家庭の豆まきはどうして夜やるんだろう?鬼は夜行性なの?それとも家長を待って行うのがしきたりだったとか?
今日は立春。ずっと昔は、新しい年が春から始まっていたので、言うなれば今日は元日とは別の特別な日と言えそうです。春とは名ばかり、明日以降の寒波に震え上がりそうです。
559 四字熟語(25.1.31)
横綱 照ノ富士が引退をし、大関 豊昇龍が優勝して幕を閉じた大相撲春場所。その豊昇龍が横綱に昇進しました。伝達式でどんな四字熟語が口上で用いられるか注目を集めましたが、大関昇進の際にも語った「気迫一閃」でした。「何が起きても力強く立ち向かう」という決意が込められているといいます。頻繁に金星を提供してしまうことのない、強くて憎まれるくらいの横綱になってほしいと願います。
一方、私の好きな作家 中山七里の作品にも四字熟語が随所に登場します。その多くは、聞いたこともなかったり読めなかったりするものばかり。でも、不思議と勉強になります。使われる四字熟語を集めてみようかと思ったこともありますが、作品の大半を読んでいるので、いまさらそのためにページをめくるのは…と思い返して即却下!
ところで、四字熟語がプリントされたシャツを高校生運動部員が着ているのを見ます。「勇猛果敢」「不撓不屈」「疾風迅雷」など様々。「虚弱体質」なんて文字を背負って、実は凄い力を発揮する人がいたら注目の的?ちなみに、姿かたちを次々と変化させていく様子を表す「変態百出」だったら、どの部活動が採用するでしょう。決して、変態が百回出るわけではありませんから、帰宅部も該当せず。
住友生命が毎年募集する創作四字熟語は、その時代の世相を反映しています。2021年の最優秀賞は「七転八起」にかけて「七菌八起(ななころなやおき)」。2020年は「獅子奮迅」にかけて「医師奮診」。ともに新型コロナ関連です。2011(H23)年は「理路整然」が「帰路騒然」とされ、1995(H7)年は「針小棒大」が「震傷膨大」に。その背景には2つの大震災があります。2004(H16)年の「様様様様」は笑えます。韓流ドラマ『冬のソナタ』の「ヨン様」です。そして昨年(2024)は、大谷翔平選手一色の側面から「当代随一」をもじって「盗打随一」が最優秀賞に輝きました。
さぁ、今年度もあと2か月を残すばかり。「給料泥棒」と言われないように頑張ります。
558 ウルトラ、ドン!(25.1.30)
あるカレンダーの隅に書かれた文字に目が釘づけ!今年は「昭和100年」だったのです。
昭和から平成のヒットチャート上位20位を見たときに、イントロの平均は17.5秒だったそうです。イントロがなかったのは、サザンの『TSUNAMI』だけで、逆に一番長いのが小田和正『ラブストーリーは突然に』の39秒。このイントロを聞いただけで、ドラマ『東京ラブストーリー』の場面が蘇るのは、やっぱり私の古さかもしれません。
ところが、10年前にはイントロ平均が6秒程度になっています。これには、音楽アプリやサブスクの急速な普及が大きな影響を与えているようです。ストリーミングの再生回数はヒットチャートを左右するのは言うまでもありません。実際、最初の5秒で4分の1、30秒未満で3分の1以上の人が次の曲にスキップしてしまうというデータがあります。つまり、再生後に聴く者の心を掴まないと聴いてもらえない=収益にならないという構図ができてしまいます。よって、サビからいきなり始まる曲も多くあるわけです。例えば、YOASOBIの楽曲のイントロ平均が5秒未満であることをみると理解できるかもしれません。
給食の放送で、イントロクイズが出されることがあります。思い出すのは、昭和の時代の人気番組の一つだった『クイズ・ドレミファドン!』です。まさにイントロクイズの元祖でした。わかりそうでわからないもどかしさの記憶が蘇ります。
ですから、現在ヒットする歌でイントロクイズをするのはなかなか難しい。ただし、「超ウルトライントロ」なら可能?今回のタイトルも含めて、わかる人にしか伝わらない昭和の娯楽番組。