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校長室から

369 ブーム(24.2.27)

 2月中旬に「チーフス2年連続3度目の栄誉」というスーパーボウルの報道がありました。全米が熱狂するアメリカンフットボールのチャンピオンカップですが、日本ではどちらかというとマイナーなスポーツ。とはいえ、日大アメフト部の悪質タックル問題に始まり、一連の大麻使用問題などから廃部報道がありましたから、そうした事件によりアメフトというものの存在を知った人も少なくないはずです。

 私が小中学生の頃は、「爆発的」といっても過言ではないようなアメフト・ブームが巻き起こりました。決して休み時間にアメフトをやって遊んだとか、ゲーム観戦に夢中になったとかではありません。逆に、試合を見たことのある子はわずかだったと思います。では、何がブームだったのか?それは、文具や学用品関連のアメフトグッズ!グルービーケース(調べてください)やノート、下敷き、消しゴム、筆箱など、ランドセルの中が小さなアメフトの世界だったのです。ヘルメットに描かれた各チームのロゴがいろいろなものにプリントされていたのです。ヤフオクやメルカリでグルービーケースを探すと、数万円の値で出品されているからびっくり。ただ、振り返るとあれは何だったのだろうと思うような、男子特有の摩訶不思議なブームでした。

 ブームといえば、スーパーカーブームも忘れられません。フェラーリやランボルギーニ等、欧米のハイパフォーマンス・スポーツカーが大人気となったのです。子供たちは、スーパーカー消しゴムに夢中になりました。休み時間には机の上でノック式ボールペンのノック部の反動で消しゴムを飛ばしてレースをしたことが思い出されます。当時、「必要のないものは持ってこないように」と言われた覚えはありません。でも、ブームはあっという間に消え去りました。そういう意味では、アメリカンクラッカーも同じでしょうか。いつの時代も何かしらブームがあるものです。プロフィール帳に夢中になった親世代もいるはず。

 Jリーグの開幕試合をテレビで観たのは本当に久しぶりです。16年ぶりにJ1に復帰した東京ヴェルディが、31年前のJリーグ開幕カードと同じ横浜Fマリノスと対戦したのもノスタルジーを感じます。民放での試合中継がほどんどない現在ですが、代表戦以外でも盛り上がりたいと今も思っています。

368 漢字(24.2.26)

 天皇誕生日(2/23)は、語呂合わせで「富士山の日」にもなっているようです。昨年、実行委員会は、世界遺産登録十周年を迎える富士山の標高にちなんで、3776個のおにぎりを山梨・静岡両県の地域住民や観光客に無料で配付するイベントを開催したといいます。昨日は、学校を会場に平田町会の餅つきが4~5年ぶりに行われました。こういった機会で、大人も子供も顔見知りになれたら最高です!

 さて、あちらこちらで白やピンクの梅が咲いています。にもかかわらず、平田小正門(通称 赤門)を入ってすぐ右側の梅が今年は全く咲きませんし、つぼみすら見当たりません。一昨年は梅の実をたわわにつけて収穫するのが大変でした。昨年はほとんど実をつけず、今年は花すら咲かない状態。夏の暑さにやられて枯死してしまったのでしょうか。

 先週には千葉県立高校の入試が行われ、3.4万人が受験しました。その1日目の国語の問題。漢字の読みは中学校で習う漢字でしたが、書き取り4問は全て小学校で学ぶ常用漢字でした。「束ねる」は4年生、「染まる」は6年生、「往来」は5・2年生、「(一日)千秋」は1・2年生という具合に…。日ごろからドリルなどで繰り返し練習をしているかもしれませんが、小学校段階の漢字は高校入試でも登場するのです。そればかりか、大人になっても日常で頻繁に使用します。「高度なワープロソフトが勝手に変換してくれるから大丈夫」と思う人もいるでしょうが、使い方によっては相手に与える印象が大きく変わります。誤字脱字にも気をつけないと恥ずかしい思いをします。

 先日の天声人語に、段駄羅という言葉遊びについて触れられていました。「わたしといてよ」と記せば、「私と居てよ」とも「渡しといてよ」とも受け取れます。以前書いた「ごきぶり」が「五期ぶり」なのか「ゴキブリ」なのか迷うというのと同じです。「よきしなかった」はどういう変換を脳内でしているでしょう?「予期しなかった」なのか「良き品買った」なのか。「能登・金沢で」を「のどかな沢で」と遊ぶ段駄羅に妙に興味を覚えてしまったのでした。ユーモアや独創性を大切にして、大人も子供も学び続いていきたいものです。まずは今の足元を固めることから…。

367 いたずら(24.2.22)

 いろいろな場面でいたずら心がムズムズと頭をもたげます。例えば、道端でオナモミやセンダングサを摘んで、気づかれないように背中にくっつけます。家のぬいぐるみを見えない場所に忍ばせて、宝探しをせざるを得なくします。身体測定で体重計に乗った子に気づかれないように足や手で測定器を押して、「あれっ?」と思わせます。でもこれは、現在のように被測定者に数値が見えない状況ではおもしろ味がありません。ラーメンやカレー、野菜炒めに入れる人参を星形や手裏剣、パックマンのように切って、それぞれに得点を決めて、自分の「あたり」は何点かを食べながら楽しむなんてこともよくしました。そうしたことを楽しんだりできる関係であってこそ許されていたずらかもしれません。

 さて、鉢植えや地植えを問わず、我が家の庭には植物との相性があるらしいのです。相性が悪いのはチューリップ。球根を植えても育った例がありません。水仙も同様です。放っておいても毎年花を咲かせるくらい強いのになぜなのでしょう。今を盛りと咲くサクラソウも…。そんな中で鉢植えのヒヤシンスが、土を持ち上げて頭を出してきました。濃青の花が楽しみです。ムスカリは水栽培にしてみました。柔らかい白い根が日に日に伸びていく様は、観察していて飽きません。青色のつぼみが数を増やしています。水色や白色も庭にはあるので時期を違えて楽しませてくれます。絵筆を持って絵手紙でも描けたら素敵だろうなぁ。

 2月だというのに、県内で夏日を記録した火曜日。でも昨日からまた冬が戻ってきて、日曜日には雪マークまで見られます。そうであっても、校庭の樹木や植物に目を移すと春の息吹をあちこちに感じられるはずです。一鉢栽培の植物だけでなく、視野を広げる中で見つけた小さな発見を楽しんでほしいと思います。廊下を歩いていると、低学年の男児が「先生~、花粉症になっちゃったぁ」と報告してくれました。教室にはマイ・ティッシュケースが机の上に鎮座していました。スギ花粉だってれっきとした春の訪れであるとともに、季節のいたずらととらえれば少しは許せる?

366 まずは一歩(24.2.21)

 昨日との気温差が10℃以上となる予報で、血管が縮こまりそうです。

 子供たちに根強い人気があるうんこドリル。これとコラボして、小学生向けの環境学習用教材を県気候変動適応センターがデジタル版で制作したといいます。タイトルは「地球温暖化問題と二つの対策」です。無料公開(https//world.unkogakuen.com/lesson/ondanka)されているのでスマホで確認してみましたが、うんこと絡めて出題されていて面白そうです。やけくそになって取り組むのもよいかもしれません。塾や習い事で忙しい子供たちも少なくありません。でも、そうしたことも含めて自分が興味あることを進んで学ぶことはとても大事です。宿題ではない「家庭学習」を10分でも20分でも生活の中に位置づけることができたら、知識以外の何かが着実に積み上げられていくはずです。リサイクル倉庫脇に掲示されている「家庭学習コーナー」が新しいものに切り替えられていく頻度が増えていったらよいなぁと思いながら眺めています。

 さて、大相撲初場所で、横綱と優勝決定戦に臨んだ琴ノ若関は、松戸市の出身。小学生の頃は、柏相撲少年団で稽古に励んだといいます。3月の春場所には「大関 琴ノ若」として土俵に立ち、5月の夏場所から「琴桜」を襲名する予定です。活躍が期待されます。

 春場所では、一人横綱と四大関になることが予想されますが、病院で時々見られる番付表には横綱は4人(?)揃っています。行司名を「高コレステロール血症之助」とする『食改善に関する番付表』です。番付上位を紹介すると、控えたい食品の東の筆頭横綱が「鶏卵」で、張出横綱は「卵黄」となっています。大関「うなぎ蒲焼」、関脇「鶏レバー」と続きます。一方摂りたい食品である西の横綱は「豆腐」です。張出に「卵白」、大関「赤身マグロ」、関脇「鶏ささみ」、小結「納豆」というそうそうたるメンバー。私の好きな「筋子」や「いかの塩辛」、「牛モツ」は、控えたい食品の前頭に名を連ねているではありませんか。コレステロールを多く含む食品を食べ過ぎないように、日頃の食事メニューの参考にしてくださいと注釈があります。こうやって番付全体を見渡すと、給食って「摂りたい食品」の多くを網羅しているようで、ありがたいと改めて感じます。

 そういえば、家庭学習コーナーには家で作った料理について紹介されたものがありました。好きなことを、好きな時に、好きなだけ、自分でできるやり方で、まずは一歩踏み出すことから!

365 緑の指(24.2.20)

 NHK出版『趣味の園芸』(Eテレ放送)という雑誌があります。季節を感じる素敵な植物や室内グリーン、庭づくりのヒントなどをレクチャーしてくれます。その中に、稲垣吾郎さんの「グリーンサムへの12か月」というコーナーがあって、園芸名人へと変貌するため様々な挑戦を毎年人をかえながら紹介しています。

 ホームセンターなどの園芸コーナーへ足を運ぶと、色鮮やかで賑やかさに溢れ、見て回るだけで気分がウキウキしてきます。店頭だけではありません。第八中に向かう側道脇の家では河津桜と思われる桜が、今まさに花開こうかといった状態を見かけました。暖かい日が続くので、きっともう咲いたかもしれません。来客が予定されていた先日は、校長室に水仙を5~6本摘んで生けました。芳香を放ちますが、どうも糞尿のような臭いにも感じられ顔を背けたくなります。しばらくして、水仙の種類が違うことが判明。改めて摘み直して飾ったことは言うまでもありません。同じ日、敷地内では造園業者が樹木の剪定を行っていました。学校職員では対応できない樹木を2年に一度の頻度で整えてくれます。3月の桜開花に向けて花芽を膨らませる枝を伐られてしまわないように、事前にお願いしておきました。

 さて、「緑の指」ってわかりますか?「園芸上手」を指す言葉だといいます。植物を育てる才能を、イギリスでは「green fingers(緑の指を持っている)」と記し、アメリカでは「green thumbs」と表記します。これが、稲垣吾郎さんの「グリーンサム~」がまさにコレ!「thumbs」は親指なので、広大な庭仕事に精を出して植物の色に染まった親指をイメージしているのかもしれません。そんな私は、今にも咲きそうなミモザの枝を1本ずつ手に取って害虫カイガラムシを1匹ずつ潰して退治!気の遠くなる作業でした。その指は、ネバネバした虫の体液で茶と黄ともつかない複雑な色に染まり…。

 モーリス・ドリュオン作、安東次男訳『みどりのゆび』(岩波書店)には、枯れかけた植物を蘇らせたり見事な花を咲かせたりする、不思議な指を持つ少年が登場します。自分の頭で考えること、自ら行動すること、自分にできるやり方で周りに希望を与えることなど、生きるうえで大切なことを思い出させてくれる物語です。