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校長室から

211 おコメ(23.5.11)

 ランニングコースにある田圃に水が張られ始めました。代かきをしている水田もあり、もう少しすると田植えの季節です。風に吹かれて波立つ水面や苗など、これからの季節は素敵な風景が見放題です。

 二人だけの生活になると、時々買う米は5kg入りで十分です。好んで買うのが「ゆめぴりか」や「ミルキィクイーン」でしょうか。前者は、粘りが強く柔らかい食感が特徴で、ピリカはアイヌ語で「美しい」という意味。後者は、粘りが強くモチモチ感があって味や甘みが強い品種です。悲しいかな、私の舌では判別できません。日本で登録されている米の品種は、およそ900種類といわれ、そのうち食卓に並ぶような白米用に作られているのが約300種類なのだそうです。千葉県独自の品種では、「ふさこがね」や「ふさおとめ」、「粒すけ」が店頭に並んでいます。

 さて、落語家さんの名前に「米」の字が入った人がどれだけいるか調べてみると、名人と言われた桂米朝師匠ほか数名しか見当たりません。以前から落語家さんの噺を、演芸場に足を運んで生で聴いてみたいと思いながらも足が向きません。落語のテンポに耳がついていって聞き取れるかどうかが心配のタネだからです。聞こえなければ面白さは半減どころではありません。これは漫才も同様。ある日の新聞に、上方落語の桂文珍師匠の記事が載っていました。様々な新作落語に挑戦しているといいますが、「対話型AI」に関心を持って作品化へ動き出したとあります。「○○という古典落語を演じるための台本を書いて!」と話すと、数秒で文字が出てきたといいます。でも面白くもなんともなかったそうです。IT企業がこぞって力を注ぐ「チャットGPT」ですが、人間味がまだまだ描けないようです。そういった意味で学校は知識や情報をため込むだけの場ではなく、その使い方や想い、違いなどを人とのかかわりの中で大事に育てていく絶好の場なのだと考えます。

 今年度も算数科を通して、校内で研究を進めていきますが、友達や先生、自分との「対話」を大事にしながら学びを深めていきます。米作りに関しても、AIの進歩による品種改良や機械化ほか人の知恵を寄せ合って、もっとおいしくなっていくことを期待する食いしん坊です。

210 体を洗う(23.5.10)

 GWに入る前日の退勤後、駅に着くころになって水筒を忘れてきたことに気づきました。中には少量ですがお茶が残っていましたが、叱られる覚悟でそのまま帰宅。6日後の出勤時すぐにしたことは、お茶を捨てて水筒をすすぐことだったのは言うまでもありません。

 これから暑くなるにしたがって、水筒1本では水分が足りなくなるこれからの時期、楽しみなのが晴れた休日のお風呂タイムです。2階に風呂があってその外に坪庭が塀で囲まれています。人の目を気にする必要がないので、夕方の明るい時間に湯船に浸ると、窓を全開にします。窓から真っ青な空が見え、清々しい空気が入ってきて幸せな気分になります。ある日、体を洗うボディタオルが新品に変わっていました。これまで使っていたものが古くなってみすぼらしくなったからですが、新旧大きさの違いにびっくり!新品が110cm×25cmであるのに対し、使い古したものをごみ箱から拾って測ると75cm×12cmと、貧乏性丸出しです。当然泡立ちも柔らかさも全然違います。

 子供のころに風呂で使っていた「へちま」をふと思い出しました。使い始めは繊維が硬くてやすりのよう。皮膚に傷がつきそうでそ~っとこすります。使い進めていくうちにちょうどよい硬さになります。これで背中を洗ってあげたりもらったり…。理科の観察・実験では、現在はゴーヤを育てますが、一昔前はへちまでした。家でもへちまを育てて、手間暇かけてボディたわしにまでしていったことを思い出します。このへちま、アマゾンでは5百円から千円で買えるようです。今も愛用者がいる証拠です。

 親子が一緒に風呂に入っていられるのはほんの短い期間。だからこそ、背中を洗ったり湯船で泡をぶくぶくさせたり、おしゃべりしたりと今しかできないことをぜひ。

209 イチゴミルク(23.5.9)

 GW初日は、家族みんなが集まって自宅の駐車場でBBQ。天気がよくて暖かくて、昼間のビールは格別です。誕生日プレゼントをもらって嬉しい一日でした。孫二人は目が離せないので、小さなテントの中で放し飼い~。幼稚園に入園したばかりの孫からもプレゼントをもらいました。それは「風邪」。夕方頃には鼻水がひどく、翌日から2日間は微熱と咳によりベッドでゴロゴロ。折角の晴天がぁ…。

 さて、ジャム用の小粒が出回り、そろそろイチゴのシーズンも終わりを感じます。そしてこれからが家で栽培するイチゴが実る時期。花が終わって徐々に実が大きくなって、先日最初の一粒をいただきました。イチゴの苗を買うときに、「パックで買ったほうが安上がりだよ」と言われましたが、自分で育てたものを口にする喜びを味わうために丹精込めて…。低学年で育てるミニトマトだってきっと同じ。

 このイチゴ、先日は器の中でスプーンを使ってつぶして食べ、その翌日は練乳をかけていただきました。子供のころを思い出します。つぶしたイチゴに牛乳を混ぜ、最後に飲むイチゴミルクは格別でした。そういえば、イチゴをつぶすためのスプーンを全然見かけなくなりました。一方、食品をしっかり固定できたり、つぶしやすい形状だったりすることが支持されて、介護の現場や離乳食で利用されていると聞きます。給食だって先割れスプーンの時代は遠くなり、ほとんど箸になっています。

 あっ!ふと目をやると、校長室の棚に椀と箸が残ったままです。昨年度末、調理実習のお裾分けをもらったまま返却のタイミングを逃し…。もう一度洗って、こっそり家庭科室に戻しておくことにしましょうか。いや、こそこそせず…。

208 よい失敗、悪い失敗(23.5.8)

 連休最後の2日間が、台風並みの風と叩きつける雨で締めくくりとは…。そして一週間の始まりも大雨~。

 源孝志さんの小説『グレースの履歴』がドラマ化されて放映され、昨日最終回を迎えました。とても素敵な物語でした。その中で林遣都さん演ずる若者が、サミュエル・ベケットの名言を主人公に向けて送る場面があります。

 試してみた / 失敗した 

 それがどうしたというんだ 

 もう一度試せばいい! 

 もう一度失敗して 

 でも今度は、もっと上手に失敗するのだ

 勇気をもらえる言葉です。様々な要因が組み合わさって起きる失敗。落ち込んだり自分を責めてしまったり誰かのせいにしてみたり…。でも、そんな心をちょっと癒してくれる言葉はたくさんあるものです。「間違えたことのない人間は、何も新しいことをしなかった人間だ」(アルベルト・アインシュタイン)とか「成功することを学ぶには、まず失敗することを学ばねばならない」(マイケル・ジョーダン)、「失敗は回り道。行き止まりではない」(ジグ・ジグラー)など。

 日本の宇宙ベンチャーによる、民間初の月面着陸への挑戦が残念ながら失敗に終わりました。昨年の打ち上げから約4か月半。月面に到達する前に燃料切れで落下して、月面に衝突したらしいと報じられました。さぞかし落胆しているだろうと思いきや、来年以降にも予定している月着陸船打ち上げを見据えて、会見で代表が「データを獲得できているのは非常に大きな達成。成熟度を上げる作業に入る大きな一歩になった」と話しています。失敗により企業の株価が下がったと報じられますが、チャレンジャーとしての意欲の高まりとゴールを見据えた自信を感じました。

 さて、警視庁がまとめた「自転車乗車中の児童生徒の死傷者数」のグラフを目にしました。2018~22年の5年間の合計を見ると、6月が突出しています。これは小・中・高別にみても同様です。学校や通学に慣れた時期に、運転や意識が疎かになっていると言えそうです。自転車ヘルメット着用が努力義務となったことはここでも取り上げましたが、努力義務とは「被らなくてもよい」ということではありません。高校生や通勤の大人の着用者が確実に増えていることを感じます。恰好が悪いとか髪型が乱れるとかあるでしょうが、命には代えられません。自転車等の運転中の「失敗」はあってはならないものですし、「うまく失敗する」なんてあり得ません!

207 バンザーイ(23.5.2)

 ほぼ定時に退勤した日の夕方の電車。始発駅の車内の座席が次々と埋まります。後期高齢者と思しき3人が目の前に座っています。一人が教えながらスマホの設定でもしているようにも見えます。その隣が一人分空いています。そこへ小学生男児が腰を下ろそうとしたら、後から来た初老の男性が無言でその子をどけて、さも当然の如く座りました。どうも先に座っていた3人の仲間のようですが、目を疑う光景です。反対側に座っていたほかの人も唖然として、追い払われた小学生の行方をちらちらと見ていました。「年寄りだから譲ってくれない?」くらいの言葉があってもよさそうなもの。これって老害?いろいろな人がいるものです。

 さて、4月は市川市で2度の選挙・投票があり、全国でも各種選挙で新聞等を賑わせました。翌日のニュース番組では、当選した候補者が万歳をする画が映し出されます。そして、ふと違和感にとらわれます。誰もが肘をまっすぐにして手のひらを内側に向けて真上に手を挙げているからです。肘が多少曲がって手のひらが正面を向いたのが、私の中にある万歳です。手を上げるポーズ自体には、降参とかお手上げのイメージがありますから正式なやり方があるのかもしれません。でも、深く追究したくはありません。

 久しぶりに思い出したのが、早稲田大学のサークル「バンザイ同盟」。約800種類ものバンザイをもち、勢いと楽しさがウリ。そしてもう一つ。森昌子さんや桜田淳子さん、山口百恵さん、石野真子さんなどを輩出した『スター誕生』です。合格者が発表されるとバンザイで祝う番組のエンディングでしたが、全員失格だった場合のセリフ「バンザーイ、なしよ」は、萩本欽一さんの代表的なギャグの1つでした。これを知る人がどのくらいいるかなぁ?

 さぁ明日から5連休&誕生日。何をしようかな。とりあえず子供ゴコロに戻って、バンザーイ。