ブログ

校長室から

362 ティーボール(24.2.15)

 11月から12月頃だったでしょうか、体育で「ティーボール」に取り組む子供たちの姿がありました。単元としては「ボール運動《ベースボール型》」とされています。小・中・高の学習指導要領から「ソフトボール」が消えて40年以上が経ちます。活動しているのが投手と捕手、打者だけで、運動機会が全員に提供されていないというのが主な理由。それに代わるのがティーボールといえますが、学校で盛んに行われるようになったのはそんなに古くはありません。

 ティーボールは、投手のいない野球であり、ソフトボールです。ゲームは、ホームベース後方に置いたバッティングティーにボールを載せ、止まっているボールを打者が打つことで始まるのです。打球は、内野や外野に常に飛んでいきますから、打つ・捕る・投げる・走るといった基本動作を全員が経験し、楽しく学習できるのです。指導経験がない私は、日本ティーボール協会HP(以下、図とともに引用)で少し調べてみました。

①打者は、思いきりボールを打つ。

②打った後、バットをフープかコーンの中に入れて、一塁・二塁・三塁・本塁コーンの外周を全力で走る。

③守備側は、内野ライン上と外野ライン上でそれぞれが守る。

④守備者は「全員で」打球を追い、捕った後はそのボールを本塁プレート(コーン)の横にいる指導者に返球(中継も可)する。

⑤指導者はそのボールを捕り、本塁コーンの上にボールを載せる。

⑥指導者が、本塁コーンの上にボールを載せた時、打者走者が一塁を回っていたら1点、二塁なら2点…というように得点が入る。2周目を走ることもでき、その場合、一塁を回っていたら5点となる。

 ルールは、子供と一緒に作り上げたりアレンジしたりできそうです。今学校で行われているのは「日本式」らしく、海外でも親しまれているようです。もしかすると、十数年後にはオリンピック競技となる日が来るかもしれません。

361 本を身近に(24.2.14)

 「東京ボンバーズ」と聞いてわかる人はどれだけいるでしょう。1970年代前半に流行ったローラーゲームの番組に出ていた人気チーム名です。今や伝説のスポーツとも言えます。野球なら「読売巨人軍」であり、サッカーなら「ヴェルディ川崎」(現・東京ヴェルディ)かなぁ。確かにローラースケートで周回しながら、敵にぶつかり弾き飛ばす様は「爆撃機(bombers)」そのものでした。

 さて、蜂須賀という名字によって、「私は爆弾を抱えているようなもの」と家族に言われます。「えっ、爆弾はオレ?」と聞き返すと、きっぱりと「他に誰がいるの」と返されて黙り込んでしまいます。見張ってないと何をしでかすかわからないそうで、「子供や孫にまで迷惑をかけるんだからね!」と念を押されます。全く信用されていないのです。

 可愛い盛りともいえる3歳と4歳の孫が遊びに来ると、最近は必ずと言ってよいほど我が家に置いてある絵本を持って膝の上にやってきます。少し前までは、読んであげようとしてもじっとしていられなかったのに、大きな変化というか成長です。

 自分の子供たちが小さい頃には、毎日読み聞かせをしていました。寝る前も寝息をたてるまでずっと。登場人物によって声色を変えたり、歌うような場面では即興で口ずさんでみたり。小学生になってからは、音読の宿題の手本と称して面白おかしく読むこともしばしばありました。決して子供たちを本好きにしようとか感想を聞こうとかが目的ではなく、単に自分が楽しみたかったからという理由なのです。次の学校だより『稲穂』は、敢えて「本好きな子を育てる」という視点で書いています。また、昼の給食時の放送で、昔ばなしやとんち話の語り聞かせを不定期で始めました。義務感でも押し付けでもなく、自分が楽しいと思えることを大事にしたいと思っているだけ。ある意味、価値の押し付けですし、自己満足といわれても仕方ありませんが…。

360 ためる・ためない(24.2.13)

 冬の庭を眺めるのが好きです。春や秋の花の多い季節も素敵ですが、冬枯れにより全体がすっきり見渡せます。早咲きのクリスマスローズが白い花をつけ、カモミールが芽を出しています。今年もユキヤナギが一輪フライングで咲いていますし、ミモザは見事なほどに蕾をつけています。庭のあちらこちらに春の息吹を感じ、やる気が出ます。

 朝の見守りを終えて学校に戻ってから行うビオラやパンジーの花殻摘みが習慣になっています。霜柱が立っても雪が降っても、5月まできれいに咲かせ続けるためには欠かせません。日を置いてやると、数が多くて面倒になり、継続しないので毎日取り組みます。そうすることで逆に負担がなくなるわけです。雑草取りも同じ。一気にやろうとせずに欠かさずコツコツが大事です。似たようなことが普段の生活にたくさんあります。溜めてしまうことで億劫になり、嫌だなぁと思うこと。例えば洗濯?アイロンかけ?夏休みの宿題?といろいろです。面倒なことや嫌いなことを後回しにしてしまいがちの私は、ためずにコツコツを心がけてはいますが、言うは易し行うは難し!

 こちらは逆にためる方の話。1月下旬、「梨の花摘み」を市川市で緊急募集しているという記事がありました。「市川のなし」ブランドを掲げる梨農家が市内に200軒ほどあるそうですが、そのほとんどが授粉用の中国産花粉に頼っているといいます。ところが、中国で花粉を介した枯死の病気が発生したために輸入を停止しているようです。そこで、梨農家は開花期に花粉を採取する必要に迫られたというわけです。募集は当初、明日2月9日まででしたが、必要な人員の約3倍もの人手が集まったことにより先月末日で締め切られました。活動予定は3月下旬から4月上旬というので、梨街道を走りながらその様子を見てこようかなぁ。あちこちの梨畑で、一斉に授粉作業をしているボランティアの姿を想像するだけでたまんないなぁ~。

359 呼称(24.2.9)

 昨日は雪の呼称について触れましたが、そうしているとき、ふとくだらないことを思いついてしまいました。くだらなすぎて、逆に誰かに話したい衝動にかられてしまったのが次。我が家ではゴキブリのことを「G」と呼びますが、たぶん一般的なのでしょう。でも逆に、ゴキブリから見たら人間は「N」?やっぱり人間とゴキブリは「共演NG」の関係なんじゃないかぁ…なんて。

 先日、松たか子さんのエッセイを新聞で読みました。その中に、母になって面白かったことが記されていました。それは「名前がなくなること」だといいます。「○○ちゃんのお母さん」と呼ばれることばかりで、それが逆に新鮮だったと。確かにそうしたことが多くあります。例えば、子供が生まれた後の父母の呼称。父母を、いつの間にか私自身が「おじいちゃん」「おばあちゃん」呼ばわりするようになります。妻を呼ぶときも「○○ちゃん」から「お母さん」へ変わり、今では「おかん」です。「私はあなたのお母さんではありません!」なんて野暮なことを言うことなく、自然と受け入れてしまえるもの。呼称はどうあれ、親が子を、子が親を想う気持ちは変わらないはず。

 管理職も同様です。「○○先生」だったのが、「教頭・校長」と役職で皆から呼ばれます。固有名詞が忘れられてしまうのは会社も一緒かも…。個人的にはちょっと悲しい響き。ただ、以前も書きましたが、相手の名前をド忘れしても「先生!」と呼んでいれば話が進むので、その点だけはよいなぁ。

 気をつけたいのは、目の前にいる子供の名前が出て来ずに「○○さんの弟」「○○さんのお姉さん」などと声かけしてしまうこと。誰しも自分の名前で呼ばれたいものですから。

358 雪 Part2(24.2.8)

 雨混じりの雪を霙(みぞれ)と呼びます。先日の雪も最初は湿った雪でした。暗くなるにしたがって落ちるスピードが緩やかになり、街灯に照らされながら舞い落ちる雪がきれいでした。こうして降ってくる雪には種類というか名前があります。霰(あられ)や雹(ひょう)に始まり、玉雪、粉雪、綿雪、淡雪、泡雪、細雪、餅雪、べた雪、灰雪、氷雪、吹雪ほかまだまだあるようです。一つ一つ解説はしませんが、一言で「雪」と括ってしまわずに言葉の雰囲気を感じられるようでありたいものです。また、積もった雪にも呼び名があります。新雪、深雪、薄雪、ふすま雪、しまり雪、ざらめ雪、ドカ雪、万年雪など耳にしたことがあるかもしれません。スキーやスノボをよくやる人には、きっと好ましい雪質があるのだろうと思います。

 さて、雪が降った日のことや雪遊びをしたことを作文や俳句にする子がいます。そうしたときの語彙が豊かであるようにしたいものです。雪の降り方を子供たちはどんな言葉で表すでしょうか。「はらはら」や「ちらちら」という言葉だって使わないかもしれません。まさか「ぽたぽた」?あまりにも情緒がなさすぎです。一方、情景を思い描けるような多彩な表現を大人が使えなければ、子供たちには伝わっていくはずもありません。古くは「こんこん」とか「しんしん」というのが一般的だったように思います。このほかにも「綿々(めんめん:長く降り続く様子)」「霏霏(ひひ:絶え間なく降り続く様子)」「蕭蕭(しょうしょう:もの寂しげに降る様子)」という言葉もあるようです。ドラマを見ていると、「六花(りっか)」という名前の人物が登場することがあります。雪の結晶が6弁の花に似た六角形に結晶することに由来する「六花」は、雪の異称なのだと初めて知りました。

 霙が降った日に、「♪ミ・ソ・レ♪~」とたどたどしく音階を声にすると、強引にカップ氷菓に話題をすり替えられました。写真の「みぞれ」は、1968年に能代で誕生したようで、実になつかしい!なつかしいといえば、家でカップアイスの「デリカ」と「ルーキー」の話になったのですが、私の記憶には全く存在しません。するとすかさず、「田舎だったから売っていなかったのよ、きっと」と鼻で笑われました。ご存じでした?