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校長室から
572 一寸先は闇?!(25.2.20)
このご時世、テレビや新聞の見出しに「動き出した米」の文字を見て、「アメリカ」なのか「ライス」なのか一瞬迷いが…。ところで、トラックが、陥没した道路の穴に落ちた事故が発生してすでに3週間。運転手救出まで最短3か月と言われてからも1週間が過ぎます。「救出」「救助」という文字が空しい痛ましい事故です。この報道があった直後、「視点の高いトラックの運転手なら事前に見えただろ」「前方不注意なだけじゃないの」とSNSで非難する輩がいたといいます。状況を知りもしない、深く知ろうともしないで誹謗中傷する無神経さに業腹です。学校で起こるトラブルも然り。「木を見て森を見ず」とならないように、全体の状況や関係する者の声などをしっかり把握して、丁寧・迅速な対応を怠らないようにしたいものです。少なくとも子供たちには、匿名性を盾に誹謗中傷する人にならないように「正義」について考える場は大事です。
さて、自転車の運転者に対しても首をかしげたくなる場面があります。1つは、歩行者用の狭い歩道をわがもの顔で自転車に乗って通行する人。しかも右側通行だったりしたときは、後ろから近付いているのに気づいても避けることをしない性悪男はだぁれ?ただ、ほとんどの人は脇に寄って道を譲りますから、その寛大さに驚きます。これが普通?
もう1つは、青信号の横断歩道を横切る自転車。駅前の歩行者用信号が青になると人が一斉に渡り始めます。そこに小学生を後ろに乗せた母親が自転車で横断歩道の人波を掻き分けるように突っ切っていきます。車両用信号は赤。また学校前でも、歩道を渡る子供を邪魔だとばかりに脇をすり抜け走り去る自転車。もしかして、自転車は歩行者という認識なのでしょうか。数年前、青信号で横断中に自転車にぶつけられました。もし相手が高齢者や幼児だったら…、大ケガをさせたら…、そう考えると恐ろしくなります。これは大人だけの問題ではなく、小学生だって同じです。誰もが被害者にも加害者にもなり得るのです。
※HPのトップに、持ち主を待っている忘れ物・落とし物の画像を掲載中!授業参観では2階の連絡通路に展示しています。
571 頓珍漢(25.2.19)
娘が中学生の頃だと思いますから、もう20年近く昔のこと。娘が「百均」云々という話をしたときに、妻が「百円均一でしょ!」と指摘・訂正したことを急に思い出しました。でも、浸透してしまった今、「百円均一」なんて言う人はゼロに近いはず。同じようにそれ自体が一般化して、正式名称を思い出すのに時間がかかるもののたくさんあります。それほど略語に囲まれて生活しているといっても過言ではありません。
そんな中、「パソコン」「リモコン」「エアコン」「ツアコン」どれにも「コン」が使われていますが、「コンピュータ」「コントロール」「コンディショナー」「コンダクター」と全部異なりますから厄介! 一方で、昔使った「ガンプラ」(ガンダムのプラモデル)なんてもう通じないのかも…。最近どこかで目にした「ニキ」「ネキ」は、「兄貴」「姉貴」を指すといいますが、たった3音すら短くするんだぁ?!
一方こちらは正統派。随分前に「こそあど言葉」を学んだ3年生。普段から無意識に使っている言葉を、物事・方向・場所・様子に分類して使い分けできるように再確認しながら、効果的に使用できることをねらっているようです。会話する者同士、「アレ」や「そっち」が同じものや場所、方向で一致しなければ、とんちんかんな会話になってしまいそう。
ある時、「アレパシー」なる怪しい文字に目が留まりました。「アレどうしようか?」「それナニしといて!」で大抵のことは片付くので、「テレパシー」に似せた亀田誠治さん(音楽PD)の家庭の造語らしいのです。そういう我が家も、「ほらアレ、アレ」で通じてしまいますし、「あのさぁ…」と私が一声発しただけで何を言わんとしているのか判読する能力に長けた者がいる一方で、「アレパシー」の欠片すら持たない私は、略語の会話も含めて食い違いや思考の迷走といったとんちんかんな受け答えをしばしば。場をシラケさせる羽目に…。
570 小銭(25.2.18)
世界のホームラン王と言われた王貞治氏が、ニュースでインタビューを受けていました。20年近く前に胃の全摘出をしているのに、高齢ながら矍鑠(かくしゃく)とした姿が印象的でした。ONと謳われたもう一方、ミスタージャイアンツと呼ばれたた長嶋茂雄氏(読売ジャイアンツ終身名誉監督)の話をし始めると、「亡くなったよね」と尋ねるような口調。テレビにほとんど登場しないからといって失礼極まりない!そういえば、「お菓子のホームラン王」というキャッチコピーで売られた亀屋万年堂のナボナは今も健在なのでしょうか。
昔は、貯金箱がどの家にも必ずあった気がします。空き瓶に硬貨を入れて貯めていた人も多いと思います。サザエさんなど漫画の世界では、貯金箱をひっくり返して手持ちのお金を数える場面だってありました。お手伝いや肩たたきをして10円もらって喜んで貯金箱に入れていた時代です。「お駄賃」なんて死語ですし、そのありがたみは極めて薄らいでいると言わざるを得ません。
少し前に、何かの番組で小銭を持ち歩く人の割合が6%という数字を見たような気がします。実際、長財布が小型化し、さらには薄型になっていて、世代にもよりますが全体で4人に1人は財布を持ち歩かないといわれるキャッシュレス時代。そんな中にあって、小銭は邪魔者扱いされているような気がしてしまいます。
銀行や郵便局に小銭を預けたり両替したりすると、今は手数料を取られますから、コツコツ貯めこむのは割に合いません。中身の見えない貯金箱を振ったり重さを感じて貯まった金額を想像したりしたあのワクワク感は遠い昔のことになってしまったようです。ちなみに、あなたの小遣いはおいくら?と余計な詮索をしてしまいそう。
569 蒸籠と寒太郎(25.2.17)
「蒸籠」という文字だけで、前後の文脈で判断ができないとなるとなかなか読めそうもありません。「蒸すためのカゴ」、つまり「せいろ」です。最近、この蒸籠が活躍しています。前は電子レンジで温めた物が、蒸籠を使うと素材のおいしさが際立って、まるで別物になった錯覚に陥ります。野菜や肉などを蒸して、タレをつけて食べるとヘルシーでいくらでも食べられそう。しかも満足度が高いのでよいことずくめ。今冬のブームは蒸籠料理?
さて、「風がうなる」と言い表すことがありますが、最近はあまり耳にしなくなりました。冬場に北風が強く吹き付けると、上空の電線が大きく揺れて「ヴ~ンヴ~ン」と鳴ります。ブンブンゴマを回したときのように…。風の強い日が続くと、そうした音も耳に懐かしく思えてくるのです。ところで、先週木曜日の強風は、個人的には春一番でしたが違ったようです。この日たまたま校外での会議に出席して、定時に終わったので直帰しましたが、帰宅後しばらくしてスマホを見ると、JRは遅れ、東武は止まっているではありませんか。普段通りだったら、電車内に閉じ込められて動き出すのを待つことになっていたかも…。
最近聞かなくなったもう一つが、灯油の移動販売車の音楽。「♪北風~小僧~の寒太郎~♪」と大音量が流れます。「♪ヒューンヒューン、ヒュルルンルンルンルン」と、これまた風の音とも樹木や電線を揺らす音とも判断がつかない微妙な擬音です。ここ十年灯油価格は上昇を続けていますが、ガソリン代もかかるので移動販売を縮小しているのでしょうか。
ちなみに我が家からストーブというものがなくなって久しい。エアコンが故障して解放型ストーブを使用しているたんぽぽEに、たまにお邪魔して手足を翳して温まる私。子供たちにとっても心落ち着く、憩いの場のようです。
568 あなたの出番です!(25.2.14)
近隣の百貨店の特設売り場では、数多くのブランドチョコを販売するバレンタイン商戦のピークだった先週。開店を待つ列があったのかもしれません。今年は「カカオショック」とも言われるくらいカカオ豆の価格が高騰して、商品の値段に反映されているようです。私はといえば、引き出しの中で安価だけど燦然と輝く板チョコをチラ見しながら、どのタイミングで食べようか思案中!
創立150周年を迎えた市川小では、6年生が「市川小祭り」を企画。1~5年生を対象にテーマごとの発表会を開催するという招待状をもらったので足を運びました。テーマは多岐にわたり、校舎・学校行事・地域行事・校歌や校章・自然環境など、両手に余るグループ数。午後は授業参観として保護者へ発表したといいます。学校の歴史や伝統の再発見から、改めて自分の学校に誇りをもちたいと子供たち自身が考えたようです。それ以上に、この企画をやり切った自分たちを誇れるようであってほしいと思います。
平田小でも先週、6年生男児が校長室を訪ねてきました。何事かと思っていると、新しい学校キャラを誕生させて送る会の場で発表したいと言います。よく聞くと、 “顔が校長で胴体はハチ” というではありませんか。でも、折角考えたものを一回限りにするのは勿体ない。長く愛されたいならモデルは私じゃないでしょうと伝えました。「ハチ」も最初は「蜂」でしたが、「80周年に向かって」の「八」を象徴することに変更したという理由づけに吹き出しそうになります。ただ、こうして子供たちと話す時間は楽しくて至福かも。
いつも言うことですが、やってみよう・創り出そうとする姿勢が何よりうれしい!考えただけでなくそれを行動に移す気持ちを応援したい!うまくいくかどうかより、まずは動いてみることが次に絶対つながると信じています。1週間後が待ち遠しいなぁ。さて、どうなるか?