2024年6月の記事一覧
校長室だより175(塩焼幼稚園 令和6年6月13日(木))
昨年度、塩焼幼稚園の授業を参観しましたが、今年度も再び参観させていただきました。
門を開けて中に入った瞬間、何人もの園児が声をかけてきました。「おはようございます。」「僕のトマト、見て」とか、「あっちには枝豆があるよ、一緒に来て」と。園児たちの元気な姿に圧倒されました。
外通路には、「オタマジャクシ」「カイコ」「ヤマモモ」「びわ」など、園児たちが興味を示しそうなものがたくさん設置されていました。「カイコ」を久しぶりに見ると、園児が寄ってきて生体を観察し、「かわいー」と顔を近づけて見入っていました。
「オタマジャクシ」は大人になると何になるか知っている?「カエル」だよ、という無邪気な答えも聞かれました。私は千葉の田舎育ちで自然に触れて育ったので、虫に対する恐怖心はありませんが、周囲には虫が苦手な人も多いですね。それも育った環境の違いでしょうか。
「色水遊び」は非常に興味深かったです。きれいな水色、青色、黄色などの水が小瓶に入っていて、これは園児たちが作ったものです。
作り方は以下の通りです。
① パンジーを摘む。
② すり鉢にパンジーを入れる。
③ すり鉢に水を加えてすり潰す。
④ 茶こし・じょうごの下に小瓶を用意し、③で作ったものを注ぐ。
園児たちは試行錯誤しながら、さまざまな色の水を作り出していました。お互いに声を掛け合い、考え合い、協力し合って、自分たちが望む色に向かって取り組んでいる姿に感動しました。
「赤い水がないね」と言ったら、園児が「赤いヤマモモ」を持ってきました。私が「赤い水ができるといいね」と言うと、「できるよ!」と言って、パンジーをヤマモモに変えて作業を始めました。作業を通して、園児たちは「色の違う植物」「パンジーの葉の数」「すり鉢に入れる水の量」が色の濃さにどう影響するかを発見しました。
私は理科の教師ですので、朝永振一郎先生の言葉を思い出しました。「ふしぎだと思うこと、これが科学の芽です。よく観察して確かめ、そして考えること。これが科学の茎です。そうして最後になぞがとける。これが科学の花です。」
11時半頃に表彰式があり、午後から出張が入っていたため、2時間しかいられませんでしたが、先生方が一人一人の園児が夢中になって遊ぶために尽力している姿がよく理解できました。園長先生、参観させていただきありがとうございました。