ブログ

校長室から

249 パンケーキ症候群(23.7.5)

 朝や昼休みなどに職員室の外から賑やかな声が聞こえてきます。プール脇の田んぼに植えた稲の管理をする5年生の子供たちです。田植えをして安穏とするのではなく、水の管理や雑草抜きなどに余念がありません。多く関わればかかわるほどその生長を愛おしく感じるかもしれません。やがて穂が出るころになると、鳥から守ることを考えると思います。網を張るのか案山子を立てるのか、どんな発想があるか楽しみでなりません。実った稲の量を見て、どうやって食べようかあれこれ話し合うことだって学びです。

 さて、「『パンケーキ症候群』梅雨から夏場にかけて要注意!」という見出しに目が留まりました。かわいらしい名称ですが、意識障害を引き起こすこともあるとか。読み進めると、パンケーキを口にしたあと、湿疹やかゆみ、腹痛、下痢・嘔吐、くしゃみ、咳といったアレルギー症状が出るそうです。血圧低下や呼吸困難など命に関わることもあるというから驚きです。原因は、小麦粉などに混入したダニだといいます。封を開けたまま放置しておくと、ダニが袋に入って繁殖。それを食べてアレルギー症状が出るという仕組みです。気温や湿度が高くなる梅雨から夏場にかけてダニが大量に繁殖することが考えられるので注意を促しています。こうしたことは、決して小麦粉やホットケーキミックスに限ったことではないのかもしれません。

 そういえば、うちのベランダのタイルにコケだか黒カビだかで汚れて見えます。こちらも天気のよい日に掃除しなくちゃ。

248 ショウガ(23.7.4)

 たまに公用車を使いますが、頻繁に使用する車ではないので汚れもひどいですし艶もない。先日は乗り込んでか膝の辺りに目をやると、黒いズボンが汚れています。それを払ったときに初めてクモの巣であることに気づきました。ドア付近にクモの巣が張られていたようです。その払った手で何気なく頭に触れたみたいで、今度は痒くて仕方なくなりました。そんな公用車も導入から20年過ぎた位でしょうか。9月には新車がデビューする予定です。

 さて、例によってテレビを見ていると、ショウガ農家の特集です。「根ショウガ」とともに「葉ショウガ」についても触れています。初夏の葉ショウガの中で「谷中ショウガ」は有名ですが、味噌やマヨネーズをつけて生で食べるとお酒も進みます。ただ、誰もが知っているだろうと思っていたこの葉ショウガを、番組に登場する若者は全く知りません。それだけでなく、インタビューを受けていた年配の方も食べたことがないというから驚きです。普通のショウガほど辛みが強くないので、食わず嫌いから卒業してほしいと思います。

 話は変わりますが、スマートウォッチの時計文字盤をカスタマイズして好きな画面にできます。気分によって、あるいは月が替わったタイミングなどに変更をしますが、ある文字盤にしたとき「…?」となったのです。曜日を表示する窓に「FIR」とあります。金曜日の「FRI」の間違いでは?ほかの文字盤では正しく表示されているので、きっとプログラムミスなのでしょう。ショウガないなぁ。

247 私の帰る場所(23.7.3)

 毎朝なかよし広場で植物に水やりをしたり、野菜の収穫をしたりする子供たちに会います。「ほら、獲れたよ」と自慢げにミニトマトやピーマンなどを見せてくれます。今日も真夏日で暑そうです。

 さて、昨年度から気になっていたのが、2・3階昇降口の外側にある手すりから身を乗り出して下にいる友達に手を振ったり話しかけたりしている児童がいることです。自分では「大丈夫だ」と思っていても、思わぬ事故が起きるもの。幼児がマンションのベランダから転落する事案が頻発しましたが、これだって誰もが「まさか」と思ったはずです。今年度になって傘を手すりから下に落として子供の頭部にぶつかるといった案件もあります。幸い大事には至りませんでしたが、思わぬ結果をもたらすことだって予想されます。

 そこで、手すりの下の部分に足をかけられないように、用務員やそのリーダーが何日もかけてボード貼りの作業をしてくれました。隙間に足を差し込めなくなりましたが、意図的にボードの上部に足を乗せようと思ったらできてしまいます。どんな対策をとったとしても、不注意は防げてもすべてを回避できるわけではありません。だから、適切な指導はどんな場面でも大事だと思っています。

 『グレースの履歴』(源孝志 著)を読み終わりました。以前テレビで放映されていたので、原作を読んでいても俳優の顔が浮かんできます。ホンダのS800という真っ赤な古いスポーツカーが登場して、その名が「グレース」。モナコ公妃だったグレース・ケリーが運転した車という設定です。途中、「どこにでも行ける自由は、帰る場所がなければ、“いつまでも続く孤独”でしかない」という表現が数回登場します。帰るべき場所で、必ず誰かが待っていてくれる安心感があってこその自由ということです。自分の居場所があるという安心感があるから、好きなことができたり全力で何かに打ち込んだりすることができるのだと思うのです。家庭や学校・学級もそうありたいと考えます。

246 半夏生(23.6.30)

 京都名産の「水無月」(和菓子)を食べたことがあります。京都では古くから6月の最後の日に食べる習慣があるそうで、1年の半分の穢れを落とし、残り半分の厄払いの意味があるといいます。残り半分を食べていた時でした。細めの漆塗のフォークが「ボキッ!」と折れたのです。縁起悪っ!私の残り半年はどうなることやらと思いましたが、特に何事もなかったように記憶しています。

 さて、明後日は「半夏生」という、節分や彼岸、八十八夜などと同じ「雑節」なのだそうです。恥ずかしながら、先の和菓子を食べたときに初めて知った次第ですから、正しい読み方を知りませんでした。「はんげしょう」と読みます。スーパーのチラシにも書かれています。

 半夏生とは、夏至から数えて11日目(7月2日ころのこと)を指し、この頃に「天から毒が降り、地から毒が生える」という言い伝えがあったため、農家は半夏生までに田植えを終わらせるという習慣まであったといいます。

 また、関西では半夏生の頃に豊作を祈ってタコを食べる習慣があります。これは、作物がタコの足のように大地にしっかり根を張ることを祈願するという意味が込められているのです。タコにはタウリン(ファイト~、イッパ~ツ!)が豊富に含まれるため、蒸し暑さなどから疲れが増してくるこの季節に食べるのは理にかなっているようです。讃岐地方では半夏生にうどんを食べる習慣があるそうです。こうしたことから始まって、7月2日が「タコの日」「うどんの日」とされているようです。

 気が付くと今年も半年が終わってしまいます。新年度から数えても3か月です。振り返ってみたときに「何をしただろう」「成果と言えるものは何だろう」と焦りも感じます。できることを「自分から積極的に楽しむ」という姿勢を残り半年、貫いていくための振り返りの時だと思います。そんな気持ちが「ボキッ」と折れてしまわないように気を引き締めて!

 タコも相変わらず高値なのでしょうか。「タコの日」、誰かが口に入れてくれるタコなら刺身でもたこ焼きでも遠慮なくいただきます。

245 ジェンダー(23.6.29)

 むか~し昔あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。何でもない当たり前の昔話「桃太郎」にジェンダーの刷り込みが見え隠れします。「シンデレラ」では、貧しい女性が王子様に見初められて幸せになります。玉の輿です。「白雪姫」では、毒リンゴを食べた姫に王子様がやさしくキスすると、深い眠りから覚めます。穿った見方をすると、いずれも女性は男性の庇護のもとで幸せになる、男性優位を示唆しているようにも読めるから不思議です。

 さて先日、新聞の投書欄にあった二つの声に目が留まりました。一つは、絵本を読み聞かせていると、さりげないジェンダーの刷り込みに気づくと書いています。「多様な在り方が当たり前に描かれた絵本が世の中にあふれる社会を願う」と締めくくります。でも逆に最近読んだ記事には、アメリカのある州では「子供たちを守る」という大義のもと、教室で行われる教育内容がLGBTQに少しでも触れると苦情が入り、教員免許のはく奪にまで至る可能性があるといった内容を見つけて驚きました。

 もう一つは、中高と部活が一緒だった大好きな友達が、明るい声で自分は性と心が違っていたことをカミングアウトしてくれたという59歳の女性の投書。その親友は小学生の入学式の時から、赤いランドセルとワンピースが嫌で泣いていたといいます。本人がいつから違和感を覚えていたかはわからないものの、「知ってたよ、私たち」と温かく皆が受け入れていたことがわかります。

 「朝日川柳」(2023.6.22)には、『ジェンダーレス 滅ぼしたきは 女偏』という句がありました。確かに眺めてみると違和感ある漢字も…?「汝」「婚」「姻」「嫁」「娘」「婿」「妖」「妨」「妄」「妙」「奴」「姿」「妥」など数ある中に女性差別はないでしょうか。