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校長室から

229 郷土愛(23.6.6)

 「棒が一本あっとさ、葉っぱかな♪」で始まる『かわいいコックさん』。元々は「6月6日に、雨ざあざあ降ってきて」の部分が、「6月6日の参観日…」だったとか。さすがに幼児にはわかりにくいと考えて、今の歌詞が採用になったようです。というわけで、今日はコックさんの日。

 さて、『秋田県民歌』が多くの場面で歌われ、県民に親しまれていることを知りました。若者から年寄りまでが口ずさみ、スポーツ観戦の場面や卒業式などの学校行事、はたまたカラオケや風呂場でも歌われるといいます。「秀麗無比なる鳥海山よ 狂爛吼え立つ男鹿半島よ」という歌いだしの秋田県民歌。調査では、「歌える」人は半数を超え、「知っている」を含めると9割以上という結果です。

 「雲白く海青し 豊かなる光に満ちて さち多し伸びる房総…」というのは千葉県民歌。昭和39年12月に発表され、3番まであります。あること自体知りませんでしたし、秋田県のように学校で歌う場面も皆無。ただ、今年6月15日(県民の日)が千葉県誕生150周年です。一度聴いてみようと思い立ち、再生してみました。古臭く、夏休みのラジオ体操の始まりの「新しい朝が来た~♪」に近い感じです。でも千葉県の特徴が歌われ、普段から聴いていれば歌えるようになるのかもしれません。

 校歌も同じようなもの。コロナでほとんど歌う機会のないと、覚えないし愛着も薄れてしまいがちです。実際、全校で集まる機会のなかった前任校では、校歌を歌ったのはわずかですから、覚える場がありませんでした。むしろその学校を母校とする妻は、卒業して半世紀たった今も口ずさむことができたのです。ちなみに私も、小学校の校歌は1番だけなら歌えます。平田小の校歌も音楽が流れてくれば歌えるようになりました。

 子供たちが、平田小学校や市川市、千葉県に興味と愛着を抱けるようにするために、何から始めましょう。

228 蝸牛と蛞蝓(23.6.5)

 休みの日、雨が降っていなければせっせと庭作業。アジサイがきれいに咲く中、庭に異臭が漂っていることに気づいてはいましたが、原因を突き止めることはしないでいると、後から出てきた妻が「ねぇ、古雑巾のような臭いがしない?」と言います。同意しながら作業を続けていると、そばに寄ってきて鼻をひくひくさせます。私の匂いを嗅いでいます。「うん、大丈夫!」って疑っていた?どうも、あるアジサイが妙な匂いを放っていたようです。

 さて、1年生が虫かごを首から下げて校長室に飛び込んできました。『何を捕まえたの?』と尋ねると「カタツムリ」と元気よく答えてくれます。小さなカタツムリですが、教室で飼うそうです。『何を食べるの?』「草じゃない?」『本当?あとは何が必要かな?』「水じゃないかな」『あげすぎてもだめだよね』「調べてみればいいの?」『図書室で調べてごらん』などと会話しながら、カタツムリの赤ちゃんのことも教えると目を輝かせていました。もしかすると、卵から生まれた赤ちゃんが、ウヨウヨと飼育かごから出てくるかもしれません。

 こんなカタツムリは可愛がられますが、殻のないナメクジは嫌われ者。玄関外の階段や植木鉢の底などにいるので、発見すればたちどころに駆除。でもこの2つ、どこが違うのでしょう?ヤドカリの引越しを想像すると、カタツムリの殻を取ったらナメクジになるイメージです。でも、カタツムリの殻は体にしっかりとくっついていて、無理に引き剥がすことはできませんし死んでしまうそうです。つまり、殻は成長とともに大きくなり、これで外敵や乾燥から身を守っています。カタツムリは、殻の栄養のためにカルシウムを取る必要があるため、草花以外にコンクリートも餌にするというから驚きです。一方、ナメクジは殻がない分、狭い場所などに身を隠して外敵から守れますし、移動も身軽。

 殻があるからこそカタツムリに触れますが、ナメクジは勘弁!そんなナメクジによく塩をまいたことも思い出されますが、今どきの子供はそんなことはしないのかも。

227 三十一文字(23.6.2)

 大雨の予報です。5月下旬に『サラッと川柳』のベストテンが発表されました。さすがにコロナに関する川柳がぐんと減りました。この中で私の推しは、『ヤクルト1000 探し疲れて よく寝れる』(第2位)です。大事なのは、共感できるかどうか。『パスワード つぶやきながら 入れる父』(第7位)もうなずけます。自分では声にしていないつもりなのですがねぇ。『現金か ペイペイですかと おままごと』(第14位)は以前ここでも触れましたが、縁あって一昨日作者の方から直接お電話をいただきました。

 一方、短歌がブームだといいます。子供たちはある時期に百人一首大会で熱戦を繰り広げますが、私はどちらかというと俵万智さんの『サラダ記念日』派です。『この味が いいねと君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日』という歌がよく知られていますが、技法よりもやはり共感かなと思います。季語を必要とせず、日常の楽しかったことや忘れたくない出来事を三十一文字という最適な文字数で、しかも普段使いの言葉で表現できる面白さがあるのでしょう。俵さんは、「短い言葉を使ってSNSで発信することに慣れた多くの人は、思いを共有するために短歌はちょうどよいサイズ」であると言っています。

 『平日の 明るいうちから ビール飲む ごらんよビール これが夏だよ』(岡本真帆さん)といった歌も自然で思いが伝わります。また、『君くれた 手紙に書かれた 文字心友(しんゆう) 誤字じゃないって 感じたあの日』(当時高2 登川千鈴さん)や『真っ白な キャンバスに描く 下書きを 未来の僕は はみ出せるのか」』当時高2 脇龍志さん)など、高校生が詠む短歌はまさに青春そのものでキラキラしています。

 小学生ならでは、子育て真っ最中の保護者ならではの視点でサラッと詠んでみてはいかがですか。簡単な解説文でもつければ、親子で取り組む家庭学習にもなります。校長室に届くことがあれば、何らかの形で紹介させてもらいます。

226 古いアルバムの中に~(23.6.1)

 予報を見ると、台風2号が北東へ進み、日本列島の方へやってきそうです。梅雨入りしそうなこの時期に?と思います。そんな天気には関係なく、『想い出がいっぱい』(HO)を家族の前で鼻歌交じりに歌うと、歌いだしから音程が違うと指導が入ります。好きに歌わせてよというのは聴く側には通じないわけで…。

 さて、家族の写った写真は今、家に何枚飾ってありますか?一体どれだけあるのだろうと思って数えてみました。亡くなった親の写真を除いても15枚。子供が小さかったころキャンプに行った時のものもあれば、家族が2人から徐々に増えていく記録写真にも似たものまであります。そんな中に、大町少年自然の家でキャンプファイヤーをする4年生の応援に行った時のものがあります。一度家に帰って、園児の娘の手を引き息子を抱いて、真っ暗な中ファイヤー場に到着。邪魔をしてはいけないので、少し離れた場所で見ようと思いました。当時の教頭先生が火の神を務めます。シーンと静まり返った中、司会の子が「火の神様がやってきてくれました」と厳かに告げます。白装束に身を包んで火の神様が登場する場面。突如息子が「火の神~?」と大きな声で叫んだのです。子供も大人も笑いたいのに笑えないつらさ。私はみんなに申し訳なくて縮まる思いでした。でも、こんなふうにたった一枚の写真からよみがえる思い出や鮮明な記憶を大切にしたいと思います。白黒写真だってセピア色に変わってしまった写真だって、そこに流れる物語を子供や孫たちに話してあげたいと思いませんか?

 今はもうスマホのカメラ機能で十分ですが、望遠レンズと一緒に買った一眼レフ、初期のデジカメ、デジタル一眼レフと手にするものがどんどん進化していきました。印刷をしてアルバムに綴じ、コメントを書いて楽しんできましたが、以前も書いたようにアルバムの保管場所がなくなって以来ほとんど貼っていません。校長になって手元に届く入学式や卒業式、校外学習の集合写真に至っても整理が全然できておらず、バサッと束になったまま。何とかしなければと思いつつも手を付けずに7年目も2か月が終わって6月に突入です。あ~情けない!

225 スマート家電(23.5.31)

 初めて車載ナビを買ったのは20年も前のこと。音声認識機能を使って行き先を検索することが何度となくありました。「ピッと鳴ったらお話しください」と言うので話しかけると、聞き取ってくれなかったりとんでもない場所が示されたりすることもありました。でも、ショックなのはナビ画面に登場する案内役の女性が首をかしげるとき。これが繰り返されると女性がフリーズして動かなくなってしまうのです。「オレ、そんなに滑舌悪かぁ?」とショックを通り越して腹が立ったものです。でも、同乗する家族は大爆笑!

 その後も目新しさから、スマホに向けて「OKグーグル、○○を調べて!」とかスマートウォッチに「アレクサ、▲▲して!」と語りかけたのはその10年後くらい?精度は高まる一方で、嬉々とした気持ちはだんだん尻すぼみに…。

 こうしたスマホやインターネットを介して様々な操作が行えるスマート家電に、スピーカーやリモコン、照明など便利な製品が多数見られます。さらには、家に近づくとエアコンが自動的に起動するとか、音声でテレビを操作できるとか「スマートホーム」なる快適な暮らしを実現する住まいも登場しています。

 例えばスマホ操作で家の解錠やロックができるというのは鍵やカードよりさらに便利です。ただ、このスマート家電の普及率を世界と比較すると、日本の所有率の低さが際立ちます。1台でも所有する人の割合が日本では13%といいます。これに対し、アメリカは81%、ノルウェーが66%、中国に至っては92%にも上ります。日本では価格の高さもさることながら、ネットにつながることからセキュリティーやプライバシー保護を懸念する声が他国に比べて多いというのが原因のようです。

 でも、我が家は手動で十分!ただ、スマート家電のカテゴリーではないかもしれませんが電動シャッターはいいなぁ~。