ブログ

校長室から

281 アイドル気分(23.10.4)

 体に気になる所があったので、一昨日一日お休みをもらって病院のはしごをしました。月曜日だったせいもあってか、午前中は9時から11時半までかかり、午後は紹介状を持って別の病院で13時半から18時過ぎまで。待ち時間のほうが長いですから尻が痛くなりました。

 病院に一日いると、私より年上の人がいかに多いか痛感します。特に個人病院では、待合の椅子に座っているほぼ全員が高齢者。中には、電子体温計を振っている人がいるではありませんか。「水銀式の体温計ではないですよ」と突っ込みたくなりましたが、そこに登場するのが世話好きな女性。隣に寄って丁寧に教え、エラー表示には一緒に悩んでいました。ところで、水銀式の体温計がわかる世代ってどのあたりなのでしょうか。棒温度計の類だって、理科の時間にしか登場しませんし…。

 9月のある日、外国語活動の終わりの場面に3年生の教室にお邪魔しました。入るや否や、英語でどんな果物が好きか尋ねられた気がしたので、Lemonと答えました。答えたあとにサインをねだられます。授業の内容もわからず、なぜサインなのか、ことの成り行きが不明で戸惑っていると、紙片やファイルを持った子に取り囲まれました。最初は似顔絵、そのうちサイン会になっています。結構書いたはずなのにまだ十数人が列を作っています。最後まで、なぜこういうことになったのかわからないまま、アイドル気分で校長室へ戻ってきたのです。そんな3年生の教室の黒板には、私が描いた似顔絵が消されずに残っています。ほんのいたずらの気持ちで放課後に描き残したものが人気なのですから不思議です。似顔絵も以前と少し変わっていきます。上向きの鼻とほうれい線を加えることでちゃんと歳をとります。

280 秋の自然に出合う(23.10.3)

 福岡の河川公園で真っ青な空の下、真っ赤な彼岸花の映像を見ました。別名「曼殊沙華」とも呼ばれます。鮮やかな赤だけではなく、白や黄色の花も時々見ることがあります。球根部分に強い毒をもち、雑草対策で田んぼの畦道などに植えられていることが多いような気がします。気温が20度くらいに下がると突然現れます。葉が花の後に育つので、咲く姿は目立つと同時に不思議な雰囲気を醸し出します。

 一方、マザー牧場ではコキアが色づいてきれいだといいます。また、栃木県真岡市では純白の綿花の摘み取りが本格化したとあります。校長室には、昨年平田小で栽培されていた綿が、はじけた枝のまま白さを保っています。

 この時期は、一般的に「雑草」と呼ばれる植物が繁茂しています。校地内も例外ではありません。放っておけば種が飛び散り、いずれ収拾がつかなくなる事態を招きます。だから、用務員さんが操作する草刈り機にエンジン音が連日校庭に響き渡ります。

 さて、ホームセンターの植物販売所が、そろそろ気持ちが浮き立つ場所になっていきます。色鮮やかな秋の草花がたくさん出回ります。庭に地植えするのはもうお腹一杯ですから、寄せ植えしかありません。

 19日には、4年生が大町の自然観察園へ出かけます。きっと数珠玉やノブドウ、カラスウリ、ミゾソバ、ドングリ類などが見られるはずです。暑い夏を乗り切ったカワセミにだって出会えます。でも、関心がなければ通り過ぎるだけで終わってしまい、もったいない。自然博物館の学芸員さんの説明にも聞く耳を持つこと。これらは普段の生活でもいえること。「見ようとする目や聞こうとする耳、知ろうとする意識」が大事。4年生と一緒に出かけて、そんな姿や場面にたくさん出会えることを楽しみにしています。

279 水を飲むとバテる?(23.10.2)

 EV(電気自動車)が主流になろうという時代、純ガソリン車をずっと乗り続けたいというのは無理なのでしょうか。自動車メーカーでは、経営方針の変更を打ち出したり達成目標を掲げたりしています。古いものを大事にしながら長く乗り続けることは悪いことなのでしょうか。税制だって弱い者いじめのような感じがしてなりません。

 気候がよくなってきましたので、まさにスポーツの秋となっていきます。車がガソリンを飲んで走ると同じように、人間が走ったり運動したりする際の水分補給は欠かせません。マラソンや駅伝の給水のほか、競技を中断して給水タイムを確保することなど当たり前になっています。数十年前では考えられないことです。

 私たちの世代では、「部活動中に水を飲むな!」「水を飲むとバテる!」と教えられてきましたが、どうしてだったのでしょう。多くは根性論が根底を占めていたと思われます。練習は、厳しくしんどいのが当たり前で、それを克服することで上達すると信じられてきたのかもしれません。また、スポーツは根性で立ち向かうという風潮でしたから、具合が悪くなって倒れたとしても「根性が足りない!」と一蹴されていたのかもしれません。また、水を飲めばお腹にたまって体が重くなるとか、体温を下げるのでその分エネルギーを必要とするからとか様々かも…。

 非科学的な理論といえば、「突き指をしたら、引っ張れば治る」というものがありました。みんなやっていましたが、絶対だめですよね。妙なことが信じられていましたが、そうしたことが正された時期やきっかけはわかりません。

278 栗(23.9.29)

 平田小周辺では目にすることはないのですが、我が家の近くには栗林があちこちに点在します。今の季節はきみどり色のイガ(「毬」と書くそうです)や口を開けた茶色のイガが枝にたわわについています。目を地面に移すと、ここにも中に栗の実を抱えたイガイガ…がいっぱいです。栗拾いというものをしたことがありませんが、追いかけ玉入れのかごを背負って、汚物ばさみのようなものを持って拾い集める光景が目に浮かびます。

 この栗って、食べられるようにするまでが大変です。調理をほとんどしない私の場合、「剥くのが大変」と言うことすらはばかられます。だから、スーパーなどで篭に乗った栗の山を見ても、買い物かごに入れることはしません。それでも、半分に切られた栗をスプーンですくって食べたり栗ごはんとして食べたりした思い出が懐かしく蘇ります。イガに入った茶色の実が「栗!」で、きれいに剥かれた黄色の粒は「マロン~」と感じるのは私だけ?10月には給食で芋栗ごはんとして提供される日があるようなので楽しみにしています。

 この時期になると、洋菓子店に「和栗モンブラン」が並びます。7~8百円もすると手を出せません。数年前までシャ○○○ゼで売っていた和栗モンブランが大好きでした。「今年もそろそろ店頭に並ぶかな?」とワクワクしていた数年前、これまでと製法が変わったのかまるっきり別物になってしまっていて残念な思いをしたことを思い出します。同じ思いを抱く人はきっといるはずです。そういえば、「マロングラッセ」というものに憧れを抱いていたのはいつのことでしょう?

 ところで、栗の花がどうやってあのイガをもった栗になるのか、その変身する様を見てみたい。そんな好奇心が湧きおこってきます。だって不思議じゃないですかぁ。

277 気持ちよく(23.9.28)

 5年生が英語の学習で取材をして回っています。私のもとに来たある子から「Can you play ukulele?」と質問されました。だから元気よく「Yes,I can」と笑顔で回答したのです。質問に「well」でもついていようものなら…。その5年生の歌声が音楽室から下の階まできれいに響いてくるので、思わず覗きに行きました。高音が美しく、何より表情がよい!

 さて、楽器販売の勢いが好調だと知りました。ある楽器チェーン店の昨年度下半期の売れ筋楽器がエレキギター。前年比173%で第1位。アンプやエフェクターといった中にベース、タンバリン、トランペットなどが順に並びます。

 こうした楽器需要に火をつけるのがアニメ作品のようです。以前話題になっていたのが『けいおん!』です。『BanG Dream!(バンドリ)』とか『ぼっち・ざ・ろっく!』の影響もあると聞きますが、どれも読んだことはありませんからよくわかりません。昨年調査した、「趣味で始めたい楽器」のラインキングがありました。こちらでもエレキギターが7位、トランペットが9位でした。そして、第1位はピアノです。ウクレレはといえば5位と大健闘のようです。

 小学生の頃、アニメ(?)に影響されて、「トランペットを吹きたい」と思った時がありました。サッカー選手だったかどうか記憶が曖昧ですが、海辺でトランペットを吹くシーンがあったのです。しかもブラジルから単身やってきた外国人という設定で、暮れかかる海に向かって高らかに演奏する姿には郷愁を感じるとともに、妙に格好よく見えた気がします。小学校初期の段階から楽器演奏でつまずいた私は、トランペットも例外ではありませんでした。マウスピースを咥えた唇がかゆくなって諦めました。だから、両手に複数本のバチを持ってマリンバを演奏する人を芸術鑑賞会などで見たときには、惚れ惚れと見つめてしまいます。

 どんな楽器でも歌でも、気持ちよく演奏などできたら素敵です。虫の声は全然聞こえない私ですが、音楽室や教室から漏れてくる声や音に誘われて足を運ぶことが増えそうです。