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校長室から

399 主題歌(24.4.23)

 息子の奥さんが、MDを知らない世代と知って愕然としました。当然のことながら、ワープロやフロッピーディスクなんてものも知らないのでしょう。

 レコード&カセットテープ世代の私は、日航のCM「沖縄キャンペーン」ソングを聴いた時の、あの高揚感をふと思い出したのです。米米CLUBの『浪漫飛行』です。景気のよかった時代ですから、この曲がきっかけで沖縄に出かけた若者も少なくなかったはずです。カラオケの場で歌っても、最高に気持ちがよかったことが思い出されます。誰のエッセイだったか、メロディの多さが特異であると書かれていました。一般的にAメロとBメロ、たまにCメロが用意される程度なのに、この楽曲は「♪忘れないで~」というDメロに加えて、「♪時が流れても~」とEメロまで用意されているという周到さが多くの人の心を惹きつけたのかもしれないといいます。転調する曲といえば、クィーンの『ボヘミアンラプソディー』は凄い!ラジオから流れるこの曲を聴いていた時に、別の曲に変わったのではないかと思わせることが数度あったくらいです。

 ドラマの主題歌にされることで、その視聴率により曲の売り上げも大きく左右されそうです。また、その歌を聴くと、何年経っても主人公の顔が思い浮かぶから不思議です。例えばクィーンの『I WAS BORN TO LOVE YOU』は、20年前の木村拓哉さん主演ドラマ『プライド』に自然と結びつきます。同じく、Uru『心得』は、「教場0」に、ヒゲダン『subtitle』は、目黒蓮さん主演の『Silent』というふうに。最近では、宇多田ヒカル『何色でもない花』は、永野芽郁さん主演の『君が心をくれたから』、古くは、ミスチルの『Sign』を聴けば『オレンジデイズ』となるわけです(古っ!)。取り上げたドラマはどれも、個人的好みから抜け出せませんが…。

 最近のおすすめドラマは、高橋一生さん主演の『6秒間の軌跡』です。前作とともに、何とも言えない作風が好きです。ビデオやDVDになるのを待つことなく、見逃した作品でも簡単に観られますからつくづく凄いことだと思ってしまいます。もしよろしければ…。

398 まるごと図書館(24.4.22)

 百貨店から盗まれた、販売価格1千万円を超える純金の茶碗。買取業者に二百万円に満たない金額で売られたと聞いて「そんなものなのね」と自然と納得してしまいます。さらに後日、五百万弱で転売されたとありました。これを聞いて思い浮かべたのは、読み終わった本や漫画を大量に古本買取の店に持っていくと、二束三文どころか1冊十円なんて金額で引き取られることが当たり前であること。それが十倍以上の値札をつけると思うと癪ですからなかなか手放せません。家庭で不用となったものを持ち込む人を時々見かけますが、思ったような値段がつくことはないのでしょう。

 今年度は、「学校まるごと図書館」を実現したいと検討しています。まだ頭の中だけですが、図書室や学級文庫だけでなく、校内のいたるところに本を置いて、ベンチなども設けていつでも本を手に取って読める環境づくりを目指したいと考えます。例えば、屋上へ上がる階段の踊り場に低い本棚を配置して、階段に腰かけて読むのもよいかもしれません。図書室の本は、市の予算で購入して蔵書管理がされていますが、それ以外の場所に置く本は管理が行き届きません。ですから、約束を決めながらもあとは個々の良心に任せようと思っています。子供だけでなく、大人用図書の貸し出しができるようなスペースはどうでしょうか。保護者や地域の方が自由に本を手に取り、そのついでに校内で活動する子供たちの安全を見守ったり支援したりすることもできそうです。

 こういうことを考えると、必要なものがでてきます。一つは子供用・大人用の図書や絵本、百科事典、図鑑など。さらに書架となるようなボックスです。すでに児童用ロッカーの入れ替えをして浮いたランドセル入れが数個あるので、それを使用する予定です。「あったらいいな」「面白そう」を形にすること、それは子供たちにもずっと言い続けていることですから。

 もし、買取業者に売ったり粗大ごみに出したりするのも癪だったり億劫だったりして、寄付してもよいと思われるものがあるようでしたら、一度お声かけくださるとうれしいです。悩んでやらないより、行動に移して悩もうと思います。

397 違いは?(24.4.19)

 道路沿いに立つ看板に、「卵かけご飯食べ放題500円」の文字を発見!なんだかお得感がありそう。でも、よく考えるとそんなに食べられそうもありません。続いて「おむすび」という看板を掲げたお店の登場です。様々な具が楽しめるのかもしれません。近年、こうした店舗を目にすることが増えたような気がします。

 ところで、「おにぎり」と「おむすび」の違いって何なのでしょう。広辞苑には、「握り飯・おむすび」とありますから、意味としては同じようです。古くは、山を神聖なものとして崇める風習がありましたから、三角形のような山型の握り飯を「おむすび」と呼び、「おにぎり」には特に形の決まりはないとする説があります。

 また、「おにぎり」は「鬼切り」、「おむすび」は「お結び」からきたという説もあります。一方は鬼退治の道具、魔除け・厄払いの効果が期待され、もう一方は人と人を良縁で結ぶといった縁起の良い食べ物とされていたようです。個人的には、「おむすび」の方が温かみを感じるように思いますが、口から出るのは「おにぎり」。そういえば、死ぬ直前に食べたいものを問われたら迷わず「おにぎり」だと妻が言っていたことを急に思い出しました。

 では、「寿司」と「鮨」、ともに「すし」と読みますが、使い分けはあるのでしょうか。「すし」の語源は「酢し」「酸し」と言われます。広辞苑では、「鮨」あるいは「鮓」と書かれ、「魚介類を塩蔵して自然発酵させたもの。またさらに飯を加えて発酵を促したもの」と解説しています。魚篇に旨いと書くことから、旨い寿司に限定されるような気がします。もう一方の「寿司」は当て字で、「寿を司る」と書くことから結婚式や祝い事の席で出されたハレの日のごちそうのようです。ですから、必ずしも魚を使わない、ちらし寿司やいなり寿司、助六寿司のように料理全般で使うことができるといえます。

 おにぎり、寿司、焼き肉、ステーキ、好きなもの一品と言われたら何を選ぶかなぁ?

396 昭和世代だから…(24.4.18)

 イチゴが旬です。我が家のプランターでも白い花を咲かせています。「あまい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字をとってネーミングされたあまおう(福岡県)やいちご王国といわれる栃木県のとちおとめほか、やよいひめ、とよのか、紅ほっぺなど様々な品種があり、全国各地で独自の栽培を行っているようです。ちなみに、世界一のいちご生産国といえばダントツで中国、次いでアメリカやトルコのようです。一方、日本のいちごは世界的に見ても品質が高いといわれます。

 最近は、このいちごにヨーグルトをかけたものが朝食に時々登場します。練乳を少しかけて食べますが、どうしてもいちごを潰したくなります。ピンク色に染まったヨーグルトがおいしいことおいしいこと!これも昭和のおじさんの証でしょうか。いや、おじいさん?

 話は変わりますが、「御御御付」を読めますか。フリガナをつけると「おみおつけ」となります。こんな言い方を知っている人の方が少なくなったかもしれませんが、その意味は?味噌汁を丁寧に表現した言葉です。「おみ」は味噌のことで、「おつけ」は汁物のことを言うとする説があります。また、「おみ」は接頭語の重ね表現とする説もあります。例えば「御御足(おみ足)」「御御酒・御神酒(おみき)」「御御輿・御神輿(おみこし)」「御御籤・御神籤(おみくじ)」など。こうした言葉は、どれも室町時代に使われていた女房言葉から派生したものだと言われますから驚きです。

 もう一つ、ご飯のお供になる「おこうこ」という言い方があります。漢字にすると「御香香」と書きますが、漬物を指します。「お新香」とか「香の物」という言い方をするので、「香香」の丁寧な言い方であることは自ずと納得いきます。日本語大辞典によると、大根の漬物をいう女房言葉とされるので、御御御付と通じるところが大いにあるようです。

 こんな言葉を以前は普通に使ってきましたが、調べてみて初めて知ることがあるからやっぱり面白い!

395 こころの劇場(24.4.17)

 職員室の手洗い場は、茶渋などで汚れます。そのままになっている期間が長いと、スポンジを手にして磨いてしまいます。トイレの水場や鏡も汚れていることがあります。やっぱり手洗いのついでにゴシゴシ!「家ではまずやることがないのに…」と怒られそうです。

 先週末、トイレに入ると床が水洗いされるとともに、手洗いのために手を伸ばした先の蛇口がピカピカ光っています。自分の顔が映っているなんて気持ちがよいものです。子供たちが使うトイレも、便器だけでなく手洗い場まで磨かれていると嬉しくなるのではないかと想像します。掃除は、する者・使う者両方の心も磨いてくれるものではないかと思うのです。「『トイレもきれいな学校』でありたい」、これは今年度も重点目標としています。

 さて、6年生は今日、市川市文化会館で行われる『こころの劇場』(劇団四季)に出かけます。命の大切さや人を思いやる心、信じあう喜びといった、人が生きていくうえで大切にしたいことを、舞台から語りかけるとともに子供たちを笑顔にするという、社会貢献プロジェクトです。16年前に始まり、毎年、北海道の利尻島から沖縄県の石垣島まで、日本各地を回って無料で招待してくれます。

 コロナ禍には動画配信という形でしたが、昨年度は3年ぶりに劇場として137都市で約50万人を動員したといいます。数多くの企業や団体、行政の支援や協力あって実現しているこの活動で、今年上演されるミュージカル『エルコスの祈り』も楽しみです。