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校長室から
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ある日の外食。野菜カレーもおいしそうだしピザも魅力的!悩んだ末、「二人でシェアしよう」と提案しました。買って帰ったチョコレートケーキと和栗のモンブランのどちらも食べたい。やっぱり仲良く半分こ。
この「シェア」という概念は、様々な場面で一般的になっています。ルームシェアやカーシェアなど、空間や移動手段のシェアのほか、レンタルサービスはモノのシェアですし、クラウドファンディングはお金のシェアといえそうです。家事・育児・介護代行も、それぞれが持つスキルを共有する意味ではシェアの一つとなるわけです。
6年生が社会科で取り組んだ、願いを実現させるための政党(?)が、先週校長室にプレゼンにやってきました。麦茶を入れたウォータージャグを設置する《麦茶党》、校内に観葉植物を置いてグリーンを増やす《Mr.Green 6》、水栓の自動化と温度調節を可能にしたい《水党(すいどう)》の3グループどこも、願いや思いが明確で、メリット・デメリットを挙げ、必要予算を自分たちで算出する姿勢に感心してしまいました。子供たちの真剣な訴えがとても新鮮で、嬉しいを通り越して誇らしく思えたのです。だから私も真剣に受け止めて質問や意見をしました。そんな言葉や表情を普段目にしないためか、ちょっとたじろぐ様子もありましたが、私にとっての素敵な時間はあっという間に過ぎていったのです。後日各クラスにA4版2枚の手紙をしたためました。
自分たちの考えたことが、ほかの人やほかの学校まで幸せにするという考え方も、シェアに通じるのかもしれません。教室や学校の中の小さなお互いさまの気持ちが生活を豊かにし、広くは共生へとつながっていくように思います。そのためには、相手を信頼できる関係作りが不可欠と言えそうです。
556 いちご(25.1.28)
いちごは「イチゴ」「苺」とも表されますが、なぜ「母」なのでしょう。どうも一つの株に次々と実をつけるところから、「子を産む」株を母親に見立てたようです。なるほどと思いながらも、平仮名表記の方がつるんとした丸形をイメージさせてくれるので、私は好き。そんないちごの花言葉は、「幸福な家庭」「先見の明」「尊敬と愛情」なのだそうです。一年中露地栽培状態のウチのいちごも、年がら年中白い花を咲かせて家庭を守ってくれているということです。
旬のピークが1~3月と言われるいちごですが、ショートケーキやいちご大福、いちご味の菓子などがショーケースや売り場を華やかに飾っている今が、まさに旬。新聞にも、いちご狩りの記事が鮮やかな写真入りで紹介されていますし、スーパーなどの店頭には、様々な種類・産地の瑞々しい品々が並んでいます。どの品種を選ぶかによって満足度が大きく違いますから慎重を期します。甘みが強くて酸味も適度にある「やよい姫」が我が家の一番推し。でもお値段も高いので、1粒を半分に切って一日1個、数日間楽しんでいます。
ところで、森永製菓のミルクキャラメルが、魅力的なお菓子だった幼少時。オレンジに近い黄色のパッケージには、「滋養豊富」「風味絶佳」と書かれているのを知っているでしょうか。まさに大正時代からという歴史を感じる一品(逸品)です。一方、江崎グリコも創立百年を超える会社で、グリコーゲンを含んだ栄養菓子の意味から「グリコ」が誕生したといいます。そのグリコからアーモンドキャラメルが発売された時、「一粒で二度おいしい」のキャッチフレーズに心躍らせたものです。それ以前にも、「一粒300メートル」というキャッチコピーがありました。キャラメル一粒で300メートル走れるカロリーが含まれることから派生した遊びゴコロ。ポッキーやプリッツも魅力的で、ある意味草分け的な存在でした。いちごポッキーだってもうすぐ50歳を迎えるようです。
555 若々しく(25.1.27)
テレビ番組のCMが鬱陶しいので、ドラマは専ら録画してCMをスキップして観ます。そんな私が、CM見たさにリモコン操作です。チャンネルは「8」。テレビ局への不信感から70社以上の企業がCM出稿を差し止めるという異例の事態となっています。放送では、ACジャパンの広告に差し替えられているというので、どんな様子なのか確かめようと思ったのですが、そういう時に限ってリアルタイムで見たい番組もないですし、なかなかCMにもならないのです。
さて、今日で通算555号。この数字は、スバル好きのスバリストが車のナンバープレートに希望する数字です。世界ラリー選手権で活躍していた頃のスバル車の車体には、黄色の文字で「555」と大きく書かれていたことに由来します。これは当時のスポンサー会社、「ブリティッシュアメリカンたばこ」という企業のたばこ銘柄の1つです。たばこ離れが進む以前ですら見たことのなかった銘柄ですが、そのパッケージの「555」だけは今もなお変わらず愛されている証といえます。
不易、つまり激変の時代にあっても変わらないものがあると同じように、変わらなくてはいけないもの(流行)もあるはずです。だから、当たり前を疑ってかかること・柔軟な発想・前例踏襲からの脱却など、学校や学級でも大切にしていきたいと考えます。「やわらか頭」もその一つ。校長室前に掲示しているクイズに挑戦している子を時々見かけてうれしく思います。悩みに悩んで、校長室の扉をノックする子もいます。そして、わかった瞬間の表情がステキです!!私自身、鈍くなってきた頭に刺激を与える意味でも、一生懸命考えて答えを導き出してからの掲示を心がけています。「やわらかい」の中には、「わかい」がちゃんと隠れていますから、頑張ることで少しでも若さを保てることを願います。髪の密度は減るばかりですが…。
554 カラダに投資(25.1.24)
肩こりがひどい!ふくらはぎがパンパンに張る!膝・腰・股関節が痛い!庭仕事や洗車で脚立に上るとふらつく!何年前からかなんて記憶はありませんが、気持ちと身体のバランスが崩れてきたことを実感します。「まだ若い」「きっと大丈夫」という思い込みほど怖いものはないわけで、思いがけない場面でケガをすることも出てきました。
友だちは、リンパマッサージに夫婦で通っていると、そのよさや効果をとくとくと説明してくれます。広告の「筋膜整体」「筋膜リリース」なる文字も時々目に入り、興味をそそります。ただ、理論攻めや感覚でものを言われてもよくわかりません。百聞は一見に如かず、百見は一考に如かず、百考は一行に如かず!一度体験してみようとネット検索すると、あるわあるわ。大量の情報から選択は困難で、しかも料金は回数券制になっているみたいではっきりしません。どうも施術時間と料金体系から察するに、40分もやってもらうと渋沢さん2人分に近づきそうです。
それでも、「今は自分の体に投資も必要だ」と申込みを決めた矢先、自宅ポストにチラシの投函がありました。そして、なんと妻の知り合いが患者として写っているではありませんか。さらに、施術してくれるのは、その知り合いの友だちの子だとか。これは一度試してみるしかないと思い立って予約・施術です。歪み改善のための立ち方やストレッチなども教えてもらいました。ただ、各部位をほぐしてもらいながら、「メチャクチャ硬いですね」と何度言われたことか。褒められているわけでもないのになぜか照れが…。小学校のマット運動が嫌だった記憶が蘇ってきました。
その記憶の容量が針を振り切ってしまって、物覚えの悪さや物忘れの激しさを増した頭。ほぐしてもらうと柔らかくなって回転がよくなるかも?というわけで、明後日も揉み揉みしてもらいます!
553 大人のおもちゃ(25.1.23)
カローラ、サニー、ファミリア、ブルーバードなどは昭和の人気車種。今もその名を残すのはカローラだけですが、父が中古で買ってきた銀色のブルーバード(510型)を乗り回した免許取りたての40数年前を思い出します。学生の私にとって、まさにわくわく感いっぱいの青い鳥だったのです。
当時の車は、現代車のようなコンピュータ制御ではなく、至る箇所が昭和!オートロックなんてありませんから、乗り込んだり施錠したりする際は、ドアごとに鍵を開閉しなければなりません。ドアの鍵穴にキーを差し込んでロックを解除し、キーを回してエンジンスタート。いやいや、寒い日などは、まずはチョークボタン(知らないだろうなぁ)を引いてエンジンがかかりやすくするのです。サイドガラスの開閉はレバーを回す手動ですし、換気用の三角窓までありました。サイドブレーキがスティックタイプだったり、シートベルトがなかったり、パワステではないのでステアリングがめっちゃ重かったり…。エアコンもありませんから、夏は窓を全開、冬は温風のみ。当然のことながら、エアバッグや衝突回避センサー、バックモニターなどの安全装備なんてあるはずもなし。
自宅前のどぶ(側溝)にタイヤを落として、近所の人に手伝ってもらって脱出したこともあります。「土禁(どきん)」といって、車内に土や泥を持ち込まないために、靴を脱いで車に乗り込むのも車好きの間で流行りました。だから時々、脱いだ靴やサンダルが道路に忘れられていることもあったのです。
時代は変わって、EVやハイブリッド化が進んで純エンジン車が追いやられ、先進技術満載の車が続々と生まれています。便利・安全になる一方で、犠牲にされたものもきっとゼロではないはず。行き着くところまで行ってしまった感じはありますが、子供たちが免許を手にする頃の自動車も、わくわくする大人のおもちゃであってほしいと願うのです。それとも、一層クルマ離れが進んでいる?