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校長室から

537 「3010」運動(24.12.18)

 道端の草や土に霜が降りる寒さとなり、タイツを履くタイミングを考えています。

 「8020運動」といったら、80歳になっても自分の歯を20本以上残そうという歯科医師会等が提唱するスローガンであることはよく知られています。先日の就学時健診を終えて学校歯科医が、「園児や小学生段階までの口腔衛生は親の責任」というニュアンスの話をしてくれました。「永久歯に生え変わるのだから大丈夫」ではなく、8020は乳幼児の頃から始まっているのです。

 では、「3010運動」なるものをご存じでしょうか?家でその話をしたら、しばらく考えて「30歳までに自分の歯を10本以上残そう、じゃ変だしなぁ」と、とぼけて言う隣の声にスルーを決め込んだ私。実はこれ、千葉市の飲食店で始めた、食品ロスのための呼びかけだそうです。

 話は飛びますが、先日、旧知の友達夫婦と昼食会をしました。久しぶりに会ったので様々な話に花が咲きます。互いに車だったので、アルコールは飲まず、専らおいしい料理を堪能する時間となりました。同じようにこれからの時期は、復活した忘年会や新年会が開催されて、賑やかに会食する機会が増えます。乾杯の後すぐにビール瓶を持ってお酌して回り、おしゃべりに時間を割きます。先の「3010運動」は、この宴会の最初30分と最後の10分は自席で料理を楽しむように呼びかける内容だといいます。確かに、宴会料理にあまり手を付けないままお開きになるようなことも多く経験してきましたが、ここ数年は、司会が自席での食事を促すアナウンスを耳にするようになりました。

 これからのシーズン、飲んだら乗るな!飲んでも食べろ!です

536 友達?いや、友垣(24.12.17)

 スペインから十数年ぶりに来日した親子が、日本では当たり前の光景に目を疑ったという記事を読みました。それは、自分の息子と同じ年齢の小中学生が、一人で電車・バスに乗っていることだといいます。首都マドリードでは、十代半ば頃まではあり得ないことで、親の送迎が当たり前。これにより自立がスポイルされそうですが、「世界平和度指数」の「社会の安全と治安」領域において、日本が世界7位という背景があってこそと考えると胸を張れそうです。ただ、夜のファストフード店で突然、知らない人に刺されるなんて事件があると、心配の種はどこでも同じなのかもしれません。

 さて、市内音楽会や八中B地区別音楽会の最後に、集まった皆で『ふるさと』を歌いました。その時、60数年して初めて知ったこと2番の歌詞「♪つつがな~しや 友がき~」という部分。「友だち」だとずっと思い違いをしていたことに気づいたのです。あ~恥ずかしい。

 「恙(つつが)ない」とは、最近では耳慣れない言葉です。手紙などで「つつがなくお過ごしでしょうか」と相手に問うこともあったのです。この言葉に似たのが、ツツガムシ(ダニの一種)です。昔から死に至る風土病として恐れられてきました。逆に、そのツツガムシに刺されて病気にならないことが「つつがなし」、つまり平穏無事であることを意味したのです。さらに「友がき」は、「友垣」とも書いて、垣根を建てるときに横に固く結んでいくことになぞらえて、友情で結ばれた仲を表すのだそうです。

 どれもこれも初めて知ったことですが、勘違いに気づいて調べてみると新たな発見もたくさんあって面白いものです。

 今日と明日、書き初めの練習をエアコンの入った体育館で行います。6年は「夢の実現」、5年は「世界の国」、4年は「美しい空」、3年は「友だち」で、「友がき」ではありません!

535 メインスポンサー(24.12.16)

 小学校6年間で学ぶ漢字は、現在1026字。都道府県名で使われるちょっと難しい漢字20字を加えて、4年生で学習するようになったのは2020年度の学習指導要領からです。なかなか難しい文字もありますし、それ以上に普段はほとんど使わない漢字があります。その筆頭が岐阜の「阜」ではないかと思うのです。普段の生活場面でお目にかかることは皆無といっても過言ではないはずの唯一無二の存在感。そのほかにも栃木の「栃」、埼玉の「埼」、新潟の「潟」、滋賀の「滋」、愛媛の「媛」、茨城の「茨」なども使用が限定的な気がします。思いつくのは、栃の実・山埼さん・干潟・滋養・才媛・野茨といったところです。1026文字が一堂に会したら、様々な不公平感が聞こえてくるのではないかと想像してしまいます。

 綾瀬はるかさんは広島出身、鈴木亮平さんは兵庫出身。この二人を起用した「アリナミン」のCMをよく目にします。お疲れの人が多いのは今も昔も変わりはないようです。そのCMを見ながら、「♪タケダタケダタケダ~」と急に歌いだす輩がいます。現在の販売元はアリナミン製薬ですが、以前はアリナミンといえば武田製薬でした。そんなわけで懐かしいメロディーを口ずさんでいたのです!

 昭和の時代には、テレビ番組にメインスポンサーがついたテレビ番組が多くありました。時代劇『水戸黄門』はナショナルの提供で、「♪明る~いナショナ~ル」と歌われ、『クイズダービー』はロート製薬でしたから、「♪ロートロートロート~」と番組が始まる前に流さたのです。番組メインスポンサーとは違いますが、「♪チョッコレイト、チョコレートは明治~」は耳慣れた音楽でした。今思うと、インパクトあったなぁ。

 各都道府県それぞれにローカルCMがあるようですが、『秘密のケンミンSHOW』が取り上げるような県民に親しまれる歌や映像ってあるのでしょうか?

534 スター誕生(24.12.13)

 年の瀬28日に全国高校サッカー選手権大会の開会式と開幕戦が行われます。国立競技場で決勝戦が行われる1月13日まで長丁場です。千葉県代表の流通経済大柏高校は、大晦日に佐賀東高校と初戦を戦います。繰り広げられる熱戦の中に、これから応援したくなる私のスターを見つけたいと考えています。

 サッカーに疎くても、「♪う~つくむなよ~ふり向くなよ~/君は!美しい~/戦いに敗れても~/君は美しい~♪」という歌詞を聞けば、大会歌であることに気づく人はいるはずです。だって、かれこれ半世紀近く演奏されてきましたから…。高校野球でいえば、『栄光は君に輝く』みたいな存在でしょうか。この『ふり向くな君は美しい』(ザ・バーズ)のメロディーはサッカー好きには堪らなく、まさに王道のような音楽なのです。(あくまでも私見)

 この曲は、作詞が阿久悠さんで作曲が三木たかしさんという、昔懐かしいタレントスカウト番組『スター誕生』の審査員だった二人の作品です。当時の審査員といえば、現文化庁長官の都倉俊一さんもいました。この番組は、ピンクレディーや山口百恵、桜田淳子、森昌子、中森明菜、小泉今日子、石野真子の共通点でもあるのです。そして、彼女らとともに私も歳をとったわけですから、こんな話に共感できない人は少なくないと知っていながら…。

 今日6年生は、アスリート(元バレーボール・ビーチバレー選手)の黄秀京(ファンスギョン)氏を迎えて学ぶ機会を得ました。どんな話が聞けるか、どんなことに子供たちが反応するかが楽しみ!

533 もういくつ寝るとクリスマス~(24.12.12)

 明けていく東の空がオレンジ色になっていくのもきれいですが、見通しのよい場所で眺める日没後の西の空は、グラデーションがとっても鮮やか。秋冬の変化していく空の様子は、ずっと見ていても飽きず、逆に引き込まれそう。まさに「マジックアワー」です。

 クリスマスはまだなのに、そろそろ新年を迎える準備に気が行ってしまいます。部屋の24時間換気をする数か所の換気扇のフィルターの交換、雨戸やサッシの汚れ落としなど、大掃除の計画で気が重くなるなんて言おうものなら怒られそうです。そんな中、鏡餅をどうしようかという話になりました。毎年、切り餅入りの簡単な組み立て式鏡餅を買って備えていましたが、買い替える無駄のない置物にしようと意見がまとまりました。陶器やガラス、木など結構あるものです。縁起物でもありますから、気に入ったガラス細工の商品をチョイス。でもクリスマスツリーがまだ主役ですから、箱の中で首を長くして出番が来るのを待っているようです。

 さて、クリスマスが近づけば、クリスマスソングがあちらこちらから聞こえてきます。どの曲が自分の一番のお気に入りだろうと考えます。『白い恋人たち』(桑田佳祐)や『サイレント・イヴ』(辛島美登里)、『恋人がサンタクロース』(松任谷由実)、『ラスト・クリスマス』(ワム)や『All Want For Christmas Is You』(マライア・キャリー)など浮かびますが、やはり『クリスマス・イブ』(山下達郎)ではないかと思うのです。深津絵里さんや牧瀬里穂さんが起用されたJR東海のCMで使われたことも影響しています。だって、携帯電話の普及していない時代の淡く切ない想いが歌とぴったりで、結婚したての自分たちと重ねて錯覚するには十分なインパクトだったのです。

 今の十代・二十代なら『クリスマスソング』(back number)を選ぶでしょうか?♪聞こえるまで何度だって言うよ、君が好きだ~♪って?!

532 人間ウォッチング(24.12.11)

 ホームで電車を待つ間、ビルの屋上に設置されたライブボードに目が行くことがよくあります。すると、アニメのキャラクターの誕生日を映し出しています。ドラえもん(9/3)やちびまる子ちゃん(5/8)など一部のキャラクターの誕生日は知っていても、なかなか覚える機会はありません。ましてや、誕生日を設定する意味があるのかという疑問まで沸き起こります。でも、ネット上にキャラの誕生日一覧表が存在するくらいですから、アニメ好きには外せない重要事項なのかもしれません。

 通勤時は、最寄り駅始発の電車を利用します。ゆっくり座って読書ができるからです。必然的に見知った顔の人それぞれが座る場所が決まってきます。7人掛けの右端が私の定位置で、不可侵がお互いの暗黙の了解。足は閉じて慎ましく座ります。いつも正面に座る男性は、顔の割にマスクが小さい。斜め向かいの席の女性は、十二単が似合いそうな髪型。逆を見ると、くたびれて艶をなくした革靴がちょっと気になります。

 端の席は、途中から乗った人も狙う場所ですが、混雑してきたときに時折イラっとすることもある場所。ドアの脇に立つ人の髪やダウンのフードがその一つですが、今日は高校生のカバンに下がったサンタの衣装のウサギさん。ブラブラして頭に当たりますが、本人は気づく由もなく…。手で振り払いたいのをじっと我慢して、頭の位置をずらすとまたそこに。乗り換えたあとの電車は朝のラッシュ。ここでも、テニスラケット状のものをリュックに入れて背負ったまま乗り込んだ高校生は、自分の鞄が迷惑になっていることに気づかない様子。園児・学童の段階に、他者へのマナーや周りを意識する習慣を教えていくことは、きっと損にならないと思うのです。

531 選挙活動(24.12.10)

 新聞のコラムに、万葉集にある『貧窮問答歌』(山上憶良)の文字を見て、とても懐かしい気持ちになりました。“ 風まじへ 雨の降る夜の 雨まじへ 雪降る夜は すべもなく 寒くしあれば 堅塩(かたしお)を とりつづしろひ~(略)~かまどには 火気(ほけ)ふき立てず 甑(こしき)には 蜘蛛の巣かきて 飯炊(いいかし)く ことも忘れて~ ”と続きます。氷雨の夜の寒さに震え、麻で作られた夜具で耐え忍ぶ姿や火の気のない竈、蜘蛛の巣を張った調理具などから奈良時代の農民の貧しい生活の様相が余すことなく伝わるようです。はて、この歌を題材に授業をしたのは社会科だったか?真剣に教材研究していた頃を思い出します。

 さて、政党を組織し、公約を作って発表、そして投票を終えた6年生のある教室で、開票作業が行われていたのが先週末。クラスごとに複数の党があって、学年全員と授業参観にいらした保護者が1票ずつ投票をしました。子供たちは、録画された他クラスの演説も聞いて、その学級にも票を投じました。この日の学級では、116票中37票を獲得した「水党(すいとう)」がトップ当選。各学級のトップの党が、次は校長室にやってきて説明をして実現を訴えるようです。ちなみに、この学級には次のような党がありました。

水党 → 衛生面・環境面の改善!水道水の温度調節と自動化を図ります!

SIT党 → 学習環境を快適に!

電波党 → タブレットを使った快適な学習を!体育館や音楽室などにもWi-Fiを設置します!

NEW屋上自由党 →皆が自由に出入りできる屋上を作ります!リラックスできるように芝生を敷いたり、椅子やハンモックを設置します。さらに床面を黒板にして、自由に書けるようにします。

ピカピカ党 → 掃除機とモップを使って、ピカピカにします!

カメラ党 → 防犯カメラを設置して、安全・安心な学校に!監視だけでない防犯を!

 子供たちに政治をより身近に感じてほしい、1票の大切さを考えさせたいなど、歴史学習を中断しても実施したい強い思いがあったのだと思います。だからこそ、子供にも指導者にも残るものは少なくないはず。

530 枯らさないように(24.12.9)

 現行の保険証の新規発行は、先週2日から停止され、マイナンバーカードにどんどん移行されていきます。10月末現在の保有率は、人口の75%強といわれ、年が改まった3月には運転免許証との一体化も進められていきます。

 保険証との紐づけや公共料金支払いなど、個人的にやってはきましたが、なかなかカードの登場機会はありません。少し前に薬局に設置された機械にマイナカードを翳したあと、顔認証を求められたものの本人を識別してくれません。マスクが原因かと思って外してもなお考え中?パスワードはうろ覚えだし、困りながら何度も顔を枠の中に入れていたら、やっと認めてくれました。傍から見たら変なおじさん。でも、すべての個人情報が内蔵チップに記録されていると思うと、携帯が怖くなります。

 しばらく天気のよい日が続く中、昨日から急に冬の寒さになり、ダウン系のアウターに切り替わりました。雨が降らない日が続くと、鉢植えの植物が知らぬ間に水切れを起こします。夏場の乾燥は想定内なので、朝晩2回は水やりを欠かしませんが、この時期は気温が高くないから大丈夫だろうと高を括っているとあら大変!葉色が悪くなってパラパラと落ちているものが見られます。学校全体や教室内でも、子供たちの様子をきちんと観察し、水やりしたり肥料を与えたりしないと、気づかない間に心が枯れ始めている子が現れないとも限りません。人も肥料の量やタイミングに要注意です!

 校長室の窓際で観葉植物のウンベラータが、手のひらより大きな葉を13枚広げています。学校に着いてカーテンを開け、こちらも水切れさせないように管理しながら3か月余り。根元から40㎝の高さになりました。元々は邪魔な茎を剪定して、枝から育ててきたもの。この度よりよい環境を求めて、来客用玄関の靴箱のわきに移動。成長が楽しみなのは、これまた子供たちと一緒!

529 サツマイモ(24.12.6)

 辺りが暗くなったころに、ラッパの音がして「石焼~き~芋~、お芋~」と言いながら屋台を引くおじさんが時々現れた昔が懐かしい。今では、そんな声を聞くこともなくなりましたが、スーパーの入口では常時袋入りのサツマイモが買ってくれるのを今か今かと待っています。

 野菜売り場にもサツマイモがズラッと並ぶ季節です。紅はるか・シルクスイート・紅あずま・安納芋・栗かぐや等々、種類が豊富で、国内で流通しているものだけで50種類前後あるといわれます。ホクホク系からねっとり系まで、好みが分かれそうな反面、「芋なんてどれも一緒でしょ」という人だっているはず。我が家ではカボチャ同様、ホクホクした品種しか選ばれませんが、口の中の水分をどんどん奪うタイプは、どうも苦手です。

 給食では、秋になってサツマイモの天ぷらや芋栗ごはんが出ましたが、その他にも大学芋や芋けんぴ、干し芋、スイートポテトとおいしいものばかり。先月末に行われた町会の防災訓練では、焼き芋が振舞われたといいます。また、サツマイモの餡に栗の甘露煮を入れた栗きんとんをお節料理に出す家庭もあるでしょう。

 ところで、「新じゃが」「新タマネギ」とは言うのに、「新サツマイモ」というのは耳にしません。ただ、耳慣れないだけであるようです。一般的に出回るサツマイモは、温度・湿度管理をして2~3か月貯蔵して、糖化を進めてから出荷します。一方の新サツマイモは、収穫後すぐに出荷するので水分が多めで、糖度はあまり高くないものの爽やかな食味と言われます。その特徴を生かした料理も紹介されています。

 喩えは悪いですが、子供たちを芋に置き換えると、どれ(どの子)も同じではありません。熟成させたほうがよい芋(子)もあれば、早く調理してあげたほうがよい味を出す芋(子)もあります。調理(指導・支援等)の仕方で、よりよい味を出すこともあります。可能性を伸ばし、自信を育む意味でも、その見極めは複数の目で様々な角度からしていきたいものです。

528 肌ケア(24.12.5)

 11月頃から、さまぁ~ずの二人を起用したサントリーのスキンケアCMをよく目にするようになりました。照れてしまうようなやりとりも自然体で好きです。もしかすると、スキンケアチャレンジに躊躇していた男性の背中を押しているかもしれません。かくいう私も、乾燥の季節突入なので、これまで2種類だった液体・クリームを4種類にして万全の態勢を敷いています。朝の洗顔でその違いを実感中!

 今日は、来年度入学の園児を対象とした就学時健康診断が行われます。全校職員で子供たちやその保護者を迎えます。初めて小学校に入学させる家庭は、どのくらいあるでしょう。例年7~8割程度ですが今年は?

 自分の子供たちが小学校に入学した四半世紀以上前を思い出してみると、保護者として初めての学校には不安がいっぱいでした。見聞きすることも少なく、圧倒的な情報不足からくるものと言わざるを得ません。また、どんな先生だろう?友達とうまくやっていけるだろうか?と考えてしまいますし、登下校の事故も頭をよぎります。だから、子供が自らの言葉で話す出来事が新鮮かつ喜びだった記憶があります。

 今は受け入れる側として、新入学かどうかを問わず、見える・話せる学校であることが、保護者の不安を少しでも小さくできると思っています。だから、「もっとこうだったらいいな」と思う建設的な意見を、保護者・学校評価の自由記載欄に見ることができたらうれしいです。

 校長も少しでも若く見えて、はつらつとしているほうが多少は安心感が増すかもしれないと思いながら、日々のエイジングケアに勤しむ日々!?

527 NOW(24.12.4)

 今年の流行語大賞は、「ふてほど」だそうです。ドラマ『不適切にもほどがある』を観ていましたが、一度も口にしたことはありませんでした。授賞式で阿部サダヲさんも似たことを…。それよりも驚いたのが、学童保育に入れない待機児童数が千葉県は全国4位。市町村別にみると、船橋市が輝ける(?)ワースト1、市川市も18位という多さという報道。本校には学童が4室、前任校には5室もあり、これ以上の拡張は無理です。それでも「小1の壁」「小3の壁」が厳然と立ちはだかっているといいます。逆に、学校では教室不足から配置に頭を悩ませます。

 さて、半世紀前に高視聴率をとった夕方の生放送バラエティ番組『ぎんざNOW』をふと思い出してしまいました。司会のせんだみつおさんが一躍人気となり、お笑いタレントを数々生み出しました。その人気コーナーが「しろうとコメディアン道場」。関根勤さんや小堺一機さん、竹中直人さんなどがデビューするきっかけにもなったのです。クイーンやキッス、ヴァン・ヘイレンなどの大物アーティストも出演しましたが、ノーギャラだったとも噂されます。

 この「ナウ(NOW)」は、英語では、現在・たった今の意を表す単語ですが、広辞苑には、「昭和の流行語」「今風であるさま、現代の好みに合いスマートなさま」とあります。当初は「ナウな○○」的に使われ、先の番組につながっていました。80年代になると、少し形を変えて「ナウい」と表現し、「新しい、現代的だ」という意味で使われました。さらに2000年代末には、SNSなどの投稿の末尾に用いて、自分が現在いる場所や置かれた状況を表すために使用されたのは誰もが知るところ。ただ、今では「もう古い」と言う人もいます。

 同じ「ナウ(NOW)」ではありますが、時代とともに使われ方が変わっていくなんて、言語文化は面白いものです。次はどんな形で「ナウ」が登場するのでしょう?

526 折り紙(24.12.3)

 冬至に向かって、日出時刻がどんどん遅くなっていきます。一方、日没は今がピークで、午後4時半を待たずに日が暮れ、すぐに真っ暗になります。帰宅時に電車に揺られて、吊革につかまりながら流れる景色を眺めていると、ガラス窓に映った自分と目が合います。額に刻まれた3本以上ある深い皺を見て、消せなくなってしまったのはいつからだろうと考えます。両手で伸ばそうが引っ張ろうが、形状記憶の皺はたちまち元通りに。遮ることなく全身で太陽光を浴び続け、肌のケアもおざなりだった私がぼやこうものなら、「それは必然!」「何を今更言っているの」と一蹴されてしまいます。笑うとできる目尻の皺も、校長室に来た子が「1,2,3,4…」と指差し点呼しながら教えてくれます。あ~嫌だ、嫌だ。

 11月のある日、たんぽぽ学級の男児が、教室で一生懸命折っていた折り鶴を校長室に届けてくれました。丁寧な作業が窺われ、ロッカーの上に飾ってあります。折り紙は、脳トレにもよいみたい?

 その折り紙の歴史は古いようで、7世紀に和紙が生まれて以降、供物や贈り物をする際に包みを美しく折って飾るようになった頃が始まりとされます。年月が経つうちに、折り方そのものを楽しむ折り紙が生まれます。江戸時代に一層親しまれ、明治時代には幼稚園や小学校で教えるほど盛んになっていった歴史があります。

 最近のニュースで、学生アカデミー賞のアニメーション部門で日本作品が初めて銀賞に輝いたと報じられました。作品名は「Origami」。正方形の紙が、様々な生き物に折られていき、生命の息吹を感じる美しいCGアニメです。まさに日本の伝統と先端技術の融合といった感じです。ただし、どんなにきれいでもCGはあくまでもCG。手作りに敵うものではないと考えるのは古い?

525 やめられない、とまらない♪(24.12.2)

 11月下旬から新聞にズワイガニやタラバガニの早割キャンペーンの広告がでかでかと掲載されるようになりました。割安感はありますが、年末年始まで冷蔵庫を占領することになりますし、キャパの確保ができません。正月に照準を定めて、時機をみてスーパーでの購入となりそうです。

 一方のエビ、といってもカルビー「かっぱえびせん」の話。この菓子は誰もが知る長寿商品。先日、孫がオレオに牛乳をつけて嬉しそうに食べていましたが、かっぱえびせんの牛乳がけも決して邪道ではないようです。むしろ、シリアル風でおススメという人もいるので、まずは数本からやってみようかと…。

 「かっぱえびせん」は今年60周年を迎えたようで、その記念企画として、日常の「やめられない、とまらない」事をテーマに川柳募集がされたようです。大人でも子供でも、わかってはいてもついついやめられない習慣などがあるもの。応募総数3.2万超の句の最優秀に輝いたのが、走り出す 十八歳の 好奇心” でした。「あるある!」と強くうなずけた作品が “タイトルは どこまで続く Re:Re:Re:Re:Re” “犯人が 見つかりそうで 午前2時” の秀作2つ。また、キッズコースもあって、こちらも勝手に3作品を選んでみました。

  ①生えかわり グラグラした歯 ベロで押す

  ②今日もまた ママに言われる 水筒出した?

  ③地面みて 白だけあるく ほかはだめ

 誰もが経験してきた道のようで、クスッと笑みがこぼれます。

524 ブラックフライデー(24.11.29)

 「イスラエルとレバノンが停戦合意」の速報がスマホに飛び込んだのが水曜日。昨日の新聞第1面でも報じられました。一昨日は、前夜の雨があがって20℃超えの晴天でしたし、昨日も暖かな秋晴れの一日。これらを示唆しているように思えてしまいました。つながりを実感することが少ない両国ですが、覆われた重い靄を振り払い、不思議と気持ちが軽くなった気がします。ロシアとウクライナの争いも収束に向かうことを願うしかできませんが、想うことも大事。

 さて、日本ではなかなか定着しない感があるのが「ブラックフライデー」。アメリカでは、毎年11月の第4木曜日に「感謝祭」が催され、祝日となります。木曜日と土日曜日に挟まれた感謝祭翌日の金曜日をブラックフライデーと呼んで、感謝祭のプレゼントの売れ残り一掃のために安売りセールが実施されます。買い物客が殺到するといい、日本でも年末商戦を控えて売り上げが伸び悩む11月は同じですから、8年前くらいから大手企業が始めた経緯があり、広まりつつあります。そして今日がその日。

 それにしても、ブラックにはあまりよいイメージがないのになぜ黒なのでしょう。どうも小売業者が儲かって「黒字になること」、あるいは店舗などが混みあって「黒山の人だかりができること」をイメージした「ブラック」だといわれます。意訳するなら黒字の金曜日といったところでしょうか。

 来週から師走。12月は記念日やクリスマス、年が明ければ子供の誕生日と続くため、自ずと家計がひっ迫します。それに先立つ出費を、今は控えたいというのが我が家の実情。だからもう少し我慢がまん。

523 元気でいれば…(24.11.28)

 週刊誌の見出しに、「マイコプラズマ・コロナとのトリプル流行が招く最凶インフル 年明け1週間で222万人感染」とあります。本校では、10月中旬から下旬にかけてインフルエンザ罹患が多くありましたが、市内学校では11月入って以降だいぶ増えている様子。改めて手洗いやうがいの励行をはじめ、マスク着用を心がけた方がよさそうです。

 先週末、前々任校で社会科の公開研究会があり、社会科部会に所属する私は参観してきました。市内でも若い先生が社会科の面白さを知って、学びながらそれぞれが授業を展開していることをうれしく思うとともに、一生懸命教材開発に力を入れていた頃を懐かしく思い出します。

 3年生以上の学級が2クラスずつ授業展開をしましたが、まず足を運んだのが6年生の教室。当該校勤務最終年に入学した子供たちが6年生になっていたからです。授業が始まる少し前に行ってみると、どのクラスの子も一瞬「ん?」という表情をした後、会釈する子や小さく手を振る子が増えていくではありませんか。覚えていてくれたのだと思うと感激です。元気で子供たちとかかわり続けていれば、成長した多くの子供たちの姿を見ることができるのです。まるで孫の成長を喜ぶじぃじそのもの。平田小の子供たちもいつまで覚えていてくれるのだろう。

 話は変わりますが、スポーツ吹矢という競技に以前から興味を持っています。5~10m離れた円形の的をめがけて、腹式呼吸法を用いて矢を放ち、得点を競うスポーツです。日本スポーツ吹き矢協会では、段や級の認定を行っており、武道のような「型」もあるそうです。モットーは「礼に始まり礼に終わる」であるといいますから、弓道に近い感じでしょうか。

 健康にもよいとされるので、お年寄りも取り組んでいます。肺機能や胸筋・腹筋の強化、血行促進などの効果が期待され、集中力も高まりそうです。やってみたいけれど、平日に活動するサークルばかりで残念!

 4年生校外学習が行われる今日は、「いい(11)ふきや(28)の日」らしいですよ。

522 漢字テスト受験(24.11.27)

 テレビのニュースで、事件についてアナウンサーが神妙な顔で伝えています。「容疑者は62才の男。事件当夜…」と聞きながら、ふと自分と同世代であることに気づくのです。交通事故を起こした人も、殺人犯もみんな似たような年齢であることを知る度に複雑な心境になります。

 6年生の男児がふらっと校長室にやってきて、漢字50問テスト用紙を手渡してきました。多くを語りませんが、どうも解答してほしい様子です。遡ること数か月前、6年生の教室前廊下に置かれたテスト用紙を1枚手に取って、部屋に戻って取り組みました。天邪鬼な私は、普通に答えても面白くないと考えて、敢えて間違えた答えを書いたのです。間違えた解答にも意味を持たせる必要があると思うと、これまたなかなか難しい。先の男児は、その時と同じような解答を求めているようでした。

 手強かったのは、例えば「ちゅう返りをする」という問題。「宙」が正解は百も承知ですが、「ちゅう」と読む漢字は数々あれど、「中」「忠」「注」「虫」「昼」「柱」などどれも「返り」とマッチしないのです。結局「鼠(ねずみ→チュー)返り」と書いたわけです。さらに、如何ともしがたかったのが「垂れる」と書く問題。電子辞書まで引っ張り出してもよい答えを見つけられず、その文字を使って液が垂れているような絵文字にして提出しました。どれもこれも、コチコチになり始めた頭の体操にはうってつけ!気に入ってくれたかな?

 担任に尋ねると、先生が「持って行ってみれば!?」と後押ししたわけではなく、自分で面白そうだと考えて校長室に足が向いたようです。こんな爺さんに親近感を抱いてくれているなら嬉しいことです。

521 面白いと思えば…(24.11.26)

 「ゲップ」といっても、お腹いっぱいで口から溢れ出すガスではありません。現在は「ローン」「分割払い」と言いますが、昔は「月賦」という言葉を使っていたこと急にを思い出しました。懐かしい響きです。“このテレビは月賦で買った”“車の代金を月賦で支払う”などと言われてきたのが、たぶん平成を境に死語になったかもしれません。ドラマ『海に眠るダイヤモンド』は、70年近く前と現在とが交互に映し出されますが、まさにそうした時代の言葉として語られているのです。

 少し前になりますが、JR総武線の改札機が新調されました。大きな変化がないので気づきにくいのですが、ICカードを翳す面の角度が若干利用者側に傾いていることがわかります。この微妙な傾き具合は、きっとタッチミスや読み取りミスを減らすために、計算・検証し尽くされた結果の産物、努力の結晶なのだと、改札を通過しながら思う毎日です。

 よりよい生活のためのリニューアルは、家庭でも学級でも工夫次第のような気がします。校長室前の廊下に、体育館のステージ袖から長椅子を1脚運んできて、本などを読めるリラックススペースを設置したことはHPで紹介しました。掲示したクイズに頭をひねる場所など使い方は様々ですが、ここも「まるごと図書館」のワンコーナーのつもり。どれだけの利用があるかは、これからの工夫次第!教頭先生も職員室に本を置いて、「島野図書館」を作ったので、教育書を数冊寄贈しました。面白いと思えば、あれこれ考えすぎずにまずやってみることも大事です。

 6年生の社会科が、一時的に政治に戻って学んでいます。先の衆議院議員選挙で、改めて興味を持った様子。政党を結成し、公約や実現したい政策を身近に見つけて演説・投票など模擬体験するそうです。関心をもって進める活動には、相応の学びがあります。振り返りの感想も知りたいなぁ!

520 できることは増える(24.11.25)

 1週間前に1,2年生の算数科授業研究会を行いました。事前授業も含め、全員が1回は展開をしています。講師の先生からは、「今日の授業を通して何が見えるようになったか」を意識することで学びが深まるという話に首肯しています。これは、必ずしも授業だけではないかもしれません。視野を広げたり、着眼点が明らかになったり、新たな気づきが生まれたりするのは、学級や家庭での声かけ次第ともいえそうです。

 この日、「たし算九九」や「ひき算九九」があることを初めて知りました。「かけ算九九」は当たり前でしたが、私たちはこれらを知らず知らずに暗記して、数の感覚として身につけ、暗算しているなんて凄いと思いませんか。

 さて、我が子たちが幼かったころのビデオ映像をDVDに編集したのに、どんな機器を使っても再生されずに諦めて20年くらい過ぎるでしょうか。でも、これを蘇らせてくれた業者がありました。約5時間にもわたる宝物ともいえる映像が、DVD3本に記録されて手元にやってきたのです。早速再生です。さすがに30年以上も前の機器による撮影ですから、映像は現在のような鮮明さに及ぶはずもなく、粗いの一言。でも、新米パパと新米ママの若さだけではなく、様々な想いがぎっしりと詰まって見えます。映画でも2時間あると飽きてしまう場合がありますが、そういった気持ちは全然起こりません。子供たちが獲得していく芸を、何とか記録に残そうと必死になっていることが窺えるから笑えます。半年とか1年とかいう長いスパンではなく、わずかの間にできることがどんどん増えていることがわかります。それを楽しみ愛おしく思う私たち夫婦。

 小学校に入学したての1年生から卒業間近の6年生まで、変化の幅に差はあっても、一人一人の変容にきちんと気づいて喜べる大人でありたいと思います。特に、「心」「気持ち」「意欲」といった目には見えにくい部分こそ気づいてあげられるように…。

519 谷川俊太郎さんを偲ぶ(24.11.22)

 娘の家から引越してきたクリスマスツリーを押入れから出して、新しいオーナメントを飾りつけました。ショッピングセンターもクリスマスと正月が一緒にやってきた賑やかさです。家でも外出先でも、大人も子供も、見ているだけでワクワクする気持ちになるから不思議です。逆に、カレンダーを眺めていると落ち着かない気持ちになってしまう時季です。

 先週末は、膝痛がだいぶよくなって、ウォーキングしようという気持ちになりました。色づく木々や色とりどりの花を見ながら、歩くという当たり前の行為が普通にできる悦びに改めて気づかされました。そこで、先日亡くなった谷川俊太郎さんを偲び、詩『生きる』風に表現してみました。

膝が痛くないこと いま普通に歩けるということ

   それは、立ったままズボンや靴下が

   履けるということ

   便座に尻もちをつくような状態で

   座らなくてもよいということ

膝が痛くないこと いま普通に歩けるということ

   それは、点滅を気にせず横断歩道を

   わたりきることができるということ

   グーグルマップの示す予想時間内に

   目的地まで行けるということ

膝が痛くないこと いま普通に歩けるということ

   それは、手に取りたいものに近づいて

   すぐに手の中に入れられるということ

   手すりやエスカレーターの有難みを

   忘れてもよいということ

   そもそも、外出しようという

   気持ちにさせるということ

膝が痛くないこと いま普通に歩けるということ

   それは、自分の足で歩くことの尊さに

   気づくということ

   校外学習の引率ができるということ

   3階の教室にも足を運んで、

   子供たちを見られるということ

膝が痛くないこと いま普通に歩けるということ

   それは、あなたにもっと近づけるということ

 今日は授業参観。担任と保護者の気持ちが、子供を中心にもっと近づけるチャンスかも。来週は4,5年生の校外学習やたんぽぽ学級の合同学習発表会が予定されています。そして…11月が終わればカレンダーはあと1枚きりに。

518 その言葉、大丈夫?(24.11.21)

 病院に設置された血圧計で計測をすると、日時が記録されてプリントアウトされます。整形外科を受診した際に打ち出された記録用紙を見て、思わずスマホを取り出してしまいました。だって、ポッキーの日(11月11日)の11時11分ではありませんか。勝手に特別感を抱き、きっとよいことがあるはずだという幻想にとらわれてしまうのは悪い癖!

 数日後、足を引きずるようにして横断歩道を渡る際、普段なら余裕で渡れるのに、渡り終わらないうちに歩行者用信号が点滅しているではありませんか。歩くのが遅いお年寄りを見かけますが、焦る心境がわかる気がしました。「足を引きずるように」という部分を、「びっこを引きながら」と書こうと思って躊躇いました。差別語かもしれないと思ったからです。調べると、一般的には差別語とされているようです。

 日本語は、世界でも豊かで美しい言語であると言われますから、元々の言葉自体に差別語はないと言ってよいのでしょう。要は使うときの問題。相手を疎外する意味で使えば、その言葉が差別語となりますし、相手が嫌な気持ちを抱く場合は、不快語と言えばよいのでしょうか。日常生活で使われるうちに知らず知らずと刷り込まれた用語も多くあります。心身や病気に関する用語に限ってみると、「めくら」「おし」「つんぼ」「かたわ」「気ちがい」「ちんば」など色々。令和の時代には聞かないものばかりでしょうが、私はよく耳にしていました。差別語の中に、「片手落ち」「手短か」等が見られますから注意が必要です。また、性別に関する差別語は、現在のジェンダーに通ずるものが多くみられます。

 そういえば昔は、左利き(サウスポー)を「ぎっちょ」と言っていたのを知る世代は少ないでしょうが、これも差別語なのかもしれません。そんなことばかり考えてしまうと、慎重にならざるを得ず、何も言えなくなってしまいそう。でも、無意識ほど怖いものはありませんから…。