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校長室から
486 うらら(24.10.4)
自民党・石破茂氏が新総裁となって新内閣が発足しました。この102代首相、時代劇で「おぬしも悪よのぉ~」とお代官様を演じたらよくお似合いでは?なんて、失礼千万!27日には衆議院解散・総選挙なので、その後すぐに内閣の顔ぶれがまた変わる可能性もあります。とりあえず、教育に携わる者として文部科学大臣の名前くらいは知っておかなければと、新聞の束から数日前の朝刊を引っ張り出しました。「阿部俊子文部科学大臣ね!」と顔と年齢をチェックして思います。「ついこの前までは誰だっけ?」と。盛山正仁氏だそうですが、記憶にございません。
内閣改造・総選挙などで、文科大臣だけみても目まぐるしく入れ替わります。令和になってすでに6人目ですから、毎年変わっている計算。よって覚えられるはずがないと言い訳。また、防衛費や少子化対策費、災害復興費、社会保障関係費などは取沙汰されますが、教育費が話題に上る場面にとんとお目にかからない気がします。すぐに首を挿(す)げ替えられるとなれば、じっくり腰を落ち着けて政策を強く進める余裕なんてないのかも。
さて、ある日の新聞に「秋うらら」という言葉を見つけました。「秋麗」と書いてもよいそうですが、これだとビールの銘柄にしか見えません。そういえば、「春うらら」という歌があったことを思い出して調べてみると、ありました、ありました。48年前に田山雅充さんが歌っています。前奏は、まさに昭和歌謡。ちなみに山本リンダさんは、「♪ウララ ウララ ウラウラで~♪」と『狙いうち』を歌っていました。
この「麗らか」とは、「空が明るく晴れて日がのどかに照っているさま」「心にわだかまりがなく、晴れ晴れと明るいさま」と辞書にはあり、春の季語だそうです。でも、秋の麗らかさは春とだいぶ違う気がします。春の場合、草木の芽吹きや咲き始めた花が暖かな陽光を浴びて、人々の和んだ表情まで想像できます。一方、秋の場合、風はなく、穏やかな赤・黄・オレンジ色の空気に包まれた、心とろける日差しの中にあるイメージを描きます。
夕方の富士山がきれいに見え始めるのも秋口からです。『夕焼け小焼け』の音楽が流れると家が恋しくなる季節。『先生と子どもたちが詠んだ学校俳句歳時記』の中に、「何ごとも なき日の下校 秋うらら」という作品が掲載されているといいます。これって私たち教職員の願いであり、ホッと肩の力を抜く瞬間をよくとらえています。
前期終了の今日も平穏な一日でありますように。