ブログ

校長室から

235 ラジオ体操(23.6.14)

 毎朝公園に集まってラジオ体操をするお年寄りがいます。ラジオ体操は第一と第二がありますが、合わせても6~7分くらいの運動です。でも、全身の筋肉をまんべんなく動かせるように考え抜かれています。第一運動だけで13種類の運動が盛り込まれますが、体にある6百の筋肉のうち4百を動かせるといわれています。日常生活では胸を大きく反らしたり腕を胸の前で交差させたりする動作はほとんどありません。つまり、普段は使わない筋肉のエクササイズになっているわけですが、約百年近く前には世に出されていることを思うと驚きです。筋骨の強化や姿勢矯正にも役立つことが科学的にも検証されていますから、運動習慣形成や事故・ケガの防止のためにも学校で毎日取り入れたいくらいです。ただし、正しい運動をしてこそ効果がありますから、とりあえずやればよいというものでもありません。

 自慢ではありませんが、ラジオ体操第一なら正しく運動できる自信があります。小学生の体育の時間に徹底して教わりました。この運動はどこに筋肉を伸ばしているのかを感じながら体操をしてきた経験はずっと体にしみこんでいるようです。今考えると、よくそれだけの指導時間を費やせたものだと不思議でなりません。運動会で見た子供たちのラジオ体操には、効果があまり期待できそうもありません。だって、体の回旋一つとっても仮面ライダーの変身シーンと見間違うようなものですから。まずは指導する先生が正しい運動をマスターすること、そして体育の時間や学校以外でも継続的に運動することが必要だと思うのです。

 全国ラジオ体操連盟というNPO法人があり、そのウェブサイトに全国のラジオ体操実施会場が紹介されているというので早速調べてみました。市川市では、行徳駅前公園だけ登録されていましたが、私の住む市では「ただいま取りまとめ中」となっています。これだけのはずはありませんから、まずは、土日だけでも参加してみるのもよいのでは?運動の習慣化って結構ハードルが高いと思うので…。

234 傘が危ない(23.6.13)

 創立70周年記念の空撮はまた延期。次は16日(金)を予定していますが、やっぱり天気が心配です。

 朝は自宅の最寄り駅から始発電車に乗ります。混雑を避けられて座ることもできます。ホームに電車が滑り込んできて、目の前でピタリと止まります。すぐにドアが開くことを想定して、1,2歩前に進みます。「あれっ?開かない」10秒もないであろう空白の時間が、なぜか格好悪い!まるでお預けを食らった飼い犬のようで…。そんな経験はないでしょうか。

 以前1年生の国語で『おじさんのかさ』という単元がありました。おじさんは立派な傘を持っていますが、大事な傘を濡らさないためにささないのです。でも、「あめがふったらポンポロロン…あめがふったらピッチャンチャン…」と歌う子供の声を聞いて、「本当かなぁ」と確かめてみると…。そんなお話でした。先週梅雨入りして、傘の出番が増えそうです。私も古くなった傘に防水スプレーをかけて準備万端。でも、「えっ、今日は雨が降るなんて言ってなかったじゃん」と、傘忘れを天気予報のせいにすることも…。

 さて、長い傘を道路と水平になるように持って歩く人を時々見かけることがあります。しかも手を振って歩くので、傘の先端が前後方向に大きく動きます。誰かにぶつかるのではないかとヒヤヒヤ。駅の階段はもっと顕著で、上る人の傘が下にいる人の目の前にということだってあります。事故が怖いので、多くの人は傘のハンドル部分を持って、先端を地面の垂直になるような感じで歩くのだと思います。

 もう一つ気になるのが、傘をさしながらの日のすれ違い。本八幡駅と学校を結ぶ高架脇の歩道は、傘をさすと行き交うのがやっとの場所ですが、傘傾げを知らない人がいます。傘がぶつかることもあって朝から嫌な気分になります。

 子供たちが歩道を歩いて登下校しますが、おしゃべりに夢中で前から歩いてくる人がいてもなんのそのという時があります。雨ならなおさら。迷惑をかけていることが結構あるのでは?そうしたこともぜひ家庭によるOJTで教えたいことです。

 ♪だけども~ 問題は~ 今日の雨~ 傘が(危)ない~♪ By 井下陽水

233 好きな○○(23.6.12)

 少し前に、6年生から「好きなテレビアニメは何ですか」と質問を受けました。クラスの係活動なのでしょうか。問題作りに生かすのかもしれません。ただいきなり問われても、咄嗟には思いつかないものです。フッと思い浮かんだのが『パンダコパンダ』だったのでそう答えました。ジブリの作品ですがあまり知られていないので、子供も首をひねっています。だったらこれでどうだと答えたのが『金色のガッシュベル』でしたが、こちらも残念ながら反応なし。どうも期待に沿えなかったようです。でも、ゆっくり考えたら『巨人の星』「鉄人28号」『あしたのジョー』など、名前だけでも知っていそうな作品がいくらでも出てきます。そんなものです。

 またこんなこともありました。6年生が図工で風景画を描くようです。「私の思い出の場所」というテーマでタブレットを使って、校庭や体育館などで撮影しています。遠近感を大事にした構図を考えている様子。校長室に来て写真を撮っている子もいました。好きな場所なのだと思うとうれしいものです。こうして撮った写真データを担任のタブレットに送ります。居ながらにして構想を把握できますし、この段階で助言だってできるわけですから便利です。校庭に画板や絵の具、ミニ椅子を持って陣取らなくてもよく、天気にも左右されないなんて時代は変わっていきます。

 さて、スマホ漫画『シティーハンター』が無料配信されるたびに読んでいますが、依頼主との連絡に駅の伝言板が使われるのです。メッセージは「XYZ」が目印。そういえば、この伝言板なるものを目にしないことに気づきます。個人間の待ち合わせの連絡などに利用されましたが、いたずら書きの多発や携帯電話の普及等により2000年頃を境に撤去されていったようです。この伝言板が、JR東日本首都圏4駅にデジタルサイネージで復活というニュースがありました。その名も『街あわせくん』とは粋です。教室もそうですが、チョークによる文字に味がありますが時代の流れには逆らえません。そんな貴重な伝言板探しをしてみようかと思います。

232 歯の健康(23.6.9)

 火曜日は給食で千葉県の特産品の一つであるビワが提供されました。トレイに乗ったビワが、学校で生っているものより一回り以上大きくて感激。でも、これが今年度最初で最後のビワのような気もします。だって高価なので…。

 さて、1年生が校長室にやってきて嬉しそうに何やら手に持っているということがありました。よく見ると歯です。そういえば前日、下の前歯がグラグラすると言っていました。その歯が抜けたようです。大事に袋に入れて、家に帰って報告したのではないかと思います。同じ日、別の子も歯肉を赤くしながら、舌で揺れる歯をいじって見せてくれました。初めての生え変わりをみんな喜んでいます。

 昔は、下の歯が抜けると屋根へ放り上げて永久歯が上へ伸びていくことを、上の歯だったら縁側から床下へ投げて下に向けてしっかり生えていくことを祈念したものです。ただ今は、放り入れる縁の下がなかったりマンション住まいで屋根がなかったりしますから、そうした風習も廃れています。

 6日発行の保健だよりは、歯に関する特集が組まれていました。子供と一緒に読んで話題にしてほしいと思います。また、健歯児童についても触れられていました。歯科健診の際、「この子の歯や歯肉は極めて健康」という児童を歯科医が6年生全員の中から選びます。キレイな歯は自分の努力や心がけだけ成り立ちません。むしろ親への感謝の気持ちを膨らませてほしいと思うのです。

 ところで、給食で出たビワの種をハンカチにくるんで持ち帰り、植えた経験のある人は決して少なくないと思います。実は、校長室にあった植木鉢に種を2個植えました。水・空気・温度の条件さえそろえば発芽するはず。観察記録に乞うご期待!

231 体力テスト(23.6.8)

 今日から「新体力テスト」が始まります。1960年代から実施されてきた運動能力テストを全面的に見直して、平成11年度スタートですから24年目を迎えます。だからもう「新」ではないような…。自分自身も経験してきた「旧」テストは、「50m走」「ソフトボール投げ」は今と変わりませんが、「走り幅跳び」「ジグザグドリブル」「連続逆上がり」「斜め懸垂」「持久走」といった種目がありました。また体力診断テストでは、今と同じ「反復横跳び」「握力」のほか、柔軟性を測るのが「長座体前屈」ではなく「立位体前屈」。「垂直跳び」「背筋力」「伏臥上体反らし」「踏み台昇降運動」など、私をはじめ懐かしく感じる世代があると思います。

 昨年度の体力テストの結果を見ると、平田小は全国及び千葉県の平均をほとんどの項目において下回っているというのが現状です。体育の授業の充実や校庭などでの運動環境・時間の確保など取り組んでいることはありますが、それだけでは限界があります。家庭や地域でも取り組めることを継続していくことが求められているのではないでしょうか。特に「投力」は重点課題です。「調整力」「跳躍力」「持久力」「柔軟性」なども、子供の実態を知ることがまずはスタート地点。ラジオ体操は身近で、すぐにでも始められる全身運動。筋力はつきませんが、取っ掛かりはここからでも…。

 ところで、何かをしていると、いや何もしていないときであっても急に背中が痒くなることがあります。手が届く範囲ならよいのですが、極めて体が硬い私には背中の中央は厳しい。尖ったところに背中をこすりつけたい衝動に駆られることも…。だから、いつも携帯したいのが「孫の手」です。学校や出先で急な発作(?)が起きても安心。ただ、私の最優先課題である「柔軟性」の克服が先決であることに異論はありません。どうでもよいことですが、我が家の孫の手の甲には浮き上がった血管をペンで描いてあります。

230 種をまいて耕す(23.6.7)

 鉢植えのクチナシが花を開かせました。花弁はフェルトのような優しい風合い。沈丁花や金木犀とは違った懐かしさを感じる甘~い香りで、うっとりしてしまいます。ただ、渡哲也さんの歌が頭に流れてしまうのが残念!

 少し前、風呂に入っていたら揺れを感じました。地震です。何がまずいかって、真っ裸!早く下着を身につけなければと戸を開けて体を簡単に拭きました。その頃には揺れが収まり一安心。そして最近、通勤用カバンに入っているもの、それは携帯用ミニトイレ。地震を含め、自然災害がひとたび発生すると、電車やエレベーターが停まることがあります。そこに閉じ込められることだって想定しなければなりません。そういう時に限って尿意をもよおすなんてことがあるわけです。最悪を想定することは大事です。持っていればいざという時に安心という御守り感覚です。

 さて、大学は少子化などにより全入時代に突入しそうな勢いです。そんな中、実践力も身につきそうなユニークな学部・学科があります。例えば、城西国際大学には観光学部ウェルネスツーリズム学科があります。「観光ビジネス」や「観光まちづくり」といった分野で人材を育成するようです。國學院大學にも昨年度、文字どおり観光まちづくり学部が開設されました。そのほか、日本大学・危機管理学部、京都精華大学・マンガ学部、明海大学・不動産学部、東京未来大学・モチベーション行動科学部など目白押し。国士舘大学・21世紀アジア学部というのは、アジア諸国との相互理解・共存を学ぶのでしょうか。幼稚園が特色をアピールして園児を募集することに共通しているような?そんな中、「恐竜学部」が創設されるとニュースにありました。国内有数の化石の産地である福井県の県立大学で、令和7年度に恐竜に特化した学部が誕生するというものです。

 どこの大学へ行ったか、卒業したかという時代から、大学で何を学んだかが今まで以上に重視される時流なのかもしれません。小学校・中学校・高校と進む中で、多様性や柔軟さ、創造力など、人とのかかわりの中でいっぱい吸収してほしいと願います。地震大国ニッポンにおける防災関係、あるいは朝ドラ『らんまん』の主人公のように植物学のエキスパートなど、子供たちの前には無数の道が広がっています。あとはきっかけという種まき?!

229 郷土愛(23.6.6)

 「棒が一本あっとさ、葉っぱかな♪」で始まる『かわいいコックさん』。元々は「6月6日に、雨ざあざあ降ってきて」の部分が、「6月6日の参観日…」だったとか。さすがに幼児にはわかりにくいと考えて、今の歌詞が採用になったようです。というわけで、今日はコックさんの日。

 さて、『秋田県民歌』が多くの場面で歌われ、県民に親しまれていることを知りました。若者から年寄りまでが口ずさみ、スポーツ観戦の場面や卒業式などの学校行事、はたまたカラオケや風呂場でも歌われるといいます。「秀麗無比なる鳥海山よ 狂爛吼え立つ男鹿半島よ」という歌いだしの秋田県民歌。調査では、「歌える」人は半数を超え、「知っている」を含めると9割以上という結果です。

 「雲白く海青し 豊かなる光に満ちて さち多し伸びる房総…」というのは千葉県民歌。昭和39年12月に発表され、3番まであります。あること自体知りませんでしたし、秋田県のように学校で歌う場面も皆無。ただ、今年6月15日(県民の日)が千葉県誕生150周年です。一度聴いてみようと思い立ち、再生してみました。古臭く、夏休みのラジオ体操の始まりの「新しい朝が来た~♪」に近い感じです。でも千葉県の特徴が歌われ、普段から聴いていれば歌えるようになるのかもしれません。

 校歌も同じようなもの。コロナでほとんど歌う機会のないと、覚えないし愛着も薄れてしまいがちです。実際、全校で集まる機会のなかった前任校では、校歌を歌ったのはわずかですから、覚える場がありませんでした。むしろその学校を母校とする妻は、卒業して半世紀たった今も口ずさむことができたのです。ちなみに私も、小学校の校歌は1番だけなら歌えます。平田小の校歌も音楽が流れてくれば歌えるようになりました。

 子供たちが、平田小学校や市川市、千葉県に興味と愛着を抱けるようにするために、何から始めましょう。

228 蝸牛と蛞蝓(23.6.5)

 休みの日、雨が降っていなければせっせと庭作業。アジサイがきれいに咲く中、庭に異臭が漂っていることに気づいてはいましたが、原因を突き止めることはしないでいると、後から出てきた妻が「ねぇ、古雑巾のような臭いがしない?」と言います。同意しながら作業を続けていると、そばに寄ってきて鼻をひくひくさせます。私の匂いを嗅いでいます。「うん、大丈夫!」って疑っていた?どうも、あるアジサイが妙な匂いを放っていたようです。

 さて、1年生が虫かごを首から下げて校長室に飛び込んできました。『何を捕まえたの?』と尋ねると「カタツムリ」と元気よく答えてくれます。小さなカタツムリですが、教室で飼うそうです。『何を食べるの?』「草じゃない?」『本当?あとは何が必要かな?』「水じゃないかな」『あげすぎてもだめだよね』「調べてみればいいの?」『図書室で調べてごらん』などと会話しながら、カタツムリの赤ちゃんのことも教えると目を輝かせていました。もしかすると、卵から生まれた赤ちゃんが、ウヨウヨと飼育かごから出てくるかもしれません。

 こんなカタツムリは可愛がられますが、殻のないナメクジは嫌われ者。玄関外の階段や植木鉢の底などにいるので、発見すればたちどころに駆除。でもこの2つ、どこが違うのでしょう?ヤドカリの引越しを想像すると、カタツムリの殻を取ったらナメクジになるイメージです。でも、カタツムリの殻は体にしっかりとくっついていて、無理に引き剥がすことはできませんし死んでしまうそうです。つまり、殻は成長とともに大きくなり、これで外敵や乾燥から身を守っています。カタツムリは、殻の栄養のためにカルシウムを取る必要があるため、草花以外にコンクリートも餌にするというから驚きです。一方、ナメクジは殻がない分、狭い場所などに身を隠して外敵から守れますし、移動も身軽。

 殻があるからこそカタツムリに触れますが、ナメクジは勘弁!そんなナメクジによく塩をまいたことも思い出されますが、今どきの子供はそんなことはしないのかも。

227 三十一文字(23.6.2)

 大雨の予報です。5月下旬に『サラッと川柳』のベストテンが発表されました。さすがにコロナに関する川柳がぐんと減りました。この中で私の推しは、『ヤクルト1000 探し疲れて よく寝れる』(第2位)です。大事なのは、共感できるかどうか。『パスワード つぶやきながら 入れる父』(第7位)もうなずけます。自分では声にしていないつもりなのですがねぇ。『現金か ペイペイですかと おままごと』(第14位)は以前ここでも触れましたが、縁あって一昨日作者の方から直接お電話をいただきました。

 一方、短歌がブームだといいます。子供たちはある時期に百人一首大会で熱戦を繰り広げますが、私はどちらかというと俵万智さんの『サラダ記念日』派です。『この味が いいねと君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日』という歌がよく知られていますが、技法よりもやはり共感かなと思います。季語を必要とせず、日常の楽しかったことや忘れたくない出来事を三十一文字という最適な文字数で、しかも普段使いの言葉で表現できる面白さがあるのでしょう。俵さんは、「短い言葉を使ってSNSで発信することに慣れた多くの人は、思いを共有するために短歌はちょうどよいサイズ」であると言っています。

 『平日の 明るいうちから ビール飲む ごらんよビール これが夏だよ』(岡本真帆さん)といった歌も自然で思いが伝わります。また、『君くれた 手紙に書かれた 文字心友(しんゆう) 誤字じゃないって 感じたあの日』(当時高2 登川千鈴さん)や『真っ白な キャンバスに描く 下書きを 未来の僕は はみ出せるのか」』当時高2 脇龍志さん)など、高校生が詠む短歌はまさに青春そのものでキラキラしています。

 小学生ならでは、子育て真っ最中の保護者ならではの視点でサラッと詠んでみてはいかがですか。簡単な解説文でもつければ、親子で取り組む家庭学習にもなります。校長室に届くことがあれば、何らかの形で紹介させてもらいます。

226 古いアルバムの中に~(23.6.1)

 予報を見ると、台風2号が北東へ進み、日本列島の方へやってきそうです。梅雨入りしそうなこの時期に?と思います。そんな天気には関係なく、『想い出がいっぱい』(HO)を家族の前で鼻歌交じりに歌うと、歌いだしから音程が違うと指導が入ります。好きに歌わせてよというのは聴く側には通じないわけで…。

 さて、家族の写った写真は今、家に何枚飾ってありますか?一体どれだけあるのだろうと思って数えてみました。亡くなった親の写真を除いても15枚。子供が小さかったころキャンプに行った時のものもあれば、家族が2人から徐々に増えていく記録写真にも似たものまであります。そんな中に、大町少年自然の家でキャンプファイヤーをする4年生の応援に行った時のものがあります。一度家に帰って、園児の娘の手を引き息子を抱いて、真っ暗な中ファイヤー場に到着。邪魔をしてはいけないので、少し離れた場所で見ようと思いました。当時の教頭先生が火の神を務めます。シーンと静まり返った中、司会の子が「火の神様がやってきてくれました」と厳かに告げます。白装束に身を包んで火の神様が登場する場面。突如息子が「火の神~?」と大きな声で叫んだのです。子供も大人も笑いたいのに笑えないつらさ。私はみんなに申し訳なくて縮まる思いでした。でも、こんなふうにたった一枚の写真からよみがえる思い出や鮮明な記憶を大切にしたいと思います。白黒写真だってセピア色に変わってしまった写真だって、そこに流れる物語を子供や孫たちに話してあげたいと思いませんか?

 今はもうスマホのカメラ機能で十分ですが、望遠レンズと一緒に買った一眼レフ、初期のデジカメ、デジタル一眼レフと手にするものがどんどん進化していきました。印刷をしてアルバムに綴じ、コメントを書いて楽しんできましたが、以前も書いたようにアルバムの保管場所がなくなって以来ほとんど貼っていません。校長になって手元に届く入学式や卒業式、校外学習の集合写真に至っても整理が全然できておらず、バサッと束になったまま。何とかしなければと思いつつも手を付けずに7年目も2か月が終わって6月に突入です。あ~情けない!

225 スマート家電(23.5.31)

 初めて車載ナビを買ったのは20年も前のこと。音声認識機能を使って行き先を検索することが何度となくありました。「ピッと鳴ったらお話しください」と言うので話しかけると、聞き取ってくれなかったりとんでもない場所が示されたりすることもありました。でも、ショックなのはナビ画面に登場する案内役の女性が首をかしげるとき。これが繰り返されると女性がフリーズして動かなくなってしまうのです。「オレ、そんなに滑舌悪かぁ?」とショックを通り越して腹が立ったものです。でも、同乗する家族は大爆笑!

 その後も目新しさから、スマホに向けて「OKグーグル、○○を調べて!」とかスマートウォッチに「アレクサ、▲▲して!」と語りかけたのはその10年後くらい?精度は高まる一方で、嬉々とした気持ちはだんだん尻すぼみに…。

 こうしたスマホやインターネットを介して様々な操作が行えるスマート家電に、スピーカーやリモコン、照明など便利な製品が多数見られます。さらには、家に近づくとエアコンが自動的に起動するとか、音声でテレビを操作できるとか「スマートホーム」なる快適な暮らしを実現する住まいも登場しています。

 例えばスマホ操作で家の解錠やロックができるというのは鍵やカードよりさらに便利です。ただ、このスマート家電の普及率を世界と比較すると、日本の所有率の低さが際立ちます。1台でも所有する人の割合が日本では13%といいます。これに対し、アメリカは81%、ノルウェーが66%、中国に至っては92%にも上ります。日本では価格の高さもさることながら、ネットにつながることからセキュリティーやプライバシー保護を懸念する声が他国に比べて多いというのが原因のようです。

 でも、我が家は手動で十分!ただ、スマート家電のカテゴリーではないかもしれませんが電動シャッターはいいなぁ~。

224 僕らはみんな生きている(5/30)

 朝プールを見ると、カモが1羽悠々と泳いでいる姿があります。このプールの掃除は6月後半に行って21日から学年ごとにプール開きの予定です。少ない回数の中で水泳指導の充実を図り、泳力向上を目指します。ところで、泳ぎが得意なオタマジャクシはあれからどこへ?見たくないので未確認です。そして、ヤゴを今年も救出して、子供たちに育ててもらいましょう。

 先週、息子がおはぎを食べたいと言い、孫と一緒にやってきました。前もって作っておいたおはぎの周りのあんこを食べて、口の周りを汚している孫。ごはんも食べるように促すと、「ママにあげる」だそうです。次回はあんこ玉だけでよさそうです。

 そんな息子の家には、3年前に買ったジューンベリーの木があります。庭に植えた年から実をつけ、今年は例年以上に収穫があるようです。たくさんの実とジャムにしたものをもらったので、ヨーグルトに入れて朝食で食べました。我が家も翌年に一回り小さいジューンベリーの苗を植えましたが、まだ一度も花を咲かせません。咲かなければ実もなりません。羨ましいばかりですが、気長に待つことにして、ブルーベリーの収穫を楽しみにすることにします。先の残りの実をどうしようかとつぶやく声に、「チーズケーキに入れたら?」と答えると、「そうかぁ、チーケにしようかな」と。世間では、チーズケーキを縮めてチーケと言うのですか?

 植物も動物も生き生きとした季節です。部屋に置いた様々な観葉植物が冬に葉枯れをおこして坊主になってしまいましたが、剪定した脇から芽や葉を広げ、切った茎からも発根して小さいながらも成長しています。生命力に感心です。動き回れる子供たちには生命力に加えて、思考力・判断力・行動力など伸ばしていきたいです。

223 有事にこそ(23.5.29)

 先週は教職員のコロナ感染でてんてこ舞いというか激動の1週間でした。少し前なら「クラスター」と呼ばれていた事案。少人数指導、専科教員、教頭、教務主任が教室に入り、学年職員や授業の空きがある先生の協力もあって何とか乗り切りました。有事にどう動けるかで学校の力が試されるといっても過言ではありません。私も教室に少しだけ入りましたが、教職員には感謝しかありません。

 さて、6月19日に、第八中学校ブロックで引き渡し訓練が行われます。地域によっては、ここに幼稚園も加わる場合がありますが、いずれにしても子供の命を守るための取り組みですから、最悪を想定しながら参加をしてほしいと願います。

 こんな中、ふと不安に思うことがあります。引渡しカードの「引き取り人」欄に知人や友人という文字が見られるからです。保護者が勤め先から引き取りに向かうことが簡単ではない場合が考えられます。そのときに家族以外でも知った人を頼れるならば安心といえます。でも、引き取って帰る途中で被災したり、自宅等で預かっているときに被災したりするなど、命の危険に晒されたときはどうでしょう。頼んだ保護者は「学校に留め置けばよかった」と後悔するかもしれません。好意で預かった側は自責の念に駆られます。こんなふうに皆が不幸になることも考えられます。「訓練だから」といった軽い気持ちで知人に依頼したりカードに書いたりはしていないとは思いますが、引き渡しカードに名前のある人にしか児童を渡さないのはそんな意味もあることを知ってほしいと思います。

 最近は木更津周辺での震度5強をはじめ、大小を問わず地震が頻発しています。自宅や勤務先、学校での備えを大事にしながら、「本当に大地震が起こった時にそれで大丈夫?対応できる?」と常に問いたいものです。学校の避難訓練も、職員からそうした声に皆で検討し、見直しを続けています。有事においては、学校に残った子供たちを責任もって全力で守ります!コロナで職員が3分の1近くいなくたって全員で頑張れる学校ですから。

222 本に親しむ(23.5.26)

 年2回(6月・12月)の保護者アンケートで、「お子さんは進んで読書活動に親しんでいるか」と問う項目があります。令和2年度第2回目から評価を始めましたが、肯定評価が60%前後で大きな変化がないことから、今年度の重点課題の一つに設定しています。評価が低迷する原因として考えられることは、「自宅で読書する姿が見えないこと」や「学校での子供の様子がそれぞれの家庭に伝わっていないこと」などが挙げられます。それを打開するために、学校司書ほか教職員が様々な取り組みを考え実践するとともに、いろいろな方法でその周知を図ります。子供の読書傾向や習慣などを今以上に気にしてほしいと思います。

 さて、妻の読書量は半端ではありません。これまでは文庫本を月に何冊も買っていました。でも本を何度も読み返すことをあまりしませんからもったいないですし、本棚が足らなくなりそうです。そこで、最近は専ら図書館の利用です。1回に7~8冊借りて3週間もあれば読み終えてしまいます。土日しか行けませんから、残りが少なくなるとウルトラマンのカラータイマーが点滅するときのような心境で、読む量をセーブするのだとか。ですから、たくさん借りられた当日は満足顔。ただ、前にも借りた本をまた借りてしまうなんてことが頻発します。そうすると、カラータイマーの容量も自ずと少なくなるわけで、そのタイミングで私に依頼が舞い込みます。「PCで読書リストを作って!」というもの。今では、そのリストを自分で更新しながら、図書館に行くときにはカバンに忍ばせて、きちんと確認してからカウンターに持って行っているようです。

 一方、珍しく何度も読み返してしまう本だってあります。『時生』(東野圭吾)、『流星ワゴン』(重松清)、『地下鉄に乗って』(浅田次郎)の3冊がそれ!なんとなく似た内容と言われればそのとおりかもしれません。今も『時生』を通勤カバンに入れて読み返しています。

 校長室の蔵書が、最近は動いていません。『ダレンシャン』シリーズ全11巻や『ロード・ロス』などデモナータシリーズ全7巻を読破しようと思う高学年の児童はいないでしょうか?そのほかにもいろいろありますが、やっぱり部屋に入って手に取ってみることは、子供には敷居が高すぎるのかも。もっと気軽にめくってみられる環境が必要だと思う今日この頃。

221 辣韭・らっきょう(23.5.25)

 千葉県有数のたまねぎの産地である白子町で4年ぶりに「白子たまねぎまつり」が開催された様子が報道されました。5月いっぱいやっているようなので、ドライブがてらに掘り取り体験をするなら今週末が最後になります。一方、スーパーなどでは生らっきょうを袋詰めして売っています。洗って皮を剥くなどして手間をかけて醤油漬けにして食べますが、旬であることを実感しています。調べてみると、らっきょうには冬から春にも旬があるそうです。越冬して、寒さに泣けないように頑張る若いもので、葉らっきょう(=エシャレット)と呼ばれます。タマネギの一種である「エシャロット」とは全く別の野菜といいますから紛らわしい!このらっきょうで自家製漬物を作るのもよいですが、「焼きらっきょう」もおすすめらしいのです。焦げ目がつくまでフライパンで乾煎りすれば、辛みが和らぐとともにホクホクした食感も楽しめるらしいので、次は試してみようかと思います。

 カレーライスの付け合わせでもおなじみのらっきょうですが、古くから薬としても利用されていたといいます。ビタミンCを含むので皮膚や血管の老化を防ぐ効果があります。また、成分のカリウムはむくみ効果や高血圧予防に期待できそうです。さらに、らっきょうは水溶性食物繊維が豊富で、野菜の中でもトップクラスというのです。特にフルクタンと呼ばれる成分は、食後血糖値上昇を緩やかにし、血中コルステロールの低下作用、便通改善の効果があるようです。血行をよくして疲労回復にも役立つといいますから、まさか私のためにあるような食材ではありませんか。

 1日4粒程度を食前に食べるのが効果的でおすすめだとか。たとえそのくらいでも口の中が十分らっきょう味で占領されてしまいます。あらっ嬉しい。

220 揺れ~る~思い~(23.5.24)

 最近は補聴器をつけていることを忘れてしまうほどになりました。朝出かけるときに、「あっ、忘れた!」と思って耳を確認すると、装着済みであることに気づく始末。眼鏡と同じです。逆パターンですが、かけていないのに眼鏡をはずそうとしてしまったり指で押し上げる動作をしてしまったり…。そんな経験のある人は少なくないはず。感覚が麻痺するわけではありませんが、当たり前になりすぎるとわからなくなってしまうことは多々あります。匂いも各家庭の特有のものがありますが、自分では気づきにくいものです。味もまた然り。

 さて、先週の運動会実施の判断は難しいものがありました。前日からずっと天気予報とにらめっこが続きましたが、いつまで降り続くのか読めません。当日も6時過ぎに学校に着いた時点でまだ霧雨が降っています。一度止んでもまた昼近くまで降りそうな雨雲データも散見されます。悩み迷っていたのは私だけではありません。近隣校の校長も同じ。情報交換しながら早めに実施を決めた学校もあります。ただ、翌日にすれば雨の心配なく確実に実施できます。どのタイミングかは不明ですが、日曜日に延期した学校も複数あります。だんだん弱気になっていく自分に気づきます。だから、「延期しようか?」と体育主任にボソッと尋ねました。すると、少し考えて「僕はやりたいです」とはっきり言ったのです。この気持ちを汲んでというか後押ししたい気持ちが膨らんで、実施に舵を切ったというのが正直なところです。

 運動会に限らず、判断・決断が求められる場面は数々あります。どんな場合でも子供たちの健康や安全などを最優先にします。土曜日の運動会の場合、仮に日曜日に延期すれば、それを賢明と考える人もいれば、結果から「できたじゃないか」と思う人だっています。今回は、昨日の段階で子供たちには「やる方向でいる」と伝えていたので、最高潮に達する子供たちのやる気を、延期によって萎ませてしまいたくないという気持ちが強かったので悩んだのです。

 でも、やってよかった。だって、あんなにキラキラした子供の顔がたくさん見られたのですから。ただ、翌日からコロナ感染が多数報告されていることに、再び思いは揺れます。

219 疑問から実験・調査へ(23.5.23)

 運動会は生憎の天気の中でしたが、応援ありがとうございました。体調を崩した子や教職員がいないかどうかが心配です。

 さて、街中に点在する公園。遊具がたくさんある場所もあれば、ベンチとまたがって揺らす遊具だけと割り切った箇所もあります。このまたがるタイプの遊具の中にエビフライにしか見えないものがあります。実は冒険好きなミツバチをイメージしてデザインされたとか。名称は「ハニー」。他にも青いカブトムシやピンクの蝶、緑のバッタがあるといいますが、エビフライ遊具の数が圧倒的に多いというのが私の勝手な見解。平田学区の公園にはどんな遊具が多いか、足を使って調べ統計をとってみたいと素朴な疑問というかくだらない考えが沸き上がってきます。3年生が国語の学習で「ひみつを調べる」ために、タブレットを使って検索する姿を見ましたが、3年生なりの素朴な疑問をいくつも目にしました。

 例年、田植えが終わった水田の水面が黄緑色に濁って見えることがあります。2~3ミリの水草が広がって浮かんでいるからです。この水草を採集して理科の実験に使うことが以前ありました。植物の成長の条件を調べるためです。発芽条件は、温度・空気・水の3つですが、成長には肥料や光を含めて必要な要素があるか確かめるためです。カップに水草を入れて、液体肥料の有無で成長具合を観察します。水草は分裂して増えるので個体数を数えればよいことになります。でも、そううまくはいかないのです。肥料を入れたほうが枯れるなんてことも…。同じように理科では、予備実験を事前に行いますが、なかなかの曲者!授業になると、白となるはずの結果が子供が試すと黒になってしまうなど、「あれっ?」と何度つぶやいたことか。

 家でイチゴを育てていることは少し前に書きました。このイチゴ、最初の一粒の収穫を最後に実が大きくならず変色して枯れてしまいます。たくさん花を咲かせたので、収穫を大いに期待していたのに不思議でなりません。ある日枯れた葉にハサミを入れると株がぐらつき、スポッと抜けてしまいました。鉢から土を出してみると、憎きコガネムシの幼虫が根を全部食べていました。でも、うまくすれば再生するのではないかと期待半分、鋭意実験・観察中!

218 運動会だよ!全員集合(23.5.20)

 テレビドラマを見ていると、同じ俳優が同時期に別の番組でも見ることがあります。「あれ?ここにも出演している」と思いながら、ほかの番組ではどんな役だったかすぐに出てきません。例えば野間口徹さん。嫌な役もおかしなキャラクターもなんでもござれ!売れっ子のバイプレーヤーです。

 今日は運動会。天気が心配で朝早くから詰めています。運動会といえば、梅田俊作さんが書いた絵本『よーいどんけついっとうしょう』が思い浮かびます。“きょうは運動会。いよいよ、ぼくたちの50メートル競走だ。むねがドキドキ。なんだ、おしっこにいきたくなっちゃった…!”で始まる心温まるお話。トイレに向かう途中で、けがをして一人で泣いている小さな子を発見。放っておけず…。あとはぜひ読んでみてください。

 コロナ前のように全体で実施できるのは、私自身は4年ぶり。校庭の広さや児童数によっては実施できた学校もありますが、決して多くはありません。全体練習では、450人が校庭に並ぶだけで一苦労。毎年実施できていれば低学年以外は勝手知ったという感じでしょうが、経験がないとなれば自ずと時間がかかります。児童の係も同様ですから、予定していた時間よりオーバーすることも想定内です。指導する立場の先生だって片手の人数は未経験者の部類。手際より経験を積むことが大事です。練習でも準備でも、先輩教員が随所で指導・アドバイスする姿が見られるなど、今日まで全員で創ってきました。

 学校における運動会は一大イベント。それを計画・運営する体育主任は花形とも言えます。以前、運動会前日には有志で前夜祭を行って体育主任のこれまでの苦労を労いました。そして運動会当日の打ち上げは、「体育主任が全員を労う場」と言われて何十年も過ごしました。今年は終わった後、全校で実施できたことを皆で喜び合いたいと思います。

 リレーがないのは少し寂しいですが、火曜日以降、運動会の絵や作文に取り組む子供たちの姿を楽しみにしたいと思います。まずは、今日の子供たちの精一杯を目に焼き付けます!

217 小銭(23.5.19)

 新型コロナによる黙食の見直しが昨年度末にあり、有志の子供プロジェクトチームで話し合って全校に周知したのは次のこと。①前向きでの食事の継続、②必要な時だけすぐそばの人との会話は可、③声は相手にだけ聞こえる大きさ、④マイアクリル板を作成したり会話時のマスク着用したりしてもよい。これは、新年度になって2類から5類に移行するまでは継続することを教職員でも共有してきましたが、この先給食時間を子供たちはどんなふうに過ごしたいと思っているのでしょう。

 5類となっても電車内のマスク着用者はほとんど減っていない状況です。そんな中で、人の持ち物にふと目が行くことがあります。紙袋に社名が書いてあったりビニル袋から菓子箱の商品名が見えたり。週明けなどに「ずんだ」とか「萩の月」なんていう文字を見ると、仙台方面に出張か旅行で行ったのだなと一人合点してしまいます。

 さて、還暦を過ぎた今でも、時々見る夢があります。道を歩いていると、百円玉が落ちているのを発見します。拾い上げると、その近くに十円や百円がいくつも見えます。こうするうちに、両手が硬貨でいっぱいになるのですが、不思議と誰も気づかないという夢。こんな場合、夢判断ではなんと出るのでしょう?

 以前は、自動販売機の下に硬貨が落ちていることがよくありました。拾ったお金を交番に届けたこともあります。でも、電子マネーが普及した現在、小銭を持ち歩く習慣がなくなったようです。背広やズボンのポケットからジャラジャラと小銭登場~なんていう場面は皆無といってよいでしょう。ある調査では、五十円硬貨以下の小額貨幣の需要が低下していると伝えています。駅構内で飲料水を買うのも簡単ですし、電車やバスの自動改札やコンビニの支払いなどの煩雑さがなくなり、利便性の高さが窺われます。

 一方で、暗算力に影響はないでしょうか。子供がまだ低学年だったころでしょうか、車の中で待っているような隙間時間に「タクシー屋さん」をやりました。私が運転手で、子供がお客さん。目的地について支払いの段になり「料金は1870円です」と金額を伝えます。そして「2000円お預かりします。おつりはいくらお返しすればよいですか?」と暗算させます。計算が苦手な娘は、この遊びが嫌いだったようです。将来的に算数の文章題に、切符を買ったり店舗で硬貨による支払いをしたりする場面が消えているのではないかと思ってしまいます。

216 正しいのは?(23.5.18)

 どちらが正しい?

 「キヤノンとキャノン」、「シヤチハタとシャチハタ」、「ビックカメラとビッグカメラ」、「キユーピーとキューピー」、「ブルドックソースとブルドッグソース」、「バーミヤンとバーミアン」「サイゼリヤとサイゼリア」などいろいろ。耳で聞いた音をそのまま正しいと勘違いして表記を誤るケースは少なくありません。(正式表記はすべて前者)

 また、漢字を見ただけでは判別しにくいものもあります。例えば苗字。「角田」さんと書いた場合、「かくた」なのか「つのだ」なのか「かどた」なのか、はたまた「すみだ」や「すみた」なのか悩みます。清音濁音もまたしかり。「はちすが」さんと呼ばれることに慣れてしまいましたが、本当は「はちすか」です。子供たちだって正しく呼んでほしいはず。フリガナ入りの全校児童名簿をきちんとチェックするように努めます。でも間違えていたら優しく指摘してください。

 さて、伝説的サッカー選手と言ったら、ディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)・ヨハン・クライフ(オランダ)・ジダン(フランス)・ロナウド・ロナウジーニョ(ともにブラジル)・ベッケンバウアー(ドイツ)などが挙げられますが、だれもが認めるのはやはりブラジルの英雄・ペレを除いていないでしょう。昨年12月に亡くなりましたが、様々な功績を称えてブラジルの辞書に追加されたと聞きます。「別格の」とか「無比の」といった意味で、比類のない人物を表す「形容詞」だそうです。日本でも、現代用語辞典などに新語が登場します。ただ、形容詞としてどんな使い方をするのかと思って示された例文を見てみると、「彼はバスケットボールのペレだ」とあります。「彼はバスケットボール界における無比なプレーヤーだ」ということでしょうが、違和感があります。まぁ、使わないので正しさを追及する必要もないでしょうが…。

 土曜日の雨マーク。明日の午前中には運動会実施・順延の判断が求められます。