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校長室から

587 ホワイト&ブラック(25.3.14)

 規模の違いこそあれ、ロサンゼルスや岩手で発生した山林火災では、その怖さをまざまざと見せつけられた気がします。空気が乾燥する中、なかなか延焼を防げない大船渡市周辺では、祈る気持ちで雨を待ったことが想像できます。先週その待望の雨が降って、鎮圧に向かったことに安心して頬を濡らしたのは、雨だったのかうれし涙だったのか。震災といい山林火災といい、被災者の無念は想像できるものではありません。

 不思議なことに、今回の災害で思い出すのが子鹿のバンビ。山火事によって、バンビをはじめ多くの動物たちが逃げ惑うシーンだけが記録の奥底に残っています。ただ、どんなストーリーだったかは忘れてしまいました。こうした恐ろしい「山林火災」という四文字をニュース画面に見て、「風林火山」に読めてしまう不届き者は…。

 さて、今日は円周率の日でもありホワイトデーでもあります。バレンタインデーに女性からもらった贈り物にお返しする日とされているのは誰もが知るところです。バレンタインセールが終わったと思ったら、すぐに百貨店などの菓子売り場はホワイトデーに切り替わりました。ただこのホワイトデーは、純粋な日本発のイベントといわれます。そういえば、マシュマロを贈るなんてことを小学生の頃は聞いた記憶が…。どうも「もらったチョコレートを、男性のふわっとした優しさ(マシュマロ)で包み込んでお返しする」というコンセプトらしく、百貨店が暇なこの日にホワイトデーが決まっておよそ50年が過ぎます。

 ちなみに、韓国でもホワイトデーが定着していて、こちらはキャンディーなどが中心だとか。さらに、バレンタインチョコやホワイトデープレゼントを貰えなかった人たちのための「ブラックデー」まであるそうで、暗い色の服をまとって黒いジャージャー麺を食べるのだとか。それが来月14日。

586 かつお節(25.3.13)

 体育館の大時計が、先週付け替えられました。平田小同窓会からの寄贈です。以前、平澤同窓会長に相談したところ快く応じてくださり、本校卒業生でもある平田電機社長に先週末作業をしてもらいました。これから何十年もの間、子供たちや開放団体の活動、地域の人たちを見守ってくれますが、その最初の大仕事が来週18日に控える卒業式。ある意味、お披露目式ともいえます。これまでの時計より一回り大きい感じです。止まっていると分かっているのに、習慣で見上げてしまっていました。その位置に正確な時刻(とき)を確認できる時計があるのは、やっぱりよいものです。(写真は、HPの3/7Diaryをご覧ください)

 さて、年度末も押し迫り、給食は残すところあと3回となりました。献立表をよく見ると、かつお節の使用頻度はほぼ5割。洋風あるいは中華・韓国メニュー以外、つまり和食メニューには必ず使われるほど大事な食材です。ですから、乾物専門店のかつお節をお土産に持って帰ると、妻は満面の笑顔で迎えてくれるのです。

 そんなかつお節を、昔は削り器でその都度準備したものです。大工道具の鉋(かんな)を逆さまに置いた台の上を、雌節あるいは雄節と言われるかつお節を前後させて掻きます。おひたしや冷奴をテーブルに配膳する前に削ってのせるのが私たち兄弟の仕事でした。刃の出具合によってうまく削れたりそうでなかったり…。今も家に削り器はありますが、袋やパック詰めの手軽さに負けて陽の目を見る機会はなかなかやってきません。極限まで小さくなったかつお節本体をしゃぶったなぁ。

 いずれにしても、動脈硬化や血栓を防いだり血圧を下げたりする働きもあるとされますから、大事にしたいお友達。今日の給食のけんちんうどんにも昆布や鶏肉とともに、出汁用削り節が4kgも使われているのだそうです。

585 鏡の法則(25.3.12)

 日曜劇場『御上先生』を観ながら、今日はどんな展開になるのだろうとワクワクします。ある日、生徒が問いかけます。「なぜ教師になったのですか?」と。さて、同じ質問を子供からされたとき、あるいは若い先生から尋ねられたとしたら、私は何と答えるだろうと考えてしまったのです。決して「でもしか教師」(教師にでもなるか・教師にしかなれない)ではありませんが、自分を突き動かしたものを忘れて、体裁を繕った答えを口にしてしまう自分に気づきます。ドラマの中で、問われた人物はこんな風に答えます。「誰かが変わる瞬間を見続けていられるから」と。とてもでないけど、こんなことは言えそうもありません。この仕事を終えたときに振り返って、答えられるように宿題にしておきます。

 心理学に「鏡の法則」というのがあるそうです。自分の周囲の人たちの振る舞いや出来事は、自己の投影であるという考え。つまり、自分の態度や感情は、周りの人々に反映されてその結果として自分に返ってくるというもので、「ミラー効果」とも呼ばれます。

 仏教用語の「因果応報」という言葉も、「自分の行いや態度はいずれ自分に返ってくる」といった現象を言います。普段から親切にしてくれる人には、「親切にしよう」「優しく接しよう」と思うのが自然な心の動き。つまり、鏡の中の自分の置かれた状況を変えたいと思ったとき、どんなに鏡にアプローチしても何も変わりません。自分自身が変わってこそ、初めて鏡の中の世界、あるいは相手の姿がこれまでと異なって見えるというわけです。まさに、良好な人間関係の構築につながります。

 これって、学校・学級における児童理解や経営にも通じるように思うのです。

584 TKB48(25.3.11)

 「TGCに石破総理が登場」というニュースの見出しを見て、「TGCって何?」と問うたのは言うまでもありません。東京ガールズコレクションというファッションイベントだとか。

 一方、新聞には災害時の写真に添えられた「TKB48」の文字があります。秋葉原・難波・栄・博多・新潟のほか、バンコクやジャカルタにもあるAKB48グループに関係あるのかと、「T」にあたる地域を考えましたが全くの的外れ。災害後の暮らしを守るために必要なもので、「Toilet」「Kitchen」「Bed」「48hours」を指すそうです。

 阪神淡路大震災から30年、東日本大震災から14年、そして昨年の能登半島地震。今後も南海トラフ地震や首都直下型地震が、近い将来起こる確率の高さが指摘されています。また、世界中で豪雨などによる被害も頻発するなど、生活が脅かされる不安を常に抱えています。よって、被災後の暮らしを守るための備えについてもしっかり考える必要があるわけです。

 被災地の緊急支援には、TKBが必要とされます。災害対応のノウハウ蓄積があって、避難場所・避難所となる施設の整備が進んでいます。こうしたハード面ととともに、自助・共助など災害があった時にどう動くかといったソフト面も大切にしなければなりません。自治体や地域で行われる防災訓練などは、自分や地域を見つめる機会になるはずです。

 東日本大震災に見舞われた今日3月11日は、市川市防災教育の日です。子供たちが今後、家庭や地域の戦力となって活動できるように、まずは自分自身を考えられる機会にしたいと願います。 

583 つぶる?つむる?(25.3.10)

 2週に一度のペースでカラダのメンテナンスに、自宅にある治療院に通っています。日曜日に施術してもらうので、小さな子がお父さんと遊びたいだろうにと罪悪感が生まれます。家族サービスする時間を奪っているようで申し訳ない気持ちもあると妻に話すと、「家族サービス」という言葉は今の時代にそぐわないと異議を唱えられました。そもそも子供や家族と遊ぶことをサービスと表現することに違和感があるといいます。よく考えると、確かにこの言葉は、会社で働く男性にしか適用されない気がします。だって、共働きする女性が使う場面を想像できませんから。男性が家族に関わることは業務外という私の深層意識が、きっと駄々洩れしてしまっているのでしょう。ジェンダーフリーだなんだと言葉を飾っても、心の奥底では昭和を未だ脱し切れていないようです。

 さて、卒業式や入学式ほか、写真を撮られる場面は比較的多いものです。そんなとき、目をつぶらないようにと緊張してしまいます。漢字にすると「目を瞑る」と書きますが、「瞑る」は仏教用語で、“心を落ち着かせて物事に深く思いを馳せる”という意味があるそうです。瞑想がソレに当たります。しかし、「目をつむる」という言い方をする場合もあります。「つぶる」も「つむる」も漢字にすれば同じですし、基本的な意味も同じ。敢えて違いを挙げるなら、「目をつむる」は目を閉じることの意味でしか使えませんが、「目をつぶる」は目を閉じることの他に、過失などを見て見ぬふりすることの意味でも使うことができるという点でしょうか。

 明日11日「市川市防災教育の日」に放送で児童に黙とうを促しますが、どちらを使おうかと迷います。いやいや、「目を閉じてください」って言えば済むことでしょ?!