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校長室から

282 できることをやってみる(23.10.5)

 先週末、ラグビーW杯のサモア戦を朝食中に見ていました。タックルしたりされたりする場面で思わず、体を傾け右肩を前に出して力をこめる自分に気づきます。ノーサイドの瞬間、肩の力がやっと抜けるのです。8日は決勝トーナメントをかけてアルゼンチンとの試合。肩が右に傾いた格好で応援です。

 さて、暑い日、寒い日、雨の日も関係なく、予定がない限りは毎朝白門に立ち、見守り隊のジャケットや帽子を被って元気な声を響かせていた、地域の千葉正彦さんを知る方は少なくないはずです。名前は知らなくても、子供たちを見守る姿があるだけで安心できました。

 しかし、9月初旬から姿を見かけなくなり心配をしていました。先日、久しぶりに校長室までやってきてくださりお話できました。「引退させてください」とおっしゃいます。前任の大塚校長の頃から3年半にもわたり力を尽くしてくださったので寂しくなりますが、今度は朝の散歩中の顔を時々見られることを楽しみにしています。

 我が家の近所でも、児童生徒の通学時間帯にいつも同じ場所で見守りをしている女性がいます。子供はすでに小中学校に在籍していないと思います。気持ちさえあればできることはたくさんありそうです。私も引退したなら、そんな部分で地域と関わりたいと思っています。

 話は戻りますが、気持ちのある子供たちに千葉さんへのメッセージを書いてもらえるように、すでに準備は整っています。よろしければ保護者の皆様もご一緒に…。

281 アイドル気分(23.10.4)

 体に気になる所があったので、一昨日一日お休みをもらって病院のはしごをしました。月曜日だったせいもあってか、午前中は9時から11時半までかかり、午後は紹介状を持って別の病院で13時半から18時過ぎまで。待ち時間のほうが長いですから尻が痛くなりました。

 病院に一日いると、私より年上の人がいかに多いか痛感します。特に個人病院では、待合の椅子に座っているほぼ全員が高齢者。中には、電子体温計を振っている人がいるではありませんか。「水銀式の体温計ではないですよ」と突っ込みたくなりましたが、そこに登場するのが世話好きな女性。隣に寄って丁寧に教え、エラー表示には一緒に悩んでいました。ところで、水銀式の体温計がわかる世代ってどのあたりなのでしょうか。棒温度計の類だって、理科の時間にしか登場しませんし…。

 9月のある日、外国語活動の終わりの場面に3年生の教室にお邪魔しました。入るや否や、英語でどんな果物が好きか尋ねられた気がしたので、Lemonと答えました。答えたあとにサインをねだられます。授業の内容もわからず、なぜサインなのか、ことの成り行きが不明で戸惑っていると、紙片やファイルを持った子に取り囲まれました。最初は似顔絵、そのうちサイン会になっています。結構書いたはずなのにまだ十数人が列を作っています。最後まで、なぜこういうことになったのかわからないまま、アイドル気分で校長室へ戻ってきたのです。そんな3年生の教室の黒板には、私が描いた似顔絵が消されずに残っています。ほんのいたずらの気持ちで放課後に描き残したものが人気なのですから不思議です。似顔絵も以前と少し変わっていきます。上向きの鼻とほうれい線を加えることでちゃんと歳をとります。

280 秋の自然に出合う(23.10.3)

 福岡の河川公園で真っ青な空の下、真っ赤な彼岸花の映像を見ました。別名「曼殊沙華」とも呼ばれます。鮮やかな赤だけではなく、白や黄色の花も時々見ることがあります。球根部分に強い毒をもち、雑草対策で田んぼの畦道などに植えられていることが多いような気がします。気温が20度くらいに下がると突然現れます。葉が花の後に育つので、咲く姿は目立つと同時に不思議な雰囲気を醸し出します。

 一方、マザー牧場ではコキアが色づいてきれいだといいます。また、栃木県真岡市では純白の綿花の摘み取りが本格化したとあります。校長室には、昨年平田小で栽培されていた綿が、はじけた枝のまま白さを保っています。

 この時期は、一般的に「雑草」と呼ばれる植物が繁茂しています。校地内も例外ではありません。放っておけば種が飛び散り、いずれ収拾がつかなくなる事態を招きます。だから、用務員さんが操作する草刈り機にエンジン音が連日校庭に響き渡ります。

 さて、ホームセンターの植物販売所が、そろそろ気持ちが浮き立つ場所になっていきます。色鮮やかな秋の草花がたくさん出回ります。庭に地植えするのはもうお腹一杯ですから、寄せ植えしかありません。

 19日には、4年生が大町の自然観察園へ出かけます。きっと数珠玉やノブドウ、カラスウリ、ミゾソバ、ドングリ類などが見られるはずです。暑い夏を乗り切ったカワセミにだって出会えます。でも、関心がなければ通り過ぎるだけで終わってしまい、もったいない。自然博物館の学芸員さんの説明にも聞く耳を持つこと。これらは普段の生活でもいえること。「見ようとする目や聞こうとする耳、知ろうとする意識」が大事。4年生と一緒に出かけて、そんな姿や場面にたくさん出会えることを楽しみにしています。

279 水を飲むとバテる?(23.10.2)

 EV(電気自動車)が主流になろうという時代、純ガソリン車をずっと乗り続けたいというのは無理なのでしょうか。自動車メーカーでは、経営方針の変更を打ち出したり達成目標を掲げたりしています。古いものを大事にしながら長く乗り続けることは悪いことなのでしょうか。税制だって弱い者いじめのような感じがしてなりません。

 気候がよくなってきましたので、まさにスポーツの秋となっていきます。車がガソリンを飲んで走ると同じように、人間が走ったり運動したりする際の水分補給は欠かせません。マラソンや駅伝の給水のほか、競技を中断して給水タイムを確保することなど当たり前になっています。数十年前では考えられないことです。

 私たちの世代では、「部活動中に水を飲むな!」「水を飲むとバテる!」と教えられてきましたが、どうしてだったのでしょう。多くは根性論が根底を占めていたと思われます。練習は、厳しくしんどいのが当たり前で、それを克服することで上達すると信じられてきたのかもしれません。また、スポーツは根性で立ち向かうという風潮でしたから、具合が悪くなって倒れたとしても「根性が足りない!」と一蹴されていたのかもしれません。また、水を飲めばお腹にたまって体が重くなるとか、体温を下げるのでその分エネルギーを必要とするからとか様々かも…。

 非科学的な理論といえば、「突き指をしたら、引っ張れば治る」というものがありました。みんなやっていましたが、絶対だめですよね。妙なことが信じられていましたが、そうしたことが正された時期やきっかけはわかりません。

278 栗(23.9.29)

 平田小周辺では目にすることはないのですが、我が家の近くには栗林があちこちに点在します。今の季節はきみどり色のイガ(「毬」と書くそうです)や口を開けた茶色のイガが枝にたわわについています。目を地面に移すと、ここにも中に栗の実を抱えたイガイガ…がいっぱいです。栗拾いというものをしたことがありませんが、追いかけ玉入れのかごを背負って、汚物ばさみのようなものを持って拾い集める光景が目に浮かびます。

 この栗って、食べられるようにするまでが大変です。調理をほとんどしない私の場合、「剥くのが大変」と言うことすらはばかられます。だから、スーパーなどで篭に乗った栗の山を見ても、買い物かごに入れることはしません。それでも、半分に切られた栗をスプーンですくって食べたり栗ごはんとして食べたりした思い出が懐かしく蘇ります。イガに入った茶色の実が「栗!」で、きれいに剥かれた黄色の粒は「マロン~」と感じるのは私だけ?10月には給食で芋栗ごはんとして提供される日があるようなので楽しみにしています。

 この時期になると、洋菓子店に「和栗モンブラン」が並びます。7~8百円もすると手を出せません。数年前までシャ○○○ゼで売っていた和栗モンブランが大好きでした。「今年もそろそろ店頭に並ぶかな?」とワクワクしていた数年前、これまでと製法が変わったのかまるっきり別物になってしまっていて残念な思いをしたことを思い出します。同じ思いを抱く人はきっといるはずです。そういえば、「マロングラッセ」というものに憧れを抱いていたのはいつのことでしょう?

 ところで、栗の花がどうやってあのイガをもった栗になるのか、その変身する様を見てみたい。そんな好奇心が湧きおこってきます。だって不思議じゃないですかぁ。

277 気持ちよく(23.9.28)

 5年生が英語の学習で取材をして回っています。私のもとに来たある子から「Can you play ukulele?」と質問されました。だから元気よく「Yes,I can」と笑顔で回答したのです。質問に「well」でもついていようものなら…。その5年生の歌声が音楽室から下の階まできれいに響いてくるので、思わず覗きに行きました。高音が美しく、何より表情がよい!

 さて、楽器販売の勢いが好調だと知りました。ある楽器チェーン店の昨年度下半期の売れ筋楽器がエレキギター。前年比173%で第1位。アンプやエフェクターといった中にベース、タンバリン、トランペットなどが順に並びます。

 こうした楽器需要に火をつけるのがアニメ作品のようです。以前話題になっていたのが『けいおん!』です。『BanG Dream!(バンドリ)』とか『ぼっち・ざ・ろっく!』の影響もあると聞きますが、どれも読んだことはありませんからよくわかりません。昨年調査した、「趣味で始めたい楽器」のラインキングがありました。こちらでもエレキギターが7位、トランペットが9位でした。そして、第1位はピアノです。ウクレレはといえば5位と大健闘のようです。

 小学生の頃、アニメ(?)に影響されて、「トランペットを吹きたい」と思った時がありました。サッカー選手だったかどうか記憶が曖昧ですが、海辺でトランペットを吹くシーンがあったのです。しかもブラジルから単身やってきた外国人という設定で、暮れかかる海に向かって高らかに演奏する姿には郷愁を感じるとともに、妙に格好よく見えた気がします。小学校初期の段階から楽器演奏でつまずいた私は、トランペットも例外ではありませんでした。マウスピースを咥えた唇がかゆくなって諦めました。だから、両手に複数本のバチを持ってマリンバを演奏する人を芸術鑑賞会などで見たときには、惚れ惚れと見つめてしまいます。

 どんな楽器でも歌でも、気持ちよく演奏などできたら素敵です。虫の声は全然聞こえない私ですが、音楽室や教室から漏れてくる声や音に誘われて足を運ぶことが増えそうです。

276 ここには何が?(23.9.27)

 国土交通省が7月1日時点での基準地価を発表しました。自分の居住市の一覧から近隣の地番を探します。高いのか安いのか、地価が上がったのか下がったのかすら想像もつかないまま、「ふ~ん」とつぶやきながらページをめくります。県内の平均変動率を見ると、住宅地では市川市が浦安市を大きく引き離して人気第1位。八幡1丁目や菅野2丁目辺りの地価が高いようです。

 そういえば、最近めっきり家の売り出し広告やチラシを目にすることがなくなりました。以前は新聞の折り込みで建売住宅やマンションのチラシが入ってきました。でも、見るのは墓苑ばかりのような…。今はインターネットで検索して、資料請求・見学等に進む時代のようです。ですから、造成や建築が始まったころには既に売れてしまっているということです。そういえば、販売価格が書かれた「売り出し中」の看板だって久しく見ていません。

 散歩をしていると久しぶりに通る道があるものです。変わらない景色もありますが、新しい建物などができていて驚くことも少なくありません。でも、「ここって元々何があったところだっけ?」と思い出せない経験はないでしょうか?よく見ていたつもりなのに、結構覚えていなかったり、記憶が曖昧だったりします。

 いつも同じルートでは面白くないので、時々違うコースを走ったり歩いたりしてみると思わぬ発見がありそうです。暑さから解放された植物が、鮮やかに咲く庭を眺めることもできます。今日はひと駅手前で降りて家まで帰ってみましょうか。夕食前の運動にもなりますし…。

275 早めの点灯(23.9.26)

 今月末まで、秋の交通安全運動が実施されています。毎朝、警察の方も見守ってくれています。今秋のスローガンは、「夕暮れの ライトは迷わず 早めから」が掲げられます。特に自転車のライト!無灯火走行が多くてヒヤリとする場面は少なくありません。自動車の前照灯と違って、自転車の存在を他者に知らせることが目的ですから、早めに点灯することが自分と相手の命を守ることにつながります。子供たちの乗る自転車に、まさかライトがついていない、整備不良なんてことはないと思いますが心配です。

 自動車だって無灯火をよく見かけます。メーターパネルが明るいと、ライトを点けているかどうかがわからないのかもしれません。そんなこともあってか、新車は随分前からオートライトが義務付けられました。9月から新しくなった公用車も当然自動点灯します。そうそう、公用車が新しくなってうれしかったのが、オートロック機能。これまでの車は、4ドアすべてを手で解除していましたから…。

 そういえば、本八幡駅のシャポーを抜けた先の横断歩道を青信号で渡るとき、自転車通勤する人が車両と同じ方向に走っていること。歩行者と交錯しますから、気をつけないと事故につながります。急いでいるという理由があっても、自転車は車両です!(怒)

 話題は電車にかわりますが、車両と車両をつなぐ連結器の部分に、貫通幌と呼ばれる蛇腹の通路があります。鉄板が敷かれていて、それが大きく揺れるので立ち止まらないように注意書きがある場合もありました。最近の列車では貫通路がきれいなものも多く、個室感がなく別空間のようです。

 祖母と電車に乗ったとき、尿意を催した私がそれを伝えると、「そこでしちゃいなさい!」と連結部に立たされて用を足したことを思い出します。暗いし揺れるので体を押さえてくれても、尿の行方は電車の揺れの思うまま。方向が定まらず、ズボンを濡らしてしまいます。今の時代、そんな場面を目にすることは皆無です。

274 キャリア教育(23.9.25)

 秋分の日を境に朝晩の涼しさを感じる気持ちよい季節です。

 つい最近まで、テレビで放映されていたドラマ『シッコウ~犬と私と執行官~』を興味深く観ていました。裁判所の判決を(強制)執行していく話ですが、その職は国家公務員なのに報酬は歩合制で、執行により債権回収した額で決まるといいます。私たちにとって馴染みのない職業ですが、執行官という職業を通して、日本のいろいろな側面が見えてくるドラマでした。

 大人ですらよく知らない職業はたくさんあります。ましてや小学生であれば知らないことだらけのはず。だから、どんな仕事があって、仕事ってどのくらいの数あるのかなど知ることで選択の幅や思いが広がるのではないかと思います。高校生の職業教育とは違って、「働く」ということに興味を膨らませることができることが小学校段階では大切です。そんな思いでキャリア教育を様々な教科や場面で行っています。

 10月には、高学年で外部からゲストを招いて一緒に考えます。例えば介護に携わる職、例えば獣医師など、馴染みの薄い仕事を身近に感じられるように計画しています。また、6年生ではこれとは別に、「働く」を考えるワークショップも計画しています。働くことに対してポジティブな目を向け、自らが責任をもって進む道を決めることの大切さを伝えていきたいと思います。

 さて、先週の新聞に「教員志願 止まらぬ減少」という見出しがありました。千葉県も例外ではなく、志願者数が前年度より350人以上減っています。教員の長時間労働などの問題から敬遠されるとともに、他業種の採用拡大が大きな理由と言われますが、前者に関しては一部を切り取ったり偏ったりした情報が大きく取り上げられているように思えてなりません。

 子供たちが普段目にする職業人は教職員です。高校まで数えたら12年間常に見続けていることになります。教員・事務職員・栄養士・養護教諭ほかいろいろな立場の人間がいます。それらを身近に見て、魅力を感じられるようでありたいと思います。そして、卒業生から多くの教員等が誕生することを今から願っています。

273 忘れないように(23.9.22)

 毎朝忘れ物がないかを確認する4点。それは「ハンカチ」「財布」「定期券」「スマホ」で、ズボンを叩いたり指差し点検したりしています。これに加えて、補聴器と扇子も忘れてはならないもの。補聴器のつけ忘れは頻繁に指摘されます。玄関を出る直前に「耳は?」という声に慌てて部屋へ戻るという始末。入浴前に外すと、一部消音されたような感覚に陥ります。特に、バックの時に注意を促すクルマの電子音の聞こえ方は明らかに違います。また、扇子もまだ手放せません。 駅に着いたときには汗びっしょりですから、ハンカチで汗をぬぐって扇子で火照った顔に風を送ります。だから、忘れたことに気づいた時のショックは…。

 さて、夏休み明けに2年生の男児が校長室にやってきました。お母さんからの手紙と「なぞかけ」の作品を受け取りました。「稲穂9号」に掲載した内容に応えてくれたもので、家族で学んだようです。“「新学期の平田小学校」とかけて、「コロナ規制解除後のスポーツ観戦」ととく。その心は「賑やかな声が戻ってきました」”と難しい漢字も使われています。ありがとう!

 また、今週初めに3年生の女児が、担任に付き添われて私のもとにやってきました。夏休みに取り組んだ絵画を新聞に投稿したら掲載されたという報告です。話をしながらも嬉しそうにしていますし、自信にもなっているようにも見受けます。早速印刷して校長室前に掲示しました。また、新しい作品ができたら見せてくれるようで楽しみ!

 また、3年生全員に配付できるように、今年作られた「市川かるた」が学校に届いています。これを使って遊ぶこともできますし、学校周辺や市川市全体を社会科で学ぶ3年生だからこそオリジナルの札を作ることもできるのではないかと秘かに期待しています。グループやクラスで協力して、平田小バージョンができたら全校に紹介しますよ。忘れなければ…。