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校長室から

295 成長曲線(23.10.25)

 足繁く通う道の駅で先日、車から自転車を下ろしている人を見かけましたが、これ自体はよくあること。でも横顔が知り合いの校長先生に似ているのです。食い入るように見つめていると、やっぱりそうです。確信して駆け寄り、声をかけました。たまたま寄ったのだそうですから、まさに偶然!こんなふうに思わぬところで意外な人に会うことはあるものです。ずっと以前、九十九里に子供を連れて海水浴に行ったときも市内の先生とバッタリ。ある人は、ハワイの海で声をかけられたとか…。どこで誰に会うかわかったものではありません。知り合いの知り合いなんて関係もありますから言動は慎重に!悪いことはできません。

 さて、今日は孫の話。4月から幼稚園に通い始めて、おしゃべりする内容も行動も会うたびにレベルアップ。成長曲線は右肩上がりです。毎朝幼稚園に行くときに会う近所の方が、いつも母子に元気な挨拶をしてくれるのだそうです。孫が母親に「誰かなぁ、お友達?」と尋ねたので、「ご近所さんだよ」って教えたといいます。翌朝、会ったとたんに「ママ見て!見て!ママの金魚さんだよ~」と大きな声で言ったのを聞き、母親は赤面したといいます。なんともかわいい孫です。

 その孫の運動会があるというので見に行きました。小学校のグランドを借りています。園児でしかも年少ですから、勝ち負けなんか考えていません。ゴールで待つ担任の先生に向かってみんなまっしぐら。玉入れは父親と一緒に参加しましたが、1個も入らずに半べそ状態。何に対しても一生懸命な姿は健気です。

 我が子の時もそうですが、小学校の運動会に祖父母が見に来ることは、コロナ前は当たり前でした。孫を見るまなざしは優しさに満ちています。そして、その成長のスピードをうれしく思うのです。たとえ成長とともに健気さは変化していったとしても…。週末の授業参観やおまつりで、成長真っ只中の子供たちを見てください。

294 土台づくり(23.10.24)

 歯医者は嫌いだ!とにかく怖い!痛みのあるなしに関係なく、診察台に座って背もたれが倒れるや否やまな板の上のコイ。両手をお腹の辺りで組んで来るべき様々な刺激に備えます。また、口の中に異物が入ると唾液がボワーっと湧き出てくる感じ。特に、脱脂綿のようなものを奥歯に挟んで強く噛んだ時の味がダメ。歯のかぶせ物や詰め物が取れた日からは悪夢のような治療期間が始まるのです。一方、娘も息子も歯医者とは縁のない生活を30年以上送っています。うらやましいのですが、歯が生え始めた乳幼児期からの親の口腔管理が実を結んだ結果であると、勝手に胸を張っています。

 さて先週、ある学年の習字の授業をやらせてもらいました。サポートではなく自分で指導するのは実に十年ぶり!楽しかったなぁ。タブレットや電子黒板をうまく操作できないので、完全アナログですが、投げかけた言葉が取り組む姿勢になっていることを感じ、うれしく思いました。

 私自身、書道教室に通ったのは小学校の6年間。少人数でしたから、基礎からしっかり教えてもらいました。父も達筆でしたから、字形のとり方をアドバイスしてもらったこともあります。テレビで『ばらかもん』を観ていましたが、書家と呼ばれる人だって基本が身について初めて次のステージへと上がっていったのだと思います。また、高校書道部の巨大な作品を見る機会がありますが、学んだことの上に立って、自分たちの思いをどんな言葉でどのように表現したら相手に伝わるか、そうした願いがぎっしり詰まっているように感じます。だから、感動するのかもしれません。

 高層の建造物だって何だって基礎が大事。子供たちの未来も、現在の土台づくりの上に成り立つと思うとたった45分の授業も手が抜けません。明日は清書。上手と思われる文字より、その人らしさが滲み出る「よい字」「よい作品」を目指します。

293 お~い、老い(23.10.23)

 トイレで手を洗うために蛇口を一ひねり。しばらくすると、どこからか甲高い声のような音が響きます。誰かが廊下で叫び声をあげている様子。何事だろう?と思って、廊下に出るために蛇口を戻すと、音がピタッと止みました。一瞬でも「あの子かな?」と思ってしまったこと、ごめんなさい!

 蛇口は経年劣化ですが、人間が歳をとるのは経験の積み上げで素敵なことはたくさんあります。でも、今までできていたことができなくなったり一人では無理だったりすることが増えていき、老いを感じてさみしくなることもあります。父母を見てきて、高齢になればなるほど顕著になっていくことを感じました。

 千葉県の事業の一環で、5年生が介護について学ぶ機会がありました。導入で「お年寄りへの尊敬」「老いるということ」「介護の仕事とは?」の3点について簡単に説明があり、そのあとデイケアセンター長が「介護の未来案内人」として現場での仕事を紹介してくれました。介護職は、相手を笑顔にできる仕事のプロであり、ヒーローあるいは助っ人であると胸を張って教えてくれましたが、全力で人を笑顔にするという点では、教員も負けてはいないと自負しているのは私だけではないと思います。また、「ありがとう」「みんなが待っています」という言葉に勇気づけられるとも言います。要介護者が生活をする施設においては、さらに厳しさを伴うことが予想されます。ただ、一生懸命頑張る人だからこそ、何気ない一言に力が湧いたり気持ちが沈んだりするのだと思います。だから、どんな仕事であっても言葉のキャッチボールは大事にしたいと改めて思います。

 家族間でも相手への尊敬の念と言葉のキャッチボール、忘れずにいたいと思います。

292 火の見櫓(23.10.20)

 庭仕事をしながら補聴器から鳴る音楽を聴いていると、「よくそんなのでずっと聴いていられるね」と言われます。「BGMじゃん!」と言うと、「GGMでしょ?」と切り返されました。どうもじじぃミュージックらしい。

 そのGGは、最近ランニングよりも専らウォーキングです。家から少し離れた「火の見下」という交差点を通過したとき、ここに火の見櫓があったことを思い出しました。当然のことながらもう使われてはいませんでしたが。上方に半鐘があったのを記憶しています。でも見渡せどそれらしきものが見当たりません。いつ撤去されてしまったのでしょう。市川市では、行徳の旧道周辺に残っているような気がするのですが…。

 この火の見櫓の役割は、火事が近くであることを知らせるもので、天辺にある鐘を続けざまに打ち鳴らして人々の安全を守りました。江戸時代から人々の暮らしを見守ってきた火の見櫓は、町や村のシンボルとして集落ごとに立っていたといわれます。これを中心に、住民は自分たちの手で町や村を守ろうとする郷土愛があったのです。そう考えると、先の火の見櫓もお役御免になったとはいえ、地域の文化遺産が消えてしまったことに一抹の寂しさを感じます。存在するときは何とも思わないのに、無くなってから惜しみ懐かしむことってよくあることです。

 年末が近づいて寒くなると、拍子木を打ちながら「火の用心」の声が冴えて聞こえてくる地域もあります。自治会等の自警団の活動に安心して眠りにつく家庭は少なくないのかもしれません。

291 秋を満喫しよう(23.10.19)

 通勤届は市川工業高校の正門前をぐるっと廻る経路で申請していますが、JR高架下を使わせてもらって通勤する毎日。この高架下にミズヒキやヨウシュヤマゴボウが見られます。ミズヒキを鉢栽培したことがありますが、穂先に付いた赤い種が飛んで、翌年あちこちで発芽するほど生育力旺盛な植物。一方ヨウシュヤマゴボウは、低学年の生活科で色水づくりをして遊ぶために用いられることがあります。そろそろ摘んで活動しようかと思っていた矢先に、誰かに刈られてしまったなんて話を聞くこともあります。

 平田小ではキンモクセイが鮮やかなオレンジと芳香な香りを振りまいています。白門脇でそびえる木は、子供たちを迎え、なかよし広場で遊ぶ姿を見守っているように見えます。校庭沿いにも植えられているので、もうしばらくすると辺りはオレンジ色の絨毯になります。また、2・4年生の昇降口から出て目線を上げると、ザクロが実っているのが見えます。食べてみたい子はいるかなぁ。

 我が家では、季節外れのライラックが咲いています。銀葉アカシアの花芽も見事です。鉢植えの他3種のうちの一つは、これまで一度も花を咲かせたことのないブルーブッシュという種類。今春に仙台へ行った際に、「特殊肥料」に分類されるたい肥を買ってきました。というのも、花が咲かないことを相談した園芸店の方が太鼓判を押したように勧めてくれたからです。通常のたい肥の何倍もする値段でしたが効果は抜群!来年の2月から3月にかけての開花が今から楽しみでなりません。

 穏やかな天候が続く今日、4年生は大町自然観察園に行きます。学芸員の方の話にしっかり耳を傾け、平田小学区では味わえない自然のよさや新たな発見をしてほしいと願います。見ようとする気持ちがなければ見えないものはたくさんありますから…。青空の下で食べるお弁当もきっと格別なはず!

290 優しさの連鎖(23.10.18)

 先の日曜日は、雨もあって寒い一日でした。フリースを着込んだり車内では今シーズン初めての暖房を入れたり…。翌日にはまた25度くらいに戻りましたから体がついていきません。

 陸上大会が行われた日も秋晴れの清々しい天気。前の晩に頭を剃っていたので、帽子を忘れたことを後悔しました。陸上競技場の走り高跳びは、スタンドから離れた場所で展開されます。ですから、現在のバーの高さは何センチなのかを知らせるためのボードがあります。これが登場したのはそれほど昔のことではありません。実はこれ(写真)を見ると、ガソリンスタンドのガソリンや軽油の価格ボードに見えてしまうのは私だけ?国府台スポーツセンターへ引率・応援に行ってこんな写真を撮っているのも私だけなのでしょう。

 ある日船橋駅から電車に乗って、空いていた座席に腰を下ろしました。発車前に後期高齢者と思しき男性が乗り込んできました。座れる場所を探している様子。優先席は?若者が占領して動く気配なし。近くにいる人も気づいているのかいないのか誰も譲りません。少し離れて座っていた私が声をかけ、座ってもらいました。昔話だと、家に帰ったおじいさんは、おばあさんから「よいことをしましたなぁ、じぃさんや!」と声をかけられる感じ?そんな私も62!

 「優しさの連鎖」という投稿動画を見ることがあります。思いやりある行動を目にしたほかの人が、別の場面で別の人に思いやりのある別の行動をとります。それを見た別の人は違うところで…といった連鎖ですが、子供たち同士でも優しさの連鎖がたくさん見られたらいいなぁ。でも、願うだけではだめ!意図的に仕組んでいくこと。そこは大人の、担任の腕の見せ所ではないかと思うのです。

289 気持ちでは負けないように(10/17)

 校長同士が顔を合わせる機会は結構あるものです。9月以降は、インフルやコロナの校内での感染状況があいさつ代わりになっている気がします。平田小も若干名の罹患者はいますが、拡大を心配するような状況ではありませんが、「○年生が○日まで学級閉鎖なんですよ~」といった声に意識を高く持つことの必要性を感じます。また、年齢高めの教職員が話し始めると、病気自慢に発展しないとも限りません。ただ、明日は我が身といった感じで互いを案じているのです。

 晩酌はもっぱらビール党の私。それでも平日は350ml缶1本でおしまい!時々ご褒美で酎ハイを二人でもう1本というときはうれしいもの。このご褒美が、ご当地ビールだったり味や香りが芳醇なクラフトビールだったりする場合もあります。350ml缶で300円近くしますからなかなか手を出せません。にもかかわらず、最近飲み始めた薬1錠がこれとほぼ同じ値段なのです。朝晩飲む薬の量も増えたので「晩酌をやめる?」と尋ねたら、「あなただけね」とつれない返事。

 さて、日本中がその快挙を称えるかのような藤井聡太棋士の「八冠」達成。将棋を知らない人でも藤井ブームに巻き込まれていると感じます。でもまだ21歳。14歳でプロデビューして7年での快挙です。タイトルをとることを目標とすることなく、常に研究を続け、目の前の対戦を大事にしていることが偉業につながっていると思います。

 また、先日目にした紙面にはスケートボーダーが数多く紹介されていました。男女とも世界ランク上位者に日本人が名を連ね、10代から20代前半の若者ばかりです。サッカーやスノボ、ボルダリング、ゴルフなど各方面で怪物といわれるような活躍が見られます。

 何かの拍子に腰痛や膝痛に悩まされる60代ですが、気持ちだけは小学生に負けないようでありたいと思うのです。

288 食べたい!(23.10.16)

 先週金曜日に、金木犀の香りを鼻が感知。昨年よりだいぶ遅れたようですが、その後あちらこちらが芳しい匂いに包まれています。

 小学校高学年のときの誕生会だったか、友達の池本君の家の広い庭で食べた焼肉は、これまで食べたことのない味。何より焼肉のタレが美味しかったのをいまだに覚えています。この肉が羊肉であったのだろうとわかったのは大人になってからのこと。そして、虜になったジンギスカンのタレ。十何年ぶりに見つけた時は「君だったのかぁ」と懐かしさが込み上げてきたくらいです。この生の羊肉に最近はお目にかかれません。例年なら今頃の季節になるとスーパーで売っているはずなのに…。

 大人になってというかおじさんになってから知ったのがモツ鍋の美味しさ。こってりした脂たっぷりのモツをたくさんは食べられませんが、野菜と一緒に鷹の爪をたっぷり入れて食すのが好きです。リクエストに応えてもらえるのは年2~3回程度。今回の入院を経て、これがきっと限りなくゼロになるのだろうと思うと切ない!

 さらに、教員になって先輩と一緒に出かけたのが、市川駅前にあった餃子で有名な「ひさご亭」です。家で食べる餃子の3倍はあろうかという大きさもさることながら、皮の厚さと餡の何とも言えない甘さの虜になりました。店で食べられないときはお土産で持ち帰って家族で食べました。市川大野店だけになってからも数度足を運びましたが、ここ十年以上足が遠ざかってしまっています。それでも、「ひさごの餃子、食べた~い」と時々声に出しています。言うは易し、叶うのは難し?いつ行けることやら。

 ところで、何かの理由で「明日がやってこない」と知ったとき、最後に食べたいものは何でしょう?「あったかいおにぎり」と隣でつぶやく声がしますが、皆さんは?池本君はどうですか?

287 どっこいしょ(23.10.13)

 「13日の金曜日」と言って忌み嫌うことが、最近はなくなったようです。子供に聞いても「何それ?」という反応。ホラー映画の主人公ジェイソン登場からすでに40年以上が経過しているのですから…。そんな今日は、4年ぶりの市内陸上競技大会。種目等が限定されましたから、参加者はMax20名。補欠や応援部員は連れていけません。天気も上々ですし、それぞれの精一杯が見られると思います。

 さて、学校の玄関で靴を脱いだり履いたりするとき、腰が痛いときには床に置いた靴を拾ったり靴箱から取り出した靴を床に置いたりするのに一苦労。履くときにはふらついてしまいます。靴下を履くときも同じで、何かに寄りかかっている自分にふと気がつきます。

 学校には年配の方も来校されますが、玄関に手すりがないことがとても不便に感じます。座って履けるわけでもありませんから、渡り板の上に靴を置いて、シューズロッカーに触りながら履くことを勧めることもあります。

 幼稚園や保育園では運動会シーズン。自宅そばの小学校でも9月末に運動会でした。妻に「平田小でも何とかソーランっていうやつ、やったの?」と聞かれました。「自分たちの頃もソーラン節とかやったのと同じだよ」と言いながら、今の踊り方を口頭で説明。「伸脚運動の体勢で綱を引っ張るポーズを左右繰り返して…」と言いながらやってみることを促しますがよく伝わらない様子。そこで自分でやって見せました。ん?すでに伸脚ポーズが辛い!さらに、右から左に移るとき前に手を着かないと動けない!思わず「どっこいしょ」と呟く!あれっ?子供たちも「どっこいしょ~どっこいしょ」とかけ声をかけていたなぁ。でもかけ声の意味が違うけど…。つまり、今更ながらに5年生が演じたソーランの運動量とあのリズムで動き続ける体力に驚いたのです。

286 運動してる?(23.10.12)

 私の出身高校は、少し特異な体育の授業をしていたのだと知ったのは、卒業したあといろいろな人と話をする中で気づかされたのです。

 まずラグビー部があったためか、授業もラグビーが取り入れられました。ヘッドギアをつけてスクラムを組みました。ふざけることは大けがのもと。脊髄損傷だってあり得ますから、みんな真剣です。楕円のボールをうまく回転させながらパスをする技術も自然と身につきます。だから、ラグビーの代表戦は楽しく観ることができます。時々聞きなれない反則があっても、画面上に解説があらわれるので納得です。でも、隣で画面を眺める者にとってはサッカー以上にルールがわからないので、「つまんない!」を連発する始末。

 次に、レスリング場があったので、レスリングも必修でした。柔剣道は部活のみという感じです。衣服をつかむこともせず、体同士がぶつかりあい、技を掛け合うシンプルな競技です。相手を組み伏せて、両肩をマットに押し付ければ勝ち!相手のバックをとれればポイント!といったルールです。

 最後は、陸上競技。それだけでは普通ですが、指導者が故 小出義男先生となれば別。のちにQちゃんこと、高橋尚子選手の恩師となった小出監督です。当時は有名ではありませんでしたが、秋から行われる授業では、毎回校外に出て10km走をしました。途中ショートカットして林の中で休憩したりアケビを食べたり…。

 コロナでできなかった市内陸上大会が再開した今年度、1000m走や1500m走が種目から姿を消しました。学校のマラソン大会もなくなって久しい感じです。普段の生活や学校生活で長い距離を自分のペースで走るという機会は失われつつあります。運動するにはちょうどよい季節。景色を見ながら走ったりウォーキングしたりすることが習慣になるといいなぁ。江戸川の土手もよいコースかもしれません。