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校長室から

135 鍋料理(12/22)

 学校用務員の小室さんから「機会があったら使ってください」と2句を預かりました。

   1 わが書斎 珍客来たる かまどうま

   2 コロナ禍で 消えゆく仕事 鍋奉行

 「カマドウマ」とは、昔の台所にあったかまどに良く出現した昆虫で、背中が丸まって馬の背に似ていることからついた名前。 家の便所の近くでよく見られたので、「ベンジョコオロギ」と言った方がわかるかもしれません。

 そして、寒い季節に多い料理といえば熱々の鍋物です。小室さんに作品を手渡されたときに「一番好きな鍋料理は?」と尋ねました。少し間をおいて、「すき焼きですかねぇ」と。我が家はすき焼きに苦い思い出があって、せいぜい年に1~2回あるかないかです。おでん、寄せ鍋、豆乳鍋、チゲ鍋、もつ鍋、ちゃんこ鍋、トマト鍋やカレー鍋、はたまたすっぽん鍋といろいろですが、シンプルに水炊きもよいです。こうした料理を引き立てるのが、柚子胡椒やネギ、大根おろしの薬味だったり、柚子の皮だったり…。

 「鍋奉行」とあるように、家族で食卓を囲んでこの時とばかりに父親(お爺ちゃん)が菜箸やお玉片手に取り仕切った姿は昔のことなのでしょうか?今では「お一人様」用のセットがスーパーで売られているのを見かけますが、やっぱり多くでわいわい言いながら箸でつついて食べたいのが鍋ではないでしょうか。最後の〆も大事です。ごはんでおじやにするか、麵を入れるか、餅にするか、その日の気分次第。

 ミツカンがHPで紹介している鍋の歴史を見ました。江戸時代は、狭い長屋で七輪を使って鍋を煮込みながら食べるスタイルが登場したようです。当時の主流は一人鍋。これって、旅館の夕食で膳にのった小さな鍋もののような感じかもしれません。明治の時代になって登場したのが牛鍋で、東京や横浜に多くの牛鍋屋が開店したといいます。  隔離生活、お一人様料理が終わる明日以降、「年内中にすき焼き食べたい!」。