ブログ

校長室から

095 願うだけではなく(10/21)

 ウクレレで『星に願いを』のソロ演奏に取り組んでいます。和音で抑える箇所が数々あるため、ゆっくりしたリズムで弾くのですが、一定の速度で演奏する必要があります。そこでメトロノームの登場!60(遅っ)にセットしていざ始めますが、途中から指が遅れます。「ちょっと待って~、ちょっと待って!」とつぶやく私の耳には、弦の響きに混ざって隣の部屋から押し殺すような笑い声が聞こえてくるのです。

 一昨日、午後一番の出張があり、会場の最寄りが京成線なので菅野駅から乗車しました。でも、菅野駅ホームに立つのはなんと人生初!失礼を承知で言うと、通過駅でしかなかった菅野駅。学校に戻る際にも降り立ったのですが、とても新鮮な気持ちになりました。

 また、その前日には県内の小学校長が集まる研究協議会が千葉市で行われました。3年ぶりの対面開催です。グループ協議を行う中で、地域や規模は違ってもみんな同じような課題に悩んでいることを感じました。実践発表も行われましたが、提案の端々に登場する「自己肯定感・自己有用感」に関する話に心の中でうなずきながら聞いていましたし、最後に「幸せな教職員が幸せな子供たちをつくる」と言っていましたが、まさにその通りだと常々考えています。幸せな子供たちの育成をめざして、教職員も保護者も幸せであるためには何ができるか、何をどのように改善していくかなど、知恵を寄せ合っていきたいと思うのです。星に願っているだけでは課題解決は図れませんから…。

094 言葉遊び(10/20)

 いつものように道の駅へ足を運ぶと、棚に陳列される野菜なども秋に変わりました。生落花生のおおまさりや葉付きの大根、カブ、すだち、サツマイモなどなど。すだちは別として、根菜と葉物の季節の到来です。マスクをとって深呼吸すると、何やらかぐわしい匂いが…。ん?lこれは金木犀。今シーズン2度目の開花です。平田小でも咲いています。そして今朝は、久しぶりに青空が広がる晴天。

 さて、先週の読売新聞に言葉遊びが載っていました。ある四字熟語が「愛しき体、愛しき命」と読めるそうです。その熟語が「絶体絶命」。漢字を分解すると、確かに「糸(いと)色(しき)体(からだ)、糸(いと)色(しき)命(いのち)」になり、熟語の意味とも結びついて感心してしまいました。

 こうした言葉遊びは、言語活動を豊かにするとも言われます。一般的にはしりとりや早口言葉がありますが、「折り句づくり」も面白いですね。例えば、行の最初の言葉に「あ・い・う・え・お」を折り込んで意味のある文章を作ります。最初の文字は変えずに、文字数を1つずつ増やしていく「言葉の階段」も頭を使います。“あり”“あしか”“あめりか”…といった感じ。「回文づくり」も頭脳フル回転まちがいなし!学級レク、家族が集まった時、渋滞した車の中など機会はいろいろ。テーマやルールを絞っていくとレベルアップが図れます。下降線をたどる私の脳にもよい刺激を与えてくれそうな期待が…。

 何十年ぶりと伝えられる円高。ドル建の保険が恨めしく、好ましくない刺激になって血圧も上昇~。

093 昔の市川駅周辺(10/19)

 よく耳にする話に、「『聞く』には耳しかないが、『聴く』には耳も目も心も入っている。目を見て、耳を傾け、心で受ける傾聴を心がけましょう」と。

 『忙しい』という字は、心を亡くすと書きますし、『辛い』にあと一本足せば「幸せ」になります。逆に、『幸せ』な状態から一つでも手を抜けば『辛く』なります。

 安心すれば呼吸は深くなり、不安だと浅くなります。だから、「自分の心は『息(呼吸)』に表れる」という見方があります。大人向けには、「『愛』は真心(真ん中に心がある)、『恋』は下心」と言ってうんうんとうなずく場面もあるでしょう。漢字ってよく考えてみると面白いものです。小学校で習う漢字を使って、子供と一緒に言葉遊びをしてみるのもよいかもしれません。  先週、本校の用務員さんからまた短歌をもらいました。

   ありし日の 島村の味 懐かしむ 桃のようかん 真間の継橋

 市川駅北口にあった菓子店「しまむら」を詠んだものです。今は銀行になっていますが、贈答用に菓子を買った人も多いのではないでしょうか。そのすぐ近くにすき焼きなどを食べさせてくれる「鍋せん」があって、若かりし頃先輩に連れて行ってもらいました。ジャンボ餃子で有名な「ひさご亭」もありました。

 南口にはツインタワーなんてあるわけもなく、右側にはショッピングセンターのアーケード、正面にはパチンコ屋の2階に「磯ぜん」という名の居酒屋。大きな行事のあとはよく飲みに行きました。当時は車通勤をしていましたので、そんなときしか立ち寄りませんでしたが、そんな市川駅は結婚する前のクリスマスに妻と待ち合わせた場所でもあります。時間を間違えて何時間も待たせて不安な思いにさせた苦い思い出があります。あの時帰られていたらきっと…。

 何十年も前には、永遠だと思っていた「青春」。文字をよく見ると、ちゃんと「月日」があるのですね。

092 恥ずかしい(10/18)

 毎月下旬頃にチェックのために学年だよりの原稿が回ってきます。9月下旬も、すでに教務主任や教頭の目を通っていますから気になる部分は多くはありません。そんな中で、月行事予定欄に朱で訂正が加えられていました。「スポーツの日」を「体育の日」と記載する学年がとても多かったようです。「名称が変わったのはいつからだっけ?」と、日記帳を1年前、2年前とめくってみました。昨年は東京オリンピックイヤーでしたから7月23日がスポーツの日。その前は、本来開催予定だった令和2(2020)年。どうもこの年に改称されたようです。

 そして10月に入ったある日、自分で書いている校長室の行事黒板を見て恥ずかしくなりました。だって、10月10日の欄に「体育の日」と赤く書いてあるではありませんか。9月下旬に10月行事を書いていましたから、多くの職員・来客に見られていたことになります。まぁ、誰も気づかなかっただろうとさらっと流して、「スポーツの日」と書き換えたのでした。

 話は変わりますが、普段使う私の便利商品はバッグハンガーです。鞄を床に置いておきたくない場所では、テーブルに引っ掛けて吊るしておけますし、普段は鞄の持ち手に掛けておくだけ。校長室でもプリンター台に掛けてあります。身なりや持ち物で人の印象が左右されることも少なくありません。そういう意味でも、目立たないけどいざという時に便利なグッズ、快適に使用できるアイテムって結構たくさんありそうです。私も、使いそうな物をポーチに入れて持ち歩きますが、整理されていないのでカバンがかさばります。ミンティア、爪切り、頭痛薬、リップクリーム、日焼け止めクリーム、鼻炎用噴霧薬、目薬…とあるわあるわ。半年以上使ってないものもあって、見られたら恥ずかしい!使用期限の過ぎた薬は処分します。

091 変わること、変わらないこと(10/17)

 先日、地域の方からうれしい電話を頂戴しました。“新田2丁目の狭い路地ですれ違おうとしたときに、さしていた傘をすぼめてくれた子が二人いました。とても立派な行為です”と。5月の学校だよりで「江戸しぐさ」について記しましたが、「傘かしげ」と同じ。「よりよく生きるマナー」を子供たちがちゃんと実践できることを考えると、年齢には関係ないことを改めて思います。

 さて、9月下旬、4年生対象に落語教室が行われましたが、その中で座布団にも前後ろがあるという話を初めて耳にしました。縫い目のない方が前で、お客さんとの縁が切れないようにという思いが引き継がれているのだそうです。

 そうこうするうち、10月に入って三遊亭圓楽師匠が亡くなりました。50年以上の歴史がある『笑点』を長く支えてきた一人です。現在の最古参は、林家木久扇(元 木久蔵)師匠です。座布団運びの山田隆夫さんも長いのですが6代目。その山田隆夫さんがバンド「すうとるび」のメンバーだったことを知る人は数えるほどになってしまったのかもしれません。

 9日の朝日新聞日曜版に食品用ラップに関する記事がありました。日本でラップが初めて登場したのが1960年で、「クレラップ」と「サランラップ」といいますから60年以上の長寿商品です。最初はさっぱり売れなかったのが、冷蔵庫の登場とともに売り上げを伸ばしたといいます。ただ、このラップのルーツが軍需品だったとは…。第2次世界大戦下のジャングルにおいて、靴の中敷きにして水虫防止にしたり、弾丸や火器を湿気から守ったりするために重宝されたと知りました。

 そういう目で台所、いやキッチンの抽斗を開けてラップを取り出します。「NEW」クレラップとして売り出したのが30年以上前なのに、パッケージには相変わらず「NEW」の文字?実は、常に目にはつかない改良・調整を地道に加えて今に至るようですので、「NEW」もまんざら嘘ではありません。最近では災害時にも役立つ必須アイテムにも数えられているラップが、急に偉く見えてきました。

090 鉄道開業150年(10/1)

 NHKが、隙間時間で鉄道の歩みを映像で見せてくれるときがあります。遠い昔だけど懐かしさがこみ上げてきます。渋谷駅から三軒茶屋方面へ走っていた緑色の路面電車を芋虫電車と呼んでいたのは今は昔。

 今日は鉄道開業150年目という節目の日です。明治5(1872)年の今日、新橋や横浜(現桜木町)の停車場で開業式が行われ、翌日から旅客列車の運転が始まりました。当然、蒸気機関車です。煙を噴き上げながら走る様子は、まさに文明開化の象徴だったはずです。それから150年が経つのです。各地、あるいは鉄道会社、テレビなどで様々な催しがあります。

 私が育った八千代市の足は京成電車・バスオンリー。ストライキや悪天候などで運休すると、陸の孤島と化すのです。そんな京成電車の車両の色も今のステンレスカラーとは違った2色編成。ベージュと赤を中心にした車両とくすんだ深緑というかグレーというか不思議な色の車両の2つ。後者は行商列車としても使われていました。

 祖母と一緒に出かけると、祖母は草履を脱いで窓のほうを向いてシートに正座をするのです。そして、外をじっと眺めて時々話しかけてくれたのを不思議な気持ちで見ていました。車窓からの景色を単に楽しんでいたのかどうかは不明ですが、家が少ない時代ですから遥か遠くまでが見晴らすことができたのです。

 

 切符も改札で駅員さんが鋏で切ってくれます。この駅員さんグッズのようなおもちゃを買ってもらって弟と駅員ごっこをしたことも思い出されます。また、中学生のころに「幸福ゆき」の切符が大ブームになったことがありました。今も抽斗の中で静かに眠っています。

 石橋正次さん歌う♪夜明けの停車場に~降る雨は冷たい~♪というフレーズを思い出しました。こんな歌や『いい日旅立ち』(山口百恵)を口ずさみながらの寝台特急の旅なんてものもいいなぁ~。

089 時代とともに(10/13)

 サッカーなどのスポーツで、競技者の交代や負傷者の怪我の程度の判断あるいは搬出などによって空費された時間を指す通称があります。私がサッカーに関わっていた頃は、「ロスタイム」という言い方をしていました。これは、和製英語です。その後、「インジュアリータイム」(負傷分の時間)と呼び方が変わり、今では「アディッショナルタイム」(追加時間)と言われます。こうした時間帯に得点が入るなどという劇的な場面をプロサッカーではよく目にします。

 ものの呼び名は時代とともに変わっていきます。サッカーの「自殺点」は、「オウンゴール」が普通です。身に着けるものでは、「とっくりのセーター」とか「ズボン下」なんて言ってしまう私は生きる化石。「タートルネック」「レギンス」なんて言葉がすぐに出てきません。

 他にもいろいろあります。『ねずみくんのチョッキ』という絵本がありますが、「チョッキ」なんて使いません。今は「ベスト」でもなく、「ジレ」というようです。「ランニング」は「タンクトップ」ですし、「Gパン」は「ジーンズ」、さらには「デニム」です。「コール天」はわかるでしょうか。「コーデュロイ」のこと。これからの季節お世話になる「ニットキャップ」は昔、「正ちゃん帽」でした。上着を掛けておく「ハンガー」は「えもんかけ」、「J-POP」は「歌謡曲」と言ってほしい。

 自分の体も古くなりますから、聴こえない場面が多くなり、とてもストレスと劣等感を感じるようになりました。そこで、少し前から補聴器を装着し始めました。以前も試したことが何回かありますが、AI機能も搭載されて進化著しいといった感じです。正常の聴力に戻ることは叶いませんが、自分のほしい音が今以上に聴こえるようになるまで、まだまだ調整と慣れるための時間が必要みたいです。人生のこれからの時間は決してロスタイムとは思いませんし、アディッショナルタイムにもまだ早いので、ゆっくり補聴器ともつき合っていきたいと思います。

088 どっち?(10/12)

 次のような話を目にしました。

 子供にバスケットボールを教えていて、フリースローの成功率を上げたいと考えたコーチがいるとします。Aコーチは、正しいシュートの仕方を丁寧に教えます。Bコーチは、フォーム等にはこだわらず10本中10本が決められるように何度も繰り返させます。正しいシュートの方法を身につけることが大事か、形より決められるという結果を重要視するか。筆者は後者のBと主張しています。

 シュートフォームの良さはフリースローの成功につながることはありますから、私はAさん寄りの指導をしてきました。でも記事には、「コーチにとっての正しい方法が、子供にとって正しい方法であるとは限らない」「バスケのシュートは、正しい方法が一つではない」とあります。

 これは学習にも通じそうです。例えば算数で、4×7のかけ算の問題をどのように解くのかが大事か、それとも正しい解答にたどり着くことが大事か、という問いになります。正しく28を導くには、様々な正しい方法があります。九九で導いたり図に表したり、あるいはたし算に直したり…。つまり、正しく解くことができたならば、いろいろな方法のどれか一つあるいは複数を適用している証拠となります。より効率的と考える求め方に到達するかどうかはあまり問題ではないといえます。

 この記事では、「親や教師が、子供がどう考えているかを重視しすぎて、子供が正しい解決策にたどり着いているかを十分に見ていないときに間違いが起こる」と指摘しています。さらに、「結果にもっと焦点を当てて、学習プロセスにはあまり焦点を当てないようにしたい」とも。「結果がすべて」と言って「プロセスを無視」しているように聞こえますが、実はそうではないようです。プロセスを限定することに異を唱えているのではないでしょうか。 

 学習の中では、様々な方法があり、それを友達と交流することを行います。ただ、あるやり方がまるで一番であるかのようにまとめたり、特定の解法でないと丸がもらえなかったりすることを諫めているように思うのです。皆さんはどうお考えでしょう?

087 見ているようで…(10/11)

 お笑いコンビ「ずん」の飯尾和樹さんが言っていた言葉。“いつも機嫌がよく見える人たちも、イライラしていないわけじゃないんです。ただ、「イライラから離れるスピードが以上に速いんです」”。

 飯尾さんの相方も声を荒げる場面を見たことがないくらい温和なのだそうです。イライラしないのか、嫌な奴はいないのか尋ねると、「いざとなったら縁を切る覚悟で付き合っている」と言うのです。嫌なことを言われたら、「こういう人もいるんだぁ」とマイ人間観察図鑑に綴じこんでいけばよいとも。また、「キャイ~ン」の二人に共通しているのは、気がいいことのほかに嫌だと思った時にははっきり「イヤです」というところだとも言っています。人間関係の中で、「イヤ」と自分の意思を伝えることはとても大事だと思うのです。子供たちも同じ!

 さて、先日の新聞に阿川佐和子さんのコメントが掲載されていました。その内容が、適当に相槌を打って無意識のうちに聞き流していることのある自分と重なりました。家族も、まさにあなたのこと!と太鼓判を押していました。

 同じように、見ているようで実は見えていない場面が生活の中にあります。最たるものが、子供の道路への飛び出し。例えば、降りた車の後ろを通って道路の反対側に行こうとする場面だったらどうでしょう。親がそばにいるので安心して飛び出す子はいないでしょうか。横断歩道を渡る場面、反対側で仲の良い子や親が手を振っているとします。うれしくて走り出す子だっています。横断歩道を渡ろうと待っていても止まってくれる車はとても少ないのが現状。ましてや自転車の場合、「邪魔だ」とばかりに走り抜けていく人にも出くわします。だから状況をよく見てほしいと、朝の安全指導をしながら思います。

 もし相手が止まってくれたなら、渡る途中や渡り終わったあとにペコリとお辞儀を添えたら、急いでいたイライラも消えて、温かい気持ちになってくれるかもしれません。

086 おもいやり算(10/7)

 一昨日、寝着を長袖に交換し、昨晩は毛布が登場!今日も寒い一日になりそうです。そして、令和4年度の前期終了を迎えます。今週、子供たちがこの半年間で頑張ったことをプリントに記している場面にお邪魔したときがあります。ふと自分が問われたら何を書くだろうと考えてしまいました。異動してきての半年の成果を客観的にとらえる難しさを感じます。

 そんなことを思いながらある学級の背面掲示を見ていると面白いものを発見!班のメンバーやめあて、仕事内容を書いたイラスト入りの紙ですが、大きくグループの名前が記されています。「チャー班」や「メロン班(パン)」があります。こういうセンス、大好きです。残念ながら通知表には記載されませんが…。

 今日の全校オンライン集会では、「おもいやり算」の話をします。「+」はたすけあう、「-」はひきうける、「×」は声をかける、「÷」はわけあうというもので、「人を笑顔にする算数」とも言われます。東日本大震災のあとに何度もテレビで流されたので、記憶している人も多いかもしれません。4年生で学ぶ「計算のきまり」のようにかけ算・わり算が優先だとか、カッコの中を先に処理するとかいうきまりはおもいやり算にはなく、どれから先にやってもいいのです。  困っている友達がいれば助け合い、損だなぁという場面でも笑顔で引き受け、互いによく声をかけあい、うれしいことも悲しいことも分かち合うなど、相手の気持ちも尊重して行動できれば、周りの人たちを幸せな気持ちにできるのではないでしょうか。これは大人も同じ!

 三連休明けに、新たな気持ちでまた子供たちと向き合っていきたいと思います。