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校長室から

220 揺れ~る~思い~(23.5.24)

 最近は補聴器をつけていることを忘れてしまうほどになりました。朝出かけるときに、「あっ、忘れた!」と思って耳を確認すると、装着済みであることに気づく始末。眼鏡と同じです。逆パターンですが、かけていないのに眼鏡をはずそうとしてしまったり指で押し上げる動作をしてしまったり…。そんな経験のある人は少なくないはず。感覚が麻痺するわけではありませんが、当たり前になりすぎるとわからなくなってしまうことは多々あります。匂いも各家庭の特有のものがありますが、自分では気づきにくいものです。味もまた然り。

 さて、先週の運動会実施の判断は難しいものがありました。前日からずっと天気予報とにらめっこが続きましたが、いつまで降り続くのか読めません。当日も6時過ぎに学校に着いた時点でまだ霧雨が降っています。一度止んでもまた昼近くまで降りそうな雨雲データも散見されます。悩み迷っていたのは私だけではありません。近隣校の校長も同じ。情報交換しながら早めに実施を決めた学校もあります。ただ、翌日にすれば雨の心配なく確実に実施できます。どのタイミングかは不明ですが、日曜日に延期した学校も複数あります。だんだん弱気になっていく自分に気づきます。だから、「延期しようか?」と体育主任にボソッと尋ねました。すると、少し考えて「僕はやりたいです」とはっきり言ったのです。この気持ちを汲んでというか後押ししたい気持ちが膨らんで、実施に舵を切ったというのが正直なところです。

 運動会に限らず、判断・決断が求められる場面は数々あります。どんな場合でも子供たちの健康や安全などを最優先にします。土曜日の運動会の場合、仮に日曜日に延期すれば、それを賢明と考える人もいれば、結果から「できたじゃないか」と思う人だっています。今回は、昨日の段階で子供たちには「やる方向でいる」と伝えていたので、最高潮に達する子供たちのやる気を、延期によって萎ませてしまいたくないという気持ちが強かったので悩んだのです。

 でも、やってよかった。だって、あんなにキラキラした子供の顔がたくさん見られたのですから。ただ、翌日からコロナ感染が多数報告されていることに、再び思いは揺れます。