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校長室から
283 図書室の先生(23.10.6)
今年度の折り返し地点、前期の終了の日にもかかわらず、私的事情で休まざるを得ないのは残念です。
さて、学級担任をしていたころ、学校司書の方には様々なお願いをしてきました。学校図書館は、図書の時間での利用より教科指導で活躍する場所でした。社会科授業で使う資料を提供してもらったり、国語の物語文の著者が書いたほかの本を市内の公共図書館や学校から一気に集めてもらったり…。調べ学習の基地になっていたのも学校図書館でした。PCが導入され始めた前後でしたが、インターネットで膨大な量から資料を検索するより、まずは図書の利用です。背表紙だけで使えるかどうか判断するのではなく、目次を追いながら選択していきます。よく文章やグラフを丸写しする子供を見かけますが、大事なのはある事実を自分がどう解釈したか。それをノートに記す子供がどんどん増えていきました。
こんなことに担任とともに二人三脚で付き合ってくれる学校司書に私は恵まれました。でも、先日の新聞を読むと、小中高に学校司書が配置されているのは6割にとどまるといいます。学校図書館に欠かせない存在ですが、それが現実。関西のある地域では、一人の学校司書が小中5校を兼務しているといいます。掃除や本の整理に追われて、授業に参加する機会がないと嘆いています。また有償ボランティアに依存する地域もあります。幸いなことに市川市では全校に配置されて、子供たちや担任を支えてくれています。今ある形が、必ずしも当たり前ではないことを知っておく必要があると思います。
私が知る限り、司書の誰もが得意なことやこだわりを持ち、いろいろな工夫を凝らして学校図書館の経営をしています。予算が限られるため蔵書は満足できるほどの充実ぶりではありませんが、それでも子供たちや教員のニーズを大切にして頑張ってくれているのです。
学校評価を見ると、『お子さんは進んで読書活動に親しんでいる』という項目が毎回6割前後で変化しません。「親の前で本を読んでいるかどうか」ではなく、普段は見えない部分にも目をやってほしいと思います。来月には秋の読書月間がやってきます。学校それぞれで独自の活動が繰り広げられます。そろそろ学校司書や司書教諭の頭の中で、今年度の計画が出来上がってくるのではないでしょうか。