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校長室から
103 キャッシュレス(11/2)
金融教育を推進するある研究会が、中学3年生を対象にした「キャッシュレス決済を利用しているかどうか」を調査した結果が公表されていました。その利用率は約62%に驚かされます。交通系の電子マネー(PASMO・SUICAなど)は5割弱、ペイペイやラインペイなどで20%以上です。スマホ決済が1割弱いますし、クレジットカードを利用する生徒も4.4%と決して少なくありません。
確かに、「現金を持ち歩かなくてよい」「支払いがすぐ完了する」「おつりがなくてよい」などメリットはあります。一方で、自分の支払い能力を超える買い物ができてしまう怖さがあります。修学旅行などへ行ってお土産を買う際に、品物の値段をたし算して手持ちの金額を考えながら折り合いをつけるのもよい経験です。ブレーキのないキャッシュレスだったら百害以外の何物でもないようにも思います。
キャッシュレス全盛になると、PASMOなどを持っていないときに電車に乗るために現金で切符一枚買うのも大変になってしまいますし、買い物の支払いでお札ばかり出して、財布が小銭だらけになるなんてことも考えられそうです。ただ、ペイペイの支払い方法だって様々なため、躊躇してしまう人は少なくないと思うのです。
紙幣に目をやると、肖像が時代とともにかわります。千円札の場合、聖徳太子や伊藤博文が今は使われていないのはわかりますが、現在出回っているのは野口英世?夏目漱石?色合いが似ているので、新旧の見分けがすぐにつきません。2年後には北里柴三郎になりますから、ますますわからなくなりそうです。
そういえば、私は中学生の頃から数年間、古銭集めに熱中しました。今も大事にとってありますが、「昭和○年の○円玉は製造枚数が少ないので貴重だ」と知ると、財布の中の硬貨を広げました。十円玉も「縁にギザギザがあるものは玉数が少ない」と言われ、「ギザ十」集めをしました。穴がない五円玉、逆に穴のある五十円玉なども含め、ストックブックに保管したのです。これからを買い取ってくれる店もありますが、二束三文というか百円はやはり百円程度なのだろうと期待はしていません。
キャッシュレスではこんな楽しみ方も薄れてしまいます。