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校長室から
121 ジェンダー(12/2)
師走になりました。年末恒例のNHK紅白歌合戦の出演者が発表されたのは11月中旬。初出演が9組、最多は石川さゆりの45回目。いずれにせよ、顔触れが数年前と大きく変化しました。そして、今年は氷川きよしが紅白どちらでもない特別枠での出場といい、活動休止前のラストステージだそうです。ジェンダーについて常に違和感をおぼえていたと話した氷川さんはジェンダーレス。つまり、「男女の社会的・文化的な区別がないこと、あるいはなくそうとする考え方」のことで、性別にとらわれないでファッションやメイクを自由に楽しむ人といったカテゴリー。
ジェンダーレスは、レスビアン(女性同性愛者)やゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(身体と心の性が一致しない)の頭文字4つをとった総称のLGBTとは異なりますが、長く人にも言えずに悩んできた点では同じでしょう。
学校にも、自分の性に違和感をもつ子がいるかもしれません。「なんか違う」程度で、まだ明確になっていないだけかもしれません。教職員にだって悩んでいる人がいるかもしれません。要は多様な人と一緒に生活をしていることを認め、受け入れる意識が大切なのだと思うのです。同じ兄弟あるいは姉妹でも、「男らしさ」「女らしさ」を一様に求めることは、「わかってもらいたいのに、理解されない」「相談しても無理」といった失望につながりかねません。私たちはまず、目の前の子供・人をありのままにみつめることが大事なのだと考えます。
ここ数年、中学校や高校の制服見直しが進んでいますが、これをすぐにLGBTと結びつけてしまうのはあまりにも短絡的です。制服に関しては、多様性だけではなく、機能性や経済性などといった観点も大事にしているからです。身の回りの人にきっと何らかの困り感があるのではないかと考えながら生活することが求められているのかもしれません。