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校長室から

293 お~い、老い(23.10.23)

 トイレで手を洗うために蛇口を一ひねり。しばらくすると、どこからか甲高い声のような音が響きます。誰かが廊下で叫び声をあげている様子。何事だろう?と思って、廊下に出るために蛇口を戻すと、音がピタッと止みました。一瞬でも「あの子かな?」と思ってしまったこと、ごめんなさい!

 蛇口は経年劣化ですが、人間が歳をとるのは経験の積み上げで素敵なことはたくさんあります。でも、今までできていたことができなくなったり一人では無理だったりすることが増えていき、老いを感じてさみしくなることもあります。父母を見てきて、高齢になればなるほど顕著になっていくことを感じました。

 千葉県の事業の一環で、5年生が介護について学ぶ機会がありました。導入で「お年寄りへの尊敬」「老いるということ」「介護の仕事とは?」の3点について簡単に説明があり、そのあとデイケアセンター長が「介護の未来案内人」として現場での仕事を紹介してくれました。介護職は、相手を笑顔にできる仕事のプロであり、ヒーローあるいは助っ人であると胸を張って教えてくれましたが、全力で人を笑顔にするという点では、教員も負けてはいないと自負しているのは私だけではないと思います。また、「ありがとう」「みんなが待っています」という言葉に勇気づけられるとも言います。要介護者が生活をする施設においては、さらに厳しさを伴うことが予想されます。ただ、一生懸命頑張る人だからこそ、何気ない一言に力が湧いたり気持ちが沈んだりするのだと思います。だから、どんな仕事であっても言葉のキャッチボールは大事にしたいと改めて思います。

 家族間でも相手への尊敬の念と言葉のキャッチボール、忘れずにいたいと思います。