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校長室から
446 落語(24.7.2)
4年生は、ちょうど今国語科で『ぞろぞろ』という教材を通して、落語の面白さを感じ取ったり落語に親しんだりする学習を始めました。子供たちが小さな落語家となって、皆の前で落語を上演することもあります。平田小では、林家のん平師匠が卒業生ということもあって、例年講師としてお招きしてきました。
少し前の給食の放送では、落語の内容を語って聞かせました。『死神』という話。掃除の時間に、「今日の話、面白かったです」と、笑顔で言ってくれた高学年の子がいます。一方で、「オチがよくわかりませんでした」という声もあります。確かに、語りによって情景を思い浮かべられるようにしたかったのですが、うまくいかなかったようで残念です。そこで、敢えて前回も落語に挑戦しました。演目は『寝床』。すると、「○○のところでドッと笑いが起こりました」と、すぐに子供が教えてくれました。
このように、落語は見るものというより、聞くもの・想像するものです。話し手の言葉やしぐさから、自分の頭の中に映像を描く格好の教材。話し言葉は一瞬で消えてしまいます。ですから、聞き手はその言葉を逃さず正確に聞かなければなりません。そうすることで、自然と聞く態度も身につくといえそうです。落語を楽しみながら聞き上手になれるというわけ。
ただ、放送での語りの場合、身振り手振りや表情、目線なども大事にする寄席の落語とは違って、声の抑揚と間の取り方だけで、子供のイメージを膨らませ、頭の中に絵を描かせなければなりません。こう考えると、非常に難しいことに挑戦していることに気づきます。だからこそ、「面白かった」と言ってもらえることは最高のご褒美であり、私自身の成功体験だといえそうです。
初夏の読書週間は6月で終わりましたが、これをきっかけに落語の本を手に取ってくれる子がいたらうれしいです。寄付してもらった本の中にも、子供向けの落語の本を見つけました。今後4年生の教室を覗くと、堂々と落語を演じる場面に出会えるかもしれません。