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校長室から
061 コップの水(7/20)
42日間の夏休みは、これまで背負っていた様々な荷物を一度全部下ろして解放感に浸れる期間です。リフレッシュして9月を迎えてほしいと願っています。
次のような話を読みました。心理学の先生が、講義の中で水の入ったコップを持ち上げたそうです。受講者はてっきり、「水はまだ半分あるととらえるか、もう半分しかないとみるか、どうですか?」と問われると思いました。でも先生は、「このコップの重さはどのくらいだと思いますか?」と尋ねたのです。口々に「△グラム」とありましたが、先生は「正確な重さは関係ありません。むしろ持っている時間が大事なのです」と言い、さらに続けます。「例えば、このコップを1分間持っているのは何の問題もありません。ですが、1時間も保持していればどうでしょう。腕が痛くなってきますよね。さらに、一日中持っていたら腕の感覚が麻痺してしまいます」と。受講者は真剣に耳を傾けます。「人生におけるストレスや不安は、このコップの水に似ているのです。ちょっと悩んだり考えたりしている分には特に何も起こりません。ですが、あることに長く考え続けると痛みを感じ始めます。さらに、一日中考え続ければ、思考が麻痺してきます」と言って、最後に「ですから、コップを下に置くことを忘れないでください」と締めくくったのです。
『コップを下に置くこと』とは、別のことに没頭して忘れたり昇華したりすることと考えることもできますし、誰かに相談したり愚痴をこぼしたりすることととらえることもできます。気づくこと、受け止めること、傾聴すること、そうした気持ちが、誰かを救うことができるかもしれません。
夏休み明け前後、いのちの電話や著名人からのメッセージなどが新聞掲載されます。これらは、子供を自死から救う取り組みの一つ。学校でも相談を受け付けます。遠慮なくいつでも声を聴かせてください!最後に、この1学期間、多くの方にお世話になりました。ありがとうございました。