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校長室から

167 本当の学びに(2/20)

 札幌市の小学校で、低学年児童が配膳用ワゴンを押して運搬中に、防火扉とワゴンの間に指を挟んで切断するという事故が発生しています。本校でも起こりうるととらえて指導・見守りをしていきます。

 黙食見直し子どもプロジェクトチームが集まって、給食時の会話について話し合いを重ねています。長縄練習や百人一首、保健委員会の発表準備など、ロング昼休みはいろいろなことが集中します。ですから集まれる人数は決して多くありませんが、よく考えられた意見が聞かれます。写真のように、百均のハードケース3枚をつなぎ合わせて吸盤で机に固定する、Myアクリル板で飛沫を防ぐアイディアを家族と一緒に考えてきた子。黙食継続派と緩和派双方のことを考えて、メリットやデメリットを発表する子など様々で、感心してしまいます。

 

 自分たちだけで考えるのではなく、広くアイディアを募ってみたいというので、そのための準備も自分たちの力で進めました。今日全校に放送で周知して、アンケート用紙を各階に置き、自作の回収箱に入れてもらいます。全員を巻き込んで、皆が自分事として考えることを意図しているようです。今週末を締め切りにしたので、来週は集まった回答を見ながらさらに話し合います。「そんなことをしていたら、給食が終わってしまう」と思う人もいるかもしれませんが、児童自らが考えて行動することが一番のねらいですから構いません。できることをやりきった、自分たちの考えが形になったという達成感や成就感は何物にも代えがたいものだと思います。

 また、上学年のあるクラスでは、ユーチューブの番組企画に出演したいという有志が、私のもとに企画書を提示しに来ました。学習した百人一首をその番組の中でやってはどうかというアイディアには感心します。学級でも話し合いをしたり保護者への説明・同意書を作成したりしています。顔見せNGの子や参加への承諾が得られない場合なども想定し、その対応も考えたうえで応募したいと言います。相手があることですので採用されるかわかりませんが、子供たちの学びはきっと大きいはず。目を輝やかせた姿がうれしくてなりません。責任をもって応援をしていくつもりです。

166 フル回転(2/17)

 4年生昇降口そばの白門を入った右側にある日時計をご存じですか?昭和44年3月卒業生と刻印にはあります。北極星の方角のほか日本や世界の主要都市の方向もわかります。でも、ほとんど気づかれることなくひっそりと時を刻んでいるように見えます。昭和55年度以降の卒業記念品については、HP「学校紹介」から見ることができます。校内にある様々な物品・環境の歴史をなぞることができて楽しいのです。一方、私が卒業した学校にはどんなものを残してきたのか、頭をフル回転させても思い出せそうにありません。ちなみに6年生の教室では、自分への記念品としてオルゴールボックスを作る姿がありました。きっと来週の懇談会では教室前などに展示されているのではないかと思います。

 

 さて、自動車の運転免許を取って早42年。道路地図を広げれば、知らない道だって日本全国どこへでも行けました。たまに路肩に停車して確認をしたり、曲がる場所を教えるのが遅れたことに腹を立て助手席のナビゲーターと口げんかして嫌な雰囲気になったり…。ナビ役の妻が案内するときは、道路地図帳が顔の前で回転をしていました。進む方向が上にないとわからないからです。

 カーナビが普及し始めたのが1990年代。最初に購入したのが25年ほど前の京都旅行前でした。ある寺院の手前で横道を案内するその指示に従っていくと、進めないしバックでしか戻れないどん詰まり!高級品でしたが、今ほど精度は高くなかったようです。でも、ナビが当たり前になり精度を増すにしたがって、車内の口喧嘩は姿を消しました。一方、道を覚えなくなったことを感じます。以前なら頭の中の地図網がピピピっと反応したのに、頭をフル回転させますが道はつながりません。脳内細胞の死滅でしょうか?

 走っていても、車を運転していても、「この道はどこにつながっているのだろう」とついつい脇道に逸れてしまいます。新しい発見にわくわくしてしまう気持ちは今も昔も変わりません。話が脇道によく逸れるのもそのせいなのかもしれません。

165 あきらめない(2/16)

 身近なだけに逆によく知らない、気づかないものの代表に「ねじ」が挙げられます。様々な製品や機械類に使用されていますし、ホームセンターへ行けば木工用のねじからコンクリート用ほか、目的に応じて形状や大きさなどを選べます。工場で自動車を組み立てる際には、「お(雄)ねじ」と「め(雌)ねじ」を使用します。馴染みのない言葉ですが、「おねじ」はいわゆる一般的なねじ、ボルトのことです。そして「めねじ」はナット類を指すそうです。先日読んでいた池井戸作品にもねじ工場が登場しましたが、一個一個の単価は低いものの、職人はプライドを持って仕事をしています。

 あるテレビ番組で、このねじ職人が取材を受けていました。総理官邸などで使われる、締まるけど開けられない手裏剣ねじやモバイル関係で使用される特殊ねじ等が紹介されました。驚きの連続でした。日本ではプラスねじが主流ですが、昭和40年代からマイナスねじを駆逐していったことも知りました。あんなに小さいのに、私たちの生活を様々な場面で支えていると考えると偉大です。そういえば3年生と秋に現代産業科学館に行ったときに、企画展『ネジる ツナガる -モノ×ネジ×ヒト-』をやっていたのを思い出しました。橋に使用される巨大ねじや火縄銃に使用されたねじもあったようです。じっくり見ておけばよかったと後悔です。

 また、ハエで家畜の糞尿を肥料にすることを研究している人をニュースで知りました。ハエの交配を繰り返して、サラブレッド・ハエを生み出すために20年もの歳月を費やしています。一つのことを追い続けることは並大抵の覚悟ではできそうもありません。さらには、イチゴ栽培でミツバチの代わりにハエを使うことが始まっています。いずれの場合も、ハエのマイナス印象を払拭することが先決でしょうか。

 先週パラアスリートから、普段心がけていることを直接聞く機会がありました。「面倒だからやりたくないこと」と「できないこと」を一緒にしないということだと言います。ねじ職人にも研究者にも大きな壁が立ちはだかることがあったでしょうが、できる方法をなんとかして見つけようとする強い思いがまさった結果が成果となって表れているのではないでしょうか。小学生であっても、「あきらめない」カッコよさを追求してほしいと思います。

164 珍しいかもしれない?(2/15)

 ニュースを見ていると、「蜂須賀君が…」というアナウンサーの声がしたような気がします。いつもの聞き違いだと思ってみていると、広島県の高校の相撲部が神社の拝殿で寒稽古する様子が報じられています。その中で蜂須賀君が取材に応じている姿を見て、空耳でないことが確認できました。

 今放映されている、吉高由里子さんと北村匠海さん主演のドラマ『星降る夜に』でも、産婦人科看護師として蜂須賀志信が登場します。また、2021年には『ドクターX』で野村萬斎さん演じる蜂須賀隆太郎は記憶に新しいところ。さらに遡って、山下智久さん主演の『アルジャーノンに花束を』(2015)でも石丸幹二さんが蜂須賀大吾の役を演じ、『ハンマーセッション』(2010)では速水もこみちさんが…。最近読んだ本にも登場するなど結構あるのです。

 これは、何年か前にどこかに書いたことですが、個人医院で蜂須賀さんに偶然出会いました。親戚ではありません。受付を済ませて待合室で座っていると、看護師さんが「蜂須賀さ~ん」と呼びます。「はい」と返事をすると、中待合からも同じように返事をする男性の声。私が中待合に入ると、年配の男性から「おたくも蜂須賀さん?」と親しく話しかけられました。仲間意識というか連帯感というか、不思議な気持ちが生まれます。

 さて、今では珍しくなったものはたくさんありますが、「灰皿」はその典型かもしれません。学校にも来客用にアルミの灰皿が何枚も湯沸かし室にありました。校長室にもガラス製の重たい灰皿が用意されていたものです。いったいどこへ消えたのでしょうか。町でも店でも喫煙所は至る所にありましたが、今はそれを探すのが大変な時代。一方、それに反比例するようにたばこ代はうなぎ上り。大学生のころ200円だったセブンスターが、今では560円もするようですから…。喫煙者は肩身が狭い?

163 餃子(2/14)

 ホームページの屋上からの風景を追加・更新しようと、先週展望台や屋上へ行って写真を撮りました。第1校舎屋上ではフェンスが邪魔でうまく写真が撮れません。フェンスの外側に出てフォトスポットになりそうな場所へ行こうとフェンス扉を開けて一歩踏み出しました。高所恐怖症の私、怖くて尻の穴周辺がモゾモゾします。すぐにあきらめました。でもその近くで「ど根性サボテン」を2か所に発見!弱々しいですが、不定期にでも観察してみたい気がします。

 

 話は変わって、ラーメン屋や中華料理店で食べる餃子。店ぞれぞれの味を持っていて楽しみがあります。以前、市川駅北口にあった「ひさご亭」が大野店だけになって久しいですが、あのジャンボ餃子の味が懐かしい。習志野にある(あった?)ホワイト餃子が好きな人もきっといるはず。ただ、大きさに関係なく何皿も食べたいものではありません。一方、家庭で作る餃子は不思議と箸が進みます。気づけば何十個も食べています。息子がいた頃は、競い合って食べたり相手にわからないように1個キープしておいて、息子が食べ終わった時に取り出して「あ~おいし~」と大人げないことをしたり…。具に入れるものだって、ニラや白菜、キャベツ、玉ねぎなど家庭ごとに違うことでしょう。冷凍餃子で楽をしたいときもあれば、親子で話をしながら餃子を包む時間も楽しいひとときだと思います。

 さて、総務省が行った家計調査で、ギョーザの1世帯(2人以上)当たりの年間購入額1位が宮崎市であったことが発表されました。2年連続だそうですが、餃子の町として知られる宇都宮市や浜松市を抑えての堂々1位です。調査は、スーパーなどで購入した持ち帰り生餃子と焼き餃子が対象で、外食と冷凍食品は含まないといいます。もし外食まで含むと、やはり宇都宮市に栄冠が輝くのでしょうか。また、家庭で手作り餃子を食べることの多い都市のランキングだったらどんな結果になるか興味津々です。

162 バレンタインデー(2/13)

 足指4か所にできた霜焼けは痒くはないのですが、革靴に当たってちょこっと痛い!

 さて、明日はバレンタインデー。日本では愛の表現として、男性に女性がチョコレートを贈る日として定着しているので、デパートやスーパーでは多種多様なチョコレート菓子が山積み。昨日のあるデパートでは、開店前から目的のチョコを買うための長蛇の列ができていました。ただ、この女性が男性にチョコレートを贈るという習慣は日本独自のもので、戦前にモロゾフ製菓が英字新聞に掲載した広告が始まりとされる説と、戦後数年経った頃のメリーチョコレートがデパートで行ったセールが始まりであるという説に分かれるようです。後者の場合、セール3日間で3枚しか売れなかったという話が残っています。チョコは別にしても、バレンタインデーの歴史はローマ帝国時代まで遡るとされるようです。

 担任時代は、子供たちがバレンタインデーにチョコレートを持参してプレゼントすることが流行りました。それを禁ずるとこっそり手渡していた場面も…。そして、手作りが主流でした。そんなバレンタインデーも様変わりしているのかもしれません。

 先週、第八中学校を訪問した際に見た1年生の学級新聞。トップ記事はアンケート結果でしたが、「今、つきあっている相手・好きな人は?」という設問に対して、「いない」が半数。「いる」が2人であとは「秘密」という内容。さらに、「理想の結婚年齢は?」に対して8割弱が20代、2割弱が独身、10代と30代が1人ずつ。紙面の下方には、「クリスマス、だれと過ごした?」といった内容も…。中1らしい?だから、次の学級新聞はきっとバレンタイン&好きな先輩の特集ではないかと勝手に予想しています。

161 今できることに挑戦(2/10)

 三浦知良選手がポルトガル2部チームへ移籍。55歳、プロ38年目のシーズンになります。前例などなく、不安も小さくないはずですが、常に前を向いた挑戦は続きます。

 長年頑張っているといえば、市川市クリーンセンターも同じ。1994年から稼働開始しましたので28年経ちます。「なんだ、まだ28年じゃないか」と感じるかもしれませんが、市川市ではクリーンセンターが1か所だけですから、負担や稼働率は極めて大きいはず。建て替え計画もありますが、その費用も莫大。世界の国別ごみ焼却割合をみると、ダントツで日本が一番!OECDヨーロッパ全体の平均が25%に比べ、80%に届こうかという勢いです。

 そんな日本にあって、徳島県上勝町ではごみを徹底して45分別して、リサイクル率は81%という“ごみゼロの町”を目指しています。東京は24%といいますから驚異的な数字です。約20年前に、全国で初めてリサイクル率100%を目指す“ごみゼロ”宣言をした町です。丁寧に分別して無駄な税金を使わないように努めているといいます。生ごみは自宅処理。45分別についても、都心から移住した人は、「東京はごみ収集の曜日が決まっているし、何時までに出さなくてはいけないとか制限がある。ここでは、自分の好きなタイミングで捨てに来られるから、慣れればこっちのほうが楽」と言います。小さな町だからできるのではなく、皆が納得して取り組んでいるからこそ成果を上げているのだと思います。ただ、課題は高齢化対応だとか。1か所しかない集積所に持ち込めないお年寄りのための収集などです。

 4年生の社会科「健康なくらし」という大単元で、「ごみの処理と利用」「くらしと水」について学びます。最後には、再利用や無駄を極力なくすことなど、自分たち一人一人にできることを考えるのです。その時の自分の思いが時間とともに萎んでいかないでほしいと願います。前向きな挑戦をぜひ学校と家庭から!

160 ニヤニヤ(2/9)

 昨日の朝、飼育していた2羽のウサギの死を悼む放送と黙とうが行われました。手を合わせて拝む場所をつくり、写真などを設置しました。

 放送といえば、1月から始まった新番組がたくさんあります。面白そうだと思うと、手あたり次第録画。でも、観られる時間には限りがありますから、あれよあれよという間に溜まっていきます。一晩に2本観ないと消化できなくなるほどで、「これっ、つまんなさそうだから消すよ」と、主観というか先入観というかを前面に出して一度も観ないうちに危うく消去されそうになります。ただあまり強く否定できません。なんたって1年近く経っても見ていない番組が残っていたくらいですから。

 ある日、何十冊もあるアルバムから1冊を眺めながらニヤニヤしていました。娘が2歳になった日の誕生会の家族集合写真です。両方の両親を家に招いてみんなでお祝いしたのです。私も若いけれど、両親も若い!数えてみると、その時の父の年齢が今の私よりも少しだけ若い計算になります。ということは、私自身が写真の中の父のように見えているということ?まだまだ若いと思っているのは、自分だけのようです。

 校長室で子供と話をしながら、昼食代が話題になりました。「会社員と学校の先生とでは、1年間の昼食代が10万円くらい違う計算になる」と試算した結果を話してくれます。順序だてて説明する姿に聞き入ってしまいました。確かに、1食ワンコインの500円とした場合、月20日食べると1万円。仮に700円だったら月1.4万円の支出です。学校給食は月5千円計算ですから、差額は少なく見積もって月5千~9千円。1年で6万~11万円にもなります。給食は栄養バランスがよく、適量ですから健康にもよいわけで、以前にも書きましたが私は給食で40年近く生かしてもらっているのです。

 話があちこちに飛びましたが、今日の献立にすき焼き煮とかマカロニサラダという文字を見つけて、ニヤニヤしながら「ありがたや~」と心の中で唱えています。

159 健康のために(2/8)

 電動歯ブラシが、私の口腔ケアに欠かせない存在になっています。3機種目になりますが、歯並びの悪い私には、痒い所に手が届く一品。最初は「カバの歯磨き」と言ってバカにしていた妻も、いつの間にか使用するようになっています。

 健康のためにといえば、現在使っているスマートウォッチも必需品かもしれません。最初は万歩計代わりでしたが、スマホと連携して着信が手首でわかるものがあると知って交代。さらに睡眠の質を計測できると知って交代。今のものは、これらに加えてGPS機能があるので、スマホを持たなくてもランニングの距離や時間、速度などを測ってくれるのでとっても便利。一方、睡眠計測機能は最初よく使いましたが、今ではごくたまにしか確認しなくなってしまいました。

 2月5日の朝日新聞に、児童生徒の睡眠に関する記事がありました。江戸川区のある小中学校で希望者の協力で睡眠を計測したそうです。データの収集とともに、子供本人と保護者が睡眠の質を知り、睡眠に関する知識を増やしてもらうことを狙ったといいます。実際、睡眠時間が短かったり、就寝時刻が遅かったりする結果がみられますが、多くの児童生徒が寝る時刻と起きる時刻を意識して、生活リズムを見直すきっかけになったそうです。

 よい睡眠のために、生活習慣を整えることは言うまでもありませんが、日中の適度な運動、朝日を浴びて朝食をとること、夜食は控えること、布団の中でスマホやゲームはしないことなど、「平田っ子生活習慣チェック表」から振り返り、できることから始めて続けることが大事だと思います。

 また同日の記事には、「給食モグモグ…」と題した記事もありました。大阪府の小学校6年生を対象に、デジタルヘルス機器を利用して、食事中の噛む回数や姿勢などをデータ化するのだそうです。本校では、保健委員会が中心となって全校に訴えかける健康テーマも「姿勢」。学校医の渡邊先生のお話も動画撮影します。そして、3度の食事に欠かせないのが「噛む」という行為。よく噛んで食べることには、歯周病等を防いだり肥満を防止したり、脳の発達を活発にしたりする効果があることはよく知られています。

 様々なフィルターを通して、自分の健康に関心を持ち、よりよい行動・選択ができる子供たちに育ってほしいと思います。

158 夢は広がる(2/7)

 孫が立派なキッチンキットで遊ぶ姿を、インスタのストーリーで見ることがあります。遊び道具も本格的になって、ごっこ遊びも様変わりしています。

 「サラリーマン川柳」から「サラっと一句!わたしの川柳」に名称がリニューアルされて最初のコンクール優秀100作品が1月下旬に発表されました。そして現在、ベスト10を決めるための投票が行われています。100句には、新型コロナが流行して3年が経つ今の世相を反映させるような作品や「二刀流」の文字が並びます。そんな中に、『我が娘 お店ごっこが セルフレジ』(北鎌倉人さん)や『現金か ペイペイですか おままごと』(大和の雨蛙さん)といった句を発見!幼児の遊び方までが変わっていくのかもしれません。

 さて子供のころ、自分の夢を広げ、どこまでも行けそうな気にさせてくれた夢の遊び道具、それが自転車でした。自分の行動範囲とワクワク感を掻き立てる立派なおもちゃです。ハンドル中央のボルトに「G」マークを黒マジックで書いたのは、マッハ号のハンドルに見立てて…。でも名前は「流星号」。そして、小学校高学年では、フラッシャー付き自転車(写真参考)を買ってもらいました。八千代から印旛沼や成田まで、近所の友達と小旅行というか冒険の旅に出かけました。大人になってマウンテンバイクを通勤手段にした時もあります。クロスバイクを安く譲ってもらって、ヘルメットや手袋を揃えて週末に20kmくらい走ることもありました。2本足より行動範囲がぐんと広がると、「今日はこっちへ行ってみよう」と思うままにペダルを漕ぐのです。だから一時期、もっと速く、もっと遠くへという気持ちが膨らんで、ロードバイクを手に入れる計画を練ったこともありました。

 子供用自転車の補助輪を外すタイミングが、偉大なおもちゃに変身する瞬間なのかもしれません。「ちゃんと支えているから大丈夫だよ~」と安心させて、荷台から軽く手を放してみると、自分でスルスルと走り出す子。まだ支えてもらっていると勘違いしながら…。何かができるようになる時ってこんなもの。人材育成においても、その人がまるで自分の力で成し遂げたような気持ちにさせられたなら最高だなと思うのです。