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校長室から

028 見逃さない!(6/1)

 2週間ほど前のネットニュースの見出しに、“理解されないパニック障害の男性が発作 偶然いた高校生ら助ける 男性が感謝”とありました。

 パニック障害とは、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」を三大症状とする病気で、およそ100人に1人が発症するといわれるものです。突然襲いかかる恐怖や強い不安によって、動機や眩暈、呼吸困難などに陥ってしまうのが「パニック発作」。自分は死んでしまうかもしれないと思うほどの恐怖を感じることがあるそうです。にもかかわらず、症状がしばらくすると消失し、検査では異常が認められないとか。でも、また発作を起こすのではないかと心配(予期不安)が募り、通常の生活を送ることがままならなくなる場合があります。いつ生じるかわからない発作に備えて、助けを得られない状況を回避しようとすることを「広場恐怖」といい、パニック発作が起こると、自分一人の力ではどうしようもできなくなって、誰かに助けてほしいと思うのだそうです。身近にいたとしても、その辛さを理解するのは容易ではなさそうです。

 上の記事の男性がなかなか収まらない発作に苦しんで道端に座り込んでいたところを、通りかかった高校生が「大丈夫ですか」「水を持ってきましょうか」と口々に声をかけ、寄り添ってくれたそうです。同じような場面に出くわしたとき、大丈夫かなと思いつつもなかなか行動に移せないものです。「本当に大変な状況なら、きっと他の人が駆け寄って対応しているはず」「そうではなく皆が通り過ぎていくなのだから、なんでもないはずだ」と自分を納得させてしまうような気がするのです。もしかすると「ヘルプマーク」を下げている人かもとか、傍目には分かりづらい苦しさに耐えているのかもしれないと考えて、行動に移せる人でありたいと思った次第です。

 学校の中でも何らかのサインを送っている子がいると思って、アンテナを高く感度を磨いて6月も頑張ります。