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校長室から
590 春眠不覚暁(25.3.19)
朝起きて、洗面台で髭剃りと洗顔が最初の日課。眼鏡をはずそうと両手をこめかみ辺りに持っていくと、なぜか空振り!あれっ、眼鏡をかけていなかった。寝ぼけているわけではないのに、あるあるの行動です。
卒業式当日の昨日の朝は、髭を普段よりきれいに剃るために、電動ではなくカミソリでやってみました。いつもは入浴時に髪と一緒に剃るので、朝の乾いた肌と髭にはカミソリ刃が痛い!剃り終わって薬用ローションを塗ると、一層ヒリヒリして目が覚めます。思わず、「う~ん、マンダム!!」(昔のCM)と言ってしまいそうに…。
漢詩『春暁』にある「春眠暁を覚えず」は、教科書にも載る有名な文句。「春の眠り心地がよいので、朝になったことに気づかず、つい寝込んでしまって目が覚めない」といった意味です。確かにこれからの時期、一度目が覚めた後、自分を甘やかすようにとろとろとまどろむ時間は何とも言えません。仕事のある日も、まずスマホのアラームがけたたましい音楽を奏でます。オフにして、またウトウト。すると、10分後に腕からブルブルと振動が…。さっきスマホを止めて、ものの1分しか経っていないような感覚で仕方なく起きだすわけです。だから、土日の幸せな気持ちに特別感があるのかもしれません。
先の詩は、「春眠不覚暁/処々聞啼鳥/夜来風雨声/花落知多少」と続きますが、「国破れて山河在り」(『春望』)とともによく知られる五言律詩。きっと中学校で勉強したのでしょう。春の日差しで暖かさの満ちた教室には、眠気という魔物と戦いを繰り広げる子供たちが増えてくるかもしれません。
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