ブログ

九十九里海の塩プロジェクト(工場見学)

  ↑ 皆さん、千葉県で塩を作っている生産者さんがいることを知っていましたか?九十九里海岸の美しい海から、

             潮汐を見極めて汲み上げた海水から作られる山武の海の塩。機械をなるべく使わず、昔ながらの製法(平釜、

             薪で焚いています)で海の恵みを最大限に引き出す塩づくりを行っています。今回は、地域文化の伝承、自然

             環境の保全、地域活性化を目的に活動している「株式会社 九十九里海の塩プロジェクト」(山武市)さんを

             訪ねてきました。

   ↑ 薪の火力でじっくりと加熱、蒸発させて塩を作ります。そのためには大量の薪が必要で、地元の間伐材や

             廃材を薪にしています。工場の敷地内には最近千葉県内のある学校から届いた木がたくさん置いてありまし

             た。これは薪を割る機械です。太い木はあらかじめチェーンソーで切れ目を入れてからこの機械にかけると

             割れるそうです。

  ↑ 太い木を割り、さらに割っていきます。安全にも注意しながらの作業となります。

  ↑ 九十九里の海から海水を入れて運搬するタンクです。

  ↑ 九十九里の海水です。とても透き通っています。この海水から塩ができます。

  ↑ 薪の火力で4日間かけてじっくりと加熱、蒸発させていきます。遠赤外線効果で美味しい塩が

            できるそうです。火力調整のため、薪の大きさなどを見極めて入れていきます。

  ↑ 塩を焚く釜は3基あります。1基目では海水を入れて焚きます。2基目ではさらに焚きあげて

             鹹水(「かんすい」、濃縮した海水)の濃度が上がってきます。水分のみが蒸発し、塩分は蒸発せずに

             残るため、塩分濃度がどんどん上がってきます。3基目では仕上げの炊き上げで、ゆっくりと焚きつめ

             ていき、水分が減り、塩の結晶となります。

  ↑ 塩を急いで作る(機械で無理やり水を抜く)とナトリウムが多く尖った味(しょっぱい)になります。

            じっくりと作ることで、カルシウムが豊富で味が尖ってなく、まろやかで甘みを感じることができます。

            すくった白いものが塩で、下に滴り落ちているのが「にがり」です。「にがり」は、豆腐を固める時に

            使ったり、ごはんを炊く時に数滴入れるとふっくらと美味しいごはんに炊き上がります。

            塩はこの後、天日干しをして異物が無いかの検品を行い完成となります。1トンの海水から20kgの

            塩しか作れません。また、完成まで1週間ほどかかるので、とても大変なお仕事です。