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2025年7月の記事一覧

061_粋(25.7.10)

 へぇ~、「YOKOHAMA AIR CABIN」っていうんだぁ。テレビドラマを見ていると、時々高層階のオフィスの窓越しに空中ゴンドラが動くシーンがあります。まるで近未来のような光景です。「日本初、世界最先端の都市型循環式ロープウェイ」という謳い文句です。高所から街を見下ろして、楽しみながら移動できる施設。往復券だと1800円、なんて言ったら無粋?

 ラジオショッピングから始まり、創業から30年目となる「ジャパネットたかた」は年商数千億といわれます。創業者・高田明社長の独特の声でしゃべるプレゼンは天才的ともいえました。どこにでもあるような商品をガンガン売ってしまう手法は、一般的なセールスマンとどこが違うのでしょう。そのヒントになるエピソードがありました。

 当時、「一眼レフカメラ」を売ろうとしていた高田社長。もし自分が売り込むとしたら、どんなポイントを挙げるでしょうか。画素数の高さからきれいな写真が撮れること?軽量なので、どこにも持ち運べること?望遠レンズで遠くの景色まで鮮明であること?魅力として考えられることは様々です。でも、高田社長は、こう売り込んだのです。

“お子さんが生まれたら、毎年1枚、よいカメラで写真を撮って、それを新聞の大きさに伸ばしてください。すると、成人の日までに20枚の大きな写真が揃いますよ。それを、お子さんにプレゼントするんです。最高の贈り物になると思いませんか。それができるのが良いカメラなんです。皆さん、スマートフォンで撮りますね。でも、誰もプリントしない。それでは感動は生み出せません”と。商品をモノとしてではなく、ストーリーで売り込んでいるのです。価格やスペック以上に、聞く者をストーリーの主人公にしてしまうなんて粋ではありませんか。真似をしたい!

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060_あぁ勘違い(25.7.9)

 日常の取るに足らないこと、瑣末なことほど可笑しさを感じます。趣きや風情はないので、平安文学に見られる「いとおかし」とは表現できませんが…。

 新聞の下方にある雑誌の見出し。「ケアレス・ミスをなくす○○」という一文を見て、ずっと昔の勘違いを思い出しました。家族には「あり得ない!」とバッサリ言われましたが、「ケアレ・スミス」だと思っていたのです。こう考えると、似たことは結構あるものです。「ふくろはぎ」と書いた作文を朱で担任に直されたり、「アルプス一万尺」の歌を「♪子ヤギのう~えで」と歌ったり…。声にはしないものの「台風一家(一過)」「ハロー(波浪)注意報」と音を文字化していましたし、ウィンナーコーヒーに入ったソーセージはどんな味なのだろうと想像したりもしました。また、天ぷらやおひたしにする「おかひじき」は、未だに人名に聞こえてしまう私。

 こんなこともありました。私は自車を「BT5」という型式で呼ぶことがあります。先日、妻とのLINEに「BT5のオフ会があるのだけれど…」と送ったら、「いつからBTSのファンになったの?」と返信。全員が兵役を終了したというニュースを見た直後だったからかもしれません。確かに、「5」は「S」にも見えます。

 また、ハラスメントが多岐にわたるのは誰もが知ること。そこまで行くかぁという最たるものが「フキハラ」と勝手に決めつけています。「不機嫌ハラスメント」以外に、我が家では「音ハラ」が出現しました。車に乗ると、Bluetoothに接続されたスマホの音楽が流れます。でも、好きでもないのにそれを聴かされること自体、ハラスメントだと…。もしかすると新語登録されるかも?なんて勘違いも甚だしい。

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059_野球盤(25.7.8)

 キックスケーターやキックボードという名称が出てこなくても、「ローラースルーゴーゴー」と言えば通じてしまう私たち夫婦。『ちびまる子ちゃん』にも、「ローラースルーゴーゴーをどうしてもほしいの巻」があります。ただ、この大人気商品も2~3年でブームの終焉が…。事故がやり玉に挙げられて、危険な乗り物とされたからでしょうか。それが今では、電動です!

 エポック社の野球盤が大人気だった世代の私。デラックス盤でよく遊びました。その後、消える魔球が搭載された野球盤が登場するなど、令和の時代まで改良に改良を重ねて続いてきました。でも、それより楽しかったと思い出すのが、手作り野球盤。小学校高学年だったか中学生だったか、自作して遊んだのです。

 透明ビニールシートをめくると、紙などを挟める下敷きがありました。それを球場に見立て、「ヒット」「ホームラン」「アウト」「三振」などといったエリアを紙に書き込んで挟みます。消しゴムのカスを固く丸めたボールをホームベースに置いて、シャーペンをバットにして弾きます。下敷きから落ちてしまうと、「アウト」だったか「ファール」だったか?

 高校野球をイメージしていましたので、対戦表も作ります。各県代表校を架空の学校名でいくつも考えます。大会が重ねると様々な代表校が登場させなければならないので、地図帳で地名を調べます。不思議なことに贔屓の学校があって、ちょっとだけズルして勝たせたりすることもあるわけです。こんな感じで、机の上で延々と試合が続きます。いつ勉強していたのだろうと思うと同時に、一人飽きもせずよく没頭できたものだと感心してしまいます。

 千葉県予選は、明後日から約2週間行われます。147チームの熱い闘いは、野球盤より断然面白い!

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058_こっくりさん(R7.7.7)

 夏になるとお化け屋敷や肝試し、怪談などが若干増えるような気がします。テレビ番組でも『ほんとにあった怖い話』が恒例になっています。夏休み前の学級会で、お化け屋敷をやりたいという案が可決されたことがあります。教室を真っ暗にするのは至難の業です。でも、段ボールをガラス窓に貼り、理科室の暗幕を借りて暗闇を作った子供たち。どうやって怖がらせたかは忘れましたが、やりたいことを自分たちで形にしていく過程をうれしく思ったものです。

 中学生の時だったでしょうか、「こっくりさん」が流行りました。漢字では「狐狗狸」と書き、狐の霊を呼び出してお告げを聞くといった一種の占いでした。遊び半分でやると呪われて、精神異常をきたすと怪談話としても語られます。

 机の上に鳥居を描いた紙を置きます。「はい・いいえ・男女・漢数字・五十音表」も記入されたもので、その上に硬貨を置いて、参加者全員が人差し指をその上に添えるのです。脱力したまま「こっくりさん、おいでください」と唱えるとあら不思議、硬貨が動き出すというもの。きっと誰かが動かしているのだろうと思いながら遊んでいたのです。

 当時のオカルトブームの影響で、つのだじろう氏の恐怖漫画をよく読みました。エピソードも絵も怖くてこっくりさんからも遠のいていきましたし、ボットン便所から手が出てきて引き込まれるかもしれないなんて、中学生が真剣に怖がっていたのです。

 今日はスリーセブン!敢えて表題の年月日を普段と変えてみた七夕です。

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057_失敗は神様の贈り物(25.7.4)

 幾多の衛星や探査機を宇宙に届けてきたH2Aロケットの最終50号機が、6月の終わりに打ち上げに成功しました。20数年前の6号機の打ち上げ失敗以降、一度も失敗することなかった国産ロケットの成功率は98%。技術者の一人は、「失敗は神様の贈り物」という思いを大切にしてきたと言います。「失敗は、自分たちの考えが及ばなかったことに気づかせてくれる」「改善すれば、次は必ずうまくいく」という信念と入念な準備には、頭が下がる思いです。1機100億ともいわれるH2Aから低コストのH3ロケットに引き継がれますが、技術力の継承だけを目的にしてほしくはないと思うのです。

 やはり6月下旬に、1年生が大根の収穫を行いました。深く根を張っているので1年生は悪戦苦闘です。株元を前後左右に揺らすのですが、グラグラすれども抜ける気配はありません。ある子は真ん中辺りで折れて、残り半分は土の中。ある子はすんなり抜けたと思ったら、まるで白ゴボウ。ある子は泣きべそ状態で助けを求めます。終いにはあちこちからSOSの声がかかります。手を引いて自分の場所に私を連行する子もいます。最後に引っ張ればよいだけにしておくと、抜けた大根を掲げて笑顔で担任のもとへ駆けていく姿が微笑ましい。

 国語科で『おおきなかぶ』を学習するのが今頃だったような?「それでもかぶはぬけません」というフレーズの繰り返しは、大根の収穫体験を思い出させてくれるかもしれません。動作化や「うんとこしょ、どっこいしょ」などの読み方に、この経験が生きることを期待します。

 それを引き出すのが教員のチカラ!日々の学習の積み重ねにより、ロケット開発者や宇宙飛行士を目指す子が現れるかもしれません。今日6年生が学ぶ「縄文体験」は、将来の考古・歴史学者を掘り起こすかも…。うんとこしょ、どっこいしょ。

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056_かもしれない(25.7.3)

 柏井小の子供ってすごい!と感心すること。雨の日に細い道に車がやってきたとわかると、道の端に避けるだけでなく、それまで差していた傘をすぼめて車とぶつからないようにするのです。そうした所作が身についている子が一人や二人ではないことに驚きます。

 逆に、どこの学校でも同じですが、挨拶をしても視線すら合わせない子がいることは残念です。私は透明人間なのかなと疑ってしまうほどです。旗当番や見守りボランティアの方の嘆きもわかります。ほんの一握りであっても、それが全体かのように強く印象付けられることもありますからもったいない。

 ある日、学校から帰ると、テーブルの上にリンゴが乗っている。でも、「もしかしたら、これはりんごじゃないのかもしれない」「大きなサクランボの一部かもしれない」「何かの卵かもしれない」と妄想が広がっていく主人公の想像力を描いた絵本『りんごかもしれない』は絵本作家ヨシタケシンスケさんのデビュー作です。

 この「かもしれない」という想像力・発想力は、危機管理にも応用できそうです。車の発進時や左折時などに、死角に入った幼児・児童がはねられる事故が相次いでいます。運転者は、「子供がいるかもしれない」と考えるべきですし、子供は「気づかれていないかもしれない」「歩行者用信号機は青だけど、車が止まらないかもしれない」などと最悪を想定することで事故を回避することができます。地域では、「このブロック塀が地震で倒れてくるかもしれない」「あの暗がりに人が潜んでいるかもしれない」と想像豊かにすることは自分を守ることにつながります。昨日、1年生と3年生が交通安全教室を受講しましたが、知識と実践は自分の身を守ります。ただ、必要以上にネガティブならない程度に。

 AIに依存しすぎることなければ、物は使いよう。そして、自分の頭も使いよう。

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055_ようせい(25.7.2)

 今日から6年生の卒業アルバム用の写真撮影が始まります。授業場面や委員会の写真、集合写真などいろいろです。私自身、撮影がある日に合わせて剃髪する日を決めます。誰も気にしないし気づかないと言われても、2日目の髪が丁度よいと決め込んでいるのです。

 ある日、前任校の同僚の先生からラインが届きました。今、ChatGPTでの画像作成に嵌っていると言うのです。さらに、卒業アルバム用に撮影された私の写真を加工したものが添付されます。「この写真を蜂の妖精にして!」とお願いしたそうです。さすが妖精!ジジイに似ず、可愛くてなかなかの好印象ではありませんか。しばらくの間スマホの壁紙にしています。

 さてここ最近、頓(とみ)に人の名前が思い出せないことが増えたような気がします。ドラマに出る有名な俳優も同様で、「○○というドラマに出て○○の役だった、ほらっ、あの人だよ~」といった感じ。先生の名前もそう。毎日顔を合わせているのに、肝心な時にド忘れしてしまうわけです。顔は思い浮かぶけれど、名前が出て来ないことは日常茶飯事です。きっと名前を覚えるシナプスがブチブチに切れているのかもしれません。残念なことに子供の名前も、覚えた翌日に「あれっ?」なんてこともしばしば。そんな時は、記名された上履きや名札をカンニング。

 ただ、「先生」というワードに関しては超便利。医者・議員・教員なら、「先生」と発しておけば苗字なんか二の次。名前を思い出せなくても、問題なく会話が成立。そしてとんでもない時に、突然その名を思い出すのです。

 「今朝のおかずは何だっけ?」「今朝、ご飯食べたっけ?」とならない頭に養成しなければ!

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054_半夏生(25.7.1)

 昨日の給食にあった「夏越(なごし)」の厄除けは、恥ずかしながら初めて知りましたし、京都では古くから6月の最後の日に「水無月」(和菓子)を食べる習慣があって、一年の半分の穢れを落とし、残り半分の厄払いをするということも少し前に聞きました。

 さて、今日は「半夏生(はんげしょう)」という、節分や彼岸、八十八夜などと同じ雑節。この半夏生は、夏至から数えて11日目(一般的に7月2日)から七夕までの5日間を指し、この頃に「天から毒が降り、地から毒が生える」という言い伝えがあったため、農家は半夏生までに田植えを終わらせるという習慣まであったといいます。

 また、関西では半夏生の頃に、豊作を祈ってタコを食べる習慣があります。これは、作物がタコの足のように大地にしっかり根を張ることを祈願するという意味が込められているのです。タコにはタウリン(ファイト~、イッパ~ツ!)が豊富に含まれるため、蒸し暑さなどから疲れが増すこの季節に食べるのは理にかなっているようです。讃岐では半夏生にうどんを食べる習慣があるといい、7月2日を「タコの日」あるいは「うどんの日」としている地域があるのです。

 気が付くと今年も後半戦。新年度から数えても4か月目です。振り返ってみたときに「何をしただろう」「成果と呼べるものは何だろう」と焦りを覚えます。できることを「自分から積極的に楽しむ」という姿勢を、残り半年貫いていくための振り返り地点だと思います。そんな気持ちが、時間とともに薄れてしまわないように気を引き締めます。

 相変わらず高値が続いているタコ。「タコの日」に限らず、誰かが口に入れてくれるタコなら刺身でもたこ焼きでも遠慮なくいただきます。

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