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2024年10月の記事一覧

493 あおとあか(24.10.16)

 晴れた日の真っ青な空が、高く見えて秋らしさを感じさせます。「水色」「空色」など、様々な表現がありますが、ざっくりまとめれば「青」系です。でも、「蒼」「碧」「藍」を使う場面も見受けられ、文字から伝わる印象や微妙なグラデーションも人それぞれのはず。

 「あお」は、空の高みの澄み渡る色でもあり、海の深さを表現する色でもあります。朝靄の中に広がっていく始まりの色であり、夜の闇に見つける懐かしい光なのかもしれません。ある人は悲しみあるいは透明感を感じ、またある人は希望を見出します。名前にも使われる文字という点で、「緑」「翠」「碧」とも似かよっている気がして、なんとも不思議です。「これってポエムっぽいぞ」と思って検索すると、『名前の詩』(三戸隆正)に「あお」を発見!

 「あ」かるく楽しみながら 「お」おきな夢を叶える

 秋は、実りの季節でもあります。おいしい果物が出回ります。梨が終わって、同じバラ科のリンゴが店先にたくさん並んでいます。梨といったら、昔は「長十郎」一択だったように思いますが、幸水・豊水・あきづき・かおり・王秋など、次々と新しい品種が登場しています。これはリンゴも一緒。甘み重視で蜜の入った「ふじ」が人気ですが、私の推しは「紅玉」。酸味の利いた昔ながらの味です。その甘酸っぱさからアップルパイや焼きリンゴといったお菓子の材料として活躍する品種です。今は、赤系では「陸奥」「ジョナゴールド」「シナノスイート」「秋映」「サンふじ」、黄系は「シナノゴールド」「王林」などが有名でしょうか。ここ数年、我が家では信州のリンゴ農家から箱で取り寄せて、アラカルトを楽しんでいます。

 「あ」りのままに 「か」ちまけよりも 自分らしい味になれ(by蜂須賀)

492 宝物(24.10.15)

 30歳を過ぎたわが子二人が幼かった頃、ビデオカメラを構えて記録するのが楽しみでした。小さめのVHSテープが溜まってきたので、デッキを2台並べてDVDに編集しました。「老後の楽しみだ」と言って、何時間もかけて納得のいくものにしたはずなのに、しばらくして確認した時には、DVDプレーヤーでもPCにも映りません。何度やっても同じなので、諦めて放置したままでしたが、先日、娘がテープのほうを業者に出して再編集してくれました。幼稚園の発表会や運動会、小学校の入学式などを再び目にすることができました。記憶が刺激されて涙がこぼれます。「子は3歳までに親に恩返ししている」と言われますが、どんなに大きくなっても可愛くて仕方ない宝物です。

 近くの公園や林、先日のアンデルセン公園などの路上にシイやクヌギの実が落ちていることを見かける季節。総じてどんぐりを、木に生っていた時と同じように帽子を被せて並べてあげれば、ちょっとした秋の置物に変身です。たくさん落ちていますから、発芽してもよさそうなものですが、そういう所にはなかなかお目にかかれません。芽を出すためには様々な壁があるようです。例えば、公園など人が立ち入る場所の地面は踏み固められて、水分を吸いづらいとか、そうでない場所でも、落ち葉に邪魔されたり、動物に食べられたりしてします。水が吸えても、周りの木が日光を遮って育たないということも多くあります。発芽まで生きられる割合は、なんと1%にも満たないといいます。

 道端に落ちているどんぐりを、まるで宝物のように大事にポケットにしまう子がいます。でも、忘れられたどんぐりが洗濯機の中を泳ぎ回って怒られた、あるいは怒ったなんて経験もあるはず。

491 何派?(24.10.11)

 納豆をかき回しながら、ふと思います。なぜ納豆のパックって3つなのだろうと。2つや4つの方が使いやすいのに…。我が家は二人家族ですから、パックの1つが必ず余る計算です。いつも同じ納豆を買うわけではないので、2つ置かれた納豆のタレの味や豆の大きさが違う日があることになります。こうした疑問は誰もが感じるようで、スマホで検索すればそれらしい答えにヒットします。

 ①夫婦2人と子供1人の家族が増えたためとする説。②4人家族だと3個入りパックを2つ買うため利益が上がるとする説。③ヨーグルトは4個入りが多い中、納豆を4パックにすると購入価格が上がって売れにくくなるとする説。④冷蔵庫での収納や売り場での場所確保にちょうどよいサイズであるとする説。どれももっともらしい。ちなみに、納豆をご飯にのせて食べる派かそのまま食べる派か、どちらが多いのかと新たな疑問が…。ということで、表題は宗教・宗派を問うたものではありません。

 では、インドア派かアウトドア派かを問われたら、間髪入れずアウトドア派と答える私。家の中でじっとしているより、やることがあれば屋外で作業しているほうが好きなので、外に出たと思ったらいつまでも家の中に戻らないこともしばしばあって呆れられています。

 昭和の子供はみんなアウトドア派かもしれないという決めつけはよくありませんが、私にとって屋外活動に欠かせなかった遊び道具がナイフ。時間と材料さえあれば一人で黙々とナイフを携えて工作三昧でした。当然のことながら、たまにケガもしますから、どうすれば止血できるかなど体験的に学んだ気がします。

 今日は1年生とアンデルセン公園へ出かけます。何回も校外学習の引率はしてきましたが、実はアンデルセン公園は初めて。巡りあわせというかタイミングの問題なのですが…。だから、子供たちと一緒に屋外での活動を楽しんできます。そして三連休…。

490 よくわからない(24.10.10)

 テレビ放送された『踊る大捜査線 ザ・ムービー』を録画して観ました。1998年上映ですから、製作は四半世紀以上前となります。当然、様々なことが今と大違い。車は古いし、パソコンが分厚い。職場でタバコをぷかぷか吸っています。シートベルトを閉めずに車を運転していたり、腹部を刺された青島刑事を室井さんが支えながら外に連れ出したり。大怪我しているのに歩かせちゃダメでしょ。あらっ、重傷者を警察車両に乗せちゃったよ、とツッコミどころ満載でした。でも、みんな若くて懐かしい。

 さて、最近よくわからなくなっていくものがあります。例えば、「今年はなに年だっけ?」と干支を問われて、返答に困ることはないでしょうか。これは年老いたせい?いやいや記憶力の問題ではないはず。年男・年女でもない限り、干支を気にすることがなくなったからかもしれません。自分の干支から数え直して、「どうも辰年のようだ」という結論に落ち着くといった感じです。

 ほかには、俳優の岡田准一さんが、V6だったことは覚えていても、他のメンバーをそらんじることができないなんてことも…。TOKIO、嵐、NEWSもごちゃごちゃで、誰がどこに属していたかわからなくなります。新しめのSnow Manだって8人なのか9人組なのか?辛うじてSMAPだけはわかると思っていたら、結成当時は「スケートボーイズ」というグループ名で12人もいたとか!途中脱退した森且行さんを含めた6人だったことすら知らない世代が多くなりましたが、「へー」といった感じ。妻にでも話そうものなら「だから何?」と素っ気ない返事間違いなし!

 さらに、人顔認知機能!これはシチュエーションと深く結びついています。学校外で私と会った子供の多くが「えっ、何でここに?」という表情をします。時には、校長であることを認識せず(気づかないフリ?)に素通りという場面もあります。大人も同様。自転車に乗って出かける女性を、学校近くで毎朝見かけますが、異なる時間あるいは違う場所ですれ違うと、見たことがあるけれど誰だっけ?顔見知りなのか保護者なのか、自分なりの答えを見つけるまでかなりの時間を要します。

 きっと誰もが同じだと思いたくなる今日は、1999年まで33年間「体育の日」だった日です。

489 手書き文字(24.10.9)

 新番組が続々とはじまる秋ですが、テレビ欄を見ていると、正時(00分)に始まる番組の少なさを今更のように感じます。逆に言うと、番組開始時間が中途半端なものだらけとなります。テレビ欄にNHKから7局が並びますが、横罫が4局つながるのが最大です。正午ぴったりに始まるのだって3局しかありません。こんな風になったのはいつ頃からなのでしょう。特に、夕方のニュース番組をみると、日テレは3:50、テレ朝は4:48、TBSが3:49、フジが3:45と、競い合うようにスタートラインが前に前に動いていったことが窺えます。こうした手法を「フライングスタート」と呼ぶそうです。他局より数分でも早く始めることで、視聴者を引き込もうとするわけです。過去にも似たような開始時間の前倒しはありましたが、視聴率至上主義の最たるもの。ずっと昔は、どの局も基本、正時に番組が開始され、視聴者にとっては時報の役割も兼ねていたといってもよいものでした。推理ドラマのアリバイにも利用されたりして…。

 若い先生方の研修のために、今も現役で子供たちに国語の授業を毎日行う大先輩に来ていただきました。15年ぶりにお会いしましたが、授業への情熱は全く失われていないことに尊敬のまなざし。板書は当然、配付するプリントも手書きにこだわっています。実際、いただいた資料20枚すべてに手書き文字とイラストが並んで、温かみがあります。

 ここ数十年、パソコンやスマホが筆記用具の代わりを果たしてくれますから、手書きの機会は激減しました。右手中指にできたペンだこも小さくなっています。今更ながら、普段どんなときにペンを持つか挙げてみました。①日記、②備忘録へのメモ、③先生の週記録へのコメント、④スケジュール帳への記載、⑤先生への連絡事項を記す付箋紙、⑥検食簿への記録、と数えるほどしかありません。お気に入りの万年筆も、使わないとインクの出が悪くなるので、努めてそんな時に使用しています。

 先日配付した通知表に見つけた「福倉部長」にはニンマリ。手書きだったらこんなこともなく、ちゃんと「副クラブ長」と書けるのに。