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2023年12月の記事一覧

325 口ぐせ(23.12.8)

 脚本家の山田太一さんが亡くなりました。オープニングの主題歌もヒットしたドラマ『ふぞろいな林檎たち』は、山田さんの作品中で私の一番です。大学生だった当時、中井貴一さんや柳沢慎吾さん、手塚里美さんら出演者の多くはみんな私と同世代だったからかもしれません。そうした中、ドラマやCMに限らずテレビでお目にかからなくなった人がいると、「生きていたっけ?」などと不謹慎な発言になりがち。植物同様、土の中にいて見えなくたって、様々な形で頑張っているのです。

 さて、人それぞれ口ぐせというか、つい声となって出てしまう言葉や音声ってあります。以前、家族から「なんか鬱陶しい!」と言われたのが、自席から立ち上がる時に発する「よし!」というかけ声です。自分では切り替えのために何気なく言っているようですが、聞いている者にとっては耳障りなことも多いようです。そういえば、職員室の椅子から校長室に移動する時にも知らず知らず言っているかもしれません。隣の教頭も耳障りに思っているかも?

 昔、学級担任をしていた頃のことです。授業中に、何やら子供たちのクスクスッとした笑いが頻繁に起こるのです。何かと思いつつも授業を終えました。休み時間にある女児が教卓に近づいてきて、「54回だったよ」と報告するのです。私は???です。よく聞いてみると、授業中に「ね」と言った回数だったのです。話す中で「~でね、これはね~」と繰り返していたらしいのです。そのあとの授業では、言わないようにすることばかり意識して気疲れしてしまったことを思い出します。

 ある言葉が気になりだすと、そこばかりが聞こえてしまうことがあります。講演会などで「え~、それは、え~」というように、話の合間に「え~」が頻繁に聞かれることがあります。逆にそうした言葉がないと滑らかでとても聞きやすく、話上手に思えてきます。自分ではわからないことってたくさんありますから、気づかせてくれたことに感謝。そうは言うもののいまだに癖は治りません。

 自分では気づかない癖・口癖を指摘されたことってありますか?

324 はい!チーズ(23.12.7)

 12月に入って、朝、校庭に流れる曲が変わりました。今月の歌『ジングルベル』が軽やかに青空の下に流れていると、不思議とウキウキした気分になるのは大人も子供も一緒。「今年の漢字」の発表ももうすぐですが、勝手に「冠」か「暑」を予想している私。藤井棋士の八冠達成やWBC優勝、阪神タイガースの日本一、車いすテニスの小田選手など栄冠を獲得する場面が数々ありました。12日が楽しみ~。

 さて、一昨日4年生の校外学習に引率した際、クラスで集合写真を撮りました。来週の修学旅行でも数か所で撮影が予定されています。寒い中なので表情も固まってしまいがち。でも、やっぱり硬直した表情より笑顔のほうが断然素敵です。だから、シャッターを押す前に「はいっ、チーズ」「イチたすイチは~?」など定番の合図があるわけです。

 そもそも、写真を撮るときに「なぜチーズなの?」「いつ頃から?」など疑問に思います。英語圏では「Say cheese(セイ・チーズ)」が使われるそうです。撮られる側が“チーズ”の「チー」と発音するときに顔が笑顔の形になるとか、英語では「ズ」で口をすぼめず口角が上がるとかいう理由でかけ声として始まったとされます。「チーズ」でなければならないということはありませんが、言葉の親しみやすさや覚えやすさ、発音のしやすさなどがあるようです。ちなみに、韓国では「キムチ」、中国では「茄子」、メキシコでは「ウィスキー」、スウェーデンでは「オムレツ」などが使われます。日本では雪印乳業のCMがきっかけらしく、50年前にまで遡ります。ガッテン!

 11月末にインフルエンザの予防接種をしましたが、そういえば昔は予防接種の後は入浴ができなかったことを思い出しました。なぜだったのでしょう。そして、いつからお風呂に入ってもよくなったのでしょう。スタンダードって、時代とともに変わっていきます!

323 きちんと把握している?(23.12.6)

 千葉県北西部に「震度5弱」以上の地震が発生した場合、登校前であれば「自宅待機」、在校中の場合は「引き渡し実施」と本校の非常変災時学校対応ガイドラインに示していますが、ご確認いただけているでしょうか?ところで、この地震計測震度で「5弱」といったとき、震度5より少し強い揺れなのかと思っていましたが、震度4.5以上5.0未満をいうのだそうです。あぁ勘違い!

 最近、新聞で似たような勘違いに関する記事がありました。例えば、「今回のアンケートの回答率は7割弱でした」という言い方をしたとき、若い人は「弱」を「少し多い」と解釈している人が結構いるようなのです。一般的に「7割弱」は65~69%、「7割強」は70~75%と考えますが、あまり使われない表現であるために間違った解釈があるのかもしれません。

 「9時10分前」についても8時50分を指しますが、9時8~9分頃ととらえる若い人もいるといいます。「一両日中に」と言ったとき、それが明日までなのか明後日までなのか悩みます。「インフルエンザで10日まで来ない」と言ったときも、10日は来るの?来ないの?と微妙です。いずれにしても、話す相手を意識しながら具体的な表現あるいは補足するに越したことはなさそうです。

 ところで、家にいるときに遠くで消防車のサイレンが響くことがあります。空気が乾燥する季節ですから火の用心です。ところで、その消防車はどこから来るのでしょう。4年生の社会科では、消防の働きや連携について学びますから、学校に近い消防署見学に行くこともありました。避難訓練を計画すれば消防署に連絡もします。よって、市川市内の消防署の場所は把握しています。にもかかわらず、自宅そばの消防署はどこにあるのかわからない!市境に住むため、隣接市の消防署の前をよく通ることはあっても、「うちの市のほうは多分あの辺にあったよなぁ」程度。調べてみると、近隣に分署が2つあります。交番とともに、あまりお世話になりたくはないけれど、知っておかねばならないと思った今日この頃。

322 学びは人の数だけ(23.12.5)

 ある日、3年生の教室前を通ると、国語で「こそあど言葉」の学習をしています。覗いてみると、活発な発言が聞かれました。阪神タイガースの岡田監督の「アレ(A.R.E)」は、今年の流行語大賞に輝きましたが、コレをネタにしない手はないよなぁ。「こそあど言葉」ばかりで会話する私は、そんなことを思いながら扉を閉めました。算数では2年生の九九の暗唱が佳境を迎えます。パパっと暗算ができる「おみやげ算」という計算方法もあるようです。

 実際の生活場面でも、簡単に計算ができると重宝します。例えば、4個入り510円と6個770円のチョコの箱が並んでいたとします。どっちがお得か考える場面は結構あるものです。「510÷4」と「770÷6」は、暗算をすぐにできそうもありませんのでスマホを取り出したくなります。でも、個数の4と6の最小公倍数12で比べると簡単です。1箱510円の方は12個にするためには3箱分で、「510×3=1530」となります。1箱770円の方は「770×2=1540」となりますから、4個セットのほうが若干お得という結果が導き出されます。私の場合、スーパーの酒売り場で、ビールをケースで買ったほうが得か特価表示の6缶パックが得か、おもむろにスマホを取り出してしまいます。みんながわり算で解を求める中に、上の方法など独自の解法にたどり着く子がいたら大いに認め褒めてあげます。

 さて、今日は4年生の校外学習。佐原に始まり、野田へ行って醤油づくりを見学します。結構な移動距離ですから出発も早い。でも、どんな驚きや発見をするのか楽しみです。伊能忠敬の制作した地図の精巧さなのか、醤油工場の独特の匂いなのか。感じたことを自分の言葉で考えへと高めてほしいと思います。そういえば、私も小学生の時に行った醤油工場でその匂いに「うっ」となった一人ですが、小さな醤油瓶をもらってうれしかったことばかり思い出してしまいます。

321 和食(23.12.4)

 新聞の見開きの全部がかに、カニ、蟹…。生やボイルしたズワイガニやタラバガニの通販広告です。う~ん、魅力的!11月末日締め切りかぁ。悩んだ挙句、私はどうしたでしょうか?年末商戦に突入です。

 さて、山口百恵さんが歌った『秋桜』(さだまさし作詞作曲)に「♪こんな小春日和の~穏やかな日は~」という歌詞があります。この「小春日和」は、春のような穏やかで暖かい初冬の陽気を指します。だいたい11月初旬から12月初旬ころの秋から冬へと季節が移ろう時期を言います。

 外国でも秋の終わりから初冬にかけての季節の変わり目の暖かな日を表す表現があることを知りました。例えば、英語では「インディアン・サマー」、ドイツ語では「老婦人の夏」、中国語では「秋老虎(秋のトラ)」という言い方をするのだそうです。日本では、もうそろそろ小春日和を使える季節ではなくなり、本格的な冬の始まりとなりますが、移ろいに敏感でありたいと思います。

 話は変わりますが、先日講演を聞いて、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されていることを知ったような思い出したような…。今日は登録されて10年目を迎える日だそうです。四季が明確な日本において、豊かな自然を尊び、そこで生まれた習わしが日本伝統の食文化として認められたわけです。その特徴として、「1多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」、一汁三菜を基本とする「2健康的な食生活を支える栄養バランス」、添え物や器などを工夫して「3自然の美しさや季節の移ろいの表現」、そして「4正月などの年中行事との密接なかかわり」を挙げています。毎日の食卓や給食の中にも、こうした思いがたくさん込められているはず。その意識があるかないかで楽しみ方も違ってきそうです。