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2025年1月の記事一覧

543 ゆく年くる年(25.1.8)

 例年より紅白歌合戦をしっかり見ていた気がする大晦日でした。西田敏行さんに捧げる『もしもピアノが弾けたなら』を、武田鉄矢さんほか親交があった4人が歌いました。1981年の紅白で歌われた曲といいますから43年も前。なんと大学入学の年ですが、いまだに歌詞を覚えています。逆に、ミセスの『ライラック』を聴きながら「こんな歌詞だったのね」と一人合点する私でした。

 年末・年始と天気のよい日が続きました。傘の出番がないので、玄関外に置いてある素焼きの傘立てが、この時期は泥ネギや大根、ゴボウの保管庫に様変わりします。そんな寒さの中、肩をすくめて俯きがちになりますが、目線を上げれば空気が澄んできれいな空が見えるのもこの時期の特徴かもしれません。真っ先に見つけたオリオン座からたどる冬の大三角形がきれいです。一方、部屋のカレンダーは「お月くん」にかわり、月齢を確かめることができます。今晩は月齢8.2。来る14日の満月(ウルフムーン)に向けてふくよかになっていきます。

 さて、ある日の我が家の夕飯のおかずは唐揚げ。レモン汁を切らしていたのか、「ちょっと外へ行って、レモンを1個採ってきて」というお言葉。「さみぃ~」と言いながら渋々収穫しましたが、もしかしたらこれって幸せな瞬間なのかもって気づいたのです。ある校長先生は、完全リタイヤしたら田舎にログハウスを建てて、畑をやって暮らしたいと熱く語ります。一部自給自足の生活も好きな人には最高なのでしょう。でも私は、プランター菜園程度で十分。自宅から歩いて行ける範囲で必要なものが揃う今の生活を手放す勇気はありません。

542 ねっこ(25.1.7)

 12月下旬、北九州のファストフード店で中学生殺傷事件があり、その数日後には我が家に近いところで高齢夫婦刺殺と8棟の火事が起こりました。犯人は近くに住む人間だったり知人だったりと、他人事とは思えなくなります。

 さて、年末まで放映されていたドラマ『海に眠るダイヤモンド』は興味深く、King Gnuの主題歌に涙誘われる最終話でした。1916年に日本初の鉄筋コンクリート造りの高層集合住宅が建設されたのが端島(軍艦島)でした。回を重ねると、およその入坑の仕方を知ることができますが、驚き以外の何物でもありません。まず、準備を終えた鉱員は、持ち物チェックを受けた後、ケージと呼ばれる壁もドアもないトロッコに乗ります。それは秒速8mというスピードで、スカイツリー1本分の高さを急降下して地下600mに到着します。そこからトロッコ列車(人車)のある場所まで4~500m移動して、斜度20度もある人車に後ろ向きで乗るのです。採炭現場の入口に着くと、8人くらいのグループでさらに移動したといわれます。海底1000mを超えた場所ですから、いかに過酷であったか想像はすれども理解など到底できるものではありません。

 長崎市の端島は、10年前に世界文化遺産に登録された明治時代の遺産ともいえる構造物です。岩礁の周りを埋め立てて造られた人工島で、今年で閉山から半世紀が経ちました。遮るものなく風雨にさらされ、建物は倒壊の恐れに瀕しています。土台となる護岸にも穴が開いて浸食が進んでいるようで、現在、海面下では保全工事が進んでいるといいますが、こちらの作業も機械化が進んだとはいえ、気の遠くなる作業なのではないでしょうか。でも、一度は足を運んでみたい場所の一つです。

 「♪誰も気づかない ありふれた一輪でいい … ただ黙々とねっこ伸ばして あなたに見つかるのを待つの」切なくなるメロディが耳に残ります。子供たちも私たち大人も、誰に見えなくても強く根を張って生きていきたいものです。

541 へび(25.1.6)

 あけましておめでとうございます。今朝のニュースで、川に転落して亡くなった小1女児の悲報を聞きました。ほかにも事故や事件が多く報道された中、無事始業式を迎えられることは、文字どおり「有難い」ことなのだと感じ、うれしく思います。今年は巳年、干支は「乙巳(きのと・み)」です。

 干支とは、甲乙丙…で始まる十干と十二支の組み合わせで60通りあり、その42番目が乙巳なのです。「ヘビ」というと、気持ち悪い、怖いなどの理由で嫌われ者ですが、脱皮を繰り返して成長する姿や生命力の強さから、「長寿」「復活」などを象徴する縁起のよい生き物とされることもあります。

 さて、過去の巳年を遡ってみると、36年前(1989)は昭和64年であり平成スタートの年でもありました。学校職員が疎い、バブル経済の絶頂期ということもできます。24年前(2001)には、USJやTDSが開園しました。12年前(2013)は、「倍返し」や林修さんの「今でしょ!」が流行った年であり、東京オリンピックの開催が決定したことで沸き立ちました。

 今回の巳年は、どんな嬉しいことや試練が待ち受けているのでしょう。「鬼が出るか蛇が出るか」はわかりませんが、「ヘビに睨まれたカエル」の如く委縮して何もできなかったり、「竜頭蛇尾」に終わってしまったりすることのないよう気を引き締めたいものです。「蛇足」「藪蛇」と言われようとも、「長蛇を逸す」と言われても、様々なアプローチやアクションはきっと無駄にはならないはず。「灰吹きから蛇が出る」のたとえの如く、ちょっとしたことを大事にしていけば「瓢箪から駒が出る」ことだってあるかもしれません。

 今年度はあと3か月ですが、まずはそこまで、ご協力を引き続きお願いします。