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2022年10月の記事一覧

086 おもいやり算(10/7)

 一昨日、寝着を長袖に交換し、昨晩は毛布が登場!今日も寒い一日になりそうです。そして、令和4年度の前期終了を迎えます。今週、子供たちがこの半年間で頑張ったことをプリントに記している場面にお邪魔したときがあります。ふと自分が問われたら何を書くだろうと考えてしまいました。異動してきての半年の成果を客観的にとらえる難しさを感じます。

 そんなことを思いながらある学級の背面掲示を見ていると面白いものを発見!班のメンバーやめあて、仕事内容を書いたイラスト入りの紙ですが、大きくグループの名前が記されています。「チャー班」や「メロン班(パン)」があります。こういうセンス、大好きです。残念ながら通知表には記載されませんが…。

 今日の全校オンライン集会では、「おもいやり算」の話をします。「+」はたすけあう、「-」はひきうける、「×」は声をかける、「÷」はわけあうというもので、「人を笑顔にする算数」とも言われます。東日本大震災のあとに何度もテレビで流されたので、記憶している人も多いかもしれません。4年生で学ぶ「計算のきまり」のようにかけ算・わり算が優先だとか、カッコの中を先に処理するとかいうきまりはおもいやり算にはなく、どれから先にやってもいいのです。  困っている友達がいれば助け合い、損だなぁという場面でも笑顔で引き受け、互いによく声をかけあい、うれしいことも悲しいことも分かち合うなど、相手の気持ちも尊重して行動できれば、周りの人たちを幸せな気持ちにできるのではないでしょうか。これは大人も同じ!

 三連休明けに、新たな気持ちでまた子供たちと向き合っていきたいと思います。

085 なかま(10/6)

 食欲の秋、給食の検食が待ちきれなくなりました。小学生からずっと給食で育ってきたような感じです。小・中学校9年間に加えて行政を除く学校勤務が30数年ですから、あわせて40年はお世話になった計算になります。人生の3分の2以上の昼食は学校給食です。ありがたや~。家庭ではあまり作らないメニューも少なくありません。10月の献立表を見ても、「けんちん汁・さつま汁」「ひじきのマリネ」「家常豆腐」「大学芋」などですが、黙食でなくなる日を待ちわびます。

 そんな中ここ数十年、目にしていないのがスティック状の納豆。納豆嫌いな子なのか余ったものを持ち帰るためにキープしていたのか不明ですが、机にしまっておいたのを忘れていた子がいました。ある日、膨張した袋が破れて机の中がネバネバ。周辺が納豆臭なんてことがあったのです。

 さて、3年生が国語で『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ)を学習しています。私も校長室にある絵本を久しぶりに手に取って読み返してみました。ご存じかもしれませんが、周りの誰からも慕われていたアナグマが年をとって死んでしまうという内容。かけがえのない友を失った仲間たちがどうやってこの悲しみを乗り越えていくのかを静かに伝えていきます。アナグマの死を通して、友達のすばらしさや生きるための知恵や工夫を伝え引き継いでいくことの大切さ、そして自分らしい生き方とは何かを語りかけてくるのです。自分の子供たちに読み聞かせをした絵本の中でも大好きな作品。主人公のアナグマは、年長者ではありますが決して先生ではなく、あくまでもみんなにとって仲間なのです。学級においても、担任は指導者であると同時にひとつのものを一緒に創りあげていく一人の仲間でありたいと私は思います。

 同じシリーズに『アナグマのもちよりパーティ』もあります。読んでみてください。そうそう、先生たちのお薦めの本を紹介する紙をもらいました。う~ん、どの本にしようかなぁ。

084 安全・安心のために(10/5)

 とっぷりと日が暮れた後、どこかの家からお風呂の石鹸の香りが漂ってきます。温かい風呂に浸るのも気持ちよいですし、風呂上がりも汗ばむこともなくさらっとしています。

 私は石鹸のにおいが好きで、夏場のボディーシートやスプレーは石鹸の香りの商品を選びます。風呂場で使う石鹸は、当然「牛乳石鹸」。それを知る娘から牛乳石鹸クリームをプレゼントしてもらいました。

 

 さて、9月23日に自宅を出た後、行方が分からなくなってすでに2週間近くが過ぎる近隣市の小1女児。昼前の時間帯に、母親より数分早く家を出て公園に向かったといいます。無事でいることを祈りますが、昨日河川敷で子供の遺体が発見されたという報道もありますし…。子供が安心して屋外で遊べるように、大人の目は不可欠です。無関心であってはならないと思います。

 長く学校に携わっていると、何百人という児童一人一人にあてはめて考えてしまいます。校内で楽しく安全に過ごすのは当たり前。放課後であれ休みの日であれ、事件や事故が起こらないように取り組み、そして願う毎日です。だからこそ、くるぶしくらいの深さの水溜まりで溺れて亡くなる事故、歩道を普通に歩いていて自動車が突っ込んで来て被害に遭うケースなど、具体的な場面を通した指導が必要です。また、自転車の右側走行や一時停止をしなかったことにより他者を傷つけてしまう事故も考えられます。加害者にもなりうる可能性があることを教えることも大人の役目

 子供たち自身だって、不審者、交通加害・被害事故、水場や危険箇所など、身の回りの様々な危険を知り、様々な状況に対応できる判断力を高めていくことは急務です。登校時に一緒に学校に来てくださる保護者の方がたくさんいます。そうしたときや一緒に駅などへ向かう道すがら、「かけこみ110番」の家や店の確認あるいは利用上の留意点などをお子さんと話したり、大地震の際の危険箇所を考えたりすることだってできます。学区探検では安全という視点も加えながら見て回るのもよいでしょうし、施設や仕事を安全というフィルターでとらえてみるのも新たな発見につながるかもしれません。家庭においても、指導したり気づかせたりすることを「機会があれば」「休みの日に」と後回しにするのではなく、今だと思います。古くなってしまったけど、「今でしょ」。

 暗くなるのがどんどん早くなっています。無灯火で自転車に乗っている子供や大人はいませんね?

083 伸びしろ(10/4)

 子供たちと話をすると、意外なことに気づくことがあります。例えば、「校長先生が担任をしていた時ってあるんだぁ」と不思議がられること。どうも昔から校長だったと思っている様子。

 さて、少し前にSNS上に次の問題を見つけました。「たけしさんは、1周4.2kmのジョギングコースを3週間走りました。全部で何km走りましたか?」という小数のかけ算。4.2km×(7日×3週)と考えられる人は素直な人かも?でも、情報不足ゆえ「3週間耐久マラソンかよ!」という突っ込みをしたくなるのは私の悪い癖です。

 同じように、SNSに子供の採点済みのテストが掲載されていました。小学校3年生の子はASDやLD傾向があるらしく、普通10分程度で終わるドリルに1時間以上の時間を費やすといいます。ある日、持ち帰ってきた漢字50問テストの13問が正解だった答案を見たお母さんは、我が子の努力を嬉しく思いました。それ以上に、担任の心遣いに感動したといいます。なぜなら、間違ったところや書けなかったところに敢えてバツをつけず、できなかった部分を復習させ、正しくかけたら丸を追加するような採点方法だったのです。できないことに注目するのではなく、できたところをしっかり認める対応を、私たちも心がけたいと思い、職員にも紹介しました。

 今週末、一人一人に成果と課題を伝えながら、通知表を手渡します。所見欄は夏休みの面談に代えさせていただくので記載なし。教科に関しては「よくできる」「ふつう」「努力が必要」の3段階評価です。ただこの評価もとらえ方でポジティブになれます。「よくできる」は『自信』、「ふつう」は『安心』、「努力が必要」は『伸びしろ』と言い換えれば、そのあとのアドバイスも素直に耳を傾けるかもしれません。

 そこで、通知表「あ・ゆ・み」を使って子供たちへのメッセージを作ってみました。

 「あ」 あきらめない強い心で 新しいことに挑戦!

 「ゆ」 ゆっくりでよいから ゆめを大きく膨らませながら

 「み」 みぢかなことから始め みごとな花を咲かせよう!平田っ子

082 落語(10/3)

 週末ランニングにはもってこいの気候になってきました。そして、鍋物や煮込み料理がおいしい季節です。煮込まれると、翌日さらにおいしく感じる食べ物。思いつくのは、豚汁やカレー、おでん、もつ煮でしょうか。行列の出来る料理店主が、「○日煮込んでから○晩寝かせました」なんて言うと本当においしそうに聞こえてしまいます。どうも冷めるときに周りの水分を吸収し、出汁や旨みといったものが素材に入り込むらしいのです。

 さて、4年生が国語で落語『ぞろぞろ』を通して、落語の面白さを感じ、相手への伝え方などについて学びます。そして先週、林家のん平師匠をお招きして、扇子や手ぬぐいの使い方をはじめ、落語に関する話や「初天神」を披露していただきました。平田小学校出身の師匠は、小学校5年生の時にテレビで見た「時そば」があまりにも面白くて落語家を目指そうと決めたそうです。校長室でお話を伺っているとき師匠のスマホにメールが届きました。なんと、お孫さん誕生の写真付きお知らせが舞い込むというめでたいおまけつき!

 落語の面白さは、同じ演目でも噺家さんによって雰囲気がガラッと変わること。過去に名人と呼ばれた噺家は、人の心をつかんで離さないのだと思います。「まんじゅう怖い」「あたま山」「寿限無」「目黒のサンマ」など、子供でも楽しめる演目はたくさんありますし、新作落語だって…。漫画や絵本になっているものもありますから、本を読んだり実際に寄せに足を運んだりしてみるのもよいですね。平田小から二人目の落語家誕生という時が来る日も近い?