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2025年1月の記事一覧

547 B級(25.1.15)

 全国高校サッカー大会決勝は、110分戦い終えてPK戦にまでもつれ込みました。両校優勝でもよいのではないかと思うほど白熱した戦い。残念ながら千葉県代表の流通経済大柏は涙を飲みましたが、翌日のニュースで「PK合戦で決着をつけた決勝戦には敗者はいない。いるのは、勝者と勇者だけだ」という素敵な言葉を聞いて、改めてその戦いを振り返ったのです。

 この大会初戦、帝京高校OBの木梨憲武さんと名将・古沼元監督が一緒に観戦・応援したことが報じられました。その時に、木梨さんが「根性とレモンスライスの私たちの時代は終わった!」という言葉とともにエールを送ったといいます。このレモンスライスは、スポーツ選手にとって強い味方でした。少年サッカーの試合では、ハーフタイムにスライスしたレモンのハチミツ漬けを食べることがよくありました。エネルギー源となり、疲労回復の効果が期待できたのです。

 さて、モノが上等でも下等でもなく、中程度のレベルにあることを表す俗語に「B級」というワードがあります。野菜売り場に並ぶキュウリや枝豆、カボチャなどの袋に貼られた「B級品」シールは、そういう扱いでしょうし、「B級映画」なんて言葉もあります。つまり、一級品には及ばないという蔑む意味合いも感じ取れます。一方、高品質で高価なA級品に比べると少しは程度が落ちるものの、個性を感じるモノとして取り上げられる場合も少なくありません。「B級グルメ」がまさにそれ!贅沢ではなく、庶民的で気軽に食べられる料理として、また町おこしの意味も込められてスポットが当たったのは20年近く前からでしょうか。

 そういう意味では、レモンスライスは選手にとってのB級だったのかもしれません。こんなことを書きながら、大会で優勝すると子供たちと食べに行った「優勝ラーメン」の味は、歓喜というスパイスが効いたA級だったことを思い出しました。