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2024年7月の記事一覧
448 髪(24.7.4)
その昔、「抜け始めてわかる、髪は長~い友達」というCMで、「髪」という文字の右上3本の払いが徐々に抜けていき、「長」と「友」の文字になる映像は、なぜか未だに映像として頭の中に残っています。だから、まだ習ってもいない「髪」という漢字を覚えられたような気がします。
俳優の野村周平さんが起用された、美容クリニックのCMポスターを電車で目にしました。「20代の額のM字」という文字に敏感に反応してしまいました。だって、高校生くらいから剃りを入れなくても十分ツッパリに見えた私です。先生になってからも「Mっパゲ」なんて子供との掛け合いの中で言われました。ポスターを見ながら「そうかぁ、M字部分が拡大して全体に広がって、薄毛が進行していくんだぁ」と他人事のように思ってしまいます。40代になって悩む野村さんが、タイムトラベルして20代の自分に忠告するTVCMがあるそうなので、見てみたい気持ちが膨らみます。ただ、専ら録画による番組視聴なので、いつCMに出会えるかは定かではありません。
ある日、3年生の英語会話学習を見に行った時、「色」について勉強しているところでした。「Blue」と言われたら自分の持ち物で青色のものを探します。赤、緑、黄色と続き、「Black」が示されました。思い思いのものを掲げたり指さしたりしている中、先生は両手を頭に手を置いて「ほらっ、ここにも」と気づかせようとします。そして、一瞬の間をおいてから、後ろで見ている私と目が合って爆笑しながら謝っています。謝られても困ります!私の頭だって一本一本見たらちゃんとブラックですが、やさしい3年生はすぐさま励まし(禿げ増し?)の言葉をかけてくれました。そんな中、黒混じりのベージュをブラックだと勘違いする子が現れなければよいのですが…。
447 アナグラム(24.7.3)
スーパーの一角にオロナミンCが特売品として積まれています。その価格表示の上に小さく「7/3はオロナミンCの日」とあります。「元気ハツラツ!」というメッセージのもと登場したのが1965年。2011年に累計販売本数三百億本を突破したのを記念して、製品名にちなんで「(オロ)ナミ(ン)の日」で今日7月3日を申請・登録したといいます。どうでもよい雑学です。
さて、「しんぶんし」や「たけやぶやけた」は上から読んでも下から読んでも同じ文句になる「回文」という言葉遊び。これに対して、ある言葉や単語の文字を並び替えることで、別の意味を持つ言葉や単語を作る言葉遊びが「アナグラム」と呼ばれます。「ある日」を「アヒル」、「コインだ」を「大根」という感じで読み替えるわけです。五十音を使ったいろは歌は、日本でもっとも有名なアナグラムであり、最高傑作といえそうです。
先日の読売新聞『編集手帳』を見ていたら、松尾芭蕉の「古池や 蛙とびこむ 水の音」を並び替えた、「わずか見む ふやけ男の ビイトルズ」という川柳が載っていました。その翌日の朝日新聞『天声人語』には、「田中角栄」を「内閣変えた」としたアナグラムが掲載されていて、偶然とはいえびっくり。また、新聞投稿欄にも時々見られるアナグラム。これを考える人の頭って、どういう構造をしているのだろうと思ってしまいます。長短関係なく、固い頭には難しいことこの上なし!そこで、頭の体操だと思って、「①押すな!」「②うそ、若い!」「③本来、真夏!」(“あそトピ・AsoPPA”より)の3つに挑戦してみてください。
大きな房州びわがスーパーに並んでいる時期がありました。おいしいけれど高価。ただ、食べると口の中や喉がイガイガしたり痒みや腫れが出たりすることがあるそうで、花粉症とも関係があるアレルギーだといいます。ほとんどの場合、時間とともに消失しますが、稀にアナフィラキシーを起こすこともあるというので知っておくに越したことはありません。少し前に、山梨の小中学校で給食に提供されたびわで、百人以上にアレルギー反応が出たといいます。こうした報道のあと、献立に採用されなくなってしまうのがちょっと残念かな。
というわけで、先ほどの問題の解答ですが、「①素直」「②かわいそう!」「③つまらない本」となります。もしかすると、違う言葉にもなることも考えられるかなぁ。
446 落語(24.7.2)
4年生は、ちょうど今国語科で『ぞろぞろ』という教材を通して、落語の面白さを感じ取ったり落語に親しんだりする学習を始めました。子供たちが小さな落語家となって、皆の前で落語を上演することもあります。平田小では、林家のん平師匠が卒業生ということもあって、例年講師としてお招きしてきました。
少し前の給食の放送では、落語の内容を語って聞かせました。『死神』という話。掃除の時間に、「今日の話、面白かったです」と、笑顔で言ってくれた高学年の子がいます。一方で、「オチがよくわかりませんでした」という声もあります。確かに、語りによって情景を思い浮かべられるようにしたかったのですが、うまくいかなかったようで残念です。そこで、敢えて前回も落語に挑戦しました。演目は『寝床』。すると、「○○のところでドッと笑いが起こりました」と、すぐに子供が教えてくれました。
このように、落語は見るものというより、聞くもの・想像するものです。話し手の言葉やしぐさから、自分の頭の中に映像を描く格好の教材。話し言葉は一瞬で消えてしまいます。ですから、聞き手はその言葉を逃さず正確に聞かなければなりません。そうすることで、自然と聞く態度も身につくといえそうです。落語を楽しみながら聞き上手になれるというわけ。
ただ、放送での語りの場合、身振り手振りや表情、目線なども大事にする寄席の落語とは違って、声の抑揚と間の取り方だけで、子供のイメージを膨らませ、頭の中に絵を描かせなければなりません。こう考えると、非常に難しいことに挑戦していることに気づきます。だからこそ、「面白かった」と言ってもらえることは最高のご褒美であり、私自身の成功体験だといえそうです。
初夏の読書週間は6月で終わりましたが、これをきっかけに落語の本を手に取ってくれる子がいたらうれしいです。寄付してもらった本の中にも、子供向けの落語の本を見つけました。今後4年生の教室を覗くと、堂々と落語を演じる場面に出会えるかもしれません。
445 半夏生(24.7.1)
島野教頭が、先日ぼそりとつぶやいた一言。「着任した当初は、7月を迎えられるなんて思えなかった」と。あまりの忙しさと終わらない仕事に、このまま永遠に4月が続くように感じられたのでしょう。今年度着任した教職員も、まずは運動会まで全力疾走して息を整え、改めてそれぞれの山を今登っている最中。5年生は来週、林間学校に出かけますから、1学期のピークといえます。誰も疲れがたまってきますが、子供に向ける笑顔だけは輝きを失わないようでありたいと思います。
ところで、1年で昼間が一番長いのが夏至(先週21日)です。この日から七夕頃までの約2週間が「夏至の期間」とされ、夏至から数えて11日目の7月2日頃からの5日間を「半夏生」と呼びます。諸説がありますが、農作業の大切な目安として、田植えは夏至のあと半夏生に入る前までに終わらせるのが良いとされました。そして、無事に田植えが終われば田の神様に感謝をする行事を行うのです。
そんな夏至の頃に食べるとよいとされる食べ物に、関西ではタコという風習があります。「稲の根が、タコの足のように四方八方にしっかり根付きますように」とか「稲穂がタコの吸盤のように豊かに実りますように」との願いが込められているわけです。京都では「水無月」という和菓子が好まれ、6月30日に食べるそうです。これによって、残り半年間の無病息災を祈願するのです。このほか、香川の「うどん」や福井の「焼き鯖」、三重の「みょうが」などがあるのです。恥ずかしながら、数年前に「水無月」を食べて、こうした風習を知った次第です。
半夏生も数ある雑節の一つ。馴染みのある雑節といえば、節分・彼岸・八十八夜・入梅・土用などがありますが、知らず知らずのうちに生活に深く根づいています。これを機に半夏生について理解を深めるのもよいと思います。今年の半夏生は、今日7月1日。タウリン豊富なタコで疲労回復といきましょうか?夕飯はタコ料理をリクエストして、平田小の校章やOB会名に使用される「稲穂」の豊かな実りを祈願!