校長室から

<校長のつぶやき>

【3月28日(月)】

 昨日、一昨日の春の陽気で、校庭の桜も一斉に咲き始めました。令和3年度も残すところ3日となりました。

 コロナ禍の一年間でしたが、保護者の皆様や地域の方々も含め、たくさんの人に支えられながら、子供たちの学びを止めずに教育活動を進めることができました。改めて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。これからも、信篤っ子の更なる成長に向けて、全職員で「令和時代の信篤小型教育」を進めてまいります。

 今日で春休み3日目。休みの期間、全ての信篤っ子が事故やけがなどせずに元気に過ごし、4月の始業式には、全員が笑顔で登校してくれることを心から願っています。 

【2月3日(木)】

 明日2月4日(金)から2月20日(日)まで、中国の北京市を中心に2022冬季オリンピックが開催されます。参加する国や地域は91、約2,900人の選手によって7競技109種目で熱戦が繰り広げられます。また、冬季パラリンピックも同じ会場で3月4日(金)から13日(日)まで行われ、約800人の選手が6競技78種目で競い合います。

 冬季オリンピックは1924年に、夏のオリンピックに28年遅れて始まったそうです。第1回冬季オリンピックはアルプス最高峰のモンブランの麓、フランスのリゾート地であるシャモニー・モンブランで開かれました。実は、この大会はフランスが主催した「国際冬季競技週間」で、翌年になって国際オリンピック委員会(IOC)が「第1回冬季オリンピック競技大会」として認めたという何とも奇妙な第1回大会でした。冬季オリンピックは夏の大会と違い、地理的条件も限られ、天候異変(暖冬)への対策など実施するにはいくつもの壁があったそうです。また、道具や会場運営などの費用も夏の競技に比べてかなりの負担となることから、参加する国も限られるなど、大会運営についてもかなりの苦労があったようです。今でも夏のオリンピックに比べて参加国や地域が少ないのもわかるような気がします。

 冬季オリンピック・パラリンピックの競技は、信篤っ子にとって初めて見る競技も多いと思いますが、スポーツは人間の限界を目指して全力を尽くす姿を通して感動や夢を与えてくれるだけでなく、人種や国の違いを超えて人と人とをつないでくれます。

 明日の開会式を皮切りに本格的に競技が始まります。2022冬季オリンピック、パラリンピックの観戦を通じて、選手の活躍する姿に大きな拍手と声援を送りながら、たくさんの感動を感じてほしいと思います。

【12月23日(木)】

 12月に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の状況も減少し、校外学習なども少しずつ条件を緩和しながら行うことができました。しかしながら、11月28日、「オミクロン株」が日本国内で発見されてからわずか3週間足らずで国内で市中感染が確認されたことで、今後の教育活動に影響が出てくるだろうと不安に思うところもあります。

 オミクロン株は、これまでの変異ウイルスより、感染力が強いとみられる報告がたくさんあります。イギリスでは、12月21日までにオミクロン株に感染した人の数が6万人を超えていて、ロンドンでは検出されるウイルスの約90%がオミクロン株だそうです。アメリカでも12月18日までで、感染者のうちオミクロン株が占める割合は約73%となり、一週間で前の12.6%から約6倍に増加したとの報告もあります。WHOは12月20日、「デルタ株よりも著しく早いスピードで広がっているという一貫した証拠がある。ワクチンを接種した人や感染して回復した人が感染することもある。」と警戒しているようです。一方で「オミクロン株は感染しても軽症である。」などの話も広がっていることから、今現在は様々な情報があり、しばらくは状況を見守ることが大切なように思います。

 コロナ禍で始まった令和3年度の教育活動ですが、たくさんの方々に支えられながら4分の3を終えることができました。改めて職員一同、感謝申し上げます。ありがとうございました。令和4年も児童の更なる成長に向けて、新型コロナウイルス感染防止の徹底を第一に考えながら教育活動を進めていきます。どうぞ良いお年をお迎えください。

【12月6日(月)】

  先日、テレビで「地球温暖化によって海に沈む国」について報道されていました。この国は島国で最も高いところでも海抜4.6mしかなく、「温暖化によって海面が上昇した場合に水没する危険性がある」との内容でした。実際のところはどうかと思い調べてみたところ、確かに温暖化による海面上昇が一因ではあるものの、「その国の環境汚染の実情が一番問題である」や「埋め立てによって国土が拡大している」などの情報もありました。本当のところはもっと調べてみないとわかりませんが、温暖化が地球環境を悪化させていることの一面は伝わってくる番組でした。

 先月、英国のグラスゴーで行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が終了しました。主な内容は「1 基準とする気温と比べて気温上昇を1.5℃までに抑える目標に向かって世界が努力しよう」「2 具体的な取組ごとに、賛同する国同士で資金の支援を行おう」「3 協力している国同士での取組を一緒に考えよう」「4 自然災害によって苦しむ国を助ける方法を世界全体で考えていこう」「5 具体的な取組について、協力する国や企業が集まり有志連合をつくって考えていこう」でした。これらを決めるにあたり、それぞれの国や企業の考え方に違いがあることから大変でしたが、開催国である英国が1年以上かけて準備を進め、まわりの国々の協力もあって「世界全体で気温上昇1.5℃までに抑える」ことを確認することができました。しかしながら、すでに約1℃上昇していることから、この目標を達成するには各国の社会全体の変革と国同士の協力が求められ、今後は目標に向けて全速力で取り組んでいかなければならない現実が待っています。目標年は2030年でSDGsの目標年と同じ年です。今の6年生が22歳の年、社会の一員となって活躍している年でもあります。

 本校では、1月以降社会科で「くらしを守る」「国際交流」「環境を守る」「世界の未来と日本の役割」などの内容を学習していきます。まさに今の時代に合った内容ですが、本校では教科書の内容だけではなく、今の日本や世界の国々が直面している問題にも目を向け「自分はどう考えるか」「解決するにはどうすればよいか」を考える力を伸ばしていきたいと考えています。特に高学年の学習では、日常生活だけでなくSDGsや地球温暖化をきっかけに、世界にも目を向けていってほしいと思います。

 

【9月30日(木)】

 ここ数年、世界中で自然災害が数多く発生しています。日本でも8月中旬、九州地方と中国地方などに特別警報が発表されるほどの記録的な大雨が数日間続きました。大雨、洪水、台風などの異常気象は大きな災害を引き起こします。「世界では、2000年からの20年間で、気候変動による災害が82%も増加した」という調査報告もあり、世界各地で大きな災害が度々発生している現状からも分かるとおり、気候変動は先進国や途上国など関係なく世界中で人間の生活を脅かす問題となっています。気候変動の一因は「地球温暖化」の進行で、地球内の二酸化炭素(CO2)排出量の増加が原因であり、このことは6年生も既に学習しています。日本においても、熱帯夜の平均日数が1910年からの30年間の平均に比べて約2.6倍に増加しているなど、気候変動の影響を受けていることは確かです。 

 2020年に環境省が発表した「世界のエネルギー起源CO2排出シェア(2018年)」によると総排出量の多い上位10カ国の中で日本は第5位、中国(第1位)やインド(第3位)だけでなく、急激な経済発展に伴ってアフリカ全体での排出量も増加しており、全ての国々が協力してCO2排出量を減らしていく必要性が明らかとなっています。そこで、2015年に「2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組み(パリ協定)」が取り決められ、世界共通の目標として「21世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにする」などを掲げ、現在も各国で取り組んでいます。SDGsにおいても【目標13】「気候変動に具体的な対策を」として示しています。

 SDGsの目標年限でもある2030年、信篤っ子たちが社会の中で活躍する時代が、自然災害等も含め少なくとも現在の生活環境程度は維持されていてほしいと願うばかりです。そのためにも、自分たちでできること(エコな行動)に取り組むことの大切さを再確認した上で、具体的な行動に取り組んでいってほしいと思います。例えば、「電気器具、照明器具など使わないときは消す」「省エネ器具に替える」「食べ残しをしない」「レジ袋は使わずにエコバッグを使う」「短い距離の移動は、徒歩や自転車にする」など日々のちょっとした取組です。本校もできる取組のひとつとして、まずは11月から「各種たよりの電子媒体による配信」を進めていきます。

 

【7月21日(水)】

 先日、文部科学省から「令和2年度文部科学白書」が公表されました。文部科学白書とは、日本の教育や文化、科学技術、スポーツ振興についての基本となる考え方や今後の具体的な取組をまとめたもので、前年度の取組に関する内容が書かれています。

 白書を読むと「Society5.0」「令和の日本型学校教育」の言葉が頻繁に使われています。萩生田文部科学大臣の巻頭文の中でも使われています。小学校では昨年度から新しい学習指導要領に基づく学習が始まり、本校も「主体的・対話的で、深い学び」に結ぶ学習指導を進めています。普段の生活の中ではあまり馴染みのない「Society5.0」と「令和の日本型学校教育」、一体どういうことを言っているのでしょうか。同省では次のように使っています。

〇「Society5.0」

・我が国が目指すべき未来社会を表した言葉。(平成28年閣議で決定)

・人間が作り上げてきた社会を「狩猟社会(1.0)」→「農耕社会(2.0)→「工業社会(3.0)」→「情報社会 4.0)」と表す。

・次に続く社会として「現実空間のたくさんのデータをスーパーコンピュータによる仮想空間に集め、人工知能(AI)を活用して直面する脅威や不確実な状況に対する作戦を考えて生かすことで、国民一人一人が多様な幸せ(well-being)を実現できる人間中心の社会(5.0)」と表した。

〇「令和の日本型学校教育」

・2020年代(令和2年から令和11年頃まで)を通じて実現を目指す学校教育。

・全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現を目指す。

・遠隔、オンライン教育を含むICTを活用した学びを目指す。

 これからの時代は何が起きてもおかしくない予測できない時代であることは想像できます。子供たちが成長して社会の創り手となった時、自分で考えて互いに協力しながら社会の変化を乗り越えて、豊かな人生を切り開いていけるための教育、それが「令和の日本型学校教育」ということになるのでしょう。

 今日から本校も夏休みに入りました。子供たちは、自分のめあてを持って、それぞれに42日間を元気に過ごしてくれると思います。私たちにとって夏休み期間中は、9月からの「主体的・対話的で深い学び」の実践に向けた職種に応じた専門性を高めるための自己啓発期間となります。9月から始まる「いちかわGIGAスクール構想」も含め、「令和の信篤小型学校教育」の推進に向けてこれからも全職員で取り組んでいきます。

 

【6月30日(水)】

 6月に入り、東京2020オリンピック・パラリンピックに関する様々な情報が毎日のように報道されています。オリンピック、パラリンピック開催に向けた準備も着々と進められ、各国の選手団も入国しています。そのような中、6月8日にIOCは、どの国や地域にも属さない「難民選手団」の出場を発表しました。「難民選手団」は、紛争や迫害によって故郷を追われた「難民」と言われる選手によって構成され、2016年のリオデジャネイロオリンピックで初めて結成されました。2016年は10人の選手団で出場し、その後も選手たちの練習や生活をサポートする奨学金制度によって、現在は56人の難民選手が奨学金を受けているそうです。

 現在、世界各地で故郷を追われている人は8,000万人を超えるとも言われています。そのような中でも、選手の人たちは、自分の夢に向かってサポートを受けながらトレーニングに励み、今回オリンピック選手として29人、パラリンピック選手として6人が選ばれ、東京オリンピック・パラリンピックの出場に向けて準備を進めています。選手の出身国はそれぞれ異なりますが一つの選手団として開会式では2番目に五輪旗を先頭に入場します。IOCバッハ会長も「難民選手団が世界の選手たちとともに東京に集い、世界に連携と回復力、そして希望という強力なメッセージを送ることになるだろう」と難民選手団出場への大きな期待を寄せています。

 もちろん、私たちにとっては、日本の選手が活躍して表彰台に上がる姿を見せてほしいと願うことは自然でとても大切なことです。しかし、スポーツは人間の限界を目指して全力を尽くす姿を通して感動や夢を与えてくれるだけでなく、人種や国の違いを超えて人と人とをつないでくれます。

 7月21日からいくつかの競技が始まります。信篤っ子一人一人が、東京オリンピック、パラリンピックの中継を見ながら選手の活躍する姿に大きな拍手と声援を送りながらも、他の国々の出来事に関心を持ってくれることを願っています。

 

【5月31日(月)】

 今年になってから、SDGsに関するテレビ番組が多く放映されるようになったように感じます。NHKでもSDGsをテーマにした子供向け番組も配信されるようになり、学校教育においてもSDGsと深い関わりを持つようになりました。身近になりつつあるSDGsですが、実は学校教育においては既に約30年前から「世界規模で必要不可欠な持続可能な開発のための教育」について国際会議で議論されてきました。2013年のユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会では「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム」が採択されるなど、既に世界中で進めている取組でもあります。

 SDGsとESD、何がどう違うのかというと、SDGsは目標を表しているのに対して、ESDは目標を達成するための方法を指していると考えるとわかりやすいと思います。ESDは、子供たちに「問題と向き合うために重要な6つの価値観」を学ばせることを目標とした学びです。6つとは「①多様性:様々な視点をもって考えること」「②公平性:国や年齢に関わらず、誰もが平等に幸せになる権利があることを理解すること」「③相互性:人同士はもちろん、生き物や自然から私たちの生活が成り立っていることを理解すること」「④連携性:みんなで協力すれば大きなことを成し遂げられることを理解すること」「⑤有限性:食べ物や電気などは無限でないことを理解し、将来のためを考えること」「⑥責任性:責任をもって、自分にできることは自分から進んで行動すること」です。これらの価値観を身に付けながら、未来を予測して計画を立てる力やコミュニケーションを行う力などを育む学び、それがESDです。

 何か難しい学習のように感じますが、ESDは学校だけではなく御家庭でも実践できます。例えば「なぜ、レジ袋が有料化されたの?」や「災害が起きたらどうすれば命を守れるのか?」について、様々な原因や背景を家族で話し合ったり、災害に役立つ道具を自作したりすることを通して、楽しみながらESDを進めることができます。

 ESDは自分の住んでいる地球をよりよいものにするための目標を実現するための壮大な学習プロジェクトです。子供たちには、日常生活にある「なぜ?どうして?」をきっかけにして、御家庭でもできるところからESDを進めていってほしいと思います。そして、信篤の地域を「誰一人取り残さないより人に優しい住みやすい地域」にしていってくれることを願っています。

 

【4月30日(金)】

 先日、「JAXA(宇宙航空研究開発機構)が、13年ぶりに今年の秋から宇宙飛行士候補を募集する」とのニュースを聞きました。今回の応募要件は今までに比べてかなり緩和されていて、今までは理系の大学卒業者が条件でしたが、新たに文系の大学、短大、高専や専門学校を卒業した人も応募できる案も考えているようです。前回の募集は2008年で、応募者数も他国に比べて少ない状況でした。一方で、ESA(欧州宇宙機関)はすでに女性や障害をもつ人の募集が推奨されています。今回の募集は「もっと、応募できる人を増やして、宇宙に携わる方の裾野を広げていきたい」という関係者の思いもあるそうです。

 JAXAがイメージする新しい時代の宇宙飛行士は「多国籍で多様性があり、協調性や適応力がある人」で、その上で「今後は宇宙で学んだこと、やってきたことをいかに社会に還元し広めていくかを考えている」とのことです。新たな応募条件は現在検討中とのことですが、大きく変わるかもしれないことは「大学卒業に限定しないこと」さらには、今までは宇宙飛行士になるとJAXAで10年以上勤務することが条件でしたが、「任務終了後はさまざまな職業に戻ってもよい」ということも検討されているようです。

 先日は、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の星出宇宙飛行士が、NASAのシャノン・ウォーカー船長から引き継いで、野口宇宙飛行士に次いで日本人で2人目のISS船長として、ミッション全体の成功に向けて指揮を執ることになったことも話題になりました。

 学習指導要領が改訂されたねらいのひとつは、我が国と郷土を愛する豊かな心と幅広い知識や技能を活用して課題解決できる力を基盤に、国際社会の平和と発展に貢献できる主体性のある日本人の育成にあります。今回のJAXAの宇宙飛行士募集の話を通して、日本が求めるこれからの時代に必要な人材がより具体的になってきているように感じます。

 数十年後、信篤小を卒業した宇宙飛行士の誕生がニュースで流れ、信篤公民館では地域の方々が集まってVRを見ながら一斉に歓声を上げている、そんな時代も夢ではないと思います。楽しみにしています。

 

【3月31日(水)】

 今日で令和2年度が終わります。1年前の今日は2月末から臨時休校が続き、「4月に入って緊急事態宣言が発令されるかもしれない」と報道されていた時期でした。学校では令和2年度の始業式、入学式を行うために、いくつもの案を作成して検討していた頃です。その当時と比べると、現在は卒業式、修了式も終えて、子供たちも4月からの進学、進級に向けて春休みを過ごしている状況から日常生活も落ち着いてきたように思われます。

 しかしながら、新型コロナウイルスの感染は拡大し続けています。国内を見ても、厚生労働省の発表によると1年前(2.3.31)の陽性者数は1,953人でしたが、現在(3.3.30)は470,175人で約240倍、亡くなられた方の数では1年前は56人でしたが、現在は9,086人と約160倍です。さらには、変異ウイルスの感染拡大も危惧されていて予断を許さない状況が続いています。一方で、コロナ禍による家庭不和やストレスによる国内の自殺者も2020年(1月から12月)は増加していて、2019年が20,169人に対し2020年は20,919人(速報値)でした。残念ながら児童生徒の自殺者数も増加し、小学生が14人(前年比8人増)、中学生が136人(前年比40人増)、高校生では329人(前年比92人増)という状況です。主な原因は「進路の悩み」「勉強ができない、わからない」「親子関係の不和」だそうです。昨年6月の分散登校後に行った教育相談でも「コロナの休校で何となく疲れた」「家にいても怒られてばかりで嫌だった」など子供たちの本音を聞き、コロナ禍の子供たちへの影響力を改めて知ったことを思い出します。

 明日から令和3年度が始まりますが、コロナ禍は続いています。大人にとっては年度末年度初めで慌ただしい時期とは思いますが、今週末の天気は晴れのようですのでわずかな時間でも家族で外に出かけたり、食事をしたりしながら、お子様の進学、進級への不安や様々な悩みや思いを聞いてみてはいかかがでしょうか。

 4月7日(水)の始業式を皮切りに令和3年度が始まります。始業式当日、信篤小の全ての子供たちが笑顔で元気に登校してくれることを、新しく着任する職員も含め職員一同心から願っています。

 

【2月26日(金)】

 ~このままの世界で、生きるか?~ 最近、よく目にするあるテレビCMのフレーズです。たった1分間のCMですが出演者が発するフレーズがひとつひとつとてもメッセージ性のある言葉で綴られています。また、出演者もそれぞれの個性がフレーズとともに映像から伝わってきて、BGMも水が流れるような旋律で心地よく耳に入ってきます。民放のニュース番組の時間にこのCMを見ることが多いのですが、このCMが流れると思わず見てしまいます。最後に登場するバレエを踊る少年が発する「このままの世界よりも、これまで以上の世界を」のメッセージは映像とともに感じるものがあります。他にも「過去よりも、未来を」「自分だけのためよりも、世界のためを」など心を動かされるフレーズがあります。人によって受け取り方も感じる度合いも様々だと思いますが、どの言葉も力強さを感じ前向きな気持ちにさせてくれる素敵なCMです。

 来週からいよいよ3月です。6年生は小学校6か年を修了していよいよ中学校へと進学します。1年生は1年生としての学校生活を終えて進級します。学級担任も子供たちの進学進級に向けて、学年のまとめとなる教材の研究や評価資料の作成、学級活動や個別指導の見直しや準備を連日進めています。卒業生はあと15日、在校生はあと19日で令和2年度が終わりますが、昨年4月の臨時休校時に比べると新型コロナウイルス対策もより焦点化して教育活動の制限も緩和され、卒業式も修了式も実施できそうです。

 子供たち一人一人が新たな目標や期待感を持って進学、進級を待ち望みながら春休みを迎えられるように、学級担任とともに学校全体で子供たちの心にたくさんのメッセージを届け続けていきます。

 

【令和3年1月28日(木)】

    令和3年がスタートしてから早いもので1か月が終わろうとしています。2月に入ると暦の上では春を迎えます。四季がある日本では「立春」「立夏」「立秋」「立冬」と季節を感じる節目の日があり、節目の日の前日にあたる「節分」は年に4日あります。その中でも特に「立春」は、旧暦では新年とされ2月の節分は「大晦日」となったことから今でも「年越し」と言う地方もあるようです。

 ところで、節分は毎年2月3日とされていますが、令和3年は2月2日(火)が節分です。なぜこのようになるかというと地球の公転が関係しているそうです。地球が太陽を1周するのに約365日ですが、正確には365.2422日の公転周期であり、国立天文台が「立春」を割り出して決めているからだそうです。今年の立春は「2月3日午後11時59分」と1分だけ2月3日に食い込んだ結果、立春は2月3日、節分は2月2日となるそうです。

 節分に「豆まき」をするようになった起源は諸説あるようですが平安時代の宮中行事「追雛(ついな)」と寺社が邪気(鬼)を払うために行った「豆うち」が融合された行事と言われています。豆まきには「魔目(まめ)」にめがけて豆を投げ、「魔滅(まめ)」となる(魔が滅する)との意味が込められていると考えられています。豆まきはその家の主または年男、年女がいる場合はその方たちが行うとされています。

 科学技術の進歩とともにIoTやAIを活用した社会へと変化し続けている今も、1000年以上も前に行われた年中行事が脈々と受け継がれていることに、改めて日本の伝統や文化の奥深さを感じます。「節分」だけでなく、それぞれの地方や地域の行事・祭事にもきっと様々な思いが込められ受け継がれてきていることと思います。それらを大切に守り続けていくためにも、次世代の担い手である子供たちにしっかりと伝えていくことが、私たち大人の役目であるように思います。

 今年の鬼はどんな鬼でしょうか。御家庭でも、豆まきでしっかりと鬼を追い払って、令和3年をさらによい年にしていってほしいと思います。

 

【12月25日(金)】

    世界中で新型コロナウイルス感染拡大が続き、どの国も感染拡大の抑止に全力で取り組んでいます、そのような状況下で、全ての国連加盟国がコロナ対策ではないある取組を進めています。それは「誰一人取り残さない持続可能でよりよい社会の実現を目指す開発目標(SDGs)」に向けた取組です。今年になってから、普段の生活の中でも耳にすることがあるのではないでしょうか。

 SDGsは、2015年の国連サミットで「貧しさや飢えなどの社会に関すること」「エネルギー活用や国家間の不平等の解消などの経済に関すること」「環境や気候変動などの環境に関すること」など、17の大きな目標と169の具体的な目標でつくられ、2030年を達成する年として期限も決めて取り組んでいます。さらに各国では2030年までの10年間を「行動の10年」と決めて、目標達成に向けて危機感をもって取り組んでいます。

 SDGsは自分(自国)のことだけを考えていては達成できません。自分(自国)も取り組みながら、常に相手(他国)との関係を意識し互いに助け合っていくことで達成できる目標ばかりです。なぜなら、そこには「誰一人取り残さない」というSDGsの理念が基盤となっているからです。政府だけでなく企業や地方自治体、国民一人一人に至るまで全ての人の行動が求められている取組、それがSDGsの特徴です。

 しかしながら、各国の経済状況や社会情勢によって取組には差が生じていて、特に新型コロナウイルス感染拡大による影響は大きいようです。例えばコロナ禍によるマスク着用や手洗い・うがいの徹底による感染防止への取組が進み、「目標6 安全な水とトイレを世界中に」については世界的にも早期解決への意識が高まってきたと言われます。一方、「ステイホーム」を強いられたことで家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)が増加し「目標16 平和と公正をすべての人に」については、児童虐待などの増加とともに進み具合が遅くなっているのも事実です。

 本校では9月以降、3年生が総合的な学習の時間で「SDGs」に関する学習を進めています。「SDGsって何?」から始まった学習も、今では子供たち一人一人が「感じたこと、思ったこと、考えたこと」について調べ、更なる疑問について探究する活動を進めています。そして、1月からはまとめの学習に入ります。9月からの学習を通して、子供たち一人一人が友だちの考えや思いに触れながらSDGsの理念をしっかり学んでほしいと思います。そして、今回の学びを生かし「信篤小のSDGsリーダー」として取り組んでくれることを願っています。

 

【11月13日(金)】

   先日、10日(火)(日本時間)、宇宙飛行士の野口聡一さんを含め4人の宇宙飛行士が、「アメリカの企業(スペースX社)が開発した新型民間宇宙船「クルードラゴン」で国際宇宙ステーション(ISS)へ出発する」との記者会見を行いました。

   会見の中で、野口さんへ「新しい宇宙船で、怖さはないですか?」との記者からの問いかけに対し、「昨日までできなかったことを今日挑戦するという繰り返しで人間は大きくなっていく。失敗したときのリスクは当然あると思うが、挑戦することで得られる成長のほうが、恐れよりも上回っている。これが挑戦し続けるカギになっている。今回は私が日本人の第一号として、切り込み隊長役を仰せつかった。」と答える野口さんの言葉に、憧れ続けてきた夢の実現に向かう人の心の強さを改めて感じ、自分自身、その言葉を聞いて力をもらいました。

 野口さんは、高校時代に「スペースシャトルの打ち上げ」の映像を見たことをきっかけに「宇宙飛行士」になろうと決意したそうです。大学受験に失敗したり一般企業へ就職したりと様々な経験を積みながら、超難関といわれる宇宙飛行士候補者に選抜されて今に至っています。野口さんのメッセージ「夢の実現は夢じゃない。やりたいことをやろう、そう本気で思えるかどうかである。」は、自らの経験に裏づけされた言葉であり、野口さんの生き方そのものだなとインタビューや著書から思っていました。

 11月に入り、6年生は卒業文集づくりに向けて学習を進めていきます。この学習は、生まれてから現在までの出来事を自分自身で振り返りながら、自分を客観的に見つめる機会でもあります。文集づくりを通じて、子供たちには「将来の夢」「これからやりたいこと」「感謝の気持ち」「感動したこと」など様々な思いや考えをしっかりと心の中に刻んでほしいと思います。    

 そして、この学習を通じて子供たちが、それぞれの「夢」や「やりたいこと」に向けて一歩踏み出すきっかけとなって、数十年後「夢を実現している信篤っ子」として、次世代の信篤っ子に教室で語ってくれていたらいいなと思います。

 

【10月9日(金)】

最近、電車の中刷りモニターやテレビで流れているCM、現代版「おむすびころりん」をご存じでしょうか。おじいさんが山でお昼を食べていると、食べきれないおむすびを落としてしまい、たくさんのおにぎりが穴に入っていく映像をバックに「食品ロスを、一人ひとりが考えよう。」という内容です。

「食品ロス」とは食べ残し、売れ残りなどの理由で食べられるのに捨てられてしまう食品のことで、日本の食品ロスの量は年間600万トンを超えているそうです。CMでは、日本は一日あたり一人おむすび1個分の食べ物が捨てられていると伝えています。「食品ロス」の問題は、学校教育の視点では「食生活が自然の恩恵の受けに成り立つことからの生命、自然を大切にする態度の育成」「食生活が食にかかわる人々の活動で支えられていることからの勤労を重んずる態度の育成」をねらう学びとして考えることができます。一方、食品ロスを含めたごみを廃棄するためのコスト問題や、可燃ごみを焼却することでのCO2排出や灰処理問題など環境問題とも密接な関係があります。さらには、日本が食料を輸入に頼る一方でありながら、食料を無駄に廃棄していることや、食品ロスの裏には日本でも7人に1人の子供が貧困で食事に困っている状況があることも確かです。

 私自身ができることとして「外食で注文しすぎない」「残さない」ことは親の教えもあり意識していましたが、他にも「買いすぎない」「作りすぎない」ことも大切だそうです。買い物での工夫としては「冷蔵庫にある食材を確認してから、保存できる量を考えて品物を買う」また「すぐ使う食材は期限が短いものを買う」ことです。そうすることで、お店側の食品ロス(期限切れ食材)も減らせます。調理での工夫は「小分け保存」「残っている食材を先に使う」「家族の予定を考え、食べきれる量を作る」「残った料理はリメイクレシピなどで食べ切る」ことです。

 10月に入り、秋の味覚もたくさん味わえる季節になりました。このタイミングでCMから「食」について考える機会を得たことに、何か不思議な感覚を覚えます。飽食の時代と言われる今、子供たちにも改めて考えてもらえたらと思っています。

 

【9月18日(金)】

 9月に入り、仕事を終えて駅まで歩いて行く途中、どこからともなくスズムシやコオロギの鳴き声が聞こえてきます。また、夜空を見上げると夏の頃とは違う真っ白に輝くきれいな月を見つけることができます。季節は確実に秋へと移り変わっています。

 ところで、今頃の季節になると、私は「十五夜のお月見」を思い出します。昨年はちょうど台風15号が千葉県に接近していた時でしたので、「お月見」どころではありませんでしたが、今年は10月1日(木)なのでこれからです。

 「十五夜」は「中秋の名月」とも言われますが、「中秋の名月」とは秋の真ん中の月と言う意味だそうです。そして、旧暦では8月15日頃がちょうどその時期にあたり、その日を「十五夜」と呼んでいたそうです。旧暦と新暦とは1、2か月のずれがあるので、現在では9月上旬から10月上旬までの満月が出る日を「中秋の名月」と呼び「十五夜」となります。

 実は、日本では縄文時代の頃から月を愛でる風習がありました。江戸時代になると、十五夜の時期が農作物の収穫の時期とちょうど重なることから、無事に収穫できることを喜び合ったり感謝したりする日でもありました。このことから、稲穂に似たススキや農作物、丸くて白い団子を月に見立てて飾り、感謝の気持ちを表わしてきたそうです。

 一方、月にはとても不思議な力があることも知られています。月の満ち欠けはウミガメの産卵行動や哺乳動物の感情の変化などと密接な関係があることを、多くの研究者が発表しています。

 コロナ禍で約半年、心も身体も沈みがちで何となく落ち着かない日々が続いています。こういう時だからこそ、秋の夜空を見上げて月を眺めてみてはいかがでしょうか。月から不思議な力を授けてもらえるかもしれません。そして、明日から4連休、「敬老の日」「秋分の日」と国民の祝日が続きます。お休みの日に、家族みんなでススキを探したり、白玉粉でお団子を作ってみたりと「お月見」の準備を始めてみるのもいいですね。

 

【7月31日(金)】

 令和2年度の3分の1が過ぎました。4月当初と比べると、学校も再開しスポーツ観戦、演劇鑑賞も自由にできるようになったとは言え、未だに感染者は増加し病床の確保数が減少していく状況を考えると、明日からの夏休みについても、昨年度までの捉え方とは少し違ってきます。

 今日の放送でも冒頭「まだ日本の中では多くの新型コロナウイルスの感染者が出ている状況には変わりはありません。夏休み中に、家族で旅行に行ったり買い物をしたりと、多くの人がいるところに出かけることもあると思います。また遠くから千葉県に帰ってくる人や観光で来る人など、人の移動がとても多くなります。外に出るときは必ずマスクをするなど予防対策をしっかりしてください。」と子供たちに話をしました。

 今日現在、東京では400人を超える感染者数が判明し、岐阜県では県独自の緊急事態宣言を発するとの情報も報道されています。明日からの夏休みを迎えるにあたっては、今一度、各御家庭でウイルス感染拡大防止に向けた取組「『新しい生活様式』の実践例」について話し合っていただきたいと思います。そして、明日からの17日間が全ての子供たちにとって思い出に残る素敵な夏休みになるよう、職員一同願っています。

 

 

【7月22日(木)】

 明日から4連休となります。本来であれば、明後日金曜日は「東京オリンピック2020開会式」の予定でしたが、残念ながら来年に延期です。

 今回は祝日が2日連続となります。明日23日(木)の「海の日」、以前は7月20日でしたが2001年に法律が改正され(通称ハッピーマンデー法案)、「7月の第3月曜日」となり、今年は明日23日(木)に移されました。ちなみに来年は7月22日(木)が「海の日」となります。海の日とは「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨で定められ、世界の国々の中で「海」に関係する国民の祝日を定めているのは日本だけだそうです。

 一方、明後日24日(金)の「スポーツの日」は、以前から祝日となっていた「体育の日」の後継で「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。」と、趣旨も変わりました。当然、東京オリンピック開催を見越しての祝日の変更です。来年は7月23日(金)がスポーツの日」となります。

 「国民の祝日」について問われた時、どれくらいの人が答えられるでしょうか。「国民の祝日」は戦後昭和23年、日本の復興を目的として制定された法律で、「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築き上げるために、国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」と定められました。私自身、「全ての祝日の趣旨を説明してください」と言われても正確に答えることは無理ですが、祝日を迎えるにあたって、その都度振り返ってみることは、大人としてとても大切なことだと改めて感じます。

 目の前の子供たちが成長して社会の担い手となった時、果たして「祝日法」があるかどうかはわかりませんが、「国民の祝日ってどんな日?」と聞かれた時に、自分の言葉で説明できる大人であってほしいと思います。また、私たちも機会を捉えて子供たちに教え続けていきたいと思います。

 まずは、明日からの4連休、子供たちが元気で安全に、楽しい休日を過ごしてくれることを願っています。

 

【7月6日(月)】

 6月下旬になると、毎年、地域の方の御厚意で七夕飾りのための笹を頂いています。今年も職員玄関や図書室前などに笹を立て掛けて、子供たちが自由に色紙を使って飾りを作ったり、折り紙に願い事を書いて笹の枝につるしたりしています。幼い頃「人様の願い事はあまり見たり、聞いたりするものではない!」と親に教わった記憶がありますが、ついつい短冊を見つけると子供たちの願い事を見てしまいます。「ともだちがいっぱいできますように」「みんながしあわせになりますように」「かぞくがけんこうでありますように」など心温まる事がたくさん書かれています。また、「コロナウイルスがはやくなくなりますように」「コロナウイルスがなくなって、おにごっこができますように」など、ひらがなで書かれた短冊を読むたびに、元気に遊んでいるように見える子供たちの心の中は、実は大人が考える以上に今の状況を理解しつつ我慢している様子が伝わってきます。

 御存じの通り、連日のように東京都における新型ウイルス感染者の情報が報道されています。昨日は、西村担当大臣と関東三県の知事とのテレビ協議を行い、防止対策について連携していくことを確認していました。新型ウイルス感染拡大防止に向けた新たな取組は、まだまだ始まったばかりです。「新しい生活様式」に慣れていく中で、自分の中に少しずつ考えの甘さも出てきます。今一度、「今も世界中では感染者が増え続けていること」「国内では、無症状の感染者が確実に増えていること」を忘れずに、日々の生活を見直すことが求められているのではないかと思います。学校においても、「市川市学校再開ガイドライン」に基づいた教育活動を行っていますが、常に新しい情報をもとに教育活動中の対策、対応についても見直していきます。

 飾られている子供たちの願い事は、明日の七夕が過ぎたら「七夕送り」として七夕飾りと一緒に預かります。そしてお焚き上げをしてもらい、子供たち一人一人の願いを天に届けたいと思います。

 

【6月18日(木)】

 6月に入り、自宅にいると「テッペンカケタカー テッペンカケタカー」と鳥の鳴き声を聞くようになりました。他にも「ショウチュウイッパイグイー」「ケーン ケーン」「ツチクッテ ドロクッテ シブーイ」など、たくさんの鳥の鳴き声が朝から聞こえてきます。実は、今頃の時期になるとたくさんの渡り鳥が日本に渡って来ます。我が家の近くにある里山に南の国から渡ってきたのでしょう。

 ところで、鳥の鳴き声をよく聞いてみると、「鉄片欠けたかあ。」「焼酎一杯ぐいい」「けんけん」「土喰って 泥喰って 渋―い」など、私たちが使っている言葉や会話に置き換えて聞こえてきます。

 これは、「聞きなし(聞き倣し)」と言って、動物の鳴き声、主に鳥のさえずりを人間の言葉に、時には意味のある言葉やフレーズに当てはめて動物の名前を覚えやすくしたものです。鳥類研究家の川口孫次郎さんの著書「飛騨の鳥(1921)」、「続 飛騨の鳥(1922)」に初めて用語が使われたと言われています。昔話や民話に伝わる「聞きなし」を記録しており、同じ動物でも地域によって異なる聞きなしが伝承されているようです。

 実は、信篤小の周りにも野鳥が渡って来ています。きっと、学区には多くの神社やお寺があるからでしょうか。本校の校歌の歌詞に登場する鳥のさえずりも聞こえてきます。「P地区 P地区」「火いよ 火いよ」と、子供たちが登校する時間にも耳を澄ますと聞こえてきます。

 明日19日(金)から千葉県内も外出自粛要請が解除されますが、感染防止への対応は引き続き行う状況でもあります。そのような中でも、時には天気の良い日に外に出て、先人の教えに浸りながら身近な自然に触れることで、自粛ムードから解放され、心身ともにリラックスできるのではないでしょうか。

 

【5月27日(水)】

 緊急事態宣言が国内全てで解除されたことから、連日、街頭インタビューや飲食業、学校関係への取材の様子が報道されています。しかしながら一方では、今この時も日本国内には感染症で入院している方が約2000人もいることや不眠不休で感染者の治療に携わっている医療関係者の方々、私たちの生活を支える業種の方々の様子については、残念ながら以前に比べて知る機会が少なくなってきているように感じます。

 毎朝、通勤途中で聞いている番組のあるコーナーで、「ウイルス感染拡大で日々の生活に困っている方や厳しい現状を改善しようと必死に取り組んでいる方の様子」を放送しています。わずか5分足らずの時間枠ですが、毎回、日本各地から、時には海外留学生の苦悩や生活の実態などを伝えています。その番組を聞くたびに「知らなかった新しい被害」だけでなく、「感染症と真正面から向き合っている姿」や「厳しい状況をチャンスと捉えて新たな取組に挑んでいる姿」など「今の日本の現実」を知るとともに、多くのことに気付かされます。4月当初は何となく聞いていたのですが、5月の連休明け頃から、私にとってこの朝の5分間はとても貴重な時間のひとつとなっています。

 来週から、本校も段階的に学校を再開します。子供たちが安心して学校生活を送ることができるよう感染防止策の徹底を図ることはもちろんですが、今後、子供たち自身が感染症と向き合いながら安全に生活していくことができるよう、学校生活の様々な場面を通して、子供たちに正しい知識や方法を身につけさせるよう全職員で取り組んでいきたいと思います。

 

【5月11日(月)】
    最近、何となく地震が起こる回数が増えているように思います。大型連休中も数回、夜遅くに緊急地震速報の警戒音にびっくりして跳び起きました。ちょっと気になったので調べてみたところ、気象庁によると、緊急地震速報警報(全国)の発令回数は、平成28年31回、平成29年7回、平成30年16回、令和元年8回、そして令和2年は3月末までに3回、4月2回、5月は今朝の地震を含めると3回と合計8回だそうです。
 
もし、今、大きな地震などの自然災害が起きたら、すぐに行動できますか。

 行動の基本は「自分の命を守ること」が最優先であると、専門家も報道等で伝えています。まずは、安全な場所に避難することが最優先です。しかし一方で、避難所などは閉鎖空間にたくさんの人が集まることで新型コロナウイルス感染症のリスクもあります。その時は、日頃から行っている「マスク着用」「こまめな手洗い」「3密になる場所に行かない、つくらない」を、避難所でも一人一人がしっかりと取り組むことが大切になってきます。今求められている「ひとりひとりができること」「うつさない、うつらない」が大切になってくるのですね。

 このような時だからこそ、家族が災害時でも安全に過ごせるように、今が家族全員で話し合う時かもしれません。参考までに、大阪府在住の防災士からのアドバイスをいくつか紹介します。

 ・ ハザードマップを確認し、家族で避難方法や場所などを確認する。

 ・ 近所を散歩する機会があったら、避難経路を確認する。

 ・ 非常持ち出し袋のチェックをする。その際、「マスク」「手洗い用具」
   「消毒液」などの予備も入れておく。
 ・ 非常食の試食をする。
 ・ レトルト食品や缶詰を使った調理をしてみる。
 ・ 家の中の整理整頓をする。
 ・ 家族同士の連絡手段を携帯電話等以外も考えておく。(公衆電話など)

 ちなみに、市川市では「市川市防災アプリ」を作成しています。私の住まいの市には、残念ながら防災アプリがないので市川市のアプリをスマートフォンに入れてあります。市のHPから簡単にダウンロードできますし、いざという時のツールにもなります。見たことのない方は是非一度、HPにアクセスしてみてください。


【4月27日(月)】

 本日、市川市として市内の公立学校、幼稚園を5月7日(木)から5月31日(日)まで休校休園の延長を決定し、お知らせしました。子供たちの健康、安全を第一に考えての対応ですので、御理解のほどお願いいたします。

 さて、現在も、世界では、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、国家をあげて様々な取組が行われています。実は、このウイルスが本当に怖い理由は「3つの感染症」という顔があることです。3つの感染症とは、第1の感染症「病気そのもの」、第2の感染症「不安と恐れ」、そして、第3の感染症「嫌悪・偏見・差別」です。

 以下に、日本赤十字社ホームページに掲載されている内容を紹介します。

 これら3つの感染症はつながっており、病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別が更なる病気の拡散につながるという『負のスパイラル』を生み出していきます。この『負のスパイラル』を断ち切るために、第1の感染症には、「手洗い」「咳エチケット」「人混みを避ける」行動をとることです。

 第2の感染症には、

  ・「聴く力(いつもの自分に問いかける)」

  ・「気づく力(自分を見つめる)」

  ・「自分を支える力(自分の安全や健康のために必要なことを見極め選択する)」を高めることです。

 第3の感染症には、

  ・「確かな情報を広める」

  ・「差別的な言動に同調しない」

  ・「小さな子どものいる家庭、高齢者、治療を受けている人とその家族、自宅待機している人、医療従事者、日常     生活を送って社会を支えている人など、この事態に対応している全ての方々をねぎらい、敬意を払う」ことです。

 特に、「第3の感染症」は感染防止ではなく、根絶しなければいけません。これから5月31日(日)までの休校期間中は、それぞれの立場でできることを確実に行う大切な時期です。御家庭でもよく話し合って、ウイルス感染拡大防止に取り組んでいってほしいと思います。

    【参考:「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~」日本赤十字社】

 

【令和2年4月14日(火)】

緊急事態宣言が発せられて、1週間が経ちました。

 現在も、世界中で新型コロナウイルス感染症による患者が増え続けています。千葉県においても、1週間前(4月7日:290例)に比べ、昨日(4月13日)までに約200例増え、481例となるなど、油断できない状況が続いています。市川市も緊急事態措置を発令し、本校も含め、市内の小中学校などを5月6日(水)まで臨時休校としています。

 誰もが経験したことのない状況の中、保護者の皆様にとっても、「家の中で我が子をどう過ごさせたらいいの?」「生活が乱れてきて心配だけど」と様々な不安もあると思います。そんな時は、御家庭の中だけで悩まず、どうぞ遠慮なく、私たちに相談してください。いつでもお話を伺える準備をして待っています。また、私たちも、子供たちの様子を是非とも知りたいので、今後、ウイルス感染拡大防止を考慮しつつ、様子を伺える機会を持とうと考えています。決まりましたら、改めて、メール等でお知らせします。

 しかしながら、国内でウイルス感染患者の拡大が止まらない現実を踏まえ、学校としても対策を考えなければなりません。そこで、市川市では、千葉県の動向を踏まえ、明日15日(水)から、市内に勤務する教職員のクラスター(集団感染)防止と、学校が持続的に教育活動を行うことができるよう、輪番制で在宅勤務を行うこととしました。本校の教職員、総勢52名を2グループにわけて、1日おきに在宅勤務を行います。私たちにとっても初めての取組ですが、どのようなことがあっても対応で