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2025年6月の記事一覧

046_糸瓜(25.6.19)

 登校してくる子供たち男女を問わず、日傘を差す子が多いことに気づきます。長い道のりに日陰がほとんどないからかもしれないと一人納得しながら、日陰に身を隠す朝。

 さて、環境への負荷を少しでも減らせればと思い、ヘチマタワシを自分で作って使用していますという70代女性の新聞投書。台所洗剤をつけると、スポンジほど泡立たず、タワシほどしっかりはしていませんが耐久性は十分と推しのコメントです。

 近年、学校では4年生がゴーヤ(ニガウリ)を育ててグリーンカーテンにする光景を目にしますが、昔は3年生でヘチマの実の栽培だったように記憶します。ヘチマやゴーヤが選ばれるのは、花の大きさや雄花と雌花の区別、栽培時期などの関係から適切だからと思いますが、ヘチマタワシもヘチマ化粧水も利用されない現代では、食用になるゴーヤの方が現実的なのかもしれません。

 子供のころは、家でもヘチマを栽培する棚がありました。50cmはあろうかというヘチマを収穫して、どぶ(今や死語?)に浸けておいて茶色くなるまで待ったような?!腐って柔らかくなった皮を剥がして種を取り出せば、すじ(網状の繊維)が残ります。これを乾燥させれば立派なヘチマタワシの出来上がり。

 風呂で固形石鹸をこすりつけ、ヘチマで体を洗いました。ある程度使うと柔らかくなってきますが、最初のころは肌に線キズが残るくらい痛い!ゴシゴシされた背中はヒリヒリ。ましてや、夏場の日焼けした肌には凶器以外の何物でもなかったのです。

 歌人であった正岡子規の絶筆三句すべてに、糸瓜(ヘチマ)が詠まれます。亡くなる直前の子規の、ヘチマ水を取ることが叶わない無念さが窺えます。私においては、思い残すことがないようにタワシ作りをまたやってみたいなぁ。

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