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080_宮沢賢治(25.9.10)

 夏ドラマが終わりを迎えています。毎シーズン思うのが、設定に被りが必ずあること。弁護士の番組が多かったり、記憶喪失が重なったり…。そしてこの夏は、宮沢賢治の作品がモチーフになっているドラマが2つありました。

 阿部サダヲ主演の『しあわせな結婚』では、松たか子がネルラ役。これは『銀河鉄道の夜』の登場人物・カンパネルラから名付けられていますし、亡くなった弟の五守(ゴシュ)はきっと、『セロ弾きゴーシュ』からだろうと思われます。

 一方、磯村勇斗・堀田真由主演の『僕達はまだその星の校則を知らない』は、不思議な面白さがあります。宮沢賢治の『星めぐりの歌』を主人公は時々口ずさみ、『銀河鉄道の夜』のジョバンニのセリフを思わせる言葉がつぶやかれます。また、堀田真由演ずる国語教師は宮沢賢治の大ファンで、賢治の詩や物語の一節を唱えるのです。何より、主人公自身を『よだかの星』と重ねている?ただ、それほど深く読んではいませんが…。

 徐々に秋になって熱帯夜から解放されるようになると、夜空を眺めるのによい季節となりそうです。天の川や夏の星座が西に傾いて、秋の星座が昇ってきます。でも明るい星が少ない秋は、何となくさみしさがあるものの、星を見上げること自体を十分楽しめるかもしれません。

 暗くなるのがどんどん早くなっているのを実感します。学校を出て、車に乗り込む前に晴れた夜空をしばし眺めてみるのもよいかも。もしかすると柏井の空なら、宮沢賢治の世界観や「本当のさいわい」にちょっとでも触れることができるような気がします。