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123_マジックアワー(25.11.15)

 昔は、七五三といえば11月15日だったことを思い出した朝。

 「あなたが一番好きな日本語」というテーマで、日本語を学ぶ外国人に募集した作文があるそうです。イランの学生は、「ただいま」という言葉を挙げたといいます。理由は、「帰る家があり、迎えてくれる人がいるからこそ言える言葉だから」だそうですが、日が暮れるのが早くなった今、「ただいま」や「おかえり」という言葉が、暖色の家の中から聞こえてくるような気がするのです。

 さて、読売歌壇のページまでめくって手が止まります。4人の選者がいますが、不思議と俵万智さんが取り上げた短歌と評にばかり目が行くのです。ノスタルジックな気持ちになるある日の2首があります。

  夕方のチャイムに散った子どもらの一人は今も鬼のままなり(富尾さん)

  まどろめば「学生街の喫茶店」君には孫が何人いますか(青木さん)

 『サラダ記念日』を買って読んだのは、発売して間もない頃。青春真っ只中で、大好きでした。そんな優しいまなざしが選ばれた作品から今も感じられるから。

 また、伊藤園が主催する「新俳句大賞」の中学校部門大賞の作品も見事です。

  夕焼けのしっぽつかんで立ち話(伊藤さん)

 学校(部活?)の帰り道、おしゃべりに興じる女子生徒。話したいことがまだいっぱいあるのに、夕日は沈んでどんどん暗くなっていきます。そんな時、小さくなっていく夕焼けの尻尾をつかんで逃がさなければ、もう少し話をしていられるといった心境が十七音に凝縮しています。話し足りないくらい笑い合える関係って、今は遠くなりにけり~。

 日没前後の空が美しい季節になりました。そんな今日は、保護者向けた音楽発表会です。