校長の部屋

校長の部屋

暗さを楽しむ(7/13)

 「地震の時」「虫がいる時」「怖い夢を見た時」、何のことだと思いますか?妻が、独りでなくてよかったと思う時だそうです。冗談半分ですが、不安な時は独りより二人以上のほうが安心できるのは誰も同じではないでしょうか。

 停電時もそんな気持ちでした。今の子供たちには「停電」の記憶などないのかもしれません。東日本大震災の後に計画停電が実施されましたが、児童の多くは、それすら経験していない、あるいは覚えていないのではないでしょうか。

 昭和30年から40年頃はよく停電していた覚えがあります。原因のほとんどが落雷だったのではないでしょうか。ただ、電気の容量をオーバーするとブレーカーが落ちることもたびたびありましたが…。停電すると、居間の仏壇脇からロウソクセットを取り出します。せんべい缶の中には、長いロウソク10本くらいとマッチ、そしてロウソク立ての3点セットが入っていました。祖母が「はい、ロウソク!」と手際よく座卓の上に設置します。家族でいると、それほど怖くはなかったように思います。ロウソクの炎だけでとる食事にも慣れっこでした。どれほどの頻度で停電していたかは定かではありませんが、停電は、そう思えるほど生活の一部にもなっていたような気がします。

 夏の夜、少しだけ電気を落として、暗がりを楽しむのも粋かもしれません。小さな灯りに誘われて、網戸にカナブンやカブトムシが飛んできたりして?!市川小学区では無理でしょうか。

 

自然の匂いや音に敏感であれ!(7/10)

 我が家の狭~い庭のアジサイもそろそろ終わりを告げます。3年前に本校2代前校長の京極先生にいただいたアジサイも毎年きれいな花を咲かせます。アジサイにも様々な種類(名前)があるのですが、いただき物だったため名前が不明です。そこで、我が家では「京極」という名前で通っています。挿し芽で増やせるので、先日友人にもあげた際も「京極」と伝えました。もしかすると、その名前が広がる可能性も…?

 さて、庭に植えてはありませんが、私の好きな花の香りが3つあります。早春に咲く沈丁花、秋の金木犀、そして今の季節に咲いているクチナシです。どれも甘い香りを漂わせます。

 道を歩きながら、花の香りで季節を感じることができます。どこに咲いているのか見えなくても、香りは確かに季節の変化を届けてくれるのです。

 花ばかりではありません。夕立が来る前の匂い、通り雨のあとの土の匂いなど。また市川では、梨が木から落ちて熟した匂いもあります。私はこの匂いとカブトムシが結びついて夏そのものを感じてしまいます。コロナの時代だからこそ、自然の匂い(香り)や音にだって敏感でありたいものです。

 カブトムシといえば、5年生のある教室で、まだ3時間目であるにもかかわらず、昼食を食べている輩がいます。かごの中のカブトムシでした。好物のゼリーだったようで、先生の話も聞かず貪っていました。1年生の教室では5時間目、すでにおがくずを被って寝ていました。困ったものです。

 

ほおずきの思い出

 例年なら今日9日と明日10日は、浅草寺「ほおずき市」が開催されます。しかし、今年は中止です。本来ならばこの両日、浅草寺境内は120店の「ほおずき屋」、その他100店の売店で埋まり、夜を徹して賑やかな声が夜空に響き渡るといいます。一度は行ってみたいものです。

 そういえば昔、祖母が中身を取り出して皮だけになったほうおきを口に入れ、「ブブブッ」だったか「ポンッ」だったかは忘れましたが、音を鳴らすのを不思議に見ていた記憶があります。YouTubeを探してみても、笛のように吹く動画はありますが…。得意だった方、いらっしゃいますか?

 さて、1年生が育てているアサガオは、これから色とりどりの花を咲かせます。種もたくさん採れます。2年生は少し前にミニトマトの苗を植え、毎朝ベランダで水やりする姿が見られます。黄緑色の実がどんどん色づいていった時のワクワク感、食べる前のドキドキ感はたまりません。3年生はホウセンカを育てています。双葉が本葉にかわり、その数がどんどん増えていく様、ぐんぐん丈が伸びる様を、五感を通して感じてほしいと思います。

 今、校長室でもウンベラータ(観葉植物)が元気に育っています。校長室にやってきたときに広げていた葉は、剪定後に黄色くなって全部落ちてしまいましたが、今では私の顔と同じくらいの大きさの新しい葉が太陽の光を浴びています。次々と新葉をつける生命力には驚きます。校長室の天井近くまで茎や葉を伸ばす姿も夢ではありません。

 最後に、この漢字を読めますか?「鬼灯」「酸漿」「鬼燈」・・・答えは、すべて表題&写真!

       

虱の話(風ではありません)

 今日は「質屋の日」、語呂合わせです。そこで、山形県の民話「虱(シラミ)の質入れ」を紹介します。

 むかしむかし、米沢の近くの村に佐兵と言う、とんちの上手な男がいました。貧乏な佐兵の着ている着物はボロボロで、その着物には、いつもシラミがたかっています。ある日、お金が必要になった佐兵は、家の中で一番上等な着物を質屋へ持って行きました。すると、質屋の番頭が、

「おい、佐兵よ。お前の着物には、シラミがいっぱいたかっているぞ」

「うん。確かにたかっているな。だが、お前さんの店では、《何でもお受けします》と書いてあるぞ」
「まあ、それはそうだが」
「そうだろう。それじゃあ着物と一緒にシラミも預かったと、ちゃんと質札に書いてくれよ」
「シラミをか? まあいいが、それでシラミの数は?」
「そうだな。五升(約9㍑)のシラミを預かったと書いてくれ」
「へいへい」
 番頭がその通りに書いて渡すと、佐兵はニヤリと笑って帰りました。
 そして数日後、佐兵はお金を持って着物を引き取りに来ました。着物を受け取った佐兵は、質札を取り出すと番頭に言いました。
「確かに着物は受け取ったが、でも、返してもらう物がまだ足りないぞ」
「足りないって、何が足りない?」
「五升のシラミだ。質札にちゃんと書いてあるものだろう。だからシラミも返してもらわねえとな」
「へっ?」
 シラミの事など冗談だと思っていたのですが、確かに質札に書いて渡したので、客から返せと言われれば返さなくてはなりません。でもシラミを五升なんて、どこを探してもありません。番頭は、頭をかきながら、「まったく、佐兵にはかなわんな」と、シラミの代わりに酒代を渡して許してもらったそうです。   

     《引用》http://hukumusume.com/douwa/pc/minwa/03/18.htm

 虱(シラミ)と言われても「?」という感じかもしれませんが、意外と身近なのが頭髪に寄生して頭皮から吸血するアタマジラミ。“不潔”なイメージがあるかもしれませんが、それは大きな間違い。被害は8歳以下の子供が8割といい、保育(幼稚)園などで頭を寄せ合ってお昼寝をしたり、お風呂やプールでタオルを貸し借りしたりすると、どんなに清潔にしていても簡単に感染してしまうそうです。1年を通じて被害が見られるので、1,2年生は特に頭髪のチェックに気を配る必要がありそうです。

 

ウルトラ5つの誓い

 七夕です。あいにくの天気と折からの感染症予防から、織姫と彦星はステイホームでしょうか?また、九州での豪雨が続き、ご親族や知り合いがいらっしゃる方にとっては心配でならない毎日であることを推察いたします。

 さて、少し前ですが6月20日(土)から「ウルトラマンZ」の放送がスタートしました。「ウルトラQ」から見始め、ウルトラマンシリーズは、「仮面ライダー」シリーズとともに欠かさず視聴しました。さすがに今は???

 ところで、「ウルトラ5つの誓い」をご存じでしょうか?「帰ってきたウルトラマン」最終話で、地球を去るウルトラマンが少年に伝えた誓い、これを少年が叫びながら見送るという場面がありました。

  1つ! 腹ペコのまま学校へ行かぬこと

  1つ! 天気のいい日に布団を干すこと

  1つ! 道を歩くときに車に気をつけること

  1つ! 他人の力を頼りにしないこと

  1つ! 土の上を裸足で走り回って遊ぶこと

 この5つの誓いから、ウルトラマンの地球人への深い思いやりと愛情が感じられます。当時の子供たちの間でも有名でした。そして、令和2年4月14日の円谷ステーションには、「ウルトラ5つの誓い2020」が登場したのです。

  ① がんばって おうちのなかに いること
  ② きちんと うがいを すること
  ③ てを あらうときは すきなうたを 1つうたいおわるまで、しっかり あらうこと
  ④ おうちでできる たいそうなどで からだを しっかり うごかすこと
  ⑤ できることを つづけて、ぜったいに まけないこと

 読んでおわかりのとおり、新型コロナ感染症拡大防止のためのウルトラマンから愛あるメッセージです。

 東京都の感染者数が、107、124、131、111、102人と5日連続で3桁となっています。千葉県も数は多くないまでも予断を許さない状況に変わりはありません。旧ウルトラの誓いにあることは、免疫力をつけることと置き換えられます。そして。新ウルトラの誓いでは、一定の生活様式定着を呼びかけています。こうしたことを、自分事として確実に行えることが、第2波、第3波を心配する現在において大人にも子供にも求められていると考えています。