校長の部屋

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039 多様性を認め合う(6/3)

 LGBTQあるいは性同一性障害などについて話題とされ、随分と周知されてきたように感じます。高校の女子生徒の制服がパンツも選べるように変わってきましたし、男子生徒がスカートとズボンを併用しながら登校している様子もテレビで映されました。そうした中で、経産省職員の「トイレ使用制限」に関する高裁の判決は考えさせられます。

 大人はどう答えるでしょう。「戸籍上は男性(女性)とされる性同一性障害の人と同じ女性(男性)トイレに入れますか?」

 子供はどう考えるでしょう。「体は女性(男性)だけれど、心は男性(女性)という人がいます。使うトイレは、男性用か女性用か?」

 正解はありませんが、議論を通して理解を深めていくことはとても大切です。教職員や保護者、子供の中にいないとは限りません。カミングアウトできずに悩んでいるかもしれないのです。

  

 朝、校門で見守りをしていた時に、低学年男児が門を入らず、じっと信号待ちをしている男性を見ています。私のような頭で、相撲やラグビー選手のような体格。大きめのTシャツにダボダボのステテコパンツといういで立ち。どうしたのか尋ねると、「なんで男の人なのにスカートを履いているの?」と言います。ズボンの股の部分が膝あたりにありますからスカートに見えるのも仕方ないと思いました。けれども、社会的・文化的につくられる性別(ジェンダー)は、小さな子供の中にも自然と刷り込まれていることを感じました。

038 信じる?信じない?(6/2)

 昨日、5年3組の児童が校長室までお茶を運んできてくれました。家庭科室を使った初めての実習で、湯を沸かしお茶を入れたのです。茶葉や湯の量をきちんと図って入れた、素朴な味が感じられました。

 さて、今日も関東地方は梅雨入りしそうでしない、気象予報士泣かせの天気です。天気に関しては数々の言い伝えがありますが、一般的に「言い伝え」は昔から言い伝えられてきた風習やまじないなどを指します。あまり合理的な根拠はなくても何となく気になるから不思議です。そういう私は、霊柩車を見ると車を運転中でも親指を掌に隠します。ハンドルにはドラえもんの手が乗っている感じです。「死者の魂が入ってくるのを防ぐ」というものです。これを助手席のオーナー様も一緒に実行しているから可笑しくなります。

 「机に足で乗ると勉強ができなくなる」「夜、口笛を吹くと蛇が出る」「物差しで頭を叩くと背が伸びない」「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」など、母や祖母から止められてきました。箸に関する不作法も厳しく言われました。箸で取った食べ物を元へ戻す「そら箸」や食器の上で二人一緒に料理を挟む「二人箸」、料理に箸を突き刺して食べる「刺し箸」、どの料理を食べようかと料理の上であちこち動かす「迷い箸」、食事中に箸で人を指す「指し箸」など。指摘されたことはありませんか?

 「夜、靴を下ろしてはいけない」とも言われます。街灯がない時代は、夜道を歩くことは大変危険だったので、よほどのことがない限り外出することはありませんでした。ましてや暗闇を新しい靴で歩くのは、誰かが亡くなったお通夜くらい。だから、夜に靴をおろすことは死を連想させ縁起の悪いものとされてきました。ちなみに我が家では、新しい靴を下ろす前に、トイレの床にトントンとやって「事故に遭いませんように」と願をかけます。どうも妻の家に伝わる習わしのようですが、今では娘もやっていると言います。

 そうそう、「つむじを3回押すと下痢をする」というものもあって、友達の頭をツンツンしていた小学生時代。懐かしい!

037 音楽と記憶(6/1)

 今日は市川小学校の開校記念日。一昔前なら臨時休業でした。学校だよりにも書きましたが148歳です。築き上げられた歴史の重みを感じます。でも、子供たちは今日ここからの市川小の歴史(未来)を築き上げていく人材です。「温故知新」「不易と流行」…言葉が続きませんが、期待は大きい。

 さて、以前「においと記憶」について書いたことがあります。「音楽と記憶」もまた密接な関係があるように思ったのは、6年教室前の掲示された作文を読んだからです。仮に豆大福を食べているときにテレビからある音楽が流れていたとしますと、豆大福を見るとその曲を思い出し、その曲を聴くと豆大福をイメージすると書いています。また、夏休みの宿題を涼しい部屋で音楽を聴きながらやっていたので、その曲が流れると半袖姿でエアコンの涼しい風を浴びている様子を思い出すのだそうです。なるほどと廊下で感心してしまった次第です。国語科『随筆文を書こう』で取り組んでいた作品なのでしょうか。

 私の場合の音楽と結びつく記憶は…。ちあきなおみさんが歌う『四つのお願い』という曲がありました。この曲と楳図かずおさんの漫画『漂流教室』とがリンクするのです。それも床屋の景色が脳裏に浮かぶから不思議です。散髪待ちの間、ドキドキしながらページをめくっていた時に当時流行っていたこの曲がラジオから流れていたのだと思います。

  

 こんな「音楽と記憶」に関するエピソードがあったら教えてください。支障のない範囲で紹介させていただきたいと思います。

036 技術の進歩にわくわく(5/31)

 先週の朝日新聞に、「自動運転の電気自動車をスマホで呼び出す…。そんな次世代のサービスを見据え、自動車産業が百年に一度とも言われる変革期に入った」という記事がありました。これを目にした途端、頭の中で、ジェッターが腕時計型無線機に向かって、「流星号、流星号、応答せよ」と叫び、すぐに宙を飛んでやってくる流星号の映像がリアルに蘇ったのです。1965年にテレビ放映された『スーパージェッター』、55年の時を経て、空は飛ばないまでも流星号が色褪せないまま現実になろうとしていることに心沸き立つ思いです。もしかすると、マッハ号だって夢じゃない!

  

 一方、読売こども新聞には「ゲノム編集」についてわかりやすく紹介されていました。これまで作物の品種改良が長い時間をかけて行われてきました。例えば稲。望んだ特長を持つ品種を生み出すには十年くらい位の年月が必要です。果物に至っては何十年もかかるといいます。一方、これがゲノム編集だと、狙った遺伝子に思い通りに変化させられるので、品種改良のスピードが格段に上がるというわけです。少し逸れますが、TVドラマ『ネメシス』で探偵の助手を演じる広瀬すずさんも、ゲノム編集で生まれてきたという設定。低視聴率が言われていますが、佳境に入って面白くなってきました。

 品種改良を施した稲の10年先より大きな変化が、今後の10年に望めそうでわくわくします。ただ、「便利」以上に「安全」が第一であることは、今も昔も変わりはありません。

035 道の駅(5/28)

 今週、偶数学年及び奇数学年の抽出児童対象に眼科検診を行いました。眼科医によると、例年と違ってアレルギーが多くみられるとのこと。これは医院に診察に来た人にも言えることだといいます。私もスギ花粉が終わったにもかかわらず、目が痒い日が続いて点眼薬が手放せません。

  

 さて、先日道の駅に野菜を買いに行った際、「わらび」が売られているのを目にしました。片手に軽く握った量で約300円。高っ~という感じです。というのも、小学生の頃は近所の林に入れば自由にわらびを採ることができたからです。「俺って、わらび採りの名人?」と自分で勝手に思っていたくらいたくさん採りました。祖母や母が灰汁とりをしたあと、おかかをかけておひたしになったものが食卓に出てきました。今でも、林があると足を踏み入れたくなります。700人の児童の中で、わらびを食べたことのある子っているのかなぁ?

 サルビアの花の蜜を吸ったり、ガマズミやヤマモモの実を食べたり、葉っぱで笛を作ったりするような自然丸ごと体験の機会をつくりたいものです。「かがやきフェスティバル」(11月)の午後をそんなスローな時間にすることはできないでしょうか。ただの思い付きですが…。

  

 ところで、道の駅の案内板ってどんなデザインだったでしょうか。見ているようで見ていないものがまた一つ!左側に駐車場と2本の樹木を配置し、緑あふれる安らぎの空間をイメージ。右側には建物と人を表し、単なる駐車スペースではなく案内と情報発信機能を持っていることを意味しているといいます。人の形は、インフォメーションの「i」を、木と駐車場と道路が「道」の「しんにょう」をかたどっているそうです。29年前からあるのに、初めて知りました。「道の駅いちかわ」もオープンして3年が過ぎましたね。

034 昭和のテレビっ子(5/27)

 今日は、6年生が「全国学力・学習状況調査」の検査日で、2~5年生は午前中に「学力テスト」を実施します。そして、1年生は給食に提供される「空豆の鞘むき」をします。空豆といえば、絵本『そらまめくんのベッド』(なかやみわ作)。そらまめくんは、もともと企業デザイナーとして仕事をしていた頃に生まれたキャラクターだったといいますが、コンペでは採用なかったようです。でも、強い思い入れがあったので、眠らせていたキャラクターを絵本で蘇らせたのがこの作品というわけです。

   

 さて、相変わらずテレビ番組を撮りためて、夕食時に一つずつ消化(視聴)しています。警察ものや医療ものが多い中、痛快なのが『ドラゴン桜』。敵を仕立てるのは脚本や演出の王道なのかもしれません。一方、吉田羊さんと國村隼さん主演で親子を演じる『生きるとか死ぬとか父親とか』は、淡々とした展開で『ドラゴン桜』とは正反対ですが、感じるものがあるのです。4月にお亡くなりになった田村正和さん主演の『古畑任三郎』も大好きでよく見ました。友達と物まねを披露しあったこともあるほど。「一番印象に残る犯人役は誰か」というアンケートの結果、イチローさんとSMAPが同率1位だったそうです。ただ、NHK放送文化研究所の調査によると、10代、20代の半数がほぼテレビを観ないとのこと。5年前に比べて20ポイント前後減少しているとのことです。テレビ離れが加速している実態が見て取れます。

 話は変わりますが、最近変化を感じているのが「爪の伸び方」と「トイレの回数」です。暑くなって、爪が伸びるのが早くないかなって思うことはありませんか。特に足。普段、靴下を履いていることが多いので、切るタイミングを逃して長くなっていることがよくあります。

 そしてトイレです。冬場は頻繁に小用を足していたような気がしますが、暑くなると知らない間に汗をかいているのでしょう。家でトイレに入って以降、昼近くなって初めて学校でトイレに入るなんてことがしょっちゅうあります。「あっ、今日初めてだ」と気づく有り様。だからこそ、熱中症予防として、のどが渇かなくても水分補給なのでしょう。そういえばテレビの番組中にずっとおしっこを我慢して、CMになるとトイレに駆け込むなんて子供時代もあったっけ。

033 当事者として判断・行動する力(5/26)

 今晩は、以前お知らせした「スーパームーン」。今日の満月は、今年最も地球に近づくとともに3年ぶりの皆既月食で、大きな赤い月になります。あとは天気次第!20時頃からが楽しみです。

  

 さて、昨年度から小学校で新しい学習指導要領による指導が始まっています。指導内容などが改編される中で、6年生の社会科では単元の順番が変わっています。これまでは歴史→公民の流れでした。春先に縄文・弥生時代の暮らしを学習して、12月頃に政治を学び始めていました。現在は、公民→歴史の順です。その政治の仕組みなどを学ぶための視聴覚教材も充実しています。運動会前に教室を訪問した時です。65型テレビを子供たちが食い入るように見つめています。黒板には「裁判所のはたらき」、画面には「昔話法廷」とあります。どうやら視聴する子供たちは裁判員の立場のようです。乙姫が被告で、浦島太郎が原告という設定。「あなたはどうして竜宮城へ行くことになったのですか?」と弁護士が尋ねています。たった数分しか見ませんでしたがずっと教室にいたい気がしました。「3匹のこぶた裁判」で正当防衛を問う番組も以前見た気がします。「セーラームーン」が被告だったら、「月に代わってお仕置きしたのよ!」と開き直るでしょうか?

 政治についても、いかに身の回りに関連する事象を見つけ、自分事として感じ、当事者として考え判断するかが知識以上に大事です。得た正しい情報をもとに考え進め、行動に移す力を、小学校のうちにどれだけ獲得できるかが飛躍の土台になると思いますがいかがでしょう。

032 お疲れ~乾杯!(5/25)

 スポーツ参観日は、保護者の皆様のご理解とご協力のもとご覧いただきましたことに感謝いたします。曇り空でしたが、子供たちの精一杯の演技や走る姿に感動しました。今回の頑張りを振り返り、「次はこんなことをやりたい」という意欲やアイディアを生み出せたら、さらに成長できると思います。「いわれたことをやる」から「自分でよいと考えたことを行動に移す」子供を目指したいと思う毎日です。休み明けの今日は「大安」。何かよいことがありそうな予感が…?

 さて、行政経験のある教員はみんなその仕事に同じように感じることがあります。それは、仕事に季節感がないこと。忙しさに多少の波は感じても、学校現場のような季節ごとの主要行事に全員で邁進して、やり切った感をもつ機会はあまりありません。入学式、卒業式、運動会、文化祭的行事、水泳部・相撲部・陸上部といったシーズン限定部活動などが終わると、みんなで飲んで騒いで「次に向かって頑張ろう」と気持ちの切り替えをします。ただ、コロナの影響でそれができないのが残念でなりません。単に飲みたいだけじゃないのと言われたら、「はい、そのとおり」と即答してしまいそう怖い。

 ずっと昔の話ですが、運動会前日に前夜祭を行い、学校に泊まるなんてこともありました。そして、運動会が終わると職員室で体育主任を慰労する一次会をしました。職員室で学年ごとに演技を披露したり、運動会の歌を大声で歌ったり…。その後、今度は体育主任が職員への感謝する会として二次会の場に繰り出したものです。先日の土曜日の昼食時は楽しいおしゃべりすら十分できず残念です。グラスを合わせて、声高らかに乾杯できるようになるのはいつだろう。

031 みんなが主役、みんなが脇役(5/22)

 運動会の練習中にうれしくなる場面をたくさん見つけました。演技で使用する用具を放り投げていく子が多い中で、誰の物であってもきちんと置き直した後、全力で集合場所に向かう子。音楽や歌詞の意味を感じながら、手による表現や表情を豊かに演じる子。戸惑っている子に優しく関わっている子など。日々目立たないところで活躍する子供が報われるようでありたいものです。

 さて、「バイプレイヤー」という和製英語が、定着したように思われます。「脇役」という意味で使用されます。演劇や音楽など、主役一人で演じるものではなく、主役を引き立てる周りの脇役があってこそ成立するものです。だから、主役と脇役が互いに尊重し合う関係はとても大事です。

 以前ニュースを観ていると、成田空港で働く凄腕の裏方さん数人にスポットを当てていました。こんな世界、こんな仕事もあるんだぁと新鮮でした。パイロットやCAという花形職業に憧れる子供もいるでしょうが、こうした職種の働きぶりを見て自分のキャリア形成が刺激される子もいると思います。まさにプロフェッショナルでした。病院でもドクターや看護師ばかりに目が行きそうですが、医療事務その他いなければ成り立たない場所です。たとえスポットが当たらなくても、自分の役割に誇りをもって精一杯頑張る人はきらきら光って見えます。

 クラスでは…?各職場では…?目立つ人ばかりに目が行きがちなことはないか確認が必要です。学校では、担任をはじめとした様々な教職員が輝けるように、互いにリスペクトしながら取り組んでいきます。

 今日は、主役・脇役関係なくキラキラさんを校庭でたくさん見つけます。「保護者1名限定の参観」というのは本当に申し訳なく思いますが、ご家族全員の気持ちを集約して代表でのご参観をお願いします。30分開始を遅らせたので、雨が完全に上がって晴れ間晴れのち曇りが少しでものぞくといいなぁ。

030 あこがれの職業に(5/21)

 毎月送られてくる冊子に3Dアートのページがあります。絵の上にある2つの黒点を見続けて、3つに見え始めたら目を下方にやると立体の絵が浮かび上がるというもの。好きなんです。眼鏡をはずしてじっと見続けている様は、他人からはどう見えるのでしょうか?

 教室巡回中に4年2組の新聞係Aが発行する新聞を目にしました。アンケートをとってなりたい職業のランキングが書かれていました。第1位「デザイナー」、第2位「サッカー選手」、第3位「警察官」と続きます。

 さて、今年小学校に入学した4000人に調査をした、「将来就きたい職業」男女別トップ20ランキングというものがあります。男子は「警察官」「スポーツ選手」「消防・レスキュー」「運転手・運転士」という順位で、20年前から不動であった「スポーツ選手」が「警察官」と逆転しました。女子は「ケーキ屋・パン屋」「芸能人・歌手・モデル」「看護師」「花屋」となります。

 ちなみに「教員」は何位?女子の8位に見つけました。20年間トップ10には名を連ねているようです。一方男子は、ランキング外です。これまでも20位手前を低空飛行。ただ、これは小学1年生の場合。6年生の卒業文集によくあるプロフィール等で「学校の先生になりたい」という文字を見つけると嬉しくなります。ちなみに、先の4年生の新聞では、声優や学者と並んで第4位(2人)という結果。

 今週17日から4週間、教育実習生を時田学級(5-2)で受け入れています。夏の教員採用選考志願書に志願理由を書く欄があります。小・中・高の恩師との出会いが影響していると書く志願者は少なくありません。4年2組で「先生」と書いた2人の思いも大きく膨らませてあげたいなぁ!

029 柔軟性ゼロ(5/20)

 校長室前の青いポストに、早速「オラが学校づくり」のご意見を頂戴しました。嬉しい限りです。様々な視点からアイディアなどをいただけるのがさらに楽しみです。よろしくお願いします。

 先日の新聞に、小学生の子供の姿勢が悪いのが悩みの種という投書への回答がありました。姿勢の悪さは、ゲームやスマホの普及、外遊びの減少に伴う運動不足などが要因だといいます。猫背などは、疲れやすくなり、肩こりや腰痛、頭痛、視力低下を引き起こす恐れもあると警鐘を鳴らします。改善には、日ごろから良い姿勢を意識することだとか。また、適度な運動で胴体部分の筋肉(体幹)を鍛えるのが望ましいと書かれています。気軽に取り組める運動が「手押し車」や昔よくやった「ぎったんばっこん」(わかりますか?シーソーではありません)。公園ならジャングルジムの中に入って、体をねじりながら上り下りをすると体幹が鍛えられ、柔軟性も養えるそうです。毎日10分程度でも、遊びながら体幹筋を動かし続ければ、悪い姿勢の習慣化を防げると締めくくられていました。

 さて、子供の姿勢、自分の姿勢、気になりませんか?先日、妻と向かい合って足裏を合わせ、両手をつないで体を引っ張り合う「ぎったんばっこん」をしようとしたら、膝を伸ばしたままでは相手の手まで指先すら届かない。なんだ、この柔軟性ゼロの体は!

  

 お恥ずかしいことに、絵のように左右の手を背中に回して握手しようとすると全く届きません。離れた指間を測ってもらったら片側19cm。反対に組んだら、なんと31cmも離れている!情けなくて苦笑い。やはり新聞に掲載されていた「肩ほぐしストレッチ」を実践してみたところ…それぞれ12cmと21cmにはなりましたが…。トホホ。

028 サインを見落とさない(5/19)

 鉢植えで育てていた大株のアジサイが、ある時を境に葉が増えません。ほかのアジサイは、蕾はつけないものの大きく葉を広げています。今は無き義母の家から摘んで、芽挿しから育てたものですから愛着があります。もしやと思って、鉢土をひっくり返してみました。すると、出てくる出てくる。コガネムシの幼虫と思われるものが、なんと28匹。割りばしで道路に放り投げます。大事なアジサイはというと、根がない。皆無!これでは育たないのも当然と納得です。専用の液に冠水して、きちんと植えなおしてあげました。

  

 幼虫を学校に持ってくれば喜ぶ子供もいるかもしれませんが、幼虫同伴で電車に乗る勇気がありません。よって、丁寧に葬って差し上げました。南無~。

 このアジサイが元気なくなった時期がいつだったか正確にはわかりません。世話していても気にかけていなかったようです。学級・学校の子供も同じです。中にはうまく伝えられない子もいます。SOSを出している場合だってあります。話せないアジサイの無残な姿を見て、何気ない変化やサインに気づいて対応できるようでありたいと改めて思った次第です。子供たちも適切なケアをすれば、そこから見違える成長をします。植えなおしたアジサイもきっと見えない土中で根を広げ、葉の広がりに表れますので、今度こそ観察を怠らないようにしないと…。

 レモンの木にはアゲハが卵を産み始めています。すでに孵った幼虫。こちらは子供たちにプレゼントします。

027 ありがとうを口癖に(5/18)

 日曜日には東海地方まで梅雨入りしたらしく、昨日今日の天気を見る限り関東も間近のはず。スポーツ参観日に向けて週間予報から目が離せません。

 昨日、とっても嬉しいことがありました。放課後の職員の打ち合わせでのサプライズです。誕生日から2週間が過ぎていましたが、職員全員からお祝いしていただきました。歌と花かご、そして赤いメッシュの帽子。帽子には「KANREKI 60」と金字で書かれています。先日もらったTシャツを着て帽子を被って見てもらいました。スポーツ参観日はこの帽子を被って校庭で見守りたいと思います。ありがとう笑う

   

 さて、3月下旬まで上野樹里さん主演『監察医 朝顔』というドラマを観ていました。夫婦間や職場で頻繁に聞かれた言葉が「ありがとう」です。何気ない心遣いや行為に対して、必ずと言ってよいほど「ありがとう」を口にするのです。

 外面人間の私は、家でなかなか「ありがとう」が言えないようです。まるで他人事のように聞こえますが…。相手がメッチャ忙しく一日を過ごした後に、労いの言葉があるのとないのとでは報われ感、逆に言えば徒労感(イライラの度合い)が全然違うことはよくわかっているつもりですが、家族だと出てこないようです。家族だからこそ、「ありがとう」が当たり前に言える人になろうと思います。(キッパリ!)

  

 子供たちにも「ありがとうを口癖に!」を訴えたいと考えます。校長室の入り口に掲示してひと月過ぎましたが、目にしてくれているでしょうか?

026 思いつくまま脈絡もなく…(5/17)

 生食パンの人気が出てどのくらいになるでしょうか。元祖は、高級生食パンの登録商標を持つ大阪の「乃が美」で、私が最初に口にしたのもそのお店のもの。近年の高級食パンブームの火付け役といってもよいかもしれません。その人気が確固たるものとなり、現在では生食パン専門店も増えているようです。市川駅北口にある「歴史は~」もそうでしょうか?生地がモチモチしていて、トーストしなくても柔らかな食感と自然な甘さ。焼いて食べてもおいしいのですが、やはりお高い!しょっちゅう食べるものではなさそうです。

 さて、GWに元同僚の先生からLINEで3件のメールが届きました。どれも「誕生日(還暦)おめでとうございます」というもの。当日は、久々に家族全員が揃ってお祝いをしてくれました。GWが明けて出勤した時には、ある先生から真っ赤なチーバ君Tシャツとマスクをいただきました。「赤いちゃんちゃんこ」の代わりだといいます。ありがたいものです。他人にちゃんちゃんこを着せたことはありますが、自分がそんな年齢になるとは思ってもいませんでした。

 GW中や土日は、用意された食事を朝昼夕と食べて、あとは好きなことをしているような生活なので、「旅館に長期滞在している客のようだ」と言われます。その滞在客は家の中で鼻歌を口ずさみます。「♪メ~リ~さんのひつじはおいしいなぁ~」、「♪モグラ(ミミズ)はとっても~歌が好き~母さん呼ぶのも歌で呼ぶ~」などなど。

 ちゃんと突っ込みを入れてくれるまで歌い続ける面倒くさい年寄り客なのでした

025 読み聞かせを大人が愉しむ(5/14)

 自分の姿や声を客観的に見聞きするのは恥ずかしいものです。教室訪問時に、動画撮影した読み聞かせを子供たちが見ている場面、あるいは見終わった場面に数回立ち会いました。お礼の言葉を言われたり、感想を聞かせてくれたり…。

 さて、私自身、本の読み聞かせは大好きです。聞いている子の表情やリアクションが楽しみだからです。わが子が小さい頃には毎日寝る前の日課。歌を入れたり声色を変えたりと工夫しながら、自分が楽しんでいたというのが正直なところです。小学校に上がってからも、教科書の音読を聞く際に範読してみたことも…。『鶴が渡る』(新谷彰久作)という詩が5年生の教科書にありました。「つるがわたる わたる こうこうと わたる」といった始まりだったように記憶しています。この「こう こう」の部分を鶴が鳴いているかのような読ませ方を何度もさせました。いまだに笑い話です。

 孫が、膝の上で落ち着いて絵本を聞いていられるようになったら読みたいのが、ネズミの「14ひきシリーズ」です。我が家には『ぴくにっく』『せんたく』『ひっこし』『かぼちゃ』『やまいも』『おつきみ』『あきまつり』『さむいふゆ』など揃っていますから、絵を見ながら話を想像(創造)することもできます。

 もっと好きなのが「日本昔ばなしシリーズ」。語り手だった故常田富士夫さんのマネをして読み聞かせしたものです。その頃のボロボロになった本が、まだ捨てられずに校長室に置いてあります。よろしければ手に取ってみてください。消毒もしてあります。

  

024 ごめんなさい…(5/13)

 今年もライラックが咲きませんでした。アジサイも蕾が極めて少ない現状に、「時期じゃないのに、自分勝手に伐っちゃうからよ」と怒られています。

 自分勝手(なんでも思いどおりになると考える性格)が堂々と道を歩いているような人間だと家族には指摘されます。当たっているからイタイ!担任としてもよい先生ではなかったのだろうと、ずっと経った今も反省ばかりしています。自分の思いを優先するばかりで、正面から子供たちに向き合っていたのか、向き合うふりをしていなかったか、と自問するしてしまいます。だからなのか、嫌~な夢をよく見ます。授業準備を全然しないまま行き当たりばったりで教えていたり、クラスが崩壊寸前だったりする場面など。「あ~夢でよかった」と胸をなでおろすことが多いのです。今は、責任や課題に正面からきちんと向き合っているつもり。子供たちに求めると同じように、自分に課すことを忘れてはいけないと考えています。

 1年生が休み時間に、「校長先生、だ~いすき」って言ってくれました。この子たちに何をしてあげられたろう、何をしてあげられるだろう。正解のない毎日ですが、自分勝手を封印して、人とのつながりを深め、子供たちとよい時間を過ごしていきます。

023 脱臼ペア(5/12)

 GWが終わって1週間経ちますが、10年以上前の3回目の脱臼の時を、GWになると今も思い出します。友達とキャッチボールをしていて、左へ逸れたボールにグローブを差し出したとき、グキッ!

 肩の脱臼は痛い!1mmたりとも動けない!大相撲の横綱だった故千代の富士関は、脱臼癖があり、土俵上で何度となく肩をはずしています。でも、支度部屋まで自分で戻っていたイメージがありますから、考えられないことです。私の4回の脱臼、残り3回を振り返ってみると、

① 初任校でサッカーの練習をしていてボールの上に乗って転んだとき。

② 初めてスキーへ行って、リフトに乗る前にストックを使って起き上がる練習をしていたとき。

③ 朝、うつ伏せから起き上がるとき。

 ③の日は、佐原市で県内教員の前で研究発表する午前のトップバッター。救急車を呼んだあと、すぐに電話を入れてもらうと、当時の責任者曰く「脱臼だから入れれば大丈夫だね」と…。順番を午後のラストにしてもらって、左肩を吊ったまま車で会場に向かったのでした。哀れみもあってか、提案に対する厳しい指摘や意見はゼロ。

 当時の職場に、肩に脱臼癖をもつ女性がいました。その人は、両手に余るくらい外しているらしく、手術でボルトを埋め込みました。秋の運動会前、二人で「ビューティーペア」(マキ上田&ジャッキー佐藤)ではなく、「脱臼ペア」を組んで、朝礼台の上で「♪だっきゅ~だっきゅう~♪」とステップを踏みながら歌ったのでした。

 児童が指や腕、脚などをけがして痛めたとき、症状の確認をすることがあります。我慢強い子もいれば痛みに弱い子もいますから、けがの程度を見極めるのは難しい?!「大丈夫?」なんて問いかけは禁忌!

022 何を想う②(5/11)

 昨日の続きです。

 アメリカのある地方に野球観戦が大好きな、でも、目の見えない少年がいました。少年は大リーグで有名なホームランバッターに憧れていたそうです。その選手へファンレターを書きました。

 「ぼくは、目がみえません。でも、毎日あなたのホームランを楽しみにしています。手術をすれば見えるようになるのですが、怖くてたまりません。あなたのような強い心がほしいです。ぼくのヒーローへ。」

 この少年のことをテレビや雑誌の記者が知って、二人の対面が実現しました。カメラのフラッシュの中、少年はヒーローに約束します。「もし、あなたが今度の試合でホームランを打ったら、ぼくは勇気をもって手術します」と。

 さて、試合当日。この日まだホームランのないヒーローの最後の打席。3ボール2ストライクのフルカウント。テレビや新聞を見た多くのファンが息を殺すように見守り、少年自身もテレビの中継を祈る思いで聞いていました。ピッチャーが投げた最後のボールは、大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。アメリカ全土から大きなためいきが漏れようとしたその時、「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」とアナウンサーが叫んだのです。

 三振をホームランと言ったのですから、嘘をついたのです。この嘘をどう感じるかは、人それぞれだと思います。

 相手を想い、自分の気持ちをどういう言葉で、あるいはどんな行動にして相手の心に届けるのかということをもっと大切にしたいなぁと思わせる2つの話です。形がなくてすぐに消えてしまう言葉であっても、手紙やメールなどの文字であっても、相手の気持ちを意識して、責任をもって届けようとすると、言葉や文字から温かさが滲んでくるのではないかと思うのですが…。たくさんの人が一緒に生活をする学校や学級で大事にしたいことの一つです。

021 何を想う①(5/10)

 オリンピック開幕まであと74日、パラリンピックまで106日となりました。白血病で闘病生活を送り、4月の全日本水泳大会で4種目に優勝した池江璃花子選手の活躍が楽しみですし、個人的にはサッカーも楽しみです。でも、コロナの影響でオリンピック開催は…?

 さて、6日の放送朝会で2つの実話を紹介しました。子供たちは何を想ったでしょう?今日と明日の2回に分けて掲載します。

 1つ目はマラソンについて。日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手は、金栗四三氏です。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人でもあります。

 今から100年以上前の第5回ストックホルム五輪大会(1912年)に出場した金栗氏。レース途中で日射病になって意識を失って倒れ、近くの農家で介抱されました。目を覚ましたのは翌朝。仕方なくそのまま帰国したものの、行方不明扱いにされてしまいました。日本の期待を一心に背負っていたにもかかわらず完走できなかった無念さを糧に、50年もの間、日本のマラソンの発展のために尽力したので、「日本マラソンの父」と呼ばれています。

 月日は流れ、金栗氏が76歳となる1967年に、オリンピック開催55周年を記念する式典がストックホルムで開催されることになりました。ぜひ来てもらえないかという連絡が届いた金栗氏は、喜んで参加をしたそうです。

 そして、当時のコースを懐かしく走り、55年前に辿り着けなかったスタジアムに足を踏み入れました。すると、何故かそこには大観衆と役員、そしてゴールにはテープまであったのです。念願のゴールをしたとき、こんなアナウンスがスタジアムに響いたのです。

 「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイムは、54年と8か月6日5時間32分20秒3。これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」

 55年前のオリンピックが、この時の金栗さんのゴールで終了したと宣言したのです。粋で、心温まる話です。続きは明日。

020 青空のステージ(5/7)

 NHK「みんなのうた」は1961年4月に放送がスタートして60年。これまでに流された楽曲はおよそ1500曲といいます。最近では「パプリカ」が大ヒットしました。

 さて、歌といえば、運動会の練習が始まって校庭や体育館から流れてくる演技の音楽。動き方の指導にも熱が入ります。歌詞に合わせた身体表現の指導場面では、先生のアカペラでの歌も響く時があります。こういう時に上手な先生がうらやましい。

 某小学校で組体操の指導をしていた頃は、演技について夜遅くまで同僚と話し合いました。どの曲を使うか、CDを何度も入れ替えながらイメージにマッチする選曲と曲をつなぐ編集作業に費やした時間はとても楽しい充実した時間でした。いよいよ練習が始まると…、マイクも持たずに大声で歌ったものです。屋外無料カラオケステージって感じでした。私の歌は聞くに堪えないと妻が耳を塞ぎますから、その歌声で演技の練習をしていた子供たちはどんな気持ちだったのでしょう。いずれにせよ、運動会で使われる音楽を聴くと、近年どんな曲がヒットしたか手にとるようにわかります。

 コロナ禍の運動会になりますが、高学年児童には「自分たちの考えを活かす」「自分たちで創り上げる」という意識をもって運動会本番までの過程で学んでほしいものです。その達成感は、自己肯定感にきっとつながるはず!緊急事態宣言やまん延防止措置の延長が決まりそうです。実施方法の変更が余儀なくされることもあるでしょうし、保護者の方にも確実に守っていただかねばならいことが増えます。それらを想定して2案3案を用意しておきますが、児童が取り組んだことは決して無駄にはならないと考えます!