校長の部屋

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099 ウィズコロナ(10/12)

 大学の講義は、まだオンラインが継続していると聞きますが、アメリカのズーム授業のこんな話を読みました。ある学生が、オンライン講義だったら飲酒してもバレないと思っていたところ、講義終了後に教授からメールが届いたそうです。「今日の講義で、あなたがビールを飲んでいることに気がつきました」とあって焦ったそうです。でも、「私もそのビールが好きです。ただ、月曜日の朝8時に飲んでいたことを心配しています。何か気がかりなことがあるなら、気兼ねせずメッセージを送ってくださいね。私はどんな時も生徒たちの味方ですから。」と文章は続いたそうです。叱るでも見て見ぬふりをするでもなく、朝からアルコールに頼るのには、何か事情があるのではないかと心配する心遣いが粋ではありませんか。

 さて、先日のニュースで、NTTがコロナ後の社会を見据えてリモートワークを基本とし、転勤や単身赴任を原則廃止する方向で検討すると発表しました。東京にあるオフィス等を売却する企業もありますし、働き方がどんどん変わっています。これに伴って、会社の近くに居所を構えなくてもよくなるわけですから、温泉地とか釣りなどの趣味が楽しめる場所への引越し、あるいは地元へのUターンが増えるかもしれません。

 どんな場所に住みたいですか?と問われたら、う~ん森の中に建てたログハウスやツリーハウスなんかよいかも…。子供たちは「○○がいい」と答えながらも、「市川小からは転校したくない!」と言ってもらえるような学校でありたいと思います。

098 自信と課題を胸に(10/11)

 ウクレレを習い始めてちょうど1年。長渕剛さんの『乾杯』をスタートに、今は『空も飛べるはず』(スピッツ)を弾いています。コード展開が速い部分もありますが、不思議と指が動くようになっています。「我ながら、やるじゃん!」と自分を褒めています。小さいながらもこうした嬉しさが、次への意欲につながるのだと身をもって感じています。

 前期終了に伴い、通知表が手渡されます。課題は大事にしながらも、良いこと・頑張ったことを中心に所見が書かれています。半年にわたる様々な記録をもとに評価していますので、自信につなげてほしいと考えます。

いつも言うことですが、本校の教育重点である“子供たちの「自己肯定感」「自尊感情」を高めていく”ためには、家庭や地域との連携・協働は必須です。みんなでよさをちゃんと認めてあげられるようでありたいと思います。よさや得意なところをさらに伸ばせる後期にするために、教職員全員で指導・支援をしていきます。

097 写真を見てニヤニヤ(10/8)

 今日は4年生の校外学習です。7時半出発で行ってきます。シャッターチャンスを逃さず子供たちのよい表情を残したいと思います。

 写真といえば、昔ながらの分厚いアルバムを開いて楽しむことがあります。ベッド下や部屋の一角を占有していますが、眺めては幼かった子供たちの姿や言葉などを見て、ニヤニヤと思い出し笑いをしています。一方、スマホやパソコンに保存したデジタルデータはとりたてて閲覧しようという気にはならないから不思議です。

 さて、卒業アルバムの業者選定を行っています。しばらく見直しを行っていなかったようですので、これまでお願いしていた業者も含めて、見積もりや本冊のページをめくりながらPTA本部役員にもご協力いただきました。直近で、現4年生以降の卒業アルバムからなら変更可能という考えです。宿泊学習や行事などでは、子供たちとカメラマンが行動を共にします。別の業者となった場合は、来年度は運全校に関わる行事に2つの業者のカメラマンが立ち入ることがあるかもしれません。

 久しぶりに小・中・高の卒業アルバムを紐解いて、ニヤニヤしてみませんか?では、よい週末を!

096 黄金比(10/7)

 午前中のうちにやっておきたい仕事にかかりきりで、教室巡りもしておらず、昼を過ぎてから慌てて書き込んでいます。

 さて、柿の種といえば「浪花屋」と言って憚らないのは妻。ビールのつまみは柿の種で十分とのこと。ピーナッツ入りは邪道とまで言い切ります。一方、私は、専らピーナッツ入り。その配合が絶妙だと思いながらも、ビーナッツばかりを食べているのは矛盾した行動?亀田製菓は、過去に比率見直し委員会なるものを創設し、国民投票を実施し、昨年5月に柿の種とピーナッツの比率「6:4」から「7:3」へという新時代の幕開けとなりました。

 ところで、「黄金比」という言葉をよく耳にします。ウィキペディアで調べると、円周率のように延々と続く数値が見られます。長方形の縦横比にも心地よさを感じる比率があるようです。本のサイズや名刺、カードのサイズもこれに当たるといいますし、音楽の世界やヒマワリの花、草木の葉といった自然界にも存在するらしいのです。学校の中にも最高のバランスで心地よさを醸し出すものがきっとあるかもしれません。

 ちなみに、日本の国旗も縦横の長さや日章の直径の割合が、法律で決まっています。縦の長さは、横の3分の2。日章の直径は、縦の5分の3なのです。そんなことを考えずに、白い紙に赤ペンで丸をグルグルって描いた方が心地よい…?

095 睡眠の質(10/6)

 娘がキャンプ用のテントを買ったといいます。まずは、デイキャンプから始めるようですが、うちの倉庫から様々な道具を持って帰りました。

 子供たちが小さなころは時々キャンプに出かけました。秋は概ね快適でした。夏場は暑すぎて眠れず、一晩中子供たちをうちわであおいでいました。夜中に激しい雷雨に見舞われ、怖くて車中に避難したのは筑波のキャンプ場?炭のにおいを嗅いだり、焚火の炎を見たりすると、ソロでもキャンプに行きたくなります。ユーチューブには、焚火や暖炉の炎が揺れるだけの動画がたくさんあります。延々3時間の動画を見て、気分だけ味わうことにしましょうか。

 さて、コロナ禍の在宅ワークによって生活リズムが崩れて、睡眠の質が落ちていると感じる人が増えているといいます。そして、人の睡眠には「明るさ」と「色」も関係があるようです。昼間は太陽光も含め、しっかり明るく白い光を浴び、夜は穏やかなオレンジ系の灯りに切り替えることが重要。つまり、昼と夜の光を切り替えることで自律神経のバランスが整って、質のよい睡眠につながるのです。東京都市大学の小林茂雄教授によると、睡眠前後の最適な照明環境は、

①寝る1時間前から明るさを絞り、オレンジ系の色で間接照明を中心にする。

②睡眠中は真っ暗、あるいは薄暗い明かりのどちらでもよい。

③起床30分前から徐々に明るく白っぽい明かりにする。

とよいそうです。とはいうものの、自動で色を変えたり点灯させたりはできませんが…。ただ、

④寝る前はできるだけスマホやパソコンの画面を見ない。

⑤体温が上がるお風呂や激しい運動を避ける。

の2つはよく言われます。まずは④に特化して実践し、睡眠の質を高めようと思います。ちょうど枕も最近かえたばかりですし…。

 10月の保健だよりで、本校の高学年児童の就寝時刻が遅いことを知りました。学習塾での勉強が一因かもしれませんが、それをなんとかするのは難しいこと。だったら、睡眠の質を高めることを目指す必要があると思います。ただ、寝る前に炎の揺らぎを楽しむのはおねしょの元?!

094 案山子(10/5)

 キンモクセイの二度咲きを昨日調べてみました。涼しい・暖かいが繰り返されるなど、その年の気象によって時々あることだそうです。前回の開花は3週間前でしたが、またしばらく甘い香りを楽しめます。

 さて、自宅近所の田んぼは、ほとんど稲刈りを終えていますが、まだ重たそうに首(こうべ)を垂れる稲穂はまさに黄金色。夏には黒いビニル袋をカラスに見立てて吊るしてある所やトンビに見立てたカイトを柱に括り付けて飛ばしている広大な田園風景がありました。案山子も何体か見ましたが、人間と見間違えるほどの出来栄えの、まさに「作品」と呼べるものまであります。鳥との戦いは今も昔も白熱の知恵比べのようです。そういえば、十数年前は定期的に鉄砲のような音を発しているのを聞いたことがありますが、最近は耳にしません。

 岩手県のある農産物直売所では、「かかしまつり」が今月末まで行われているそうですが、ふと疑問になった「案山子」という文字について調べてみました。元々中国の僧侶が用いた言葉だそうで、「案山」は山の中でも平らなところを意味して、「子」は人や人形のことのようです。獣を追い払うために、髪の毛や魚の頭を焼いて串刺しにしたものを田んぼなどに立てていた昔、それを「嗅がし」と呼んでいたので、当て字としたようです。

 さだまさしさんの『案山子』という曲に、「置き去られて雪をかぶった案山子がひとり~」「案山子のように、寂しい思いしてはいないか~」と歌う部分があります。よい人間関係を育む温かい学校、寂しい思いをさせない優しい家庭でありたいですね。

093 アナログ的顔認証?(10/4)

 両方の校門近くの金木犀がまた花をつけて、よい香りが漂っています。ワンシーズンに2回も?

 さて、新型ランクル300(自動車です)は、日本車初のセキュリティシステム「指紋認証スタートスイッチ」を導入しました。私のスマホは指紋認証ですが、顔認証のスマホを使用する方もいらっしゃるでしょう。その一人である木村拓哉さんは朝起きてスマホを開くとき、自分の顔を認証してくれないことがよくあるといいます。暗唱番号入力をせず、意地でも顔を識別させようとするのですが反応しないとか。すると、「俺だよ、オレ!」「わかんないのかよ」と画面に向かって叫んでしまうというので、想像するとおかしくなります。

 9月の終わりに、2年生が2回に分けて学校の北側・東側の2コースを町探検しました。今後、もっと深く知るためにグループごとに探検する予定です。コロナ禍では地域の方々をゲストにお招きしたり、実際に足を運んだり、授業を見ていただいたりする機会がほとんど設けられません。「あの時に来てくれたおじちゃん、おばちゃん」的な顔見知りの方が地域に多くいらっしゃれば、挨拶や会話が弾み、防犯・防災にだって役立ちます。そんなきっかけにもなるかもしれません。こうした「地域顔認証システム」構築は、子供に限らず大人の世界だってプラスに機能すると思うのです。

 これに関連して、来年度4月から3年間の任期で務めてくださる「青少年相談員」を求めています。委嘱時の年齢が20~55歳(学生可)で、スポーツ・野外活動等を通した体験学習の促進や地域青少年の健全育成などを行っていただきます。市内13地区ごとの主催行事の企画・運営もお願いしています。中心になる方はいらっしゃるので、参加できるときだけでも大丈夫と聞いています。興味のある方、ご推薦いただける方がいらっしゃったら、学校(325-4758)にご連絡ください。もう少し詳しく説明いたします。ちなみに市川・真間は第2地区、市川南・新田2~4は第3地区になります。

092 Lemon(10/1)

 今日は、登校の時間帯以上に下校時の雨風の方が気がかりです。雨雲レーダーとにらめっこの午前中になりそうです。我が家にあるレモン&ライム計4鉢が、去年よりたくさんの実をつけ、青々して艶やかで、今から収穫が楽しみですが、台風被害を受けないか心配です。レモンといえば、少年サッカーの指導をしていた頃、ハーフタイムになると選手に出されていた砂糖漬けにされたレモンの輪切りをふと思い出しました。

 さて、少し前に読売新聞「編集手帳」を読んで、日本と欧米のレモンに対するイメージに差があることを初めて知りました。日本では一般的に、レモンは酸っぱいけれど清涼でスッキリしたプラスイメージが持たれています。一方、アメリカには次のような名言があるそうです。

  When life gives you lemons, make lemonade.

 直訳すると、「運命があなたにレモンを与えたなら、それでレモネードを作りなさい」となります。何のことか意味がわかりません。実はレモンのイメージの差がここにあるのです。アメリカでは、レモンに「つまらない」「品がない」「不良品」「ポンコツ」などのネガティブな意味があります。そう思って、この文を読み返してみると、「運命があなたにレモン〈みたいな良くないもの〉を与えても、〈それに手を加えうまく料理して〉レモネード〈みたいな素晴らしいもの〉に変えてしまいましょう」となるでしょうか。良くないことに対して不満を言っていても始まりません。まずはそれを受け入れ、どう乗り越えていくか考え、よりよいものを切り拓く行動に結びつけていくことこそ大事なのだと教えてくれます。この名言は、コロナ禍における新たな創造・転換と考えることができそうです。調理の主体は、教職員であり、保護者であり、子供たちです。一味違った市川小独自のレモネードを味わいたいものです。

091 安全かつ効果的な活用を(9/30)

 新聞をとりに外に出ると、50数年前の夏休みにラジオ体操に出かけた朝の匂いを感じて懐かしくなりました。明日午前中の台風の影響が心配されます。対応について、メールでお知らせすることもあります。

 さて、9月半ばに6年生の教室でこんな声を聞きました。「ぼく、耳が悪いから聞こえるかどうか不安です。家族もみんな耳が悪いし…。」と、オンラインで大型テレビから流れる音声を聞き取れるか心配しているのです。この気持ちがとてもよくわかります。過日行われた校長会議は、初めてのオンライン開催でした。各課の連絡事項がどの程度聞き取れるか不安でしたし、実際聞き取れない言葉も多く、前後の文脈で想像するしかありませんでした。コロナ禍にあってはオンライン等の便利さを享受する人も多いでしょうが、逆に不安や不自由さを感じる人もいることに気づきたいところです。

 オンライン学習以外でも、タブレット活用によって学校や家庭での学びを深めることができます。文章や記録のタイピング、プレゼン資料やポスター・パンフレットづくり、写真や動画撮影ほか、自主学習支援コンテンツを利用したり気になったことについて深く調べたりするなど、学習の足跡を残して振り返ることだって…。

 ただし、学習用タブレット端末によるチャット等でのいじめも心配されます。最近の自殺報道にもみられるように、活用の仕方を誤ると様々なトラブルにつながる可能性を孕んでいます。そこで、安全で適切な使用を促すために、「タブレット端末活用のルール」を作成しました。タブレットを開くことで学習を楽しめるようにしていくための第一歩を踏み出したばかりです。学級でもこれをもとに指導しましたが、家庭に持ち帰って使用することもあるので、各家庭の協力も不可欠です。

090 親を何て呼ぶ?(9/29)

 先日学校に届いた訃報をみると、故人の年齢が102歳とあります。心の中で合掌。私の父母も93歳と89歳。2週に一度は手紙を持って施設に足を運びますが、面会は叶いません。窓越しに顔を見て、小さな笑顔にホッとして帰ってくることもあります。縁起でもないことですが、この父母がこの先亡くなったとき、私はなんて呼んで涙を流すのだろうと考えてしまいます。若いころから「お父さん、お母さん」「おやじ、おふくろ」などと呼ばず、「おっさん、おばさん」なんて呼んでいたこと、「ねぇねぇ」で済ませてきたことを今更ながらに恥じるとともに悔やんでいます。持参する手紙にも「○○様」なんて他人行儀な書き方しかできないのですから。

 さて、『Koki “公の場”で「お父さん」言葉遣いに、木村拓哉と工藤静香の“躾”が問われる』という見出し。友人同士の会話なら、「お父さん、お母さん」と呼ぶのも致し方がないでしょうが、ビジネスや社会的な立場では「父、母」を使うのが一般的という意見があります。一方、まだまだ社会経験に乏しい10~20代前半の若者を責めるのは酷という声も聞きます。いずれにしろ、使い分けができるように、両親や周りの人が正してあげることが大事かもしれません。

 今日5年生のある学級で、国語「敬語」の授業にゲストとして呼んでもらいました。

089 本の世界を楽しむ(9/28)

 「こんなことがあるもんか。お話の世界だけのことだ。」と思っていたのに、決して現実離れしていないことに気づいたのはいつの頃だったか。

 例えば『オズの魔法使い』。昔読んだとき、家や身の回りのものが竜巻で空に巻き上げられるなんてあり得ないと思わなかったでしょうか。少なくとも日本に生活する者にとって非日常的な現象です。でも、大人になって海外の被害映像や映画の一場面を目にすると、夢物語ではないことがわかってくるのです。

 もう一つ、『仔鹿のバンビ』のお話。山火事で動物たちが逃げ惑う場面がありますが、これも自然発火による森林火災が実際に起こり、消火活動をするニュースを見てしまうと、現実味が増していくのです。

 こう考えると、地震を経験したことのない国では、物語に地震による倒壊や津波という設定はあり得ないのかもしれません。本を読むということは、自分の知らない世界を疑似体験することにもなります。視野を広げたり違った立場の人の思いに触れたりすることもできます。物語の根底にある教訓を感じる人だっているでしょう。

 校長室に時々読書しにやってくる2年生がいます。10月7日から22日まで本校の秋の読書週間ですので、子供達には時間を今まで以上に割いたり、違うジャンルの本を紐解いてみたりしてほしいと思います。その環境を演出するのは大人!決してお仕着せにならないよう、さりげなく…。私も、通勤読書だけでなくスマホ情報を閲覧している時間を読書の時間にします。

088 3年生へのプレゼント(9/27)

 朝方は、掛け布団から肩が出ていると寒く感じるようになってきました。

 さて、昆虫すら怖くて触れなくなったのはいつからでしょう?セミもバッタもカブトムシも手で捕まえていたのに…。少年時代に触れなかったのは蛇と蛙くらい。

 家の柑橘類の葉に紛れて大きくなったアゲハチョウの幼虫を発見しました。次の日には移動していてどこへ行ったか見つけるのに一苦労です。ここまで大きくなられては、お亡くなりになっていただくのは忍びなく、かといってこのままにしてはおけないが触れない。そこで割りばし登場!葉にしがみつくのを無理やり引っぺがし、学校への搬送用ペットボトルにin!また3年生にプレゼントするのが、6cm大に育った幼虫君の幸せのためと判断しました。2匹のうち1匹はすぐにさなぎになったそうです。

 昆虫の保護色・擬態には驚きます。まるで枝になり切った尺取虫。白い壁にはりついた蛾。鳥や小型の動物の餌になるため、「食べられないようにするための擬態」「カムフラージュ」が多いようです。逆に、肉食昆虫では、ハナカマキリのように「食べるための擬態」も見られます。

 植物の世話をしていると、擬態した昆虫に心臓が飛び出るくらいびっくりすることがあります。そんなときの心拍数ってどんだけ~?虫の声に耳を澄ませてみるよい季節になりました。

087 選択肢を増やす(9/24)

 私の県内公立高校受験は、学校格差の均質化を狙った「学校群制度」最後の年。そして大学受験は、共通一次始まって2年目だったでしょうか。こんなことを思い出したのも、だいぶ古い話題ですが、最終回の視聴率20%超だった『ドラゴン桜』を見て、現在の大学入試制度に驚いたからかもしれません。

 今の腹黒さとは無縁の純粋だった高校時代。専ら球拾いと先輩のパシリ専門だった1年生の部活。昼食後に部室に行って、先輩の注文を聞いて、近所の商店へ飲み物やパンを買いに行きます。昼休みは、部室にある牛乳瓶ケースの前に手をついて逆立ち。もう一人が1曲歌い終わるまで耐え抜くというもの。友達を救うために大事なのは選曲。部活が始まる前の時間は、小石がごろごろするグランドの端で、1年生10人位が寝そべる上を越える跳び込み前転をやらされます。こんな慣習は断ち切ることを誓った先輩が引退した夏。1時間に1~2本しか電車がない練習試合の相手校。帰りの電車が不通となって、みんなで線路の上を歩いて帰った映画のワンシーンのような思い出も。

 「もしもあの時、違う道を選んでいたら…」という思いは人それぞれ。過去に戻って人生の選択をやり直すことができる不思議なタクシー。竹野内豊さん主演の『素敵な選TAXI』というドラマです。一方、未来が無限に広がる子供たち、「あの時点に戻ってやり直したい」と後悔することなく、自分の信じた道を歩んでよかったと胸が張れるようであってほしいと願っています。長い人生の分岐点における選択肢を増やすためにも、何をどのように学び、どのように解決していくかを授業の中では大事にしています。

 昨日、映画『マスカレードホテル』を観ました。もしかしたら、私にも「刑事」とか「ホテルマン」という選択をする分岐点があったのかも?「いやいや、あり得ない」という否定の声が聞こえてきます。

086 教室をまわると…(9/22)

 昨日、5年生を対象にした『夢の教室』を実施しました。様々な競技の現役選手・OB・OGなどが「夢先生」として学校へ派遣され、「夢を持つことや、その夢に向かって努力することの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などを伝えてくれるもの。一昨年までは、一緒に活動する「ゲームの時間」で楽しんだ後、「トークの時間」でこれまでの辛かった経験や挫折、歓喜の場面など、人生の先輩として語ってもらいました。将来について考えるきっかけにできればと考えて小学校5年生を対象にします。また、より具体的に将来をイメージする機会にしてほしいという考え方から中学2年生でも実施している企画です。コロナ禍においてはオンライン実施なので、直接「夢先生」とふれあう機会は残念ながらもてません。今回の夢先生は、元女子バスケットボール日本代表の岡里明美さんと元フットサル選手の梅田翼さんでした。

 6年生の教室へ足を運ぶと交換授業をしていました。2クラスずつのペアで、社会科と理科の授業を交換してもう一方の担任が毎回授業をします。社会科は4月に政治単元からスタートするように変わったので、今の時期は貴族のくらしから武士の世の中へ変わっていく時代を学習中です。それぞれの生活の様子や屋敷の違いなどから学習問題づくりにつなげます。

 さらに、2年生の教室では新出漢字の勉強中でした。黒板には「茶」を使った言葉の例に、麦茶・抹茶・緑茶・紅茶・ウーロン茶・ほうじ茶・生茶・十六茶・ジャスミン茶・お茶漬け・茶柱などいっぱい!子供たちの活発な発言が手に取るようにわかります。そういえば、昔ある家で出してくださった椎茸昆布茶、息を止めて飲み干したのを思い出しました。今でも給食室から漂う干し椎茸の戻し汁の匂いは鼻をつまみたくなります。

085 学びを派生させたい!(9/21)

 今日は中秋の名月。一年の中で最も美しいとされる月で、毎年9~10月頃に鑑賞できます。今も昔も、なぜかしら月に魅了され、お月見を楽しんできました。月が昇り始めたあの大きさにワクワクします。今晩はどうでしょう?

  

 さて、「十五夜」というのは、新月の日を1日目としたときの15日目の夜のことですが、この日が満月になるとは限らず、1~2日ずれることの方が多いようです。ただ、今年から3年間は一致するみたいです。満月以外に、三日月、上弦の月、下弦の月を理科で学んだり観察したりしたということを思い出す方もいらっしゃるでしょう。

 サザエさん一家は、お月見団子を作ったりススキを飾ったりするのでしょうか。ちなみに、「秋の七草」はススキのほか、オミナエシ(女郎花)・ナデシコ・クズ・フジバカマ・キキョウ(桔梗)・ハギ(萩)。こうした植物を見たときに、カツオ君は名前まで言えるでしょうか。畑に育つ作物の葉を見て、ワカメちゃんは野菜の名前が言えるでしょうか。タラちゃんなら、「きれいでちゅ~」で終わらせず、「なんという名前でちゅか」「自分で育ててみたいでちゅ」などと興味関心を膨らませていくかもしれません。

 先日、月の満ち欠けを学習した子が、「校長先生の頭は、太陽ですか?月ですか?」と尋ねてきました。関心が向くべき方向がちょっと違うような…?でも、自分で光を発することがないので、「月です」ときっぱり答えたのは言うまでもありません。

084 明々後日は敬老の日(9/17)

 敬老の日が、9月15日から9月の第3月曜日に移ったのは平成15(2003)年からですので、18年も経つようです。元々「敬老の日」は昭和22年に兵庫県のある村長さんが作ったものだといいます。「老人を大切にし、年寄りの知恵を村づくりに生かそう」という考えで、農閑期の気候の良い9月中旬15日を「年寄りの日」と決めたことが始まりです。昭和25年には兵庫県全域に、やがて全国に広がって昭和29年に国民の祝日「老人の日」が制定されたのです。昭和41年に「敬老の日」と名称変更されたわけです。要は、長い人生で年寄りが培ってきたノウハウを上手に取り入れ豊かな社会を作るために役立てようという趣旨があったのです。

 しかし、超高齢化社会となっていく現在、医療費も負担増となっています。お年寄りが幸せに暮らせない国で、若者が幸せに暮らせるはずはありません。ですから、「敬老の日」がお年寄りを敬うだけでなく、大事に愛してくれる人たちから、お年寄りが元気に生きる活力を得る日であってほしいと願います。(参考:漫画『江戸前の旬』)

 さて、5月のゴールデンウィークに対して秋の大型連休を「シルバーウィーク」と呼ぶようになったのは2009年から。敬老の日と秋分の日を含めて5連休になったことがきっかけです。GWと異なり、曜日の並びによって数年に一度しかやってきません。最近の5連休は6年も前に遡り、次はいつになるかはわかりませんが、心軽やかに遊べる状況になるのを心待ちにしています。

 よい連休・時間を子供たち、そしてお年寄りと一緒にお過ごしください。

083 これからも事故ゼロ(9/16)

 日本最高齢のフィットネス・インストラクターのタキミカさん(90歳)が取り上げられている新聞広告をよく目にします。90歳という年齢にもかかわらず、健康で調整の取れた体形を維持し、笑顔で生活できるということは素晴らしいと思う一方で、フィットネススーツ姿での笑顔がどうしても好きになれず、すぐにページをめくってしまいます。

 さて、来週21日から30日まで、秋の全国交通安全運動です。事故に遭わない、事故を起こさない、事故を誘発しない、そういう行動を心がけるようにしたいものです。

 先日、1年生と江戸川の土手に虫捕りに行きました。その際、何かに夢中になると往来する自転車や人、注意の声に目と耳を閉ざしてしまう姿があることを痛感しました。友達と一緒に話しながら歩いていて、前や後ろから来る自転車や車に気づかない、道路の反対側にいる親や友達に気を取られて車道に飛び出したり無理な横断をしたりする、といったことも日常的に散見されます。八街市の小学生を巻き込んだ事故は記憶に新しいと思いますが、ルールを守っていたって事故に遭うケースが多くありますので、注意し過ぎということはありません。「自分(他人)の命を守るのは自分」という意識を、学校でも家庭でも耳タコになるくらい訴えていく必要があると考えています。

 また、暗くなるのが早くなってきます。自転車の無灯火は子供だけの問題ではありません。加害者になる可能性だってあることを改めて認識しなければなりません。服の色や反射板の携行も含めて、ぜひこの機会をとらえて…。90歳でも笑顔でいられるように!

082 ギリシア文字を唱えられる?(9/15)

 ニュースの見出しに、「変異ウイルス『イータ株』『カッパ株』も…」とありました。

 ♪ 線路は続くよ どこまでも ♪ではなく、コロナは続くよ どこまでも~といった感じで先が見通せない不安ともどかしさが募ります。

 変異種が登場するたびに名前がつきます。英国の変異種は「アルファ」、インドの変異種が「デルタ」と。「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」「エプシロン」「ジータ」「イータ」「シータ」「イオタ」「カッパ」「ラムダ」「ミュー」…とギリシア文字はありますが、なんでコロナ変異種にギリシア文字が使われているのでしょう?

 報道の際、わかりやすくするため、最初に変異株が見つかった国や地域を冠した呼び方をしていたはずです。ただ、最初に見つかったからといって、その国や地域で生まれた変異種であるとは限らないにもかかわらず、あたかも発祥の地であるかのようにとらえられてしまう恐れがあります。つまり、誤解や偏見を生む可能性があります。人種差別にまで発展することだって懸念されるわけです。名付け親のWHOは、そうした悪影響をなくすために、呼びやすいギリシア文字を使ったようです。

 偏見といえば、多くの人に親しまれた昔の大衆車に、カローラやコロナ、サニーなどがあります。「コロナ」という車名が今はありませんが、なくてよかったとトヨタ自動車関係者は胸をなでおろしているかもしれません。モデルチェンジでもしようものなら「新型コロナ」登場!ですから。

081 自信の結実(9/14)

 キンモクセイが開花し始めました。今シーズン初めての甘い香りに周りを見渡しました。見頃といえる開花時期は1週間ほどと短命ですから、見逃さず楽しみたいものです。このキンモクセイは花をたくさんつけますが、実がなっているところを見たことがありません。それは、日本にあるキンモクセイは雄株ばかりで、雌株がないからなんだそうです。

 このように植物には雌雄異株の樹木が存在します。それを意識させる代表的な木が、ヤマモモとイチョウです。ヤマモモの場合、6月中旬頃に木の下に目をやると雌雄がわかります。複数植えられたヤマモモの根元がえんじ色になっていたら雌木です。熟した実が落ちた跡です。採って食べると甘酸っぱくて美味しいのですが、これを知っている子はほとんどいません。教えると、嬉しそうに摘んで食べる子もいます。一方、イチョウはその独特な匂いでわかります。落ちた実の臭いこと臭いこと!でも、これを拾って、腐らせて種の部分だけを取り出して…。炙って食べたら最高です。大きな実を選んで拾っている人を時々見かけますが、ご一緒したくなります。

 ご一緒したくないのは桜の木の下。昨日14号門入ってすぐの所に、黒い粒々がたくさん発見しました。実ではなく、毛虫の糞です!すぐに用務員さんに退治してもらいましたが、難を逃れた輩がいるかもしれませんので、校地内の桜の木には十分ご注意ください。消毒薬散布は後日行う予定です。

 雌雄異株の代表格のイチョウといえば、国府台スポーツセンター陸上競技場の観客席後ろにあった大木が懐かしい。10月の陸上大会では、その近くに応援席が割り当てられた学校はたまったものではありませんでした。そういえば、先日通りかかったスポーツセンター、野球場が跡形もなくなっていました。何ができるのでしょう?

 話は戻りますが、校章になっている月桂樹(ローレル)も雌雄異株のようです。カレーやシチューの香りづけとして葉を使用しますが、キンモクセイ同様、日本にあるものはほとんどが雄株らしく、青紫の実がつくという雌株は見かけません。ですから、市川小に植えられている月桂樹も雄株となります。一方、シンボルツリーのプラタナスがたわわに実をつけていますが、子供たちも男女関係なく「行動」という形の花を咲かせ、「自信」という実を結んでほしいのです。そして、その実を落とさずに少しずつ膨らませていくのです!

 

080 やわらかアタマ(9/13)

 湯船から立ち上がる湯気で風呂場の窓が白く曇るようになったのを見るたびに、季節が変わったことを感じます。休日の夕方、給湯器から「お風呂が沸きました」という音声がします。「以前より音が小さくなった気がする。疲れているんじゃない?」と言うと、「前より耳が聞こえなくなったんじゃないの?」と返されて、なぜか納得してしまうのです。子供と話をする中で、きちんと聞き取れていないが故に変な答えをしたと思う場面があります。その子の表情を見ると一目瞭然!ごめんなさい、適当に返事しました。こうしたことが多いので、家人も心配してこんなことを言います。「聞かれた質問に頓珍漢な返事をするから、人前に出すのが恥ずかしい」と。苦笑いです。

 昨年度、校長室前や2階掲示板に「校長からの挑戦状」と題したクイズを掲示していました。途中でやめてしまったのですが、全22問。校長室前に掲示してあったときは、1週間後にヒントを添え、さらに1週間後に解答を書き加えていましたが、2階に一括掲示してからは放りっぱなしでした。先週、上学年の女児4人が校長室に訪ねてきました。話を聞くと、「クイズの答えを知りたい」と言います。早速、解答集を作るとともに、新しいクイズも貼っておきました。すると、翌日すぐに「ありがとうございました」とお礼を言いに来てくれたのです。トレーニングでやわらか頭を育てようというものですので、ご来校の際はぜひご覧ください。

 最近、モノの名前がすぐに出てこなくなりました。「ほら、あれだよ、あれ!」の連発です。脳を活性化するためにもなぞなぞやクイズなどは効果的かも。掲示用の問題作成は、子供たちのためというより自分のためなのかもしれません。子供も大人も柔軟で明晰な頭脳を目指したと思います。