校長の部屋

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079 ありがとうをつなぐ(9/10)

 ネット上に見つけた女性の投書。

 スヤスヤ眠る息子を乗せたベビーカーを押し、もう片方の手に買い物袋を持って小さな娘の手を引いていた。駅のホームへ下りる階段の前で迷っていると20代の女性がベビーカーを一緒に持ってくれた。しばらくして、娘がジュースを飲みたいというので自販機で買ったが、疲れのせいかうまく飲めずストローをねだって泣いた。我慢するようになだめながら歩いていると、別の20代の女性がコンビニに入ったかかと思うとすぐに出てきてストローを差し出した。ともに、きちんとお礼を言う間もなく去って行った。

 ありがたいと恩義を感じる場面は多々ありますが、「もらったら返さなければならない」といったプレッシャーを感じる必要はないかもしれません。というのも、ある人の話の中に相手に直接返そうとするよりも、自分がよりよく生きようとすること。そうすれば、きっと誰かが自分から何かを受け取ってくれるという言葉がありました。「恩を受け継ぐ」「感謝の輪廻」にはいろいろな形があってよいのだと思うのです。

 1学期、4年生のあるクラスの靴箱はいつ見ても整っていてきれいでした。「すばらしい!」と担任に伝え、話を伺うと、特定の児童がきれいにしてくれていたようです。でも、クラス全体が褒められたとあれば、他の子たちにまで「友達の靴であっても整っていなければそろえる」という行為が広がっていくかもしれません。さらに、同じ昇降口の靴箱に乱れた靴を見かけたら、クラスや学年に関係なくきれいにする子が現れるかもしれません。そんな連鎖を期待して止みません。

078 後ろ姿を見せて…(9/9)

 今日9月9日は、「重陽の節句」「救急の日」「手巻き寿司の日」「ロールケーキの日」「栗きんとんの日」「カーネルサンダースの誕生日」と賑やかです。昨日、36年前の卒アルの話をしましたが、今日6年生が卒業アルバム用の個人写真を撮影します。どんな表情で写るのか楽しみです。

 さて、5月も下旬になろうかという頃、某社の試乗車を自宅駐車場で車庫入れしている隣人を見た私。15年は乗ったと思われる車をそろそろ新車に替えるのだろうと考え、「今注文しても納車は7月だろう」と勝手に予測。7月中旬に駐車場脇の植栽を伐っている様子を目撃した私は、間もなくだなとなぜかワクワク。でも、いつまで経っても動きがないため、気をもむ変な隣人と化す私。そして7月末、めでたく納車!胸をなでおろした私はやっぱり変?

 夏休み中に屋外で作業をしていると、公園へ虫捕りに出かける親子に出会いました。夕方の散歩をしていれば、家の前で水遊びやシャボン玉を飛ばしている親子を見かけます。顔見知りでなくても、どちらからともなく「こんにちは」と笑顔を添えてあいさつする場面が時々あります。すると、子供も一緒に声を揃えます。ここにこの親子の「子育て」を垣間見られる気がします。親ができないこと、やらないことを子供はやろうとはしません。先生が後ろ姿を見せながら語らなければ、口先だけでは子供たちは行動しません。同じだと思うのです。私自身、お座なりにしてしまったりいい加減で済ませてしまったりしていることはないか、改めて見直さないといけません。

 ちなみに、隣人の息子さんは、顔を合わせると私より先にいい顔であいさつをしてくれます。

077 36年前の卒アル(9/8)

 7月中旬頃から各学校のPTA広報誌が届きます。今年度の第1号なので職員紹介があります。写真を見ると、毎年知らない顔と名前が増えていきます。大量退職で世代交代が凄まじいスピードで進んでいる昨今、さみしい気がする一方で、以前講師として頑張っていた方も正規採用されて頑張る様子が写真から伝わってきます。

 さて、夏休み前半に行った保護者面談の際に、ご自身の卒業アルバムを持ってきてくださった方がおり、担任を通して受け取りました。わざわざ実家から持ってきてくれたといいます。この卒アルは、私が初任だったときに最初に受け持った5年生の子供たち。力不足で6年に持ち上がることは叶わなかったので、手元にはない貴重なものです。写真や名前を見て懐かしさがこみ上げます。他のクラスの子も「いた、いた!」「元気にしているかな?」という感じ。「写真のこの子は、今○○さんのお母さん」ということまで教えてもらいました。

 ページをめくった先の「社会のニュース」欄では、マラドーナ擁するアルゼンチンがW杯優勝とかスーパールーキー清原和博などという文字が並びます。そして一番驚いたのが名簿!なんと教職員と児童の住所・電話番号がすべて載っているではありませんか。この卒アルが売買の対象になっていたようですが、「個人情報」云々と気にしすぎる時代ではなかったのも確かです。

 最後に、教職員の寄せ書きに「頭でっかちよりも、心でっかちな人になってください」という自分の文字を見つけました。36年経って、私自身、心が豊かに膨らんだかどうか、未だ不安です。現在48歳?の116人はどうでしょうか?

076 お気に入り(9/7)

 秋の清々しさを感じる朝です。大きく深呼吸をしたくなります。

 さて、夏休みに入ってすぐ、BICボールペンが廃版になるというニュースを見ました。1961年発売というから同い年です。世界160か国で愛用され、筆記距離は2~3kmあるそうです。コアなファンも多く、惜しむ声が聞かれます。

 一方、腕時計用アルミ製カレンダーを懐かしく思う方もいらっしゃると思います。先のボールペン同様、コアなユーザーに愛され続けますが、職人の腕と機械確保ができ、なんとか生産の見通しが立ったといいます。私自身、お世話になった時もあり、懐かしい限りです。

 この夏、私のお気に入りに加わったものが、BUFF(バフ)。ネックゲイターやフェイスマスクにもなりますし、ヘッドバンドや帽子としても使える代物です。ジリジリと刺すような日差しを頭皮がダイレクトにキャッチするため、じっとしていると焼けるように熱くなります。そこで、私は専ら頭に被ることにして、林間学校での日焼け&汗対策、庭の手入れ・水撒きの際のやぶ蚊対策で、頭皮を守ってくれました。ランニングでは滴る汗を吸い取り襟首を陽射しから守ってくれて、洗濯すればすぐに乾くので帽子よりお手軽。しかも、様々な色模様があるのであっという間に3枚目。その日の気分や恰好で替えています。夏休み中の朝食前の40分程度のランニングにも大活躍。

  

 2歳になった孫は、ミッフィーちゃん→おさるのジョージ→ドキンちゃんと目まぐるしくお気に入りが変わりますが、手放せないのは古びてきたタオルケット。というわけで、皆さんにとって今一番気になっている物、お気に入りってなんでしょう。子供たちは?

075 置いていかれないにように…(9/6)

 ドラえもんの誕生日は2112年9月3日。そこで先週4日(土)に誕生日スペシャルが放映されました。ただよく考えると、91年後の未来に生まれるのに、生まれる前に毎年誕生日を祝うってどうなの?と首をひねってしまうひねくれ者です。

 このひねくれ者の部屋に保管されていた、タブレットの入った何十箱もの段ボールが、ドラえもんの誕生日に各教室へ運ばれて行きました。自席から見える景色が少し変わったような…?教室に旅立ったタブレットは、充電保管庫と呼ばれるホテルに滞在中です。これに並行して、児童一人一人にタブレットを配付して学習で活用したり、欠席した場合の支援等に使ったりするために、教員の研修や児童がセットアップ・練習する準備を進めています。まずは4年生以上に配付、来年度からは3年生以下にも配られる見通しです。

 さて、GIGAスクールに向けたスピード感は半端ではありません。その速度についていくのがやっと!人に聞かないと、スタート地点にすら辿り着きません。スマホのように画面を指でタップしてもよいことだって知らず、パッド部分を指の腹で擦っているうちに遅れが広がる始末。教員も老若男女関係なく得手不得手がありますので、様々なことを校内・市内で共有して誰もが積極的活用ができるように進めていけるようにしなければなりません。教室に居ながら他の学校と、他の市や県と、世界とつながることだってできるようになるのですから…。ただし、期待しすぎてはいけません。機械ですから機嫌を損ねることが度々あることを想定する必要がありますし、間違った解答が提示されることも少なからずあると聞きます。教室での対話式学習の方が効果的な場面もたくさんあるので、上手に併用していくことが求められます。

  

 というわけで、写真正面に見えるのがタブレット用充電保管庫です。そして、左の棚上にあるのがサーキュレーター。先週のような10月下旬の気温でも、感染防止のためにどの教室もフル回転で空気の循環・換気に大忙しでした。

 ドラえもんが生まれた2112年ってどんな世界になっているのでしょう。

074 児童を守る黒子に(9/3)

 オリンピックに出場するブルガリア新体操チームのホストタウンとなった市川市では、代表チーム応援のために1学期後半に各学校で花を植えたプランターやのぼり旗を準備しました。(活動の写真を撮り忘れました!)代表チームは、国府台SCを練習場所として使用し、8月6日に始まった新体操競技。団体総合でブルガリアが見事優勝という結果を見て、なんかうれしくなってしまったのは私だけではないはずです。

 さて、夏休み中に教育委員会を含む市の職員と一緒に通学路合同点検を行いました。危険箇所をチェックするとともに、対策の必要性などを実地調査するものです。国道のガードレールや14号門前歩道の注意喚起ペイントなどを相談しました。また、給食室そばのマンションは秋に入居予定ですので、居住者の車が国道へ向かう動線上に正門があるため、通学路を明示するカラー塗装をお願いしました。市内公立学校それぞれに事情と要望がありますから、優先順位を付けたうえで実現できるものが決まります。今回実現できなくてもアプローチは続けていきます。

 しかしながら、児童昇降口が分散され、管理棟から離れていることによる不審者等の侵入の心配、下校時の14号門からの飛び出しによる事故の心配など課題は残ります。教職員や児童の意識をより高めながらも施設・環境改善は簡単ではありません。そこで協力を訴えたいと思います。ボランティア等で担ってくださると助かります。校内を見て回ってお子さんやお孫さんの姿を見たり多くの子と顔見知りになったり…。児童との交流も取り入れたいところですが、コロナ禍では控えるべきでしょう。いかがですか?これなら早期実現できそうですが。

 最後に、夏休み中に1年生のある保護者の方から声をかけていただきました。「私たちの安全を守ってくれている身の回りのものを探す」という宿題があったそうです。信号機などいくつか書いてある中に“校長先生”という文字があったのですと教えてくださいました。うれしい話を伺い、さらに頑張りたくなっちゃいました!

 

<追記> 夏休みの自由工作作品を、作った子(写真右)が被らせてくれました。素晴らしい出来映えです。これを身に着けて校内を巡回したら、目立ちすぎて黒子ではなくなってしまいます。

073 オリ・パラ観戦を通して(9/2)

 昨日から市川警察の方が、14号門前で朝の見守り活動をしてくださっています。月末まで緊急の事案がない限り交代で立ってくださるようでありがたいです。今日は長文となってしまいます。

 「東京都で五千人超え」「市川市も二百人超え」といった、コロナ感染者数の爆発的な増加に不安を募らせる一方で、オリンピック競技での様々なドラマにもドキドキした夏休みでした。

 メダル候補のメキシコを破り3連勝したサッカー予選と決勝トーナメント。献身的な守備を見せるFWの林大地選手を、イケメンだなぁと画面に映るたびに羨ましく思う私。57年という時を超えて、親子で金メダルを目指したウエイトリフティング三宅宏実選手の最後の挑戦。大坂なおみ選手や桃田賢斗選手への金メダル期待の重圧。パラも見ていると胸が熱くなります。

 レスリングでは、姉妹で金メダルを獲った川井選手。柔道では、兄妹で金メダルの阿部選手ほか、日本柔道の活躍に目覚ましいものがありましたが、完成まで数か月かけて作成したという「モチベーションビデオ」には感動。やる気を掻き立てるメッセージや心躍るようなBGM、そして過去の勝利の喜びを思い起こす試合の映像など、能力を引き出すために選手一人一人に合わせて作成したといいます。こうしたアイディアと裏方の地道な努力があってこその好成績だったのかもしれません。

 新競技スケートボード・女子ストリートで優勝した13歳の西矢椛選手はじめ、表彰台3人の年齢を足すと42歳とは驚異的!パークでも銀メダリストは12歳。一方で、競泳女子では遅咲きともいわれる25歳の大橋悠衣選手の400mと200m個人メドレーでの2冠の背景にある平井監督との信頼関係。選手を信じて、ゆっくりでも一歩ずつ時間をかけて指導と支援を続けてきた成果です。

 アスリートの気持ちを高め、力が最大限に発揮できるようにする何気ないアドバイスは、日々子供たちと接する私たち教職員にも通じるところが多いはずです。開花の早い子、なかなか芽が出ない子、教室はいろいろです。親も教師も、他と比べて心配したり焦ったり…なんてこともあります。でも大事なのは、その子の未来を見つめながら「今、どんな資質や能力を育てることが大事なのか」をはっきりさせて、適切な支援を続けることだと思います。早咲きでも遅咲きでも、子供たちがどんな色の、どんな形の花を咲かせるかを楽しみにしたいと思います。

 もしかすると次回、あるいはその次のオリンピックで活躍する子が700名の中から誕生するかもしれません。ただ、くれぐれも路上や人が集まる公園などでスケートボードの練習をして、事故や迷惑行為に繋がることだけは避けてほしいと願います。スポーツに限らず、努力により笑顔の花が咲く姿がみられるように、2学期も子供たちを応援していきます。

072 私の夏休み(9/1)

 夏休みに入る前の放送朝会を、例によってパワーポイントを使って行いました。我々大人もそうですが、声だけよりも映像や画像があるほうが聞こうとする気持ちが高まる気がします。その最後のシートを隠しシートにして、私の夏休みの目標を入れ込んでおきました。見つけたクラスもあるようですが、「本を4冊以上読みます!」という達成レベルの低いものでした。

 ただ、お盆前後の悪天&涼しさで読書がはかどったのは言うまでもありません。児童書『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』3冊を含む計7冊は読み終わりました。『銭天堂』は校長室にありますので、読みたい人は来客等のないときに「校長室読書」をしていってくれたらいいなぁと思います。

 そして、性懲りもなく今回もP.Pを使った放送朝会です。オリンピッククイズの出題、大谷翔平選手の話をした後、感染症対策における一人一人の意識・行動の大切さを訴えました。

 さて、夏休みに入る前後のタイミングで、NHK朝ドラ『おかえりモネ』を録画して毎回観ています。ちょうど上京してきた場面からですが、朝ドラをきちんと観るのはこの歳にして初!朝夕にテレビで見る天気の解説や屋外でのレポートの裏舞台を見るような気がして面白かったからという理由が一番でしょうか。朝のNHKの天気予報で気象予報士の山神明理さんが、「でかけるン」「かえるン」というパペットと一緒に視聴者に語りかけていたのを思い出しましたし、日テレの木原実さんと「そらジロー」ペアでの天気予報はもう何年になるのでしょう。

 40℃に迫るような猛烈な暑さや線状降水帯による大雨、台風等、不安がいっぱいの日本列島。これからも熱中症予防や豪雨、花粉などの情報などと切り離して生活を送ることはできません。コロナ感染症対策も1学期以上に強化に取り組みます。2学期もどうぞよろしくお願いします。

071 知識のワクチン(7/21)

 今日から夏休み。子どもだけで過ごす時間や留守番する機会も増えます。お出かけやワクワクするイベントも多くなる時期。一方、親も子も開放的な気分になることで警戒心が乏しくなる時期ともいえます。つまり、事件に巻き込まれる可能性も高くなるので、「知識のワクチン」接種による「犯罪免疫」を植え付けてほしいと後述の小宮先生は訴えています。

 子供を狙う犯罪者が向かう場所は、標的となる子供のいそうな場所、つまり「人が集まる場所」です。海水浴場やキャンプ場、夏祭りや花火大会会場、遊園地、ショッピングモールなどの場所は犯罪者をひきつけますので、子供だけでの行動を避けるに越したことはありません。ちなみに、公共の場所で子供を一人にすることは、欧米では児童虐待と見なされるといいますし、TVの人気番組『はじめてのおつかい』は言語道断とか。

 誰もが入りやすい場所は、逆に見えにくい場所であるともいえます。たくさんの人がいるから、「誰かがうちの子を見てくれているだろう」というのは親の錯覚。実際には、人の注意や関心が分散して、結果「誰もうちの子を見ていない」ことになり、犯罪者の行動が見過ごされやすくなります。不特定多数が居合わせても、「犯罪なら誰かが行動するだろう」「誰も行動を起こさないから、深刻な問題ではない」といった集団意識・傍観者効果が働いてしまうようです。つまり、わが子にスポットを当てているのは親だけであることを認識する必要がありそうです。

 また、性犯罪を予防ために、水着を着る機会を利用して「水着ゾーン」を教えることも大切です。

 犯罪学の視点から、立正大学の小宮信夫教授は次のように述べています。“「知識のワクチン」の主要成分は、「景色解読力」である。景色解読力とは、景色に潜む危険性に気づく能力だ。学校用語で言えば、「危険予測能力」ということになる。要するに、犯罪が起きやすい「入りやすい場所」と「見えにくい場所」を見抜く能力のことである。それを伸ばすのが「地域安全マップづくり」。地域安全マップは、夏休みの自由研究にもってこいのテーマだ。”

 この小宮先生の防犯教室『あぶないとこって、どんなとこ?(アニメ)』がYouTubeで見られるので、親子で視聴するのもよいと思います。健康かつ事件・事故に巻き込まれることなく、9月には元気な子供たちの顔を見られるのを楽しみにしています。   <ヤフーニュース7/20 参考>

070 プラタナスはWebで…(7/20)

 休みの日の午後、急に睡魔が襲ってくることがあります。畳の上でゴロ寝するときは必ずと言ってよいほど座布団を枕にします。それも二つ折りにして!「やめてよ、昭和の人そのものだから」と言われますが、この高さがたまらなくよいのです。この昭和の人は、最近えのき茸がよく歯に挟まってとれないことが多くなっていました。白髪ネギも似たようなもので困ったものです。冒頭から汚い話になってしまいました。

 さて、1学期も今日で終了です。長く続くコロナ禍にあって、保護者や地域の皆様にたくさん助けていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。今月初めにご回答いただいた学校評価(保護者アンケート)の集計結果及びご意見を目にしました。生の声もたくさんいただきました。

 その中に、「毎週配るプラタナスは不要」「紙の無駄」という声があります。学校だよりは、保護者や市川小に関わる方をすべて対象にしますが、児童にも呼びかけています。HPにも掲載していますが、手元に配られれば読むという子もいます。コロナ禍で学校の様子が見えないという声を多く聞きます。だから、一方通行と言われても伝えたいこと、伝える必要のあることは発信していきます。主に学校の方針や活動の様子、教育関連情報を掲載していますが、たまにでも面白いと思ってもらえたら御の字です。「保護者 様」と書かれたおたよりで発行するより目を通してもらえる確率が高いとも思います。したがって、タイムリーである必要があるわけで、必然的に発行回数が多くなってしまいます。受け止めた上で、「考え方が違う」といったことも有りです。一般論であったり、問題提起であったりする部分もあるわけですから…。そして、必要に応じて親子で話をしていただけたらありがたいです。敢えて紙媒体で配付する意図はそこです。

 ただ、1号発行するたびに700枚弱の用紙を使用しますから、頻度が増せば相当な量になります。ホームページ掲載で目的が達せられるならすぐにでも変更しようと思います。業務改善も狙えます。差し当たって9月からは、紙媒体でほしい家庭向けに何十部か用意しておいて、持っていってもらうようにして様子をみようと思います。

 子供たちにとって安全で有意義な42日間となることを願います。我々は基本、出勤や研修となりますが、休みを上手に活用してリフレッシュしたいと思います。

069 ○○がないと困る(7/19)

 コロナと天気が心配された林間学校ですが、無事帰りました。無事かどうかは今月末まで待たなければなりませんが…。明日の学校だよりで簡単に報告します。

 さて、先々週の土曜日早朝というか未明頃に停電!どうも我が家だけのようです。習慣とは恐ろしいもので、頭ではわかっているのにスイッチを押して電気をつけようとします。意識がはっきりしだすと、様々な生活音がしてこないことに気づきます。午前6時ころには東京電力の方に原因を探っていただき、復旧すると一斉に機械音がし始めました。古くなったトイレ便座の電源部が漏電の原因だったようで、その日のうちに新規購入したのは言うまでもありません。電気がないとほとんど何も動かないことに今更ながらに気づかされます。同時に無力さも感じます。オール電化の家はなおさらかもしれません。

 同様にスマホも、ないといろいろと支障をきたします。駅に着いた頃にスマホを忘れたことに気づいたときは、一日不安な気持ちでいっぱいですし、充電が20%を切ると心配になります。ということで、便座を買った日にモバイルバッテリーもネット注文しました。有事の安心料です。車のガソリンだって半分近くなると満タンにするのも災害時の苦い経験があるからです。

 ただし、どこまでやったとしても「備えあれば憂いなし」とは言えそうもありません…。

068 いざ林間学校へ(7/15)

 今日から一泊で河口湖方面への5年生林間学校に引率してきます。7時学校集合ということは、6時半前に家を出る子がいます。それを送り出す保護者の方にはもっと早くから準備をお願いしていることになります。ありがたい限りです。

 私が小学生の時は臨海学校でした。泳ぐ以外に何をしたのかは定かではありませんが、海の家のような民宿の大広間に全員が寝泊りした記憶がよみがえります。教員になってからの林間学校に関して強烈な思い出が一つあります。今回と同じように富士五湖方面に出かける計画でした。事前に下見を学年で行います。子供たちが宿泊するバンガローは、10棟くらいに分かれます。足の長い蜘蛛がいたり、五右衛門風呂のような類の風呂だったり…。電灯も少なく、夜は真っ暗な中での星空が期待できそうなロケーション。ここに2泊する予定でした。

 さて当日。午前中の予定を済ませて夕方宿泊場所近くの駐車場に到着。歩いて現地へ向かうと、何とバンガローが跡形もなく消えているではありませんか。夏休みを迎える前に撤去されたとか。業者の担当も知らなかったようです。他に宿泊できる場所もないので、敷地内の集会所のような施設に、男女の間をカーテンで仕切って雑魚寝状態で2泊を過ごしたのでした。ありえない経験でした。

 最近は、民泊以外ホテル生活が一般的になりましたが、全員が安全かつ有意義な時間を過ごすことができるように引率者全員、力を注ぎます。行ってきま~す。

 というわけで、今日は休日、明日も休日となります。

067 アイスクリームは奥が深い(7/14)

 スーパーマーケットのアイス・冷凍食品売り場の陳列ケースは見事です。だってケースが開放状態なのですから。私が子供のころのアイスのケースは、上部にスライド式の扉があって、お目当てのものを決めてから開けるという暗黙のルールがあったように記憶しています。ですから、今だって冷蔵庫を開けるときどこにあるか考えずに闇雲に開けると怒られます。

 6月の終わりに文藝春秋社から『文春マンガ 読みとくシリーズ8 ~アイスクリーム ここが知りたい~』という本が寄贈されたので早速読みました。ハーゲンダッツ社の協力のもとで編集されており、主人公の男の子が転校していく女の子に手作りアイスをプレゼントするために、いろいろと学んでいきます。大人でも興味深い内容です。アイスクリームは凍っているのに滑らかな理由は「空気」がポイントであることやハーゲンダッツのグリーンティーのカップは光を通さないパッケージであることのほか、材料へのこだわりなど、読んでいて新しい発見があるのです。歴史についても書かれています。冷凍室付きの家庭用冷蔵庫や店舗用アイス陳列ケースが広まって、多くの人が買えるようになったことも改めてわかりました。

 夏休みも間近です。読書や工作を頑張る子もいると思いますが、モノづくりの試行錯誤の過程を研究論文にまとめてみるのも有り。知的好奇心をフルに発揮して試してみる時間がたくさんあります。塾で忙しい子でも、普段できないことに挑戦する気持ちを膨らませて、やってみることは無駄だとは思いません。

  

 5年生家庭科で、名前の縫い取りが終わった子二人が作ってプレゼントしてくれました。嬉しいですね。

066 我慢ですタイ(7/13)

 今年も職員室前の防球ネットに蔓を絡ませた木通(山女・朱火・アケビ)が1つだけ実をつけています。去年は紫色に色づいたあとダメになってしまいました。今年の実はどうでしょう?2階のベランダに床面くらいで実っています。

 さて、先週コロナのワクチン接種1回目を済ませました。肩が上がらなくなるくらい痛くなる人、翌日発熱する人など様々な副反応を聞いていたので不安がありました。翌日は筋肉痛のような痛みが続きましたが、どうも2回目のほうがつらいようです。

 お隣の東京都は、昨日から6週間の緊急事態宣言となりました。なんと4回目となるわけですが、今年も半年以上が経ち、まん延防止措置を含めて何ら発令されていなかったのは、1月最初の7日間と3月下旬から4月前半の21日間だけです。やりどころのない感情はどうしたらよいのでしょう。

  

 さて、「見タイ・聞きタイ・やってみタイ・知りタイ・確かめタイ」など、「いろいろな『タイ』が泳ぐ市川小学校に!」という願いをポスターにして校長室と放送室脇に掲示してありますが、社会ではいろいろな「タイ」を我慢しなければならない日がまだまだ続きます。「みんなで飲みタイ」「大声で歌いタイ」「楽しく会食しタイ」など、皆さんが我慢している「タイ」は?子供たちはどんな「タイ」を心待ちにしているのでしょう。「林間学校に行きタイ」は何とか叶えられそうです。

065 It’s 祥(ショー)time(7/12)

 今日からまた、委員会児童による朝の挨拶運動2回目が行われています。ボトムアップで挨拶が広がっていくことを願います。 

 さて、新型コロナ感染拡大のニュースの対極に、大リーグの大谷翔平選手の活躍が毎日のように報じられます。期待の表れです。昭和の野球漫画の代表作といえば『巨人の星』『ドカベン』『キャプテン』『侍ジャイアンツ』など、スポ根ものを多く思い出します。

 あるライターが大谷選手の魅力を分析して、「努力のにおいが全然しないところだ」と言っています。「好き」を一番大事にして、純粋にワクワクするほうへ行こうとしている感じがするところが、見る者を魅了するようです。確かに、イチロー選手のようなストイックさも感じさせません。

 成功したら…とか失敗したら…という判断基準ではなく、好きなものを見つけてそれをも守り通すためなら自然と頑張れてしまうということを体現しているようです。見えないだけかもしれませんが、スポ根漫画の血の滲むような努力はそこにありません。

 次のイニングの投球に響かないように、バッターボックスに立ったまま球をやり過ごすことに代表される安全志向がある中で、疲労を厭わず出場したり果敢に盗塁を試みたりします。フルスイングしたかと思えばセーフティーバントもします。ルックスだけでない大谷選手の魅力に、普段野球は見ないけどエンジェルス戦だけは見るというにわかファンもいることでしょう。明日午前、オールスターのホームラン競争があるようです。観ることは叶いませんが、活躍が楽しみです。

 子供たちにも自然な挨拶とともに、好きだからこそ自然と頑張れることを、一つと言わず複数見つけてほしいと思います。突然の出会いやひらめきを大切にして…。

064 四コマ漫画(7/9)

 毎日、朝日と読売新聞に目を通します。教職員への情報は切り抜いて配付しますが、植田まさしさんの4コマ漫画『コボちゃん』は楽しみの一つです。この漫画は、1982年4月に連載がスタートして以降、一般全国紙の連載漫画として最多記録を更新中のようです。40年が経つわけですが、連載当初5歳だったコボちゃんに11年前に妹が生まれ、今は小学校3年生の設定。家族のほのぼのとした日常が好きな理由です。植田さんの作品は、ほかにも『かりあげクン』『おとぼけ課長』『フリテン君』『のんき君』など、サラリーマンを主人公としたウィットに富んだ内容が笑いを誘います。床屋に並ぶ単行本を読んでクスクス笑ってしまったことも…。

 4コマ漫画には起承転結があり、これを使って国語や道徳の授業もできますし、自分で漫画にまとめるという活動も実践したことがあります。その他、4コマの「並び替え」をしたり、「見出し(タイトル)付け」をしたりもできますし、「吹き出しの穴埋め」や「ストーリーの文章化」という学習方法もあります。特に「ストーリーの文章化」は、夏休み42日間毎日取り組んだら文章力が向上するんじゃないかなぁ。暗い話題が多い中で、オアシス的な存在の『コボちゃん』はこのあとのお楽しみ!

 さて、今日は校内授業研究会(国語科)で、「大きなかぶ①」・「この間に何があった?②」・「めだか③」・「一つの花④」・「雪わたり⑤」・「きつねの窓⑥」・「どうぐのはたらき(ひ)」です。今週6年生の授業を見ていますが、深い読み取りと活発な意見交換には感心しました。私も指導した物語文ですが、遠く及ばないダメ授業だったことは苦い思い出です。

063 粋と野暮(7/8)

 門の前に立って子供たちを迎えますが、通勤される人たちも含めて「おはようございます」を言う回数をカウンターを持って数えてみたい気もします。主に低学年児童へのあいさつには配慮が必要です。できるだけ顔や目を見て声をかけますが、さすがに集団で門に向かって来ると1対1でのあいさつは不可能です。ある意味集団に対してあいさつをしてしまう場面がありますが、そんな時必ずと言ってよいほど、行き過ぎてから戻ってきたり集団が行き過ぎるまで待っていたりする子がいます。自分に対するあいさつを求めているのです。ですから、教室で30数人もの児童に話をしたとしても、自分に言われていると思っていない子もいるのは確かです。

 さて、先日のニュースで、昭和4年から90年以上続く銭湯が店じまいをすることを報じていました。家風呂があっても銭湯通いを日課としてきた人も多いようで、惜しむ声がたくさん聞かれました。常連さんにとっては、番台に座る店主との何気ない会話も楽しみの一つだったと思います。また、常連同士の裸のつきあいも1対1の深い関係といえます。一方、教卓は番台ではありませんから1対1というわけにはいきません。でも、そういう気持ちを感じられるような温かな問いかけや工夫は大切にしたいものです。

  

 ニュースの最後に映された銭湯入口の木札が気になりました。板の表に「わ」、ひっくり返すと「ぬ」というひらがなが大きく書かれています。これは、「わ板(=沸いた)」と「ぬ板(=抜いた)」を表したものなのです。洒落と粋を感じます。ただ、こうした洒落や粋が身の回りから減っていくような気がするのは時代の流れなのか、少し寂しい気がします。こんなことを考えるのは「野暮」?

062 星の還暦って?(7/7)

 理科で月や星の動き、星座について学習するのは4年生。冬には代表的な星座であるオリオン座を観察します。そのオリオン座の1等星ベテルギウスの爆発が間近ではないかと言われていたようです。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンとで「冬の大三角」を構成するベテルギウスは800万歳だというから驚きです。ただ、「生まれてまだ800万歳」という表現。太陽の46億歳に比べたら、宇宙規模では子供なのでしょう。でも、その太陽よりもはるかに大きいため寿命が短く、すでに晩年を迎えているようなのですが、「爆発するまで少なくとも10万年はかかる」と研究者は結論付けていますから気が遠くなります。

 さて、今日は七夕ですが、夏の星座をいくつ思いつくでしょうか。「冬の大三角」同様に「夏の大三角」もあります。ベガ(こと座)、デネブ(はくちょう座)、アルタイル(わし座)、と名前は聞いたことがあると思います。

 アルタイルは、七夕の彦星ですし、ベガは織姫星として知られています。夜空を見上げながら、ギリシャ神話をそらんじることができたら鼻高々ですが…。私は、小さな声で口ずさむ程度にします。「きらきら星」ではなく、♪いいえ~私はさそり座の女~♪。星座板がなくても、今は便利な星座無料アプリがあります。しかも、星や星座について解説付きのものまで…。星の年齢以上にこちらのほうがびっくり!

 今晩の天気より、1週間後の15日(木)林間学校初日の天気のほうが気になって仕方ない。

061 私の日曜日(7/6)

 空飛ぶ車を開発している企業が、海外の2国間を35分ほど試作機で試験飛行したといいます。BMWのエンジンと後部に固定プロペラを搭載します。3分足らずで飛行機から道路を走る車に変身できるといい、もうSFの世界のことではなくなっているようです。

 さて、ある日曜日。午前中は施設へ。帰ってからたまたま点けたテレビで大リーグの野球中継を観ました。大谷翔平選手が在籍するエンジェルスの試合です。3塁にランナーがいる状況で打席が回ってきたので、身を乗り出すようにワクワクしていると、おもむろにレガースや手袋を外し始めるではありませんか。何?なに?なんで。おーい大谷君、一塁へ行っちゃうの~?「申告敬遠」なんて初めて見ましたし知りました。ガッカリです。この試合で2度もあったとか。

 ピッチャーが4球でも投げれば、何が起こるかわかりません。ボール球をホームランにしたり投手が暴投したり…。あらゆる可能性を最初から排除ですかぁ。試合時間の短縮が目的とするなら、大差がついたゲーム終盤に「うちの攻撃は省略するので、どうぞ相手の攻撃を連続でもう一度」なんて…?

 不満ぶつぶつ、未練たらたらで夕飯の買い物へGo。そのあと餃子作り。皮に具をのせたあと、ひだを作って閉じるのが苦手です。「自己流でもいいじゃない」と言うと、「焼く時に揃わないし、焼き目がバラバラになるから嫌なの!」というお返事。隣が2個3個と包んでいる間に、私は指先が攣る感覚で1個を完成。一人で調理しなければならない日が来ることがありませんように!でも、おいしければその苦労も報われるわけで…。調理実習で慣れない包丁を使って野菜を切る子供の心境に似た私です。

 そして夕食後は、去年観たかった映画『糸』の視聴。WOWOWでやったのを録画してくれていたのです。字幕必須の画面では知った女の子が好演しています。心の中で「元気そうですね」とつぶやきました。一日雨降りでしたが、最後は気持ちよく床についた日曜日でした。貴重なお時間を、他愛ない話にお付き合いさせてしまい、すいませんでした。

060 人種差別(7/5)

 いきなり問題!下のお話の題名は何でしょう?

 “父の名はジャンボ、母はマンボ。その息子が、ジャングルで4匹の虎に出会います。食べられそうになったので、両親にもらったばかりのカラフルな上着・ズボン・靴・傘を虎に与えて食べられずに済みます。この虎たちは、もらった服や靴で着飾って「自分が一番立派だ」と争います。互いに譲らず、いがみ合って木の周りをぐるぐると追いかけ回ると…ドロドロに溶けてバターになってしまいます。服などを取り戻し、その虎のバターで作ったパンケーキを家族で食べました。”

 そう、『ちびくろ・さんぼ』という物語。1950年代に日本で刊行された絵本で、私もむか~し読みました。教科書にも載っていたような?大好きなお話でしたが、「サンボ」が黒人の蔑称で、人種差別であるという抗議から絶版に追い込まれました。

 では、写真の人形の名前は何でしょう?

  

 昭和35年にタカラが、南洋の現地人が木登りする姿をソフトビニールの人形にして売り出したところ、若い女性までが腕に絡めて歩くようになり、『ダッコちゃん』の愛称で爆発的なヒットをみた商品です。これもその後、黒人蔑視の批判を受けて製造停止となりました。タカラの社標にまでなっていたダッコちゃんでしたが…。

 これとは別に、一世を風靡した商品が『写ルンです』。これも含めて、オートフォーカス機能付きコンパクトカメラを「バカチョンカメラ」と言っていた時代があります。でも、この「チョン」は、朝鮮人の蔑称として使われていたため、「馬鹿でも朝鮮人でも撮れる」と解釈されて「バカチョン」は現在放送禁止用語になっています。

 それまでは問題視されることなく親しまれていたものや言葉が、「差別」というレッテルを貼られた途端、いつの間にか消えていきます。ただ何事もなかったかのように、忘れられてしまうということに問題が潜んでいるように思うのですが…。