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120 きれいに使う、次のために(12/1)

 サッカーW杯が始まって10日が過ぎました。ドイツに歴史的な逆転劇を展開し、コスタリカには惜しくも敗れ、明朝(4:00kick off)のスペイン戦にかける思いは選手もサポーターも一緒です。

 さて、激戦の地、カタールでの日本人らしいふるまい、あるいは精神が話題になっています。多くのサポーターが去った客席で、日本のユニフォームを着たサポーターがビニル袋を持ってごみを拾い集めている姿が話題になっているというもの。それも一人や二人でないという点や負けた試合でも行われるといった点に驚きの声があがっています。日本人サポーターのごみ拾いは、大会のたびに話題になる行為です。試合会場だけにとどまらず、ロッカールームをキレイにして去る選手についても、様々なスポーツで称賛の声が世界から集まります。

 もしかすると、義務教育課程で毎日掃除の時間があることが関係あるかもしれません。昼休みや授業後に掃除をすることに何の疑問も持たない私たち日本人ですが、海外の学校では校内の掃除は清掃員の仕事といいます。つまり、「作業」であり「職業」といえます。ある調査では、清掃を清掃員に任せる国は約6割あるようです。日本の場合、掃除は「教育」「人の道」に通じると考えられています。そして、シンガポールでも、日本や台湾に倣って学校清掃を導入したと聞きます。

 ところで、兵庫県にある寺の参拝者用トイレが撤去されるというニュースがありました。境内のトイレは、9割方ハイカーが利用するといい、登山コースに入る最後のトイレスポットでガイドブックには「トイレはここで済ませておきましょう」と紹介されているようです。でも、男女を問わず汚してもそのままだったり、トイレが汚いとSNSで文句を言われたり、トイレットペーパーがないと怒鳴られたり、水栓を壊されたり…。気持ちよく使ってもらえるように管理をしても報われず、やむなく撤去を決意したとのこと。

 心無い一部の人の行為とはいえ、先のサポーターの行為と正反対。私自身の普段の行為の針はどっちに振れるだろうと自問しています。